勝手に足指が動く!

本日(興居島出張の日)の患者さんは、8名。その中で、80才代の女性患者Aさんが、

「先生、右足の薬指だけが痛いんです。」

突然、治療中に言われました。

「・・・・・・そしたら、ここ(右手薬指)に、痛いところがあるはずです・・・・どうですか?」

「痛い!先生、そこ痛い!」

Aさんの訴えておられる右足薬指(第二趾)に対応する右手薬指を丁寧にチェックし、圧痛点を見つけ、軽く爪で押圧するだけで、Aさんは、大悲鳴。今回は、この圧痛点に指先を軽く触れるだけの操法をすることにしました。しばらくすると、

「先生、何やらよう分からんけど・・・・足の薬指が勝手に動きよるんじゃけど・・・・どしたんじゃろ?」

「ホントですね・・・・これ、カラダが良くなろうとして、勝手に動きを作り出すんですよ。よくあることです・・・・すごいよね、カラダって。」

「・・・・・あれ?足の親指も動きよる・・・・・膝まで!何これ?」

「今、足の薬指の痛みはどうですか?」

「・・・・・大分、治りよる・・・でも、まだ痛みは残っとる。」

膝まで大きく揺れるように動くのが、徐々に治まり始めると最初の薬指と親指だけの動きに戻ってきました。この時点で、私は触れている指をやんわりと離し、しばらくAさんの様子を見ることにしました。ほぼ、動きが治ったため、

「今、足の薬指はどうですか?」

と尋ねたのですが、まだ完全に痛みは取れていないようでした。ただ、今回の治療が月末のため、集金や印鑑押圧のため、Aさんが動き回っていると、

「先生、今、薬指の痛みが全くありません!不思議!」

)これは、野口整体で活元運動、操体法で自発動といってカラダが勝手に治しを付ける動きです。Aさんには、この治療法がよく効くのかも知れません。次回、その後の経過を伺って処方を考えたいと思います。

草引きの結果は?

 

『週に1~2回のペースで来院されている70才代の女性患者Aさん。最近は調子が良かったのですが、昨日は頭が締めつけられるような痛みが1日続いたそうです。そこで、色々話を伺っていると、畑の草引きに問題があることに気づきました。』

で始まる文章を以前書いたのですが、頭痛の原因は畑の草引きと断定的にいいました。さて、その後、Aさんが来院。どうだったのでしょう?

「どうでした?草引き。」

「はっはっは!それが、良かったの!3日間ずーっと草引きしたの・・・・言われたように肘が外側に向くんじゃなくて、内側に向くようにして、そして刈るときの鎌も内向くように、慣れるまでゆっくりしたの。そしたら、楽々・・・・ゆっくりしても、効率が良くてもの凄い刈れたのよ!なんかね、ストレッチをしている感じで疲れない!」

と、その動作を再現してくれました。

「あああ~、その姿勢美しい!これは、バッチリですよ、素晴らしい!」

と、いかに日頃の動作、姿勢が大切なのか・・・・改めて、私も学びました。草引きする時は、肘がうちを向くようにしましょう!

ベースは、操体法

 

週に1~2回のペースで来院されている70才代の女性患者Aさん。最近は調子が良かったのですが、昨日は頭が締めつけられるような痛みが1日続いたそうです。そこで、色々話を伺っていると、畑の草引きに問題があることに気づきました。

「どんな格好で草引きをするのですか?」

「こうやって、こうやって引っこ抜きながら、小ちゃいカマで切るんです。」

と、引っこ抜く腕の肘が外向きになる仕草をしてくれました。

「・・・・ううん、なるほど。その仕草を2~3時間続けたら、誰でも肩凝るし、頭が痛くもなるでしょう。」

「?????・・・・」

「足は親指、手は小指という重心を安定するための法則があって、それをやっていればいいのですが、Aさんは、その真逆をやっているんです・・・・手は、親指をつかって腕で草引きしているでしょう?そしたら、腕や肩がカンカンに凝ってしまうでしょう!」

「だって、腕を使わないと草引きはできないでしょう。」

「私は、カラダ全体をを使って草引きをします。腕だけを使うことはしません・・・・小指を巻き込むようにして草を持って、カラダの重さを使って草引きします。」

「???」

と会話が全く弾みません。もうこうなったら私が鍼灸師となる以前に、操体法と出会ったことを紹介するしかありません。私は鍼灸師ですが、それ以前に操体法を徹底的に学び、私なりに体得しています。私が鍼を患者さんに刺すときの、姿勢は操体法の脱力した姿勢です。常に脱力した姿勢で治療をしているのです・・・・で、少しAさんにそのことを話しました。

鋭いAさんは、すぐに理解してくださりその後は、楽しい会話で治療は終了。Aさんからは、驚くような様々な情報を教えていただきました、感謝です!

草引き

https://youtube.com/shorts/Y1eDdQBPPq0?si=z3E1ukemNG0FKa_p

この2週間で、8回来院されている70才代の女性患者Aさん。ストレスのせいか、左肩に痛みがあり、物が2重に見えたり、頭が孫悟空の輪っかのように締め付けられるような頭痛などに見舞われていたのですが、徐々に回復し、気分が随分軽くなってきたそうです。

そのため、天気が良かった昨日は、3時間も畑仕事をし、背中に当たる太陽の光を楽しんだそうです。

「草引きをすると、肩が凝って硬くなるんじゃけど・・・・」

「それはね、小指を使ってないけんよ。」

「小指?こんなに小さいけん、使えんじゃろ。」

「何言っとるん・・・・身体運動の法則に重心安定の法則ゆうのがあって、そこで、足は親指、手は小指というのがあるの。」

「そんなの知らん・・・・誰も教えてくれんもん。」

「そしたら、今から教えてあげる。座ったままで右手の小指を意識してゆっくり腕を真上に上げてください・・・・この感覚を覚えておいてくださいね。今度は右手の親指を意識して親指側を伸ばしてください・・・・・どう?」

「・・・・えっっ、全然違う!」

「そうじゃろ、親指を意識して伸ばしたら、サイドブレーキをしたままで動いとる感覚じゃろ?」

と、まず体感していただくのが一番。その後、解剖学的に「足は親指、手は小指」となる説明をして、やっと、草引きの仕方をお教えしたのです。草は小指を内側に回しながら肘を正中線に向かって引き込むようにしないと、肩が凝ってしまいます。多くの人々は親指を使って力任せに草引きをしていると思います・・・・これだと、草引き=肩凝りの図式になります。ご注意ください。

反省

 

70才代の患者さんの症状を全く改善することが出来ず、1日反省した結果、操体法をもっとしっかり取り入れた治療法も作っていこうと考え始めました。操体法では、「ヒカガミ」という診断方法がありますが、これが膝診にあたります。具体的にいうと、膝窩仰向けになり両膝を立てた患者さんの膝ウラに中指で押圧し、圧痛硬結を探し出します。その後、患者さんの足甲に手を当て患者さんの足先を背屈してもらい、膝窩の圧痛硬結を取消していきます。

これは、山元式新頭鍼療法における膝診の胸椎の診断及び治療にあたります。鍼を刺さなくても、同じ結果を残すことはできます。頭の代わりに足に見つけた治療点を今後分析することで、より良い操法が生まれる可能性はあると思います。ボチボチやっていきます。

正中線と優しい気持ち

今年亡くなられた大野朝行先生が、出版された「カタカムナ」の姿勢と動きという本をじっくり読んで、体感すると昔の日本人の姿が蘇ってきます。私は、一度だけ大野先生の研修を受け、空気投げを何度も何度も体験してきました。なぜか飛んでいるのです。

この本の中で、「Kさんという女性」で紹介されている私の友人が載っている個所を紹介します。

『Kさんという女性が、魂合氣を見学に来られました。見学の途中で「転がすことを体験してみませんか」と勧めました。Kさんには柔らかさと無邪気さが見えたので、いきなりできそうに思いました。

そこで、「正中線、優しい気持ち、と言いながら手を出してください。腕を掴まれたらわずかに横に動かせば転がりますよ」とアドバイスしました。で、その通りに言いながら出したKさんの腕を掴みました。その瞬間に私の腰が抜けて、へなへなとその場に崩れてしまいました。「おおげさですね、演技でしょう」と、皆笑いましたが、順番に掴みに行った皆も腰が抜けて、崩れてしまいました。

後日、Kさんに聞いたところ、「あのとき、自分でも気持ちがとろけてしまい、腰が抜けたような様子で立っていました。あんなに優しい気持ちになれたのは、初めての体験です。新しい自分を発見しましたと答えてくれました。』

正中線と優しい気持ち・・・・これは、私が患者さんに刺鍼する時の基本なのだと、改めて感じました。

腰横の痛み

YouTube制作、1年ぶりのため表紙となるサムネが思うようにできません・・・作り方を忘れています・・・ボチボチやっていきます。

スマホで親指をよく使っている人、腰の横あたりに何となく痛みを感じていませんか?今回は、そんな方に納得していただいて、セルフケア出来る方法を紹介しました。興味ある方は、ご覧ください。

ムード歌謡の続報

ムード歌謡のYouTubeをかけ、私と同じ世代の患者さんと昔話をしながら当時を振り返っていることの効能の続きを、記事からのコピペします。

『脳医学的にいうと、ストレスがかかることで記憶をつかさどる脳の海馬の神経新生(神経細胞が分化して増えること)が低下して、記憶力が落ちることが知られています。つまり、ストレスがかかった状態のままでは、いくら勉強しても記憶力が低下して、覚えるべきことが頭に入ってこないのです。

長時間、休まずに仕事を続けていると、だんだん能率が下がっていくのも同じような理屈だと考えられます

そんなとき、「懐かしさ」の感情を利用してストレスを下げることができれば、気分転換ができて物事が頭に入りやすくなるわけです。

もちろん、ストレス解消の方法としては、ほかにも運動、食事、買い物、旅行などがありますが、昔を懐かしむという行為は、お金もかからずにその場で誰でも手軽にできるというのが最大のメリットです。』

『美しい風景を目にしたとき、おいしいものを食べたとき、かわいいペットを抱きしめたとき、私たちは「ああ、幸せ!」と感じます。このように、自分自身が幸せだと感じる状態を、「主観的幸福感」と呼びます。

心理学では、「客観的幸福感」と「主観的幸福感」という区別があり、客観的幸福感というのは脳波や神経の状態などの生理学的な指標によって幸福度をとらえるものをいいます。それに対して、この主観的幸福感は文字通り、自分自身が「私は幸せだ!」と自ら感じている状態をさしています。

脳医学では、この主観的幸福感が高いほど、ストレスが解消されて脳が元気になるということを裏づける研究が数多く報告されています。』

というように、患者さんにとってストレスを解消する音楽を提供するのは、治療家としての指名であることが分かります。そのため、患者さんには、

「今日は、何の曲にしましょうか?」

「今日は誰にしましょう?」

とか、尋ねています。最も、常連の患者さんで好みを知っている場合は、来院される前から好みの曲を流しています(80~90%くらいの割合です)。

朝起きたら・・・

「朝起きると、◯◯◯が痛い。」と訴える患者さんが多いのですが、私にはそのような経験がありませんでした。しかし、今朝起きると左の中指の末節骨に痛みがありました。

「これが、患者さんが言って痛みなんじゃ!」

と初めて知ったのです。そこで、操体法を使っての治療を考えました。後頭部にラムダ縫合というへの字をした縫合が横たわっています。その上に基本治療点A点、B点、C点、D点が頂点から左右にAからDと並んでいます。そこで、左側のC点に硬式ボールを当てて仰向けになりました。なぜC点かというと、C点に肩甲骨から指先までの治療点があるからです。

畳の上に硬式ボールを置いて、左側のC点に硬式ボールの縫い目が当たるようにゆっくり動きます。この時、両膝は立てて踵で支えます。ゆっくり動きながら効きそうな角度と部位を探すのです。見つかると、

「OKグーグル、タイマー15分お願いします。」

痛みのある左中指を意識して、そこへ息を通すイメージで呼吸をします。すると5~6分くらい経って痛みがスーッと消えていきました。あとはゆっくりと気持ちよく動くだけです。

「ピポン、ピポン、ピポン、ピポン」

15分経ってゆっくり起き上がり、左中指に触れても痛みはありません。この硬式ボールを使っての操法は有効です。

小指と親指

あじさいの杜鍼灸院が開院して、昨日で7年経ちました。もう8年目に入るわけです。私の人生は全て中途半端。何一つやり遂げた仕事はありません。これから、山元式新頭鍼療法と操体法、お灸などを融合しながら私なりの仕事をしてみたいと思います。

さて、先日来院された20才代女性患者Aさん、肩が凝って仕方がないそうなんですが、頭に置鍼したあと30分ゆっくりしていただきました。その時、携帯電話で文字を入力して連絡されていました。大きめの携帯電話を両手で持ち、親指だけで打ち込んでいます。

「Aさん、親指だけを使っていると、どんなに治療しても必ず肩こりになりますよ。」

「えええそうなんですか?」

「足は親指、手は小指という法則があるんですよ。お相撲さんが入門して直ぐに学ぶ大事なことなんです。大きなお相撲さんが狭い土俵で動く時、最も効率のよい動きをしないとだめでしょう?でないと、危険でしょう・・・・あんなに大きなカラダがぶつかり合うのだから・・・・」

「たとえば、ピッチャーが早いボールを投げようとすると、必ず小指に力を入れてグーにするでしょう。この時と同じフォームで小指に力を入れない・・・グーにしないでパーのままで投げると、遅いボールになるんです。これをチェンジアップといって、タイミングを外すんです。」

と、説明してもあまり理解してもらえないので、実感してもらうことにしました。腕を上げて小指側を伸ばすのと親指側を伸ばすのはどのように違いがあるか?

「どうですか?」

「親指側だと、腕が全然伸びない。」

「そうでしょう!だから、親指だけを使って作業するとサイドブレーキをかけたまま作業する感じになるんです。」

「なるほど、よく分かりました。」

とうなずくAさんでした。頭では理解してもらったようですが、しばらく経って携帯電話を親指で操作していました・・・・・もう少し時間が必要なようです。