首診を説明

前日は、「スーパフィシャル・バック・ライン(SPB)」という筋膜の流れが膝ウラで上下の筋膜の引っ張りあいで緊張し、オデコの筋膜に鍼を刺した瞬間、膝ウラの緊張が取れるということの説明をしました。今回は、首診を「デイープ・フロント・ライン(DFL)」という筋膜の流れから説明します。

写真のようにDFLは、足底の深部から出発して下肢深部を経て、体幹、胸部の深い部分を通っているため、内臓と深く関わっています。そして、首の深部を通って側頭部まで流れています。

YNSA(山元式新頭鍼療法)の創始者・山元敏勝医師は、首を押圧して内臓の状態を診断する首診を見つけられました。これはDFLが、足底の深部から出発して下肢深部を経て、体幹、胸部の深い部分を通る筋膜の流れで、内臓との深い関わりがあると直感され、見つけられたのだと思います。そしてその治療点を側頭部に見出されたのだと思います。ただ、側頭部の治療点の位置を見事に発見された訳は、凡人の私には、全く分かりません。

これらの内臓治療点の並びに関しては、治療経験を重ねることでいつか「ピーン」と理解が出来てくると・・・・いいです・・・・・出来るはず!

何でオデコに鍼で、膝ウラゆるむ?

私は、患者さんの頭に鍼を刺して、しばらくゆっくりとする間、

「何か質問ありますか?私で答えられる範囲でお答えします。」

とよくいいます。特に高校生には、時間が許す限り話をすることにしています。

「何で、頭に鍼を刺して膝ウラが緩むんですか?」

という質問がかなりあります。その時は、筋膜と経絡(ツボのながれ)との関係を解剖学的に説明し、筋膜の流れ=経絡(ツボ)の流れであるという事実に気づいてもらいます。

その事実を裏付けるのが、写真の筋膜の教科書「アナトミートレイン」にある「スーパーフィシャル・バック・ライン(表面的な後ろ側の筋膜のながれ)以後SBLといいます」です。

「筋膜の流れというのは、浅いところや深いところを流れていて・・・・それが、2000年前からとか、3000年前からとかいわれていたツボの流れと一致したんです。このSBLをよく見て下さい。SBLは足ウラから膝で一旦止まって、再び背中を通ってオデコで止まっているでしょう?だから、膝ウラは下と上から引っ張られて緊張しやすいんです。これは、経絡では、膀胱経の流れになるのです。

筋膜はコラーゲンで出来ていて、電気を通しやすいので、オデコに鍼を刺した瞬間、膝ウラが緩んだでしょう?あっという間に電気が通った・・・・ということは、その途中の背中にある大きくて長い筋肉が緩んだってことになるでしょう?」

「はい。」

「ということは、背骨が整ったことになってそこから出ている自律神経が整ったということになるんです。」
                              (続く)

泊町

明日は、興居島。由良町以外の泊(とまり)町からの患者さんも、増えました。明日のため、今日はこれにて、お休みなさい!

足ウラの冒険

今日は、興居島。鍼灸師なのに鍼と灸をしないで治療しました。

足指の押圧だけで背骨を整えることができます。足の治療点を開拓して4〜5年経ったように思います。まだまだ、足底は未開の場です。

一般的に、足ウラはツボがいっぱいあると、思われていますが、東洋医学の経穴は、3つしかありません。そのうちの2つは、ツボの流れには存在していない阿是穴(あぜけつ)の裏内庭(うらないてい)、失眠(しつみん)。そのため、足ウラには湧泉(ゆうせん)1つしかツボは無いという人もいます。

そのため、足ウラに治療点を探索する冒険をしているのです。俗に言われている「ここは腎臓に効く」などといわれている反射区を全く無視して、山元式新頭鍼療法の考えを推し通して見つけています。だから、面白いのです。

健康は自ら創造すべき

前回、操体法創始者の橋本敬三先生(医師)の「生体の歪みを正す」の一節、コマ運動をご紹介しました。足ユビを丁寧にほぐすことの重要性を述べておられます。そして、「足ユビが痛くないようになったときは、全身が軟らかくなっている。コワバリは歪みである」と断言されています。その一節で下記のように述べておられます。

『筆者は、若い頃(大正末期)、神経生理(東北帝大医学部、藤田敏彦教授)ところから、いきなり民間臨床に飛び出し、患者の愁訴に振りまわされ、目をまわしたものである。そして、民間療法を漁ってみた結果、民間療法に一貫していることは、彼らは自覚せずにおるけれども、運動系の歪みを是正しているという理解に達した。十数年、くりかえしてみて間違いないことを確かめた。

(中略)

健康は生活の結果であるから、他人の力で与えられるべきものではなく、自ら創造すべきである。それでこそ健康増進の可能性も期待されるのである。』

「健康は自ら創造すべき」は、当院のモットーにすべきだと改めて感じています。私は、鍼灸を軸に施術していますが、鍼灸それ自体で治しているのではないと患者さんに常に言っています。鍼灸で刺激をして本人のカラダが治しているのです。そのことに、感謝してくださいと言っています。

今年は、「健康は自ら創造すべき」をもっと徹してみようと思います。

舌診

今年から舌診を加えていこうと思い、患者さんの舌をカルテに写真で残すようにしました。石原医学大全にある舌診の個所を記載します。

『舌も色や形状には体内の水分量と血液の状態が如実にあらわれる。漢方の診察では舌苔の観察は必須となっている。舌苔は舌の表面に存在する苔状のもので、古くなって剥離した舌の上皮、食べ物残りかす、細菌からなる。

西洋医学では、舌苔はよろしくないものととらえている。急性疾患、胃腸病、便秘、熱性疾患、口呼吸、唾液の減少、口内乾燥、鼻腔栄養や点滴で口の運動がない、歯磨きを長期間怠った、不規則な生活、ヘビースモーカーなどで舌苔があらわれるからだ。

東洋医学では舌もまた排泄器官の1つと考える。舌苔は排泄された血液中の老廃物であり、体内浄化のための活動だ。断食中は排泄が活発化して、体内の浄化が進む。舌苔は熱くなり、体内に老廃物がとどまっているほど舌苔の色も白→黄色→薄茶→茶→黒と濃くなっていく。黒くなるほど血液の汚れがひどいことをあらわす。

舌が腫れる→水毒

あかんべーをした時、舌は筋肉でできているから、細長い舌がするっと出てくるのが正常な状態。しかしむくんで膨らんだ舌がぼてっと出る、なおかつ舌の辺縁がボコボコしているなら体内は水分過多、水毒状態にある。水分によって舌がむくみ、下の歯に押し付けられて歯形でボコボコになるのである。

舌の表面がつるつる→悪性貧血

舌の表面にある舌乳頭と言う粘膜の突起が萎縮し表面がツルツルになって光沢を帯びていると悪性貧血が疑われる。ビタミンB12不足による貧血である。

舌が暗赤色、舌の裏の静脈が暗紫色→血液の汚れ

舌の色には血液の状態が現れる。暗い赤色なら血行不良で、血液の汚れ(瘀血)が進んでいる。舌の裏の静脈が静脈は蔵紫色でグロテスクに膨らんでいるはずだ。

舌苔が黄色~黒→血液の汚れ

発熱時には熱によって血液中の老廃物の排泄が活発化し、黄色い舌苔が大量に発生する。舌苔が黒いなら、体内の老廃物が多く、それによって血液が汚染されていることを示す。

舌苔がほとんどない→水分過多、冷え性

舌苔がほとんどなく、さらに舌表面に水分が多い(湿舌)ようなら、水分過多。いずれ冷えや痛みやアレルギーに連鎖する。』

マスターズ甲子園

中高年の野球大会マスターズという甲子園を目指す愛媛県予選が、明日準決勝。

それに参加する40才代の男性患者Aさん、前の試合で頑張り過ぎて両膝に水がたまり、歩きづらい状態です。先日治療して、かなり良くなったのですが、またぶり返してきました。

前回は、膝に水が溜まっているのに氷水で膝を冷やしませんでした。それを反省し、しっかり氷水で冷やすこと10分。Aさんも納得の様子です。

それからは、いつものように膝診をして頭に刺鍼7本。後はG点という耳の後ろにある膝治療点に3本ずつ合計6本刺鍼。

山元式新頭鍼療法では、膝を肘にある圧痛点に刺鍼して治療します。今回は、肘の治療点に一番細い鍼を刺しAさんの様子を伺いました。

「あああ~、随分動けるようになった・・・・・(四股を踏むポーズで)、あっ、これで守備できそう。奇跡!」

さあ、明日の結果は?

なぜ描く

https://youtube.com/shorts/1mWVI-0gK5M?si=rpaz4sgj_mJDWksC

 

指先からは、確実に磁気が出ています。その指先を患者さんの頭に近づけると、微妙な波動を感じます。そのとき、診断点である膝ウラに反対の手の指先を触れているのですが、微妙な反応を感じ取ることが数多くあります。この2か所からの反応を感じれば、頭の治療点が確かなこととなります。

この感覚を磨くために、絵を描くことが最適なのです。