マノスへの姿勢

 

「自分でお灸をするのと、ここ(鍼灸院)でお灸を受けるのとでは、効果が違う。」

施術をしている時、60才代の男性患者Bさんが突然おっしゃたのです。Bさんは、今年1月には膝の手術を予定していたのですが、4ヶ月の通院で、膝が回復し正座ができるようになりました。そして、熱心に自宅でもお灸をご自身でされています。ところが、効果が違う・・・・なぜなのでしょう?多分、多分ですよ・・・姿勢が違うと効果が違うはずです。

 

自宅でお灸を足にする場合、片足あぐらにして、かがみ込んでお灸をします。この時点で無理な姿勢になっています。魂合気の創始者、大野朝行先生の唱えられるマノスへ(自然摂理に沿った姿勢)の状態で施術を受けると、気や血の流れが良くなり効果が上がるはずです。今回は、座いすに座ったままで、マノスへの姿勢をとって施術を受けるようにお願いし、お灸のみ足の1点に25壮ほどして終了。

「・・・・皿(膝の)が動きよる・・・・ちょっと、かゆい感じ。」

「・・・膝の内側が温もってきた・・・そこと、膝は確実につながっとる。」

足に見つけた治療点は、お灸が最も効果的なようです。もうこの治療点は間違いありません。それを実証するだけの症例を沢山作りたいと思っています。

鍼とお灸の使い分け

私は鍼灸師ですが、国家資格として「はり師」と「きゅう師」の2つを持っています。ところが、はりときゅうの使い分けをあまり考えていませんでした。そこで、ヒントになる文献に当たったので、掲載します。

『 では、お灸と鍼はどうやって使い分けていると思いますか?

お灸は血の流れを良くし、鍼は気の乱れを調整する医術として発生したと古来より考えられています。東洋医学の専門家は血と気の言葉の背景にある意味がわかりますからこの説明が一番簡潔なのですが、それ以外の方には良くわからないと思いますので、私なりの簡単な言葉での解釈を付け加えます。

ヒトは体の調子が崩れてきたとき元に戻りたいという現象として「症状」が表れます。この時はまだ体力があります。鍼治療で大丈夫です。

身体を休めずに同じ生活を続けると体内で熱を作る力が衰え冷えを受けやすい状態になります。灸治療が必要です。

体力のある病気の人に対しては鍼治療単独で緩解しますが、体力を消耗し身体が冷えを感じている人や長期間患っている病気の人は、灸治療が必要だという事です。体調が少しくずれた患者からガン患者まで鍼灸治療が幅広く適応なのはこんな理由からです。』

と半年前に書いていて、それっきり書いていない文章を見つけました。もうすっかり忘れていました・・・・・ただ、最近は、頭に置鍼した後、足にお灸をすえるパターンが多いことに気がつきました。お灸に使うモグサの減り具合が顕著です。しかも、紫雲膏をたっぷり盛って大きめの艾炷(がいしゅ)を乗せて火をつけるのですが、患者さんは熱さを感じることなく、カラダは反応するという現象が起こります。

患者さんは、「なぜ?」とした顔をみせるのですが・・・・私自身も説明する事ができず、「何でじゃろ?よう分からんのです。」

と答えるのですが・・・それだけでは、申し訳ないので、

「皮膚付近は40°C位になって、いい状態になってるし、多分紫雲膏の成分も染み込んで効果が出ているんだと思います。」

と言い訳程度にしゃべる事もあります。そんな昨今、鍼からお灸に移行しつつ、鍼治療も極めようとしています・・・・マノスへ(自然の摂理にかなう)の姿勢で!

アワの取り入れ

 

魂合気の大野朝行先生が、YouTubeで「アワの取り入れ」という感性を高める動きを紹介されています。これは、私が鍼を刺鍼する時に、意識的に取り入れています。患者さんにとっては、その1本が痛いようです。ただし、1本で2~3本の効果を出しているように感じます。ところが、40才代の女性患者Aさんにとっては、余りにも痛すぎて気分が悪くなってしまいました。そのため、鍼を抜きゆっくり過ごしてもらう事にしました。そして、今後の治療方針をお互いで話し合うという、今までには無い時間を過ごす事になりました。

Aさんは、今までの治療をどのように感じていたのか、素直に話してくださいました。これからAさんには、1本ずつどのように感じるのか、もう少し詳しく聞いてみようと思います。今回は気分を悪くした治療だったので、料金を頂かないで帰っていただきました。

毎日が、勉強です。

タスキ

 

 

今年は、2年ぶりに日仏文化交流展があります。前回は、コロナ禍にアートでメッセージという思いで、クスノキ(薬の木が由来)を使って祈念のインスタレーション(その場限りのアート)を作りました。今回は、その小規模バージョンで前回の1/10位の大きさになります。先日、その打ち合わせがあり、20人位集まりチラシ配布の段取りに大忙しでした。私自身は、グループ展の経験があまりないため、みんなとワイワイ楽しく過ごす時間が新鮮でした。

実家の社務所で祝い事の準備をしている感覚になり、幼い頃の場面が浮かんできたのです。当時の世話係のおばさん達は、着物姿にエプロン。日本手ぬぐいで包かむりそして、タスキをしていました。おくどさんに乗った窯(かま)からは湯気が舞い上がり、熱気に包まれていました。幸いなことに、私はまだ日本の日本らしい風景を体験しています。

この日本を突き詰めた動き、言葉、思想が大野朝行先生が追求されておられるカタカムナと合気道を融合された世界に行き着くように思います。大野先生は、少し前の日本で当たり前に使われていたタスキを奨励されています。私も治療時にタスキをするようにしました。

腰痛の人が腰にコルセットをまくように、肩にタスキをするのです。この利点は、肩甲骨と肩甲骨の間にある菱形筋(りょうけいきん)という筋肉を意識し、縮めることにあります。すると、仙骨まで軽く縮まりカラダに軸が出来るのだと思います。この姿勢で鍼を患者さんに刺すと、気の流れが全く違うように思います・・・・昔の日本は宝の宝庫!

  

紫雲膏灸

紫雲膏灸は、故安藤譲一先生が漢方薬の軟膏である紫雲膏を、お灸の熱を和らげる緩衝材として日本で初めて活用し、そのお弟子さん達が始めた灸法だそうです。私はそんな方法があるとは知らず、勝手にやっていたのですが、これは効果的なお灸で普及には最適であると思います。

今日は、足に見つけた治療点にセルフケアと、人体実験を兼ねて紫雲膏灸をやりました。山元式新頭鍼療法(YNSA)では、上腕診といって脳と脊椎の状態を診断する基礎治療を最初に行います。これで、自律神経を整えます。この上腕診と同様に膝を診断することで、正確な基礎治療をおこなうことができます。

これは、YNSAの治療法の一つとして、臍(へそ)を中心に折り曲げて対応する点を治療点としてみなしているから言えることです。もう少し具体的いうと、肘に圧痛点があれば、膝にもあり、膝の圧痛点を取れば、肘の圧痛点が取れるということです。つまり、手の親指=足親指、手首=足首、肘=膝となり、この場合の肘とは、上腕になります。

上腕診では肘周辺の圧痛、硬結を診断し、頭に置鍼して圧痛、硬結をとります。これは肘周辺がゆるむだけではなく、膝がゆるむことも意味します。

実際、私は膝診で圧痛、硬結をさぐり、頭に置鍼して膝のゆるみを確認しています。膝がゆるんでも、肘に硬結が残る場合は、もう一度頭に置鍼するようにしています。膝診は、足のアプローチによるセルフケアに最適です。見つけた足の治療点に紫雲膏灸をやり、膝診でその診断点がゆるむことを確認できるからです。

今回の人体実験とセルフケアを兼ねた紫雲膏灸で、足の治療点を確認できたのが大きな収穫です。

日本少年

 

リードギター歴40年以上のベテランギタリストが、あじさいの杜鍼灸院で練習を始め、いつの間にか私がベースギターを弾くハメになり、「あじさいクラブ」が出来上りました。つい先日、メンバーのマネージャー兼ドラム担当のHさんが、中学高校ブラスバンド部だった女性をスカウトしてきました。

この女性は、夏目漱石研究をライフワークにしており、漱石が学習院大学教授に応募したにもかかわらず、漱石を蹴落とし教授の座を射止めた重見周吉という愛媛県今治市出身の人物を描いた本『「日本少年」重見周吉重の世界』を出版されています。重見周吉は、14歳で京都同志社に進学してキリスト教に受洗し、米国留学エール大学理学部を卒業すると、直ちに医学部へ進学しました。「日本少年」はこの時、留学を継続し、医学を修める学費稼ぎのためにコネチカット州ニューヘブンで執筆された自伝的エッセーです。

このエッセーは英語で書かれていたため彼女がそれを日本語に訳しました。それ以外にも夏目漱石との比較、新渡戸稲造の「武士道」との比較など鋭い視点で描き、当時の文化人交流の様子を徹底的に調べ上げた貴重な本となっています。この本、是非ともおすすめします!「日本少年」の中で、灸(やいと)について描かれている箇所があるので、紹介します。

『僕がいまだに否応なく思い出す最大の恐怖は、やいとの厳しい試練だ。これは日本で病を癒し回避するお家芸だ。

灸とは、もぐさでちっぽけな円錐型をいくつも作ったものを背中のそれぞれのツボに置き、前に話をした例の線香で火をつけるものだ。肉が灼かれた時どういう気持ちがするか想像してみて欲しい。僕はこの残酷な施術には断固抵抗したものだ。(中略)

ところが僕は父の部屋のしきいをまたいだ途端罪人にされてしまった。しかも疾患があってもなくても、厳しい父と母はやいとをしなさいとしょっちゅう言い張るのだった。極めつけは、父が僕をじっと押さえつけた状態で母が僕の裸の背中を灼こうとしている時、僕が苦悶をあらわにしている様子だ。

どんなことにも平常心でいるよう、落ち着かせるための手段として飴をくれるという約束を交わしていたのだけれども、このときばかりは飴も一気には効を奏しなかった。僕はけたたましい声を上げて泣き(たとえ痛みがなくても泣き続けて)、足をバタバタさせてあばれた。』

とあります。世間一般には、この火傷(やけど)をつくる恐怖の羽交締(はがいじ)めが、強烈なイメージとして浸透しているのでしょう。私は鍼灸師として、このイメージを打破をする必要性を感じており、現在、紫雲膏(しうんこう)のてんこ盛り(耳かきですくって皮膚に盛ります)にモグサを置く方法で施術しています。何とこれが好評なのです。

「先生、これは気持ちがいい、いいですね~」

この言葉を信じて、試行錯誤中です。

やっと書けそう!

 

やっと、新しいipadと仲良くなり始めました。文章が書けるのでは・・・と期待しています書けなくなって2ヶ月の間に色々あったので、何から書いて良いのやら・・・・

まず、クスノキで龍を作る計画はボツ!

 

模型を作っている段階で無理だと確信したので、やめました。小型の龍を7月頃から、ボチボチ趣味で作って楽しみたいと思います。

埼玉県の大野朝行先生での「魂合気」カタカムナ文字(古代文字)と合気道の融合。これは素晴らしい体験でした。明治時代以前の日本人のカラダの使い方、歩行の仕方など一気に学ぶことが出来ました。今は、少しずつカラダに馴染ませているところです。鍼を刺すという動作が全く代わり、1本の置鍼の響きが違うように思います。

ベースギターを購入しました!

やっと自分のギターが手に入り、ベースギターの演奏家に教わった弾き方で練習すると、右手中指と人差し指にマメができました。やっと初心者のそのまた初心者になれたようです。これから、ボチボチやっていきます。

GoodNotes 5というアプリでカルテが充実。今まで使っていたアプリと比べ、記録の消滅の悩みがなくなったのが大きいです。また、このアプリはカルテに患者さんの写真を入れたり、アップルペンで直筆したり、タイプ文字を入れたり・・・何でも出来るため、治療自体がより充実してきました。

日仏文化交流展が2年ぶりに開催されるため、5月31日から3日間積み木制作を※萬翠荘で行います。今回は小規模な作品となります。

明日から、症例を載せていきます。

※旧松山藩主の子孫にあたる久松定謨伯爵の別邸として建てられた、フランス・ルネッサンス様式の洋館。皇族の立ち寄り所や、各界の名士が集まる社交の場として利用されてきた。現在では建築当時の華麗な姿を今に活かし、イベントや展示会場として利用されている。市街中心部に位置しながらも、喧騒から隔絶させられる特別な場所で、当時の大正ロマンを感じることができる。国の重要文化財。

 

 

カラダと向かい合う

1日に3回もキャンセルが続くと、さすがに心が折れるものです。特に、連絡がなくキャンセルになっていると、外出(買い物)することも出来ず・・・・こういう時は、文章を書いて心を落ち着かせるのが良い様です。今日最初の60才代の女性患者Aさんは、目が疲れています。そのため、オデコにある目の治療点に2本置鍼して・・・・それからは、おしゃべりだけ・・・前回は、硬式ボールを畳に置いてAさんがその上にカラダを乗せ、ゆっくり気持ち良さを味あっていただきました。

Aさんは、何事も言葉で理解しようとするタイプでご自身のカラダに向き合っている時も、言葉で頭を通して理解しようとしているようです。別にそれが悪いことではないのですが、少し疲れるのでは・・・・・もっと、楽な方法もありますよ・・・・と、提案するのも治療の一つ。

前回は、硬式ボールを通してご自身のカラダに向かい合っていただきました。どうやら、この方法がAさんにとって、真新しいことだったようです。今回は、その体験から、ご自身に納得できる言葉による治療を望まれたようです。つまり、言葉による理解ではなくカラダに向かいあうという事がいかに大切であるかという事を、言葉で表現したかったようです。とにかく、私はお話を聞き、AさんがAさんの答えを見つけるまでお付き合いする・・・・そんな時間を過ごしながら、私の体験談も話したり・・・

気がつくと、次の患者さんがやや早めに来られたので、オデコの鍼を取り治療をして終了となりました。今後はどの様な治療になっていくのでしょう・・・なる様になるのでしょう・・・

お灸は、きさじい

「今日は、(お灸を)足にして!」

と、80才代の女性患者Aさんが、来院するや否やおっしゃいます。前回は「鍼が合う」とおっしゃっていたのですが、意外な言葉に軽い驚きがありました。Aさんは、痛みに対して非常に敏感で鍼灸治療は本来あまり好きではありません。ところが、半年前から、左膝が痛くて歩けなくなりそうになり、親族の勧めで通院するようになり、現在は膝の痛みはありません。

体調管理のため、週に1回のペースで治療しています。私が足にやっている灸は、糸状灸という糸のように細い灸と米粒大(米粒の大きさ)の中間くらいの大きさです。そして、紫雲膏という火傷に効く軟膏を皮膚に塗り、その上にお灸をのせ線香の火をつけて焼き切るようにしています。紫雲膏の量とお灸の大きさと、患者さんの感性を見極めながら施術します。8割方は、1壮(1回のお灸)だけで、診断点の圧痛はなくなります。見つけた足の治療点は、今月から、お灸の残りカスを写真に残し治療点として記載しています。1日に1~2の症例が出来るので年内には、数百の症例は出来上がると思います。

私自身にも、このお灸をするのですが、一瞬だけ「ドン!」と熱さが来ます。その熱さからエネルギーをもらえるのです。ほんのちょっとの火が、とてつもないパワーをもたらす・・・・何という効率の良さなのでしょう!患者さんの様子を見ていても、狙った診断点のところが異常に緊張し、その後緩むのが見て取れます。ですから、治療点と確信しているのです。

これは、頭部の治療点を押圧した時の、診断点の緊張と同じ感覚です。

「お灸は、きさじい。」

ポツンとAさんが帰られる時に漏らした言葉・・・?

「きさじい???・・・・何という意味?」

「・・・あの人の仕事は、きさじい・・・なんか言うんよ。」

「きさじい・・・効率がええとか、早いとか?そしたら、お灸は即効性があるいうこと?」

「そうそう!」

伊予弁・・・・恐るべし!

患者さんから学ぶ

20年前に交通事故で右半身がマヒし、現在も右手に痺れとふるえがあり、右足も感覚が鈍っている60才代の男性患者Bさん。5回の治療をしましたが、全く良くならず、今回で終了となりました・・・・完敗です。

前回の治療では足にお灸をして、かなり成果を出したのですが、翌日には元に戻っていたそうです。私の力はこの程度です。もう一段階アップする勉強が必要です。山元式新頭鍼療法(YNSA)の創始者山元敏勝先生は、Bさんのような患者さんを、当たり前のように治しておられたのですから・・・・道は長くて遠いです。Bさんに「もっと勉強して!」と説教をしていただいたようで・・・改めて、患者さんから学ぶ事に感謝。先日は、別の患者さんから、

「先生、このYouTubeは凄いよ!」

と、世古口裕司さんを紹介してもらいました。これは、ショッキングで目からウロコがどっさりでした。これを機に、洗剤や洗濯用石鹸を重曹に変えることにしました。歯磨き粉は、重曹にココナッツミルクを混ぜたものにしていますので、重曹が生活の中心にドッカリと根付き始めています。興味ある方はYouTubeで世古口裕司さんを検索してみてください。

今から、世古口裕司さんのYouTubeを見てから寝ようと思います。