治すのはご自身のカラダ

70才までシャンソン歌手として活動し、フランスでも歌ったこともある女性患者Aさん。当院に通うきっかけは、妹さんの助言でした。妹さんは他県に住んでおられるので、電話での会話です。

Aさんの妹さんは、肺が弱く酸素吸入をしているとの事。そこで、妹さんの住んでおられる県の山元式新頭鍼療法(YNSA)認定鍼灸師を紹介したのです。しかし、鍼治療を勧めた妹さんは、鍼を信じていないことが分かりました。

まだ、鍼(はり)治療とはこの程度の認識なのです。こんなに優れた治療法であるYNSAがなぜ普及しないのか・・・・私自身毎日のように文章を書き、発信しているのですが、全く届きません。患者さんには、硬式ボールを使ったセルフケアを指導して効果が随分上がっているのに・・・・YouTubeも見てもらえていません。なぜでしょう?・・・・よく分かりません。

改めて、松山市針灸師協会が作ったチラシの一部を掲載します。

1 整形外科系の病気

肩こり症、変形性脊椎症、頸肩腕症候群(手のしびれ感と痛み)、寝ちがい、むち打ち症、五十肩、テニス肘、変形性膝関節症、捻挫、打撲、腰痛症、ぎっくり腰、椎間板ヘルニアなど

2 脳神経科系の病気

神経痛(三叉神経痛・肋間神経痛・坐骨神経痛)、顔面神経麻痺、自律神経失調症、頭痛、めまい、不眠症など

3 循環器科系の病気

どうき、息切れ、心臓神経症、高血圧症、低血圧症、不整脈など

4 呼吸器科系の病気

風邪ひき、せき、気管支炎、気管支喘息など

5 消化器科系の病気

胃炎、胃下垂、胃酸過多症、食欲不振、下痢、便秘など

6 耳鼻咽喉科系・口腔器科系の病気

急性扁桃腺炎、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、耳鳴り、中耳炎、難聴、メニエール症候群、歯痛、歯肉炎、口内炎など

7 泌尿器科系の病気

排尿困難、膀胱炎、尿道炎、前立腺炎、インポテンス、遺尿症、尿失禁など

8 眼科系の病気

仮性近視、眼精疲労、ものもらい、白内障など

9 産婦人科系の病気

生理痛、更年期障害、乳腺炎、冷え性、逆子など

10 小児科系の病気

夜泣き、夜尿症、小児喘息、虚弱体質など

11 内分泌科系の病気

糖尿病、バセドウ病、肥満症など

12 皮膚科系の病気

じんましん、帯状疱疹など

西洋医学とは違い専門的に分かれていません、何でもやります(手術やガン治療以外)。カラダは常に治ろうとしています。鍼治療は、その補助をしているだけです。治しているのは、ご自身のカラダであることをしっかり認識してください。興味ある方は、いつでもご連絡ください。

 

突然の患者さん

午前中は、2本のYou tube制作。その後は、11月7日「森の中に秘密基地を作ろう」という滑川渓谷の楓荘という場所でのコンサート参加のための練習・・・・と、決め込んで、普段着でくつろいでいたのです。すると、見覚えのない女性が突然入ってこられました。

「ちょっと、ご相談があるので・・・よろしいでしょうか?」

「はい、どうぞ。」

「最近、左膝と右の手首が痛くなって・・・・・そこで、月に1回通っている内科医の先生に相談したところ、それは、外科じゃ・・・と言われんです。それで、外科に行って診てもらったんじゃけど、どこも悪ないと言われて、何もしてもらえんかったんです。それを、妹に言ったら、鍼(はり)がええと言われて・・・・看板を見て来たんです。」

「どこも悪ないと言われても、痛いのは事実ですからねえ・・・・・ここで打つ鍼(はり)は、患部に直接打ちません。まず、肘や上腕を診て、脳や背骨の状態を知って頭にある治療点に鍼を刺します。すると内臓を司(つかさど)る自律神経が整います。次に首の圧痛点を探して、頭の治療点に鍼を刺します。すると内臓が整ってきます。これだけで、今まで痛かった腰や肩が良くなることも多いんです。そして、今痛い個所の治療をすることになるのです・・・・しかも、患部ではなく頭に刺すので非常に安全です。」

「私は、それまでは、元気じゃったのに・・・70才を過ぎて、急に痛いところが出てきて・・・・何とか自分で治したいと思っています。」

「私は、鍼灸師になる前は、操体法という体の歪(ひず)みを取る民間療法を行なっていたので、それは、お教えできます。」

などという会話をしながら、彼女の左膝痛の投影している足の圧痛点を、押圧。

「痛い・・・・痛過ぎ!」

「こういうところに、痛みがあってそれを取ると・・・膝が良くなったりするんです。」

と、実際に体感していただきました。それで、ある程度納得していただき、明日のご予約をお取りすることが出来ました。明日が楽しみです。

素直なカラダ

背筋や腹筋を鍛えるローラーでエクササイズをしていた50才代の女性患者Aさん。頑張りすぎて「ギックリ背中」の重くもないけれど、軽くもない程度の症状があります。特に右肩甲骨あたりが痛くて仕方がありません。そこで、自律神経を整えたあと、B点というオデコにある治療点に置鍼することにしました。

合谷診:右(右側の膝を診ることになります)

膝診:頸椎#5

胸椎#3、#4、#8

上記に対応する治療点に置鍼2本(オデコと右眉の上)すると、診断点の圧痛が無くなりました。今度は、B点という肩の治療点(正中線から2cmほど右の生え際)に1本置鍼。これがずいぶん効いたようです。

「痛い・・・・・・・・痛くて、顔の筋肉を動かせない・・・・・・・痛い・・肩が緩んでいくのが分かる・・・・けど、痛い。」

もうこの3本の置鍼で十分です。このままの状態でゆっくりしてもらいます。Aさんは、健康管理に気をつけているためか、とても素直なカラダをしています。鍼(はり)という異物が入ると、カラダがその異物を取りのぞこうと押し出し始めます。過去に2~3回鍼が飛んで床におちることだありました。今回も顔面の痛みが無くなった時は、鍼の先がわずかに皮膚にくっついているだけの状態になっていました。

「顔を振ったら、落ちそう・・・・」

と、Aさん。

普段から、水や食べ物を研究して、カラダに悪いものを入れていないAさんは、どこかちがうようです。そんな素直なカラダのAさん、「ギックリ背中」は治ったようです。久しぶりにたった3本の置鍼で終了となりました。

魚の目には、お灸

 

左足ウラに魚の目が出来た60才代の男性患者Aさん。ご自身が、カミソリで皮膚を削っていたのですが、お灸で治療できる事を伝え、早速治療することになりました。1週間に1度のペースで通院され、今回で4回目、ちょうど1ヶ月経ちました。最初と2回目は、50壮くらい米粒より小さめのモグサを魚の目の最も痛い所に置き、焼き切りました。

普段は、質の良いモグサを使っているのですが、魚の目を焼き切るには、質の悪いモグサの方が良い様です。質の悪いモグサには、モグサ以外のものが入っているので、高温になり効果があります。モグサ治療が初めてのAさん、

「これは、効く!痛みが全く変わってきた・・・・ありがとうございます。」

と、その効果に驚いています。3回目は40壮ほどにしました。すると、それから12日後の今朝、硬くなっていた皮膚が、

「ポロッと取れ・・・・足ウラがきれいになりました・・・・かすかに、痛みが残る程度。」

「それは良かった・・・・そしたら、今日が最後のお灸にしましょう!」

という事で、今回は20壮ほどで終了となりました。魚の目の患者さんと、ここまでじっくり向き合ったのは初めてでした。鍼灸の専門学校に通っているころ、「魚の目は焼き切って治す」と聞いていたのですが・・・・本当でした。魚の目はお灸で治しましょう!

学会発表は、無し

治療院中央部に、高さ40cmで3畳弱の畳部屋兼、物入れの空間があります。ここでヒマな時は、横に転がり、セルフケアの方法を考えます。その途中で骸骨のモデル(トンスケと呼んでいます)を、マジマジと見つめていると、治療点が閃(ひらめ)く時もあります。最近、患者さんの様子をフェイスブックにあまり揚(あ)げなくなったのは、新しく見つけた治療点を、YNSA学会に発表出来ず、まだ認可されていないからです。そして、運動器系(内臓を除く筋骨格)の障害は、これらの治療点で治していることが多いからです。現在では、これらの治療点は間違いないと確信しています。

今年は、コロナ禍で全国大会がどうなるか・・・とにかく、発表は出来ないそうです。そのため、来年の発表となります・・・ただ、コロナ禍が続けば、無理かも知れません。いずれにせよ、来年YNSA学会の認定試験を受ける権利をいただけるので、それに向け症例検証をしていこうと思っています。もう少し足裏の反射区を勉強する必要があるかもしれません・・・やることが、一杯です。

乳様突起

乳様突起(にゅうようとっき)という出っ張りが耳ウラにあります。この下に山元式新頭鍼療法(YNSA)の膝治療点があります。この治療点、大変良く効きます。

山元敏勝先生が、なぜここに膝の治療点を見つけられたのか?と常々考えます。この治療点をG点というのですが、AからGまでその治療点を記載してみます。

A=頚椎#1~7

B=肩、僧帽筋

C=肩関節、上腕、肘、手の指

D=腰椎、腰、膝、下肢

E=胸椎#1~12

F=座骨神経

G=膝

となり、それぞれの治療点は、生え際の正中線から耳にかけて人型を描くように並んでいます。A~Gまでもぼやっと拡散したソマトトープ(小さな人型の投影)と考えられます。すると、耳ウラの乳様突起が膝の様に見えてきます。山元先生は天才ですから、乳様突起を膝頭と直感的に気付かれたのだと思います。

このように、カラダの部位はよく似た所が随所にあります。それを見つけ、新たな治療点を発見するのは、楽しいのです。

回数券

 

今日は、午前中、2人キャンセルになったのですが、2人新患(新しい患者さん)の電話が入ってきました。人生って、こういうこと良くあります。お二人ともかなり体調が整ったので、週に1度の割合で来院されることになり、回数券を購入していただきました。

当院は、一回の治療費は4000円ですが、5枚綴りの回数券を購入すると安くなるシステムにしています。この回数券には有効期限が6ヶ月と、1ヶ月の2種類あり、

有効期限6ヶ月の場合、本来20000円(4000×5=20000)のところが、18000円となります。

有効期限1ヶ月の場合、本来20000円(4000×5=20000)のところが、16000円となります。

また、松山市在住で国民健康保険の患者さんは、松山市から1000円の助成金が出るため、

有効期限6ヶ月の場合、本来20000円(4000×5=20000)のところが、13000円となります。

有効期限1ヶ月の場合、本来20000円(4000×5=20000)のところが、11000円となります。

このシステムのため、7割の患者さんが、回数券を利用されています。結構人気があるのです。多くの患者さんに利用していただきたいと思っています。

乗馬を考える

60才代の男性患者Bさん、脊柱管狭窄と言われ歩行時に腰痛を感じ、手すりを伝って歩くのが精一杯の時もあったそうです。そこで、座ったまま移動出来る馬術を、1年前から始めました。すると、あっという間に腰痛が治ったそうです。これは一体どういうことなのでしょうか?私は、患者さんに

「カラダは60~70%水です。そして、骨は皮膚に覆(おお)われた水袋に浮いています。この骨を支えているのが筋肉です。その筋肉の周りに筋膜があり筋肉の中には、細いソーセージの様な筋肉があって、その周りも筋膜が覆っています。その筋肉にも、もっと小さな筋肉が束になってあり、筋膜が覆っています。ちょうど、このヘチマタワシの様なのが筋膜です。」

と言って、トンスケ(骨の模型)にくっつけたヘチマタワシを見てもらいます。そして、

「内臓もこの筋膜に覆われていて、筋肉や骨とも繋がっているのです。この筋膜ですが、東洋医学の三焦(さんしょう)という見えない臓器に当たると考えられます。また、この筋膜はコラーゲンで出来ていて、電導体となって微妙な電気を流しています。そして、筋膜の流れが12あり、東洋医学でいう経絡(ツボの流れ)と一致しているのです。ですから、皮膚に鍼を刺すことで、内臓に影響を与えることが出来るんです。そして、もう一度言います、骨も内臓も水に浮いているんです。簡単に動くんです。」

Bさんが乗馬をした時の姿勢を考えてみましょう。下肢(特に両膝)を固定し、馬の動きを上半身に伝え、背骨を揺らします。この揺れに対してカラダは無意識の動きをします。すると、脊柱管狭窄と言われていた背骨もあっという間に元に戻るのです。何故なら、骨は水に浮いているからです。

一回の乗馬、45分で4000円。当院の治療費と同じです・・・乗馬を選んだ方がいいかも?

併用中

 

60才代で林業の仕事をされている男性患者Bさん、夏バテで来院されました。今年の夏は、雨が多く仕事が出来ない時期もあったのですが、急に残暑が戻ってきて、体調を崩されたようです。

自律神経と関わりのある、脳(大脳、脳幹、小脳)と脊柱(頸椎、胸椎、腰椎)の状態の診断は、上腕診(肘窩横紋、上腕二頭筋)の押圧で行われます。ただ、この上腕診で全く反応がない高齢の患者さんがいたため、苦肉の策として膝診(山元式新頭鍼療法では、肘=膝という見方があるため)を始めました。しかも、頭に置鍼するだけでなく、足にも頭のような治療点があるのではないかと思い、パイオネックスという置き鍼を足にしています。

ところが、大きな落とし穴がありました。膝の圧痛点が取れた後、上腕の圧痛点が取れているかどうかの確認をしていなかったのです。そこで、確認をし始めると、膝の圧痛点が無くなっても上腕に圧痛点が残っていることもありました。これでは、自律神経を整えたとは言えません。

そのため、現在では上腕診と膝診を併用しながら、足のパイオネックス置鍼と頭の置鍼をしています。この利点は、診断個所が2カ所あるため、より丁寧に診断と治療ができることです。まだ、模索中のため、詳細は記載できませんが、なんとか確立したいと思っています・・・・時間がかかりそうです。

さてBさん、

「この頭の鍼は、トニックシャンプーしたみたいに、数日間頭がスッキリするけんええんよ。」

と言ってニコニコ顔で帰られました。

静電気

今から20年ほど前、操体法を東京の三浦寛先生から、学びました。警備員生活をしながら三浦先生の施術を見学し、セミナーに参加しながら学んでいました。当時の施術は「皮膚に問いかける」という不思議なものでした。患者さんの訴える症状と歪みを診断しながら、圧痛点を探し指先をその圧痛点に軽く触れるだけの施術でした。

患者さんは気持ち良さそうに、ベッドで眠り、三浦先生もコクリコクリと舟をこぎ、それを見ている私も急に眠気に襲われ、眠ってしまう・・・そんな、施術でした。結果、患者さんの歪みが取れてくるのですから・・・・驚きでした。そして、

「これは三浦先生だから出来ることで、俺には無理だ。」

と、諦(あきら)めていました。ところが、セミナーに参加し基礎から学び応用編である「皮膚に問いかける」技術をある程度身につけると、いつの間にか、指先を触れる施術で患者さんの歪みが取れていくのが実感できるようになりました。何故この指先による「お手当」で患者さんのカラダに変化が起きるのか・・・・・よく分かりません。

私は、理数系の頭を持ち合わせていないので、そのメカニズムを説明できません。ただ、静電気のような電気の流れが生じているのでは・・・・と感じます。そこで、静電気に関するかんたんな説明があったので、下記に記載します。

『静電気とは、物体の電気のバランスが崩れている状態、もしくは、バランスを崩している電気そのもののこと。

そこで、まず基本として押さえておきたいのが、物体は+と-の電気をそれぞれ同じだけ持っていて、電気のバランスがちょうどいい具合になっていること。+を多く持ってるわけでもないし、-を多く持ってるわけでもない。

しかし、異なる物体同士がこすったりなどして接触すると、この衝突によって、ある物体の「-の電気」が他の物体にうつっちまうことがあるんだ。その結果、-の電気を取られた物体の電気のバランスは、マイナスの電気が減って+が多くなってるね???逆に、-の電気をぶんどってしまった物体は、マイナスの電気が多くなってる。

つまり、両者ともに接触することで電気のバランスを崩してしまったんだ。で、この電気のバランスを崩れた状態のことを「静電気」と言ったり、もしくは、このバランスを崩している電気自体を静電気と呼ぶこともある。

たとえば、+が多い物体だったら+の電気、-が多い物体だったらマイナスの電気が静電気ってことね。』

とあります。バランスを崩した状態にある時のマイナスの静電気の移動をイメージすると何となく分かる気がします。スマホやタブレットで指先操作するのは、画面上のマイナスの電気が指先で吸収され電流を起こすので機能するそうです。

ということは、患者さんの訴える圧痛点は、バランスを崩している顕著な個所のため、指先で触れることにより、お互いの皮膚を通してバランスを取る現象が起こるのかも知れません。今回は、この指先を触れる操法のYouTubeを制作しました。非常に短くまとめているので見やすいと思います。