完敗

 

間欠性跛行(かんけつせいはこう)と呼ばれる歩いてしばらくすると、腰痛で歩けなくなる症状の70才代の男性患者Aさん、5回の治療にもかかわらず、全く改善できませんでした。間欠性跛行には、閉塞性動脈硬化症と腰部脊柱管狭窄症の2つのタイプがあり、Aさんは後者のタイプです。理由は前傾姿勢になって階段の歩行は出来て、両脚にしびれ、痛みが生じるためです。前者は、片方の脚に痛み、しびれが生じるようです。

Aさんは2年前に散歩中、急にこの症状が出ました。1年前に手術をしたのですが、治らず当院でも治らず・・・・誠に申し訳なく思います。そこで、今回は操体法を行い、魂合気創始者の大野朝行先生のマノスエ(自然の摂理に沿った)の姿勢、歩き方などのDVD一緒に見て勉強しました。
私の鍼灸治療の限界です。そこで、私は新たな体験をする事にしました。現在新幹線に乗って、名古屋に向かっています。大沼四廊先生という血流浄化の医学博士が開発された治療法受けることにしたのです。

これは、後日ご紹介します。特に私は疾患を持っているわけではないのですが、物理的には血液の流れがスムーズで、血液の質が良いことが、健康の条件だと思います。それを徹底的に追求されておられるのが大沼四廊先生です。

新幹線を降りて、地下鉄に乗り先生の治療院近くの公園で、ちょっと休憩中です。完敗からの立ち直りに乞うご期待を!

追伸:iPadを大沼先生治療所に置き忘れたので、3日遅れで書いています。

 

 

進化あるのみ

1ヶ月に1度、体調管理で通院されている50才代の女性患者Cさん。今回は右の頭頂部から肩甲骨にかけてマヒして感覚がないような感じだそうです。かなり苦しそうです。よく伺ってみると、来月国家資格の試験があり、その勉強が進まずストレスを抱えておられます。

「年のせいか、中々覚えられなくて・・・・」

「それって、マスクのせいではありませんか?チョット酸欠状態になってしまって、血流にも影響があるのかも知れませんね。」

「そうです、マスクの耳ヒモがきつくって・・・・息苦しいし・・・」

「今日は、仙骨呼吸というのをしてみましょうか、これは深い呼吸になります。」

と言って、Cさんには魂合気の創始者、大野朝行先生の提唱される仙骨呼吸を練習してもらいました。仙骨呼吸で息をいっぱい吸って高音を出すと、長時間高音が出るのに驚いておられました。大野先生のYouTubeを見ると、息はいっぱい吸って蓄えるのが良いとおっしゃっています。今まで、呼吸は吐き切れば自(おの)ずと空気は肺に入ってくる、だから吸うという意識がありませんでした。

それが、大野先生の仙骨呼吸法を体験して、呼吸に関して*も180度考え方が変わってしまいました。*もといったのは、今まで足の母趾球に重心を置くのが当たり前だと思っていたのが、踵重心が日本人本来の姿勢である事を知ったからです。もう私の頭の中はグジャグジャになってしまいました・・・・それは、さておきCさんに戻ります。私がCさんのオデコに鍼を刺すと、

「・・・・そこ硬いですか・・・・」(Cさんの弁)

「いや、別に・・・硬くないですよ。」(私の弁)

「一本目から全然ちがう、以前の2倍くらい痛いんですけど・・・・・鍼大きいのに変えたんですか。」

「あああああ・・・・最近の私の鍼、痛いんです。」

「ものすごく痛いんですけど。」

「やっぱりね・・・・踵重心にしているので、一本一本が痛いみたいです・・・その分、効果はあります。」

「(首を)押されても感覚がなかったのが、戻ってきています・・・ ものすごく効いています。」

13本の置鍼で左右のバランスが取れてきたので、終了としました。進化あるのみ。

サルタヒコ

5月31日に、萬翠荘と坂の上のミュージアムで日仏文化交流展が開催されるのですが・・・私は6月2日までの3日間、作品を作り続けます。そのため、萬翠荘へ改めて下見に行きましたが、天井が想像していた以上に高くて驚きました。近くの神社から集めてきたクスノキ15~6本の生木を全てチェーンソーで切らないと、量的に足りないことが良くわかりました。

日曜日の今日、チェーンソーを使うと、ご近所に迷惑となるので、明日の午後、一気に切って準備終了とするつもりです。私が木を積み上げるという単純な行為を夢中にやれるのは、魂合気の創始者、大野朝行先生がおっしゃるアワ(感受性、生命力)量を増やす行為だったからだと気づきました。

アワ量を増やすことの出来る、造形行為が積み木。大野先生は「サルタヒコ」と発声していくと正中線が決まってくるとおっしゃっています。今回は小声で発声しながら作ってみようと思います。積み木も治療に結びついて行く可能性があるかも知れません。

「ご自分と同じ高さの積み木を3本ゆっくり、サルタヒコと唱えながら作ってください。」

「はい・・・・サルタヒコ、サルタヒコ、サルタヒコ・・・・あれ?腰の痛みが無くなりました!」

なんてね。

マノスへの姿勢

 

「自分でお灸をするのと、ここ(鍼灸院)でお灸を受けるのとでは、効果が違う。」

施術をしている時、60才代の男性患者Bさんが突然おっしゃたのです。Bさんは、今年1月には膝の手術を予定していたのですが、4ヶ月の通院で、膝が回復し正座ができるようになりました。そして、熱心に自宅でもお灸をご自身でされています。ところが、効果が違う・・・・なぜなのでしょう?多分、多分ですよ・・・姿勢が違うと効果が違うはずです。

 

自宅でお灸を足にする場合、片足あぐらにして、かがみ込んでお灸をします。この時点で無理な姿勢になっています。魂合気の創始者、大野朝行先生の唱えられるマノスへ(自然摂理に沿った姿勢)の状態で施術を受けると、気や血の流れが良くなり効果が上がるはずです。今回は、座いすに座ったままで、マノスへの姿勢をとって施術を受けるようにお願いし、お灸のみ足の1点に25壮ほどして終了。

「・・・・皿(膝の)が動きよる・・・・ちょっと、かゆい感じ。」

「・・・膝の内側が温もってきた・・・そこと、膝は確実につながっとる。」

足に見つけた治療点は、お灸が最も効果的なようです。もうこの治療点は間違いありません。それを実証するだけの症例を沢山作りたいと思っています。

鍼とお灸の使い分け

私は鍼灸師ですが、国家資格として「はり師」と「きゅう師」の2つを持っています。ところが、はりときゅうの使い分けをあまり考えていませんでした。そこで、ヒントになる文献に当たったので、掲載します。

『 では、お灸と鍼はどうやって使い分けていると思いますか?

お灸は血の流れを良くし、鍼は気の乱れを調整する医術として発生したと古来より考えられています。東洋医学の専門家は血と気の言葉の背景にある意味がわかりますからこの説明が一番簡潔なのですが、それ以外の方には良くわからないと思いますので、私なりの簡単な言葉での解釈を付け加えます。

ヒトは体の調子が崩れてきたとき元に戻りたいという現象として「症状」が表れます。この時はまだ体力があります。鍼治療で大丈夫です。

身体を休めずに同じ生活を続けると体内で熱を作る力が衰え冷えを受けやすい状態になります。灸治療が必要です。

体力のある病気の人に対しては鍼治療単独で緩解しますが、体力を消耗し身体が冷えを感じている人や長期間患っている病気の人は、灸治療が必要だという事です。体調が少しくずれた患者からガン患者まで鍼灸治療が幅広く適応なのはこんな理由からです。』

と半年前に書いていて、それっきり書いていない文章を見つけました。もうすっかり忘れていました・・・・・ただ、最近は、頭に置鍼した後、足にお灸をすえるパターンが多いことに気がつきました。お灸に使うモグサの減り具合が顕著です。しかも、紫雲膏をたっぷり盛って大きめの艾炷(がいしゅ)を乗せて火をつけるのですが、患者さんは熱さを感じることなく、カラダは反応するという現象が起こります。

患者さんは、「なぜ?」とした顔をみせるのですが・・・・私自身も説明する事ができず、「何でじゃろ?よう分からんのです。」

と答えるのですが・・・それだけでは、申し訳ないので、

「皮膚付近は40°C位になって、いい状態になってるし、多分紫雲膏の成分も染み込んで効果が出ているんだと思います。」

と言い訳程度にしゃべる事もあります。そんな昨今、鍼からお灸に移行しつつ、鍼治療も極めようとしています・・・・マノスへ(自然の摂理にかなう)の姿勢で!

和顔愛語

今日は父親の命日。26年前の5月12日に67才の若さで亡くなりました。丁度今の私と同じ年齢です。胆嚢の摘出手術から1週間後に亡くなりました・・・・手術前には、今後のスケジュールがいっぱい書かれてありました。さぞかし、悔しい思いだったことでしょう。私が長生きをして、父親の無念を晴らします。弟は花校長と呼ばれていた父親(中学校の校長時、生徒には花を育てる優しい心を育(はぐく)む指導をしていました)の遺伝子を受け継いで、地域を花で活性化しようと努力しています。河之内という我が故郷は弟に任せます。

 

お墓の掃除を母親と一緒にして、父親の大好きだったお酒をご先祖様の神棚にお供えしました。私で出来ることは、このくらい・・・

私は、カタカムナという日本固有の自然の摂理に従った思想、生き方を治療に生かせる方法を見出していきたいと思っています。これからの10年でアワ(生命力、感受性)に満ちたカラダをめざし、この治療院をアワに満ちたイヤシロチにするのが大いなる目標です。

山元式新頭鍼療法(YNSA)の創始者・山元敏勝先生、魂合気の創始者・大野朝行先生に出会えた幸運と佐伯清明の息子として生を受けた幸せに感謝。

父親が残した唯一の小冊子にこんな言葉がありました。

「子供は、性格の明るい教師に叱られても恨み事は言わないが、暗くて陰険な教師には、小言を言われただけで恨み続けるものです。“和顔愛語”教師自身が性格改造していきたいものです。

実家の床の間に”和顔愛語“と掛け軸が掛かっていたのは、コレだったんだ!

マノスへ

日本人の自然摂理に従った姿勢、呼吸法、歩き方を含めた動き、生き方、考え方を感受性を研ぎ澄ませることで体得出来るのが、カタカムナ(古代文字)と合気道を融合した魂合気だと思います。

魂合気の創始者、大野朝行先生の著書「カタカムナ・上古の生き方に学ぶことが感受性 生命の神業」に出会い、また1度だけですが先生のワークショップに参加出来、お酒もご一緒出来たのは素晴らしい体験でした。先生の著書の中で「マノスへ」という言葉が良く出てきます。これは、自然に沿った動き、姿勢の事でこの状態を保つことで、生命力、感受性が高まるとされています。

この姿勢の素晴らしさは、重心を踵(かかと)に置くことで、全身がゆらゆらたなびく感じになり脱力状態になることです。この状態になり踵(きびす)を自由に返すことで、四方八方瞬時に移動出来ます。また、やや不安定になることで、深層筋が無意識のうちに動きカラダを活性化するのです。

操体法の治療法で無意識の動きを活用することがあります。それを、日常の姿勢で常に深層筋の動きを強いることは途轍(とてつ)もないことだと思います。西洋文化の影響を受け、イスや靴の生活になり生まれてきた生活習慣病を、マノスへの姿勢を体得することで解消していけると思います。今後ともゆっくりとこの書を読み、少しずつ学んでいこうと思います。

今日、地下足袋を買ってきました。外を歩く時はワラジの代わりにこれがいいと思っています。

カラダの声を聞く


2ヶ月半前に右偏頭痛と右奥歯痛で来院された50才代の女性患者Cさん。その治療以降、美味しくご飯を食べる事もでき、痛みもなくなって快適な生活を送っておられました。ただ、最近になって疲れが出てきて・・・・そろそろ鍼治療を必要と感じ、来院されました。

「前回の治療で、左側ばかり鍼刺したでしょう・・・・アレで、左側の血流がドクドクと聞こえる感じになって、体調良くなって・・・・頭が痛く無いって、こんなに楽なんだと感じて・・・あれから、ご飯が美味しくて!」

と話していただきました。やはり合谷診で左右の偏りをしっかり診ることが大切だと再認識しました。前回のCさんの訴えは右偏頭痛と右奥歯痛だったのに、カラダは左側に偏りがあったため、17本の置鍼で13本は左側。残りの4本は、右偏頭痛と右奥歯痛のための右側置鍼、患者さんの訴えと患者さんのカラダの訴えには違いがある事を実証する治療となりました。

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、合谷診と言って、左右の親指と人差し指の間に、軽く親指を押圧して、痛みを感じる側の治療をします。そうする事で、カラダ全体のバランスをとり自律神経を整えます。なぜ、山元先生が合谷診を考案されたのか・・・・これを考えることが、治療の質を向上させるのですが、私にはよく分かりません。ただこの「なぜ?」を常日頃心にとどめていると、その内に思い当たる事が浮かんで来ると思います。

患者さんの発す言葉と、カラダの声をしっかり心にとどめることの大切さを改めて勉強できた一日でした。

積み木

 

私のライフワークに積み木があります。1979年に発表して43年も経ってしまいました。いわゆるバカの一つ覚えであります。大学院の学生(結局、大学院は修了できませんでした・・・これで、人生も随分変わったと思います)だったので、先輩ズラして後輩の石原恒和氏や畠山直哉氏にビデオや写真を撮ってもらったのですが、大変贅沢な時間だったと思います。

石原氏は、ポケモンの創始者で株式会社ポケモンの代表取締役です。畠山氏は若くて紫綬褒賞を受賞した天才写真家です。この2人と共同生活をしていたのですから・・・・2人の天才は、私との会話は退屈だったと思います。レベルを下げて話をしていただいたのをはっきり覚えています。

まあそんな私ですが、魂合気の大野朝行先生との出会いで、積み木の積み上げ方が変わります。今まで以上に、生命力の集積された造形物になることでしょう。そんな思いでクスノキを糸切りノコでボチボチ切って5月31日(火)萬翠荘での発表(5月31日から6月2日まで作り続ける予定です)を待っています。

踵重心

 

私は20年ほど前離婚し、アメリカのペンシルベニア州ステートカレッジという学園都市で、安アパートに住み、皿洗いの仕事をしていました。可愛い3人の子供とは、それっきり、人生のどん底。

こんな時、目標を持つと何とか生きていけます・・・・それは、「世界一の皿洗いになろう!」でした。そこで、まず最初に考えたのは足元。当時履いていたスニーカーに不備を感じていたので、地下足袋(じかたび)に履き替えたところ、圧倒的に作業効率が上がったのです。地下足袋はワラジ生活を靴生活に変える時に、生まれた生活の知恵だと思います。

江戸時代、人々はワラジを履いて生活していました。ワラジの素晴さは、まずエコロジー。藁(ワラ)から履き物を作るという発想は、米文化が生活の中心にあったからなのでしょう。私は友人から戴いた布でできたワラジを履いて生活しています。ワラジを履いて踵重心の生活をすると動きが軽快になります。この感覚が大切です。この感覚がアメリカのステートカレッジで皿洗いをしていた時の感覚です。

私は地下足袋の踵を使ってクルクル回転してあっという間に皿洗い、片付けをしていました。当時「ヒロ」と呼ばれており、私が夕方からのシフトで登場すると、「私のヒーローが来た!」と叫ばれ、「忍者」と呼ばれていました・・・・今では、皿洗いは不得意なのですが・・・・

とにかく、踵重心の生活・・・古来からの日本の生活を取り戻すことから、始めています。