ギックリ腰寸前の患者さん

40才代の男性患者Bさん、2日前歩行中に、腰が抜けた様な状態となり、ギックリ腰寸前となりました。前屈みがしづらく、無意識に両手で腰を保持しています。恐る恐る歩行しているのが分かります。治療用回転イスが低いため、もう少し高いイスに変えることも出来るのですが、低いイスでも大丈夫だそうです。

合谷診:左

膝診:頸椎#2、#3、#4、

上腕診:腰椎

首診察:左三焦

置鍼:左A点、左D点、左三焦治療点(頭頂部)

基礎治療後、12脳神経の#6(三焦・外転神経)に置鍼。これで、左側の腰痛がかなり軽減しました。次に痛みが強い右腰を狙って右D点に置鍼。右側の腰痛もかなり軽減。ここで、デルマトームの絵を見てもらい痛みの残っている部位をチェックしてもらいます。ちょうど胸椎#11、#12あたりに痛みが残っているので、左E点#11~12あたりの圧痛点に置鍼。

これで、ほぼ痛みがなくなりました。10→1。次回の来院を促すも、「はい分かりました・・・でも、大丈夫そうです。」と軽快に帰宅されました。後日、職場の同僚が患者さんとして来られ、「Bさん、翌日から元気に普通にやっていました。」との情報をいただきました。

気象病再び

ていねい通信というホームページで、気象病に関する記事があったので、コピーします。

『天気病(気象病)とは、寒暖差や気圧、湿度などの変化により自律神経が乱れることで起こると考えられています。潜在的な患者数は1000万人にものぼるとも言われており、頭痛やめまい、疲労感、関節痛などに加え、鬱のような精神的な症状も引き起こします。』

『天候の変化で気象病を引き起こす原因としては「内耳」が関係していると考えられています。内耳は耳の鼓膜の奥にあるカタツムリのような形をした器官で、耳から受けた情報を脳に伝える働きをします。』

『近年、この内耳は気圧の変化を感知する能力があることが明らかになりました 気圧など天候の変化などで内耳のセンサーが感じ取り、その情報を脳に伝えるのです。』

『内耳のセンサーを正常にしやすくするためには、耳周りの血流をよくすると良いです。耳周りの血流を良くするために、耳のストレッチをしましょう。』

『東洋医学では天気病(気象病)の原因として、湿気が考えられています。天気病(気象病)が起こりやすい梅雨や台風の時期は雨が多いことから、過剰な湿気による「湿邪」が体不良を引き起こします。湿邪が体に影響すると、全身の水のめぐりが悪くなり、頭の重さ、むくみ、めまいや倦怠感、吐き気の症状が出るとされています。』

『湿邪を改善させるには、体の水をめぐらせる必要があります。わかめなどの海藻類、きゅうり、ゴーヤなどの瓜類、小豆や黒豆などの豆類は体の水をめぐらせやすくします。』

最近来院される患者さんの多くは、この気象病に当てはまるように思います。本日来られた右腰痛の30才代の男性患者Aさんは、昨日は右耳が詰まった感じがあったとあるのは、上述の内耳の血流が悪かったせいだと思います。ちょうど、右腰痛の治療点が右耳前部にあるので、置鍼したところ、一瞬で耳のつまりが取れました。二日前に来院された時の痛みが10なら今は2ということなので、今回で終了となりました。今週から天気は良くなりそうなので、痛みの再発がないことをお祈りします。気象病

足底のしびれを取る!

 

 

60才代の女性患者Bさんは、1日中両足底がジンジンと痺れ小指側に痛みがあります。また、右下肢全体に痛みがあります。山元式新頭鍼療法(YNSA)では、足底と足甲の痺(しび)れに効く治療点があります。私はあまりこの治療点を使っていなかったので、今回は、

「ちょっと待ってください・・・・・場所をしっかり確認してから(YNSA症例集:p63を見て確かめました)・・・うん、大丈夫です。」

と、初心者マーク丸出しで治療に取りかかりました。図のように、モミアゲの両端が治療点です。丁寧に圧痛点を見つけ皮膚に対して直角に鍼をさします。

「これで、どうですか?」

「・・・・・うん?・・・・何かいいみたい・・・・ジンジンしない。」

即効性のあるYNSAは、早くも結果を出しました。

「あとは、お灸で太ももの痛みをとっていきましょう。」

と、見つけた足の治療点に10壮お灸をして、終了となり、翌日治療することにしました。

二日目に来院され、

「先生、太ももも痛くないし、足底のジンジンもない!先生凄い!」

YNSA恐るべし!

大腿部痛を治す

高校生の時、何回か来院していた男性患者Aさん、他県の大学生となっています。愛媛松山に帰郷したので、来院されました。右大腿部が張って痛みがあるそうです。2ヶ月前に来院された時も、右大腿部痛を訴えておられ、側頭部のIソマトトープに置鍼し良くなり、トルコの医師に教わった治療点置鍼で痛みがなくなりました。

合谷診:右(右側を診ます)

膝診:頸椎(1)

首診:右膀胱(1) 右三焦(1)、右脾(1)、左大腸(1)

上記で、自律神経と内臓を整えました。これからが右大腿部の治療となります。今回は、立て続けにI、J、Kソマトトープと、トルコ人医師の治療点、後頭部のマスターキーを置鍼しました。

「どうですか?」

「・・・・・痛くない・・・痛くないです。」

これで、終了なのですが、念のため足に見つけた治療点を、てい鍼で押圧すると激痛があるため、お灸を2カ所に4壮して終了としました。

「近くの鍼灸院に行って、鍼治療を受けると患部に鍼をさすんです・・・・(松山で)頭に鍼をさすと言ったら、びっくりされてました。」

と、淡々と話をするAさん、Aさんには、山元式新頭鍼療法(YNSA)があうようです。こんなに安全で即効性がある治療法なのに、一部の人にしか知られていないのが、残念でなりません・・・地道に努力!

Cさん、続報

 

2週間前、1日中眠くてどうしよもない状態が続いていた30才代の女性患者Cさんの続報です。2週間前は、バスから降りていつの間にか道に倒れ込み寝てしまうほどでした。現在、眠気は無くなったのですが、一番気になるのは、側頭部の痛みです。

「仙骨を温めると調子が良いんです。」

と突然Cさんがポロッと発言されました。「そうですか・・・それは、良かったですね。」と反射的に応対したのですが、よくよく考えるとデルマトーム(皮膚分節)と関係があると思いました。写真のようにS1~5は、下半身の青い部分に神経支配があります。そのため、仙骨を温めると下半身も温まるのだと思います。次回の治療時にその説明をしようと思います。

さて、Cさんの側頭部痛ですが、Jソマトトープ及びKソマトトープが効果的でした。頭頂部を境に両親指の第一関節から末端までの大きさで頭の治療点があります。その側頭部にあたる圧痛点を見つけ、4本置鍼。

「どうですか?」

「・・・・・あれ?痛くない・・・・さわっても、硬いのがなくなっている・・・すごい!」

諸先輩が、Jソマトトープ、Kソマトトープの効果を発表されていますが、本当に効きます。これには、置鍼をした私自身が驚いてしまいました。頭痛には、Jソマトトープ、Kソマトトープ!です。

壁に感謝

 

長距離運転の仕事が入ったので、体調管理のため来院された30才代の男性患者Aさん。Aさんは、置鍼後の反応が早いのです。

「先生、全身が疲れとるんじゃけど、特にふくらはぎ・・・・長距離運転するけん・・・診てください・・・・前回の花粉症の治療で、花粉症良くなりましたわ!」

「それは、良かった!」

前回は目と鼻の治療点(オデコ)と、肺、舌咽神経の治療点(頭頂部)に置鍼したあと、オデコにパイオネックス(円皮鍼)を4個貼ったのが効いたようです。次回から花粉症の患者さんには、パイオネックスをおすすめしようと思います。Cさんの自律神経と内臓の状態を整えたあと、やはり両ふくらはぎに張りが残りました。このふくらはぎの張りにはデルマトーム(皮膚分節)を考慮した置鍼が一番効きます。写真で見るとブルーのS2の個所です。このS2の治療点が耳の前面(D点)にあり、正確に置鍼すると一瞬で緩みます。

「先生、鍼が刺さった瞬間、ふくらはぎに血が通うのが分かりましたわ。」

反応の早いCさんは、左右2本の置鍼で緩みました。全ての患者さんがCさんのような反応ならば良いのですが・・・・決してそうではありません。本日の急患の男性患者さんは、全く反応がないような状態でした。なぜこんなに違いがあるのかを考えるのは、次のステップとして必要なことだと思います。こういう壁に感謝です。

足に触れて治す

70才代の男性患者Cさんは、月に1回健康管理のために通院されています。Cさんには山元式新頭鍼療法(YNSA)と操体法の指先で軽く触れる操法を融合した施術をしています。前回、軽く触れる場所は、頭部の山元式新頭鍼療法(YNSA)治療点でしたが、今回は見つけた足の治療点に指先で触れることにしました。

Cさんは、3年半前から週一回の通院で、両膝痛が徐々に良くなり、ゴルフコンペで1ラウンドを回ることが出来るようになりました。また、Cさんはお教えした操体法をしっかりされているので、治療は全て操体法です。まず、膝診、首診を行い、骨盤の調整をして、足指を丁寧に揉む操法を25分。

合谷診:左(左側を診断します)

上腕診:左頸椎

膝診:左胸椎(#11、#12)、左腰椎(#4、#5、#6)

首診:左腎、左肝、左三焦、左脾、左小腸、右大腸、右三焦

これで、かなりカラダが緩みます。その後、見つけた治療点にそれぞれ3分間中指を触れるだけです。

「OKグーグル、タイマー3分お願いします。」

「3分ですね、ではスタート!」

施術時間を患者さんに知らせることで、安心感が生まれるような気がするので、あえて行っています。

「カラダのほうで、何か変化がありましたら教えてください・・・・眠くなったら眠っていただいて結構です。」

もうこの時点で、Cさんは眠りの体勢になっておられます。無意識の動きが足や手に出ています。Cさんは、意識があるにも関わらず、カラダが緩ん眠った状態になっています。今回は、頸椎、胸椎、腰椎の治療点に3分ずつ指先を置き、膝ウラ及び肘の緩みを確認しました。鍼を刺す代わりに、指先の触れで診断点(膝ウラ、肘)が緩めば、治療となります。

今度は、腎の治療点に指先を3分置きます。これは、ずいぶん効いたようで全ての診断点(首にあります)が緩みました。これで、治療は終了となり、Cさんには、5~10分ベッドでゆっくりしていただきます。

今後もCさんには、この治療法を行っていこうと思います。

感性豊かな患者さん、続報

 

感受性豊かな30才代女性Cさんの続報です。生理前に調子が悪くなるのに、今回は調子が良かったそうです。ところが、今回は生理が始まった途端、調子が悪くなり、朝中々起き上がることができず、這(は)いつくばって移動。歩くことさえ出来ない状態が続いたそうです。

「前回は、お灸を中心に治療しましたが、今回は何がいいでしょうか?」

「・・・・・・・鍼がいいです。ここ(頭頂部)の50円硬貨の範囲が、指で押しても動かないんです。頭に鍼をして欲しいです。でも前回のように(頭頂部が)熱を持っていることはありません。」

「なるほど・・・ここに来られる患者さんの多くは、右の骨盤が上がって右の骨盤がうっ血して、右脚が短くなっています。これは、腸管膜根(ちょうかんまっこん)という小腸の根元がストレスで縮んで右骨盤が上がってしまうから起こるんです。ですから、まず骨盤を整えてから、鍼治療をしましょうか?」

と、骨盤を調整してから鍼治療を行いました。Cさんに置鍼をすると様々な反応があります。例えば、右脾の治療点(頭頂部)に置鍼すると、

「あれ?ここ(右三角筋後部繊維)の痛みがなくなった!・・・・今朝からずっと痛くて・・・バイク事故に遭ったような鈍痛で、腕が上がらなかったのに、楽に上がる!」

「ええええ~、そうだったの・・・なんでじゃろ?右の脾臓は、経絡の流れからすると足の親指から股関節そして大包(たいほう)という脇の下までじゃけん、右上腕近くまで流れとる。右脚が良うなると右上腕も良うなるし・・・・何か関係あると思う。」

などと、推測するのです。また、Cさんからこんな質問がありました。

「心臓がハーハーしんどくなると、決まって薬指が茶色っぽく変色するんですけど、何でしょう?」

「・・・・・・・・何でかな・・・・よく分からない・・・」

と答えを見つけることができなかったのですが、Cさんが帰られたあと(Cさん、「歩ける!」って喜んで帰られました)ゆっくり考え直しました。

『ええ~と、薬指は三焦(さんしょう)・・・三焦は・・・・そうじゃ、心包(しんぽう)と陰陽関係・・・・・つまり、心臓と関係がある!』

と、気づいたのです。次回Cさんに説明します。

追伸:頭頂部の動かなかった皮膚も動き出しました。

感性の鋭い患者さん

 

感覚の鋭い患者さんから学ぶことばかりです。今回の患者さんは、1日中眠くてどうしよもない状態が続いている30才代の女性患者Cさんです。昨日は、バスから降りていつの間にか道に倒れ込み寝てしまうほどでした。そのため、来院。特に生理1週間前から、ひどい眠気に襲われるそうです。Cさんは、カラダの状態を言語化することに優れているので、リアルに伝わってきます。

「(今まで眠っていたのに)起きて来た!」

Cさんの脳幹治療点(オデコの生え際中央部)に置鍼したときの一言です。脳幹は、自律神経に携(たずさ)わっている非常に重要ところ。Cさんは、眠気から覚めてきたことをいち早く感知され、目の輝きが全く違ってきました。そこで、内臓の状態を診断する首診をして、見つけた足の治療点にお灸をすることにしました。左腎、左膀胱、左子宮の治療点にお灸をすると、

「左の子宮が動いている感じがある!」

「・・・・今度は、左右の子宮が動き始めた・・・・内臓を守るために、伏せていたのが起き上がるようになってきた・・・・血色(足の)がよくなってきた。」

今度は、右足の治療点にお灸。

「内臓が暖かくなってきたので、勝手に背筋が伸びてきた・・・・首が上がる・・・・重力に勝てた!・・・・いつも足が冷えるので、靴下をはくと、逆に汗で冷えてくるので、はだしでいるんです・・・でも、手足が温くなってきた。」

と、カラダの変化を伝えていただきました。カラダが冷え気味のCさんには、足のお灸は効果的だったようです。Cさんには、しばらく続けて来院するようにお伝えしました。Cさん、良くなりますよ!

痛みの大経験者

大病や大ケガをしたことがない私にとって、痛みを実感する機会が患者さんに比べると、どうしても、少なくなります。そこで、60才代の男性患者Aさんの実体験を伺うことができました。

「先生、首から上の痛みちゅうもんは、ものすごいんよ。ここに通う以前は、雨の降る30分前に三叉神経痛が・・・・カミソリで切られるような痛みで・・・・雨が降りだすと、おさまるんじゃけど。雨の降る30分前が一番気圧が下がるんじゃろね。今は、痛みじゃのうて眠気が来るだけじゃけん、しれとらい。」

「それと、気温が36~37℃になると、やっぱり左半分の頭痛がくるんよ。群発頭痛は、また違うてうっとうしい感じなんよ。これは、酸素を吸うと治っていく。」

Aさんの場合、40~50才代にかけて5回の手術を行い、仙骨にボルト8本とチタン合金も入っているため、元々繊細なカラダがより繊細になったのだろうと推測します。この痛みに対する経験者からもっと色々学んでいきたいと思います。