練習

「先生、治療受けて次の日が調子良かろう、それで頑張って仕事するじゃろ?それからまた、肩が痛なるんよ。」

「あれ、硬式ボール使うた?」

硬式ボールを使ってセルフケアする方法をお教えして、硬式ボールを1週間お貸ししたのですが・・・・

「それがなあ~、せんかった。」

「それじゃあ、ようならんがね。そしたら、今日は練習しよう!やり方をお教えするけんね。」

と、80才代の女性患者Aさんに、再び前回と同じ治療することにしました。Aさんには右側を上にして横向きになってもらいます。下になった脚を真っ直ぐにしてもらい、上の脚を90度に曲げてもらいます。

すると、右腰部が「しっかり押圧してください」という格好になってくれます。腰は、表層部から深層部に大臀筋、中臀筋、小臀筋があります。これらの筋肉が肩にある三角筋の後部繊維、中部繊維、前部繊維に対応します。

具体的にいうと、肩の前側が痛いと、腰の小臀筋にある圧痛点を押圧すると、肩の前側の痛みがなくなります。もう少し具体的にいうと、横向きになった右腰のテッペン(大転子といいます)と骨盤の前側の上にある出っ張り(上前腸骨棘といいます)の中間にある圧痛点(居髎=キョリョウといいます)を押圧すると、肩前側の痛みがなくなります。こんな感じで、臀圧(デンアツ)、環跳(カンチョウ)、ついでに「気をつけ」の格好をして、中指の先があたる太ももの横側(風市=フウシといいます)に押圧。

Aさんには、畳に置いた硬式ボールの上にお尻を当て、仰向けになってもらい「痛気持ちいい」状態を作ってもらいます。「痛気持ちいい」ところがそれぞれのツボになっています。

「先生、これは気持ちええ。」

「そうじゃろ?気持ち良かったら続けられるけん。ゆっくり味合っとるのが治療じゃけん・・・・・・気持ちいいのがお薬なんよ。」

さて、来週はどうなっているのでしょう?楽しみです。

運転中に電話

5月12日は、父親の命日。昨日、弟の宮司が父親の30年祭を見事に司りました。準備が大変だったと思います。もし、私が宮司になっていれば・・・・とても、出来ません。弟に心より感謝です。

実家からの帰宅中、突然の電話、停車して。

「はい、あじさいの杜鍼灸院です。」

「以前お世話になったAです。腰が痛い知り合いを診てもらえないでしょうか?」

ということで、20時30分の予約となりました。Aさんの知り合いB(男性)さんは、右の腰痛と右股関節痛で右膝を上げるのが難しい状態です。そこで、膝診をして頭に置鍼をします。これは背骨の調整をして、自律神経を整える基礎治療。次に首診(内臓の状態を診断します)で、右消化器と右大腸の2本を頭に置鍼。

「これで、どうですか・・・・右膝上がりますか?」

「・・・・・・あれ?上がる!今まで全然上がらんかったのに・・・・どしたん、これ?」

 Bさんは、40才代で飲食業を営まれており、8時間くらい立っちぱなしの生活をされています。2日前には、39.2℃の高熱がありそれに伴い、腰に違和感を覚えたそうです。ということは、「内臓を整えると腰に効くのでは?」というあまり根拠のない思いが浮かんできたので右消化器と右大腸の2本を頭に置鍼したのです。結果、ずいぶん良くなったので、もう一本右側頭部に置鍼して鍼治療は終了。

次は、足に見つけた(開拓中というのが、正しいかもしれません)治療点に鍉鍼(銀の棒)押圧と、お灸をしながら、世間話をして右膝を上げてもらいました。

「左より上がるようになった!」

めでたし、めでたし!

ゴールデンウイークの急患

「〇〇の父ですけど、ゴールデンウィークは、営業されていないですよね?」

「いいや、やってますよ。」

「そうですか、そしたら今日の今日ですけど、よろしいでしょうか?」

「はい、今から大丈夫ですよ。」

「そしたら、30分後にお伺いします。」

というわけで、急きょA君がお父さんと一緒に来院されました。3か月前に右肘内側側副靱帯が痛くなる「野球肘」で3日間通院され良くなったので、

「今回も肘が痛いの?」

「はい、今日ボール投げた時に急に痛みが出たんです。」

それで、4本頭に置鍼。

「これで、肘どう?」

「・・・・・痛くないです。」

「そうか、これでいいんだけど・・・もう少しやりましょう。」

と、足に見つけた治療点2カ所にお灸。肘に対応する膝外側に鍼を刺し、最後にパイオネックス(円皮鍼)を4個貼り終了。

A君の肘痛は全く無くなりました。A君は中学生なので、ずいぶん治りが早いようです。次回の予約をされ帰られました。

人体実験

 

「先生の治療受けて2~3日、調子ええんよ。でな、調子に乗りすぎて草引きやら、色々動こう?それで、また右肩が痛とうなるんよ。」

「う~~ん。分かった、そしたら今日は、横向きになってもろて、いきなり腰を押してあげらい。」

ということになり、80才代の女性患者Aには、腰の大切なツボを中心に、仙骨周辺もしっかり押圧することにしました。

「先生、よう効く・・・・気持ちがええ!」

「気持ちのええんが一番よ!気持ちようて治るんじゃったら最高じゃろ?・・・・で、どうなん?・・肩?」

「・・・あれ?どしたん・・・痛ない!先生は、腰を押しとるだけじゃのに?」

「あのね、肩と腰が引っ張りあいしとるんよ。ほじゃけんな、腰がゆるむと肩もゆるむようになっとるんよ。簡単じゃろ?」

「そんなもんね?・・・ほじゃけど、今度は首の根っこの方が痛なった!」

「う~~ん、そうなん。そしたらここ、押してみようわい・・・人体実験。」

「人体実験?!」

「そうよ、人体実験・・・どう?」

「・・・・・・あれ、ようなっとる。」

「やっぱり!」

などと、取り止めのない会話が続く治療でした・・・・おしまい。

嚥下障害

 

「この年になったら、ご飯がノドを通らなくなって、息が出来なくて大変な目に会うことがあるんです。」

90才代の女性患者Aさん、いわゆる嚥下障害です。

Aさんは、一人暮らしのご高齢ですが、料理が得意で毎日の食事が一番の楽しみです。私にも様々な料理方法を教えてくれます。今回は、嚥下障害の治し方を教えてくれました。

「テレビで、2つの治し方を知ったんです。一つは、笛みたいな伸びる風船があるでしょう?あれを10回吹いて胸の筋肉を使うんです。もう一つは、水を入れたペットボトルにストローを入れて、10回ブクブクさせるんです。」

「なるほど。」

「これを台所のテーブルに置いて、食事前にやってるので、今は楽に食べられます。若い頃は、バレーボール、踊り、カラオケなどで動き回っていたけど・・・・若い時のように動けなくなっても、これくらいは出来るのでやってます。」

嚥下障害のトレーニングだけでなく、人生訓を学んでいます。

追伸:呼吸筋のコピペです。

『呼吸筋とは

肺は自ら広がったり、縮んだりすることはできません。肺の周りの筋肉(横隔膜・内外肋間筋・胸鎖乳突筋・斜角筋・腹直筋・腹斜筋など)がはたらくことで肺が広がったり縮んだりします。これが呼吸です。
呼吸に使われる筋肉(呼吸筋)は、主にお腹の中にある横隔膜と肋骨の間にある肋間筋です。横隔膜が縮むと胸腔が広がり、肺の中に空気が入って息を吸うことができます(吸気)。反対に横隔膜が緩んで風船がしぼむように胸腔が縮むと、肺の中の空気が押し出され息を吐くことができます(呼気)。特に、息を吸い込むときの最大の筋肉である横隔膜を鍛えることで呼吸筋が強化されます。』

Aさんは、空気を吸い込むことで、横隔膜をしっかり鍛えていたのです。

指圧

私は、10年ほど前、新宿歌舞伎町にある「あしカラダ」というリラクゼーション店で働いていました。いわゆる指圧でコリを取る仕事です。これを2〜3年やったのですが、この仕事を続けると親指をやられます。

そのため、「もう2度とやるもんか!」と心に決めたのですが、五十肩の患者さんに腰のツボ押圧(指圧)を行い一発で治ってしまいました。すると、肩痛の患者さん3人が、指圧で立て続けに治りました。

しかし、親指に痛みが出てきました!さてどうしよう?とりあえず、セルフケアで治してから考えます。

なぜ痛い?

「先週は、神経が過敏になっているのか、首から上が痛くて・・・・医者にそのことを言うと、『天気のせいよ』と、気楽におっしゃるので・・・あまり気にしないようにしているんですけど・・・・お風呂に入ると良くなるんですけど。」

とおっしゃる70才代の女性患者Aさんには、水毒が関係しているので、サウナにいって汗をかくことをおすすめしたのですが、ご本人はサウナを怖がっておられるようで、多分お風呂で済ませられると思います。石原医学大全の痛みの原因について

『大半の痛みは冷えと水が原因だ。血流を良くして温めるため患部の細胞より分泌される「プロスタグランディン」や「ブラジキニン」が痛みを起こす。よって寒い日、雨に濡れた時、冷房で冷えた時痛みは増悪し、サウナや入浴で温まると軽減する。「体を温めること」「利尿や発汗で余分な水分を捨てること」が痛み対策となる。』
この「プロスタグランディン」や「ブラジキニン」が血行を良くしようと分泌されるための痛みだったのです!

肉離れ

新学期が始まりました。受験準備であまりカラダを動かしていなかったのに、急にスポーツの部活を始めると肉離れをおこしたりします。そこで、肉離れの時の対処法を、コピペします。よく知られているRICE処置です。

『RICE処置とは、肉離れや打撲、捻挫など外傷を受けたときの基本的な応急処置方法。Rest(安静)・Icing(冷却)・ Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の4つの処置の頭文字から名付けられました。早期にRICE処置を行うことで、内出血や腫れ、痛みを抑え、回復を助ける効果があります。
1. Rest(安静)

ケガをしたら、まずは安静に保つことが大切です。安静とは、必ずしも横にして寝かせるとは限りません。むやみに動かすと悪化してしまう可能性があるので、患部にタオルや添え木などを当てて固定します。
2. Icing(冷却)

患部を氷や氷水などで冷やします。体温を下げることで、患部の毛細血管が収縮して、腫れや内出血、痛みなどが抑えられます。ただし、冷やしすぎると凍傷になるリスクがあるので注意しましょう。
具体的には、氷を氷のうやビニール袋に入れて患部に当て、20〜30分ほど冷やします。ピリピリとした痛みが出たあと無感覚な状態になったら、一度氷を外してゆっくり皮膚感覚を取り戻します。そのあと再び氷を当てましょう。これを何度か繰り返します。
3. Compression(圧迫)

患部にテープなどを巻いて圧迫し、腫れや内出血を最小限に抑えます。きつく圧迫しすぎると血流障害や神経障害を起こしますので、しびれや変色が生じたらすぐに緩めましょう。
4. Elevation(挙上)

患部を心臓より高い位置に保ちます。血液が心臓に向かって流れるので、内出血による腫れを防ぐことができます。患部の下に座布団やクッション、たたんだ毛布などを敷くとよいでしょう。』

ここで3. Compression(圧迫)の理由は、以前紹介した傷が治るシステムと多いに関係していると思います。少し長くなりますが、以前に書いた傷が治るシステムを記載します。興味ある方は、お読みください。

『傷が治るシステム

①皮膚に切り口が発生した。傷はV字に開いている。
②すると、まず切断面に神経ネットワークが形成される。
③そこに、第一次治癒電流が流れる。
④その指令で、切断面の体細胞が万能細胞に変わる。
⑤テープか縫合で、切断面を合わせる。
⑥第二次治癒電流が流れる。
⑦各部の万能細胞に各々の周波数刺激を与える。皮膚、筋肉、骨など固有周波数に従い、万能細胞は体細胞に戻る。
⑧こうして各体細胞は切断前と全く同じように再生治癒する。』

これは、トカゲ再生の謎を解いたロバート・ベッカー博士のベッカー理論です。ベッカー博士の「クロス・カレント」という著書を翻訳された船瀬俊介氏が、自身の書かれた「未来を救う波動医学」という本からの引用です。

傷口を圧迫することで、第二次治療電流の早期誘導を促すことになります。これが大事!

自力自療が一番

「先生、治療してもろてから、調子ええんよ。それで、調子に乗って働きすぎて、また肩が痛うなったんじゃが・・・」

「あら、そうなんじゃ・・・それは、よう分かるけど・・・ほどほどにせんと・・・」

と、80才代の女性患者Aさんに、再び前回と同じ治療することにしました。Aさんには右側を上にして横向きになってもらいます。下になった脚を真っ直ぐにしてもらい、上の脚を90度に曲げてもらいます。

すると、右腰部が「しっかり押圧してください」という格好になってくれます。腰は、表層部から深層部に大臀筋、中臀筋、小臀筋があります。これらの筋肉が肩にある三角筋の後部繊維、中部繊維、前部繊維に対応します。

具体的にいうと、肩の前側が痛いと、腰の小臀筋にある圧痛点を押圧します。すると肩の前側の痛みがなくなります。もう少し具体的にいうと、横向きになった右腰のテッペン(大転子といいます)と骨盤の前側の上にある出っ張り(上前腸骨棘といいます)の中間にある圧痛点(居髎=キョリョウといいます)を押圧します。すると肩前側の痛みがなくなります。こんな感じで、臀圧(デンアツ)、環跳(カンチョウ)、ついでに「気をつけ」の格好をして、中指の先があたる太ももの横側(風市=フウシといいます)に押圧。

「これで、どうですか?」

「・・・・先生、ようなった・・・痛ない!」

「簡単じゃろ?これ自分でやったらええんよ。」

「そんなん無理じゃ。」

「野球の硬式ボールがあろ?アレを畳に置いて、オシリの痛いところを押し付けたらええんよ。」

と、次回は硬式ボールを持参してAさんにお教えしようと思います。
自力自療が一番!

後頭部の痛み

「先生、やっと来れた・・・忙しゅうて・・・もう、いかん、フクラハギとカカトが痛うて・・・」

と2ヶ月ぶりの40才代男性患者Aさん。
いつものように、膝の診察をして頭に鍼14本。その中でも、後頭部にあるフクラハギの治療点に2本が、効いたようです。そこで、足ウラに見つけた治療点に鍉鍼(銀の棒)を押圧。すると、

「先生、そこ押すと頭の後ろが痛い!」

「後ろって、どこ?」

「あの、フクラハギに効くって刺したところ。」

「あああああーやっぱり、ここがフクラハギに効くんじゃね。」

と、患者さんに教えてもらいながら、新しい治療点を見つけています。