一撃

「 一瞬の痛みは、緩(ゆる)みを生みだす。」

そんな、漠然(ばくぜん)とした思いで、本日施術しました。10才代のスポーツ選手が、太もも肉離れで来院し順調に回復しています。その彼に、

「今まで、鍼、お灸、触れる施術をしたけど、今日はどうしよう?」

「足ウラに、一撃するのがボク的には効くと思います。」

「ああ・・・・・あれ、効くね」

という会話から、鍼とお灸をしないで施術することに決めました。私は、この4年間足の治療点を山元式新頭鍼療法(YNSA)の理論のもと見つけて来ました。その治療点に爪を立てるだけで、瞬時に効くことが分かりました・・・・若い患者さんに対してですが・・・

もう少し研究してみます。

外転神経

60才代の女性患者Bさん、目が眼瞼下垂(がんけんかすい)のような感じで重いそうです。そこで、オデコにある感覚点(目、鼻、口)の治療として2本置鍼。

また、Bさん頭が重いそうです。こういう時は、頭部正中線より左右1cmの生え際から頭頂部までを12等分した治療点に置鍼します。理由は、この治療点は、内臓だけでなく脳神経の治療点でもあるからです。

「あら?目が横によく動くようになった!」

ちょうど、右の三焦(さんしょう)という個所の置鍼をした時でした・・・・何と、この三焦の治療点は、目の外転神経の治療点でもあるのです。

「あのね、今のは目を外側に動かす神経に刺激したんですよ。やっぱり山元先生は、すごいね!よく見つけたよね!・・・天才!」

Bさんの頭も軽くなり、目も上に引き上げられたような感覚だそうです。改めて、山元式新頭鍼療法の素晴らしさを体感しました。

杉本練堂先生の手技解明2

杉本練堂先生の「歩いている時、後ろに送り込んだ股関節が痛む場合」同側の脇(大胸筋)の筋膜はがし。

これは、山元式新頭鍼療法(YNSA)では、肩=股関節という治療点があります。まさに天才・杉本練堂先生の閃きが、理論的に説明出来ています。

また、杉本練堂先生の股関節痛の一般的な治療法に、膝ウラの筋膜はがしがあります。これに関しては、2年前にYNSA学会で発表した「膝診」が必然的な治療法となります。YNSAでは、上腕診という肘ウラ周辺に脊柱の状態を診断する方法があります。ここで探った圧痛点を頭の置鍼で消滅させると脊柱が整い、必然的に自律神経が整うので、YNSAでは基礎治療と呼んでいます。

ところが、私の90才代の患者で、4ヶ月間、上腕診に全く反応しない方がおられました。そこで膝ウラに上腕診と同じ反応があることを見つけ発表したのです。つまり、頭への置鍼で膝が緩み、脊柱が整うことで股関節にも良い影響を与えることができると考えられます。

杉本練堂先生の手技解明

「前腕内側(深指屈筋)の手首に近い個所の筋膜をはがして、股関節奥の痛みをとる。」

これは、杉本練堂先生の手技です。山元式新頭鍼治療(YNSA)の理論から解明します。YNSAは、「腰は肩で治すという治療理論」があります。股関節は腰に位置します ので、肩治療で股関節治療は可能です。筋膜の流れにデイープ・バックアームラインがあります。これに対応する筋膜の流れがラテラルラインになります。

杉本練堂先生の手技で前腕内側(深指屈筋)の手首に近い個所の筋膜をはがすと、デイープ・バックアームライン上の棘下筋がゆるむはずです。そうなると、ラテラルラインの大臀筋がゆるむのです。それにより、表裏一体の股関節がゆるむのだと思います。

杉本練堂先生は、やはり天才

最近は、杉本練堂先生の筋膜はがしをする機会がなくなっていました。理由は、山元式新頭鍼治療(YNSA)で十分間に合っていたからです。ところが、立て続けに2人の股関節痛の女性患者さんが来院したため、試してみる事にしました。

60才代の女性患者Cさん、両膝と左股関節の痛みがあります。3回の治療で両膝の痛みはなくなりましたが、左股関節が痛みます。そこで、杉本練堂先生の股関節痛治療点に2カ所に、鍼灸治療。すると10→1(来院時の痛みが、ほとんどなくなる)。

1カ所は、足の内くるぶし・・・これは、足研究4年で理由は分かります。ところが、もう1つの個所が、全く理解できません。前腕内側の小指側の圧痛点!

天才・杉本練堂先生の治療点を、理屈で証明する道を見つけます!

パーキンソン病

パーキンソン病の患者さんを施術する機会があるので、今回は、福田稔先生の考えを、ご紹介します。

『パーキンソン病も、交感神経の過剰な緊張によって顆粒球が増加し、活性酸素が過剰に発生し、ドーパミンを分泌する脳の黒質を変性、組織破壊を招いたものです。

パーキンソン病の患者さんを観察していると、猪突猛進の性格がわかり、これぞと決めると一途に頑張りすぎるところがあります。ストレスを抱えて無理を続け、慢性的な交感神経緊張状態が発生させるのでしょう。』

とあります。のんべんだらりの生活をしている私には、かかりにくい病気の様です。福田稔先生が奨励されている爪もみ療法は、副交感神経を刺激するので、パーキンソン病の患者さんには、最適だと思います。

Bさんの治療3

60才代の男性患者Bさん、残りの左膝痛の施術です。

ベッドで仰向けになってもらい、左肘に直径0.16mm(硬い髪の毛くらい)の鍼を13本置鍼。

「これでどうですか?」

「・・・・いいみたい。可動域も良くなって、痛みも無いみたい。」

膝が痛い場合は、肘をしっかりと丁寧に診れば、圧痛点が必ずあります。そこに鍼を打てば、徐々に膝が良くなります。これは、様々なことに応用出来ます。手首が痛ければ、同側の足首。足首が痛ければ、同側の手首・・・などなど。

自然の摂理って、わりと単純なこともあるようです。

Bさんの治療2

次に、首の後ろにある腰の治療点に軽く触れる施術をすることにしました。

(つづく)

からの続編です。

頸椎6~7番の圧痛点は、腰の治療点です。この圧痛点に軽く中指を当てるだけでカラダは勝手に治ります。

「どうですか?」

「・・・・・右肩が痛くなってきました。」

「・・・そうですか・・・・そしたら、ここら(おでこ)に痛いところありますか?」

「痛い!」

おでこにある肩の治療点と肩に軽く指を触れます。しばらくして、

「肩の状態はどうですか?」

「・・・・大丈夫です。」

「腰の状態は、どうなっています?」

「・・・・良いみたい。」

カラダが勝手に良くなっているようです。残りは、膝です。

(つづく)

Bさんの治療1

 

猛暑の中、肉体労働をしている60才代の男性患者Bさん。中腰になることも多く慢性的な腰痛を抱えています。両膝にも痛みがあり特に左膝は腫れて、曲げると痛みも強くなります。

「そうしたら、今日は別の方法でやってみましょう。」

奥のベッドに移動し、仰向けになってもらいます。両膝を立てて、ゆっくり左右に倒してやり難い側→やりやすい側に膝を移動してもらいますが、その膝に程よい圧力をかけて、Bさんが動けない様にします。すると、Bさんのカラダが勝手に連動して微妙な動きをします。l

「決して、無理しないでくださいね・・・・気持ち良さがあれば、それを味わってくださ。それがお薬だと思ってゆっくり味わってください。」

「・・・・・・」

「これで、腰どうですか?」

「・・・・・結構、いいですね・・・・左右差もなくなってきた。」

次に、首の後ろにある腰の治療点に軽く触れる施術をすることにしました。

(つづく)

肉離れその2

 

「肩のどこが痛いの?」

「ここ(肩甲骨の下)と、ここ(肩の前部)です。」

「・・・・・そうしたら、奥のベッドに行きましょう。」

左大腿部の肉離れで来院されたA君、実は右肩にも痛みがあったのです。最近では、右肩痛を右腰に置鍼して治すことが多くなっています。痛い肩を上にして横向けになってもらいます。すると、腰の一番高い部分(大転子といいます)がすぐ分かります。ここを基準にしてツボを見つけます。

少し専門的になりますが、興味ある方のため、治療穴の名称を紹介します。

臀圧(でんあつ)、環跳(かんちょう)、居髎(きょりょう)、別説環跳(べっせつかんちょう)、次髎(じりょう)、五枢(ごすう)

ここに置鍼すると、多くの肩痛は見事に良くなります。約1年間実験的にやって来

たのですが、まず間違いありません。肩の痛い部位にそれぞれの治療穴が対応します。

「どうですか・・・肩の調子?」

「・・・・・・あっ、いいです可動域も増えて、痛みもほぼほぼ無くなっています。」

A君とは、Lineでお友達になり、次回の予約をiPat(携帯電話が故障中なので)でやりとりする事になりました・・・・・おしまい。