硬球操体法

鍼(はり)が怖いので、操体法で治療してくださいとか、何となく今日は操体法で・・・とか、注文をされる患者さんもおられます。そんな時、硬式ボールを使用して操体法をする事があります。また、置鍼をして、30分間ゆっくり過ごしてもらう時、硬式ボールを使ったセルフケアのYouTubeを見てもらう事があります。

このYouTubeを見た後、硬式ボールを2個1000円で買っていただいた30才代の女性患者Cさん、来院するや否や、

「先生、昨日薬を飲まないで初めて眠ることができた!・・・やっぱり、硬式ボールはテニスボールなどと全然違う、重さがあるのでカラダにいい感じで伝わってくる。」

1年以上不眠に悩んでいたCさん、硬式ボール2個を背中に当てて、仰向けになっていたら眠気がきて、熟睡できたそうです。

「背骨から自律神経が出ているので、副交感神経が整ってきたんだと思います・・・・良かったですね。それは、本当に良かった!」

半年前から通院されているCさん、初診では「眠り方が分からない。」と悩んでおられたのですが、薬を使わず硬式ボール2個で熟睡出来たことは、画期的です。そこで改めてCさんの行った背中への硬式ボール2個操体法をやってみました。私には、ちょっと刺激的過ぎ・・・・そこで、硬式ボール4個を背中に仰向けになってみました。私には、これがピッタリです。次回Cさんに硬式ボール4個を提案してみようと思います。そして、「硬球操体法」と命名しましょう。

硬式ボールで治療

50才代の女性患者Aさん、左の腰痛で来院されました。

「操体法で治してください。」

ということで、久しぶりに鍼を使用しない治療を行いました。最近は野球の硬式ボールを使ったセルフケアの指導をしているので、Aさんにはセルフケアをしながらの治療をすることにしました。当院には中央部に畳部屋があるので、施術は寝っ転がって行います。Aさんの圧痛点は左腸骨の大臀筋にあります。この大臀筋に対応するのは、肩甲骨の棘下筋という大きな筋肉です。

 

大臀筋の筋膜と棘下筋の筋膜が絡(から)みあって綱引き状態になっているので、棘下筋の筋膜をゆるめると、大臀筋の筋膜がゆるみ、腰痛が取れるはずです。仰向きになったAさんに両膝を立ててもらい左右にゆっくり膝を倒してもらいます。すると、右側に倒すと左の腰に痛みがあります。そこで、左の肩甲骨の圧痛点に硬式ボールを当て、Aさんには仰向きになってもらい、ゆっくり動きながら痛気持ち良さを味わってもらいます。これだけで、かなり左腰の痛みが無くなってきました。仰向けになって両膝を倒しても痛みが無くなってきました。

今度は、Aさんに座ってもらい、硬式ボールを左肩甲骨棘下筋に当て私が、ゆっくりゴロゴロと押圧。

「痛い・・・・・・」

Aさんは、ニコニコ顔で叫んでいます。これも、効果があったようで、左腰の痛みが一部分に残っているだけになりました。そこで、左コメカミ付近の腰痛治療点に硬式ボールを当て横向きになってもらい1分間休んでもらいます。次は仰向きになってもらい後頭部の腰痛治療点に硬式ボールをあてがってゆっくりしてもらいます。

「先生、これ効く・・・・・」

気持ち良さそうにAさんが寝そべっているので、しばらくそのままの状態になってもらいます。

「先生、もう良いみたい。」

ということで、治療は終了となりました。ほとんどAさんによるセルフケアの時間でした。

静電気

今から20年ほど前、操体法を東京の三浦寛先生から、学びました。警備員生活をしながら三浦先生の施術を見学し、セミナーに参加しながら学んでいました。当時の施術は「皮膚に問いかける」という不思議なものでした。患者さんの訴える症状と歪みを診断しながら、圧痛点を探し指先をその圧痛点に軽く触れるだけの施術でした。

患者さんは気持ち良さそうに、ベッドで眠り、三浦先生もコクリコクリと舟をこぎ、それを見ている私も急に眠気に襲われ、眠ってしまう・・・そんな、施術でした。結果、患者さんの歪みが取れてくるのですから・・・・驚きでした。そして、

「これは三浦先生だから出来ることで、俺には無理だ。」

と、諦(あきら)めていました。ところが、セミナーに参加し基礎から学び応用編である「皮膚に問いかける」技術をある程度身につけると、いつの間にか、指先を触れる施術で患者さんの歪みが取れていくのが実感できるようになりました。何故この指先による「お手当」で患者さんのカラダに変化が起きるのか・・・・・よく分かりません。

私は、理数系の頭を持ち合わせていないので、そのメカニズムを説明できません。ただ、静電気のような電気の流れが生じているのでは・・・・と感じます。そこで、静電気に関するかんたんな説明があったので、下記に記載します。

『静電気とは、物体の電気のバランスが崩れている状態、もしくは、バランスを崩している電気そのもののこと。

そこで、まず基本として押さえておきたいのが、物体は+と-の電気をそれぞれ同じだけ持っていて、電気のバランスがちょうどいい具合になっていること。+を多く持ってるわけでもないし、-を多く持ってるわけでもない。

しかし、異なる物体同士がこすったりなどして接触すると、この衝突によって、ある物体の「-の電気」が他の物体にうつっちまうことがあるんだ。その結果、-の電気を取られた物体の電気のバランスは、マイナスの電気が減って+が多くなってるね???逆に、-の電気をぶんどってしまった物体は、マイナスの電気が多くなってる。

つまり、両者ともに接触することで電気のバランスを崩してしまったんだ。で、この電気のバランスを崩れた状態のことを「静電気」と言ったり、もしくは、このバランスを崩している電気自体を静電気と呼ぶこともある。

たとえば、+が多い物体だったら+の電気、-が多い物体だったらマイナスの電気が静電気ってことね。』

とあります。バランスを崩した状態にある時のマイナスの静電気の移動をイメージすると何となく分かる気がします。スマホやタブレットで指先操作するのは、画面上のマイナスの電気が指先で吸収され電流を起こすので機能するそうです。

ということは、患者さんの訴える圧痛点は、バランスを崩している顕著な個所のため、指先で触れることにより、お互いの皮膚を通してバランスを取る現象が起こるのかも知れません。今回は、この指先を触れる操法のYouTubeを制作しました。非常に短くまとめているので見やすいと思います。

 

 

 

ホンマでっかTV


YouTubeを作りました。

7年前の「ホンマでっかTV」で山元式新頭鍼療法(YNSA)の簡単な紹介ですら、出演者の反応がすごかったので、今回はYNSAの診断方法と操体法を融合してみました。

「ホンマでっかTV」では、上腕診で脳幹の状態を診断し、圧痛点がある出演者を、病気にかかりやすい人として、ちょっとだけ脅(おど)かしていました。脳幹は、下記の『 』内にある説明にあるように、生命の維持に関与している大切な部位です。その状態を把握する方法は上腕二頭筋の中央部を押圧し、圧痛があるかどうかを診断します。圧痛があると、脳幹の状態が良くないことになります。

それでは、どのようにしてその圧痛を取っていくのでしょう?

興味ある方は、YouTubeをご覧ください。

『脳の幹をなす部分という意味で,一般に間脳,中脳,脳橋,延髄で構成されている。脳幹には,左右の大脳半球と脊髄を結ぶ上行性および下行性連絡路,多数の脳神経核,生存のための基礎的反射中枢の多く (血圧,心拍,呼吸,姿勢などの反射) が存在する。さらに,意識の適正な持続に関与する網様体が脳幹の全レベルに存在する。そのため,この部に直接的障害 (脳幹部腫瘍や血管性病変) とか,間接的障害 (遠隔病変部の圧迫による脳かんとんなど) があると,意識障害を起し,生命に直接危険が及ぶ。脳幹に不可逆性の機能喪失が起ると,大脳もその機能を保持できなくなる。イギリスではこの脳幹死をもって人間の死としている。』

大谷選手の打撃

 

メジャーリーグのオールスターゲームがYouTubeで簡単に見ることができる・・・・・と、喜んで観ていたのです。そして・・・・・驚いた事が、あります。写真に映っている選手は外野手でセンターを守っています。その選手が試合中、テレビ解説者と話をして、それが映像で流れているでは、ありませんか!もちろん、レギュラーシーズンでは、この様なことはありませんが、オールスターというお祭りでもあり、真剣勝負でもあるゲームでこのような、演出があるとは、驚きです。今は、二塁手と会話をしています。いずれ、日本でも取り入れられるでしょう。

さて、昨日は大谷翔平選手の打撃に関するYouTubeを作ったのですが、その後、言い足りない部分があったので、付け足したいと思います。まず大谷選手の構えです。脇を開け背中をそらしていますが、これは弓道やアーチェリーを彷彿(ほうふつ)させます。つまり、背筋を目一杯縮めているのです。これだけ縮め、しかも左肘(大谷選手は左バッター)を張ると自然の連動として右足踵(かかと)が上がって来ます。大谷選手はギリギリに力を溜(た)めた状態から矢を放つようにバットを振り出すのです。この時、勢い身体(からだ)は前に移動しそうになりますが、それを防ぐのが右足母指球です。身体(からだ)の軸がずれると目線がずれ、ボールを正確に見れなくなります。ですから、右足母指球の役割が非常に大切。右足母指球と踵(かかと)でしっかり踏ん張る事ができる壁を作るのです。

当然、バットは上から叩(たた)きつけますが、ボールにバットが当たった瞬間から大谷選手は大きくバットを振り上げるアッパースウィングに移行します。我々が野球をしている頃は、ダウンスイングとかレベルスイングが主流でしたが、大谷選手は、見事なアッパースイングです。投手は高いマウンドから投げ込み、重力にしたがって沈んできます。また、変化球で沈むボールが多いのが現状です。そんな投球軌跡にはアッパースウィングですくい上げる方が理にかなっています。

ただ、重力に逆らうアッパースウィングは、ダウンスイングに比べると体幹の力が必要になります。大谷選手は毎日筋力トレーニングをしているのでしょう。その成果が33本の前半戦ホームラン王。後半戦の活躍に期待しましょう・・・・・大谷選手、オールスターゲームの勝利投手となりました、おめでとうございます㊗️

YouTube作りました!

YouTubeの制作をしました。

今回は、思いをYouTubeに載せたので、文章にはしません。興味ある方はご覧下さい、3分55秒になっています。

橋本敬三先生の示唆

操体法の創始者、橋本敬三先生(医師)の著書「からだの設計にミスはない」の中に、山元式新頭鍼療法を示唆する個所があったので、ご紹介します。

『初めは私も、中枢神経の何かに損傷があった場合にはだめだろうと思ってあきらめておったんだけども、(操体法を)やっているうちにいろいろな変化が現れてくる。これは何とかなるぞ、可能性があるぞ、という気がしてきた。

脳の中の変化っていうのは、みな表面に出てくるんですよ。近頃、中国では頭皮鍼というのをやっているらしいが、日本でもその辺のことに注目している人はたくさんいる。脳のどういう部分の変化が、体のこういうところに出てくる。そして、そこを刺激すればどういう効果が現れてくる、と言うような研究がね、将来どんどん進むだろうし、その可能性も出てきているんです。』

とあります。この本が出版されたのが1978年。山元式新頭鍼療法(YNSA)を山元敏勝先生(医師)が発表されたのは、1973年ですが、日本ではあまり反応がありませんでした。翌年海外で発表されると注目され海外で普及したため、残念ながら橋本敬三先生が山元式新頭鍼療法(YNSA)を知ることはなかったと思います。もし、知っておれば、必ず学ばれて操体法に生かしておられたと思います。

ずいぶん遅くなりましたが、私は私なりに操体法と山元式新頭鍼療法(YNSA)を融合してみようと思います。

無意識の動き

手の甲に腰痛点というツボが単独で存在しています。今回はこのツボを使い、無意識の動きを誘導するYouTubeを制作しました。操体法の創始者、橋本敬三先生(医師)が著書・「からだの設計にミスはない」で下記のように書かれています。

『脇腹のくすぐりと同じような意味では足裏の乱反射刺激がある。石ころの多い河原で遊ぶ子は丈夫だと言う。もちろん裸足である。凸凹な刺激で足の裏が少し痛いくらいなら、そこを走り回れば体をジョキンとしていられない。さまざまに全身を動かして平均をとるのであるが、これが運動系の歪みを是正するのに役立つ。

小学校の軒下に砂利道を作らせて、虚弱児童を毎日裸足で100メートル歩かせたら非常に有効であった。この話をソ連抑留中同僚の軍医に話したら、帰ってからこの人は1メートル四方くらいの砂場のような小石場を作り、毎日そこで足踏みをさせて大いに有効だと語ってくれた。賢い方法である。』

これは無意識に動いてからだの歪みをとる方法の紹介です。

私は、2004年にスペイン・マジョルカ島のジョアンミロ美術館で2ヶ月滞在のアーティストとして、地元の子供達にワークショップを行いました。その時は2週間のワークショップを2クール行ない、その中で子供達が作った砂利道を6周歩き、10分昼寝をするという日課を作りました。

その結果、子供達の足型が緊張→弛緩となり、からだ全身が緩(ゆる)み、顔の表情、性格も変わっていったことは、驚きでした。親御さんから良い評価を受けたことは光栄でした。

YouTubeでは、無意識の動きをどのようにして誘導しているか、興味ある方はご覧ください。

ブルースリーの名言

河原の砂利道を歩いていると、足底に痛みを感じ思わず、無意識のうちにカラダが勝手に動きます。これは、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「屈曲反射」の解説によると、

『四肢の皮膚を傷害を起すほど強く刺激したとき,その部位の屈筋が収縮する反射をいう。 四肢をもつ脊椎動物の基本的な反射形式の一つ。 ... この反射は危害から逃れるのに役立つので,逃避反射,防御反射,侵害受容反射とも呼ばれる。』

とあります。そのメカニズムはややこしくて説明出来ませんが、ごく自然な自己防衛反応だと考えます。この状況にしばらく身(み)を委(ゆだ)ねておくと、カラダが勝手に歪(ひず)みを取りなががら健全なベクトルへと向かって行きます。これを操体法で「無意識の動き」とか「自発動」と呼んでいます。

今回は敢(あ)えて、やや不安定な状態を作って「無意識の動き」が生じやすくなるセルフケアの方法を考えてみました。私は、長年操体を学び実践しているため「無意識の動き」が生じやすいカラダになりました。そのため勝手にカラダが動き出すのですが・・・・興味ある方は、挑戦してみてください。

ポイントは、ブルースリーの名言「考えるな、感じろ!」です。

操体法と併用

 

60才代の男性患者Bさん。10年ほど前、腰椎椎間板ヘルニアと診断され、整形外科に3ヶ月入院し、温熱、牽引療法やリハビリテーションを行ったのですが、現在、腰痛と右下肢のマヒがあり、坂道、階段の歩行が困難で、杖を突いて歩きたいのですが、見た目が恥ずかしいので無理をして歩いて来られました。また、他県2つの病院に行かれ、セカンドオピニオンも聞いておられます。来院されて、感じたのはカラダの歪(ひず)みです。長身で細身のため、歪みが目立ちます。足を引きずって歩行されているのを見て、「これは、操体法から始めるのがベストだろう。」と感じました。

「奥のベッドで操体法というカラダの歪みを取る治療法があるので、それを先にしましょう。」

と、Bさんを促(うなが)し、簡単な操体法の説明をして、早速操法。仰向けになってもらい、両膝を立てて、左右にゆっくり倒し左右差を感じてもらいます。Bさんは左に倒すと痛みがあります。そこで、痛みの一歩手前まで、両膝を左に倒し、ゆっくりと右側に戻す動きをしてもらいます。その時、私はBさんの両膝を軽く抑え、両膝が動かないようにします。

「決して無理しないで、ゆっくりと動いてみてください・・・カラダに、よおく聞き分けてみてください・・・・腰を使って、肩甲骨で・・・」

などと言葉の誘導を行います。

「これで、両膝をゆっくり左に倒してください・・・・・どうですか?」

「・・・・・あれ?痛くない!」

「そうでしょ・・・今度は、野球の硬球を使ってやってみましょう。」

と、硬球をベッドに置きその上に肩甲骨の圧痛点を乗せ、ゆっくりゆっくりと左腕を重力に逆らわず動かしてもらいます。

「これ・・・・・効きますね・・・・わあ、効く!」

左右の肩甲骨に同じ操法を行います。

「これで、立ってみてください。」

「・・・・・・あれ?普通に立てた!・・・・普通に歩ける。」

「これを毎日、やってください・・・・何度やってもいいんですが、あまり欲張らないでください。」

 

という事で、待合室兼治療室に移動して、鍼治療。いつものように膝診し足に7個のパイオネックス(皮内鍼)を貼り、自律神経を整えます。後は側頭部の腎治療点と後頭部のD治療点、耳ウラのIソマトトープの3本置鍼して終了です。

「先生、右膝から下のシビレが無くなりました・・・・・・友人に前から紹介してもらっていたのに・・・・・コロナ禍で、遠慮していたんです・・・もっと早く来ていれば良かった。」

「・・・ほんとですね・・・」

後は、なぜ肩甲骨の圧痛点に硬球なのか(YouTube参照)とか、山元式新頭鍼療法の自作YouTubeを見ていただいたりして、過ごしました。