なぜ人のカラダを診るようになったのか?

私が、人のカラダを診る仕事になっていく過程を、書いてみます。

小学生の頃は、外で遊ぶのが大好きで元気な子だったのですが、夕方になると、お腹が痛くなることがありました。そんな時、父親が私の腰背部を指圧して治してくれていたのです。クスリで治すのではなく、指圧を受けて気持ちよく治るという体験をしたのが原体験になりました。

中学生になると、勉強して良い点数を取るのに興味を持ちました。そのためなのか、胃腸の調子が悪く便秘と下痢を繰り返す日々でした。そこで、医師から「甘い物をたべるな!」と指導があり、その後体調が整っていき、結局、25才になるまで一切甘い物を食べませんでした。

この体験で、カラダと食べ物の関係性を身にしみて知りました。そのため、沖正広先生の主催する「沖ヨガ道場」に、20才で体験入門し30才の時、1週間の断食をしました。この期間に肉体労働をしても全く疲れないことに驚き、睡眠時間が4時間程度でも、朝の目覚めがスッキリして爽やかだったことに、驚きました。

この感覚を今なお覚えているので、1日1食が当たり前の生活になっています。人のカラダを診る前に、自分のカラダを整えるここからまず、スタート。  (つづく)

YNSA と操体法の融合?

山元式新頭鍼療法(YNSA)と操体法の融合?

昨日のFacebookで紹介した60才代の男性患者Bさん、左膝が痛くて引きずりながら歩いて来院されました。左右の肘を押圧するだけで左膝痛が無くなったのですが、これには山元式新頭鍼療法(YNSA)と操体法の融合だったのかもしれません。

YNSAでは、肘は同側の膝の治療点として習いました。操体法では、膝を悪化すると対角(左膝ならば右肘)に負荷がかかるので、対角の肘から治療するとなります。その後、時間の経過とともに、右膝→左肘と治療する個所を移すようになります。

先日のBさんは、仰臥位になった状態をYNSA、操体法の色メガネを掛けないで、透明な目で見ました。すると気になるのが右胸郭。そこで、押圧すると今度は右肘が気になり押圧・・・・すると、今度気になるのが左肘、そして押圧。

という経過がありました。よくよく考えてみると、やはり操体法の治療法の通り左膝の負荷が、右の体幹に影響を与えていたのかもしれません。そして、対角の右肘がゆるむと、同側の左肘の負荷が表れてきたのかもしれません。今後とも、左右の肘膝の関係をしっかり検証していこうと思います。

嘘のようです!

60才代の男性患者Bさん、1週間ほど前から、左膝が痛くなり、昨日痛さをこらえて歩いたため一層悪化してしまいました。

「そうしたら、奥のベッドで仰向けになってもらいましょうか?」

Bさんは左膝を伸ばしたままでないと歩けない状態です。ゆっくりと仰向けになってもらうと右肩と右前腕に硬さを感じます。この2カ所を軽く押圧すること4~5分。すると右側の胸部がゆるみましたが、左上肢の硬さが見えてきました。今度は左肘を軽く押圧しながら触れるだけの操法を7~8分。

「さあ~これで歩いてみてください・・・・どうですか?」

「・・・・・・歩ける・・どしたんじゃろ、あんまり痛ない。」

「そしたら、もう少しやりましょう。」

再び仰向けになってもらい、足に見つけた治療点2カ所を軽くふれるだけの操法を5~6分。さらに痛みがなくなりました。最後は、座椅子に座っていただき、左膝診をして、頭に3本置鍼して終了。

何とBさんは両膝をついて、テーブルに置いた署名用用紙に名前と住所を書いてくださいました・・・・あれだけ痛がっていた膝が・・・嘘のようです!

国宝を治療家として観る

「国宝を、鍼灸師としてどう観ました?」

「うん?・・・ちょっと鍼灸師としては観てなかった・・・」

「野口晴哉先生(野口整体の創始者)の弟子が映画を観に行った時、野口先生が整体師としてどのように観たのか?と、質問したそうです。」

と、患者さんから言われました。鋭い質問を受けタジタジとなったのですが、それからしばらく経ち、改めて国宝を鍼灸師としてあるいは、施術者としてどうとらえたのか考えてみました。

国宝の映画で印象に残ったシーンの1つが、田中泯さんの白塗りのゴツゴツした手。本来なら歌舞伎役者の手はあれほどゴツゴツしていません。田中泯さんは女形を演じて声は女性の声になっているのですが、山奥で農作業をしていた手が田中泯さんの生き様をさらしているため、異様な迫力で迫ってきました。

手が生き様を表現していることを改めて思い知ることになりました。施術者は手で触れて患者の状態を探ります。また、頭皮に触れないで患者さんの波動を感じ取るセンサーにもなります。触れるだけで治療をするときもあります。そんな機能的な手は、生き様そのものとなるのです。

国宝を治療家として観ると、田中泯さん演じる女形の手が奇抜、異様な「歌舞伎」そのものであった・・・・と、言うことになるようです。

肩の痛みを大腰筋で取る②

山元式新頭療法(YNSA)でヘソを中心にして左膝ならば、左肘。右足親指ならば、右手親指が治療点となります。この治療法則を理解してからは、全ての筋肉には上下で対応する筋肉があるのではないかという考えで治療点を探っています。昨日紹介したガッチリとした体躯(168cm、90kg)のAさん、右肘を引くと右大胸筋の上に痛みが出るそうです。この大胸筋の上部に対応するのが、右大腰筋ではないかと推測しmています。

つまり右大腰筋がゆるむと、右大胸筋の上側がゆるむのではないかという推測です。操体法では、「快高圧」という今昭宏先生が考案された操法があります。これは、狙った筋肉を最大限に伸ばして、屈伸してもらい、その筋肉をそのまま保持することで、その筋肉に圧が加わり血流も良くなり筋肉がゆるむ操法。

Aさんに大腰筋狙いで行いました。結果、右肘を引いた時の右大胸筋の痛みが、

10→2~3となりました。次回の施術でも同様にしてみるつもりです。

肩の痛みを大腰筋で取る①

140才代の男性患者Aさん、初めての来院です。重い物を運ぶことが多いため、ガッチリとした体躯(168cm、90kg)をされています。1ヶ月前、朝起きて肘を後ろに引くと肩の前から胸にかけて痛みがありました。その痛みが今も続いています。そこで、ベッドに仰向けになってもらいます。

確かに右肩と右前腕部が固まっている感じで、右脚が2cmほど短くなっています。そこで、右肩、右前腕部を「痛気持ちいい程度」で押圧すること、3~4分。これだけで、左右の脚がそろい、骨盤が整います。今度は、右肩を上にして横向きになってもらいます。

「下の脚をまっすぐにして、上の脚を90度に曲げてもらってよろしいですか?」

と、右臀部が安定した状態を作ってもらいます。主要なツボを押しながら太ももの外側(腸脛靱帯)を押圧・・・・・?普通なら、必ず痛がる個所。

「どうですか?痛いですか?」

「いいや、全く痛くないです。」

「えっ!・・・そうですか・・全く痛くない?」

「はい。」

多くの患者さんが痛がる個所なのに、全く痛くない。これは、Aさんが普段取っている体勢と動きに関係があると思います。重い物を運ぶ時「足は親指、手は小指」という重心安定の法則で動いていますが、長時間反復すると、「過ぎたるは及ばざるがごとし」大腿部内側に圧力がかかり過ぎているのだと思います。そこで仰向きになってもらいます。

「ここ(大腿部内側)は、どうですか?」

「痛い!」

やはり、ポイントは大腿部内側。特に大きな大腰筋が関係しているはずです。Aさんは、肩の三角筋の前側から大胸筋にかけてに痛みがあるので、その治療個所は、体幹と太ももをつなぐ「大腰筋」と推測します。(つづく)

国宝

昨日は、話題の映画「国宝」を観ました。「歌舞く」とは、常識や慣習から外れた、派手で奇抜な振る舞いをすること。そこが、任侠の世界とも通ずるところがあり、任侠人が歌舞伎役者を贔屓(ひいき)することもあったようですね。主演の吉沢亮さん、横浜流星さん、渡辺謙さんも素晴らしかったのですが、田中泯さんが、重要なポジションで歌舞伎の本質を体現しておられました。

田中泯さんは、私の大学の先輩にあたります。そのため、在学中に大学の真っ白なスタジオで、田中泯さんの泥だらけの裸踊りを観る授業がありました。当時、東洋一の肉体美といわれていたのですが・・・気持ち悪さ、奇抜さだけがココロに残りました。田中泯さんは一人で踊り、山梨県の山奥で井戸を掘り、生活され・・・暗黒舞踏の創始者・土方巽(ひじかたたつみ)さんとの交流後、暗黒舞踏の踊り手となりました。

土方巽さんが亡くなった1年後、ベルリンのクンストラハウスベターニアンという国際的現代美術センターで踊り、評価を得てから、世界各国で踊り暗黒舞踏を世界に広めました。私の友人である梅棹マヤオさんの自宅(京都美山町)でも踊られました。

「ああ、パイクか!あそこの隣りの屋根があるだろう・・・あそこで踊ったよ。」

私が20才代のころ、ニューヨークでナムジュンパイクさんのアシスタントをしていた話になり、田中泯さんからポロッと話しを伺いました。

その田中泯さんが踊る歌舞伎こそが、歌舞伎。最後に吉沢亮さんと横浜流星さんが踊る歌舞伎は、田中泯さんの指導があったのでは・・・・と、一人勝手に想像して嬉しがっています。もう一度観たい映画です。

手技のみ

突然、四国ガスの方が来られ、ガス漏れ探知機の点検をしてくれました。そのため、一階にある鍼灸院に予約時間ギリギリ入室。すると、患者さんは来られており、

「このマンガ面白いですね!借りていいですか?」

施術室兼待合室に置いている医学博士・真弓定夫先生監修の「牛乳はも~いらない」など4冊をお貸ししました。たまに、治療以外の時間を患者さんが持つと新たな発見があるようです。さて、70才代の男性患者Bさん。足のむくみが気になります。

「これからは、鍼灸にこだわらず。色々やりますよ・・・・とりあえず、奥のベッドでカラダの歪みを診ましょう。」

仰向けになったBさん、右脚が2cmほど短くなっています。右前腕と右胸郭が緊張しているので、軽く押圧。すると、Bさんのお腹が、

「グルグル・・・・」

「ほら、反応してるでしょう?」

何とこれだけで左右の脚がそろいました。4~5分の出来事です。その後は、新宿・歌舞伎町でやっていたリラクゼーションの手技で気持ちよく寝ていただきました。

手技を終えたあと、石原結實先生の著書「石原医学大全」のむくみの個所をチェック。

『むくみ=水分だから、尿量を増加させることがポイント。

[対処]  ①ゆで小豆を豆ごと食べる。・・・⑥生姜紅茶を飲む』

Bさんに紹介すると、帰宅時に、

「今日やったこと、次回もお願いします。気持ちよかった。」

と、来週の予約をいただきました。

カラダの歪みを正す

松山市で開業して10年目になりますが、それ以前は東京で鍼灸の研修(母校の治療院で)をしていました。研修以外の日は、新宿・歌舞伎町のリラクゼーション店で働く日々でした。2~3年修行したので、手技には自信ありますが、あえてこの10年、手技を封印していました。鍼灸師としてのプライドが生まれ始めたのは事実です。そして、鍼灸だけでどれだけ出来るか、試してみたかったのです。

しかし昨年、民間療法の操体法の恩師が2人亡くなるという予想もしなかったことがありました。操体法は2001年から学び続けています。

「佐伯、あれほど教えたのに、何故使わないんだ!」

と、叱られている気がします。2人の師匠のご逝去を機にあらゆる術を、患者さんに合わせて施術いたします。特にカラダの「歪みを正す」という操体法の理念をもう一度中心に置くようにします。

膝を肘で治す

80才代の男性患者Bさん、20年前から正座が出来なくなりました。そして、両膝痛で来院されました。スポーツマンで、今でもしっかりした体躯をされています。ダンベルを持ち上げ、胸の筋肉もモリモリです。ところが、歩く姿がカクカクしています。それは、仕方がないことです。

今回で4回目の施術です。今年からは鍼灸にこだわらない施術にしていますので、Bさんには、奥のベッドで仰向けになってもらいます。膝の治療個所は、肘です。丁寧に肘の圧痛点をほぐすだけで、膝が緩みます。

「これで、どうですか?歩いてみてください。」

「・・・・・・痛くないです。」

この感じで、施術を進めて50分。

「今、膝の痛みはどうですか?」

「今のところは、ありません。」

さて、この次回の経過報告が楽しみです。