腰痛は首で治す

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1週間前から腰痛の40才代女性患者Cさん。2ヶ月前から来院され、徐々に体調も良くなっておられます。そこで、鍼をどこに刺す?

「首の根本あたりが痛くて・・・__」

Cさんの訴えに耳を傾けます。そこは、山元式新頭鍼療法(YNSA)では、腰椎の治療点になります。そこで首の根本に刺鍼。

「これで、どうですか?」

「・・・・痛くない!」

となり、治療終了となりました。

これで感じたのは、腰痛でいつも気になる仙骨と、対応する背骨の部位。これで分かりました、頚椎7番、胸椎1番あたりの圧痛点です。明日からやってみます。

よく分からないと思いますが、あえて書いてみました。

 

肘痛にお灸

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最近は、中学生の野球選手を診る機会が増えました。私が中学生の頃とは全く野球のレベルが違い、硬式ボールを使用したシニアリーグ、ボーイズリーグが人気のようです。それぞれのリーグを勝ち進めば、全国大会にも出場出来るそうです。

そんな大会の最中に、エースピッチャーA君が3度目の来院です。

2試合に投げ(救援の投手として)、投げ終えると痛みが肘全体にあったのが、2度の治療で肘頭の1点のみの痛みになりました。

肘頭(ひじがしら)は、尺骨の出っ張りです。これに対応するのが下肢の腓骨頭です。

そこにある圧痛点に30壮のお灸をするだけの治療をしました。すると、来院した時の痛みが10で、全く痛みがないのが0とすると、3くらいの痛みになりました。

お灸のいいところは、お灸をしながら会話が出来ることです。同行されたお母様との会話が弾み、楽しい時間を過ごすことが出来ました。A君には、無理をしない程度で頑張ってもらいたいです。

指を触れるだけ

「先生、おかげさまで足(膝下の外側)が、痛うてたまらんかったのが、なくなりました。」

「それは良かった!肩の痛みはどうですか。」

「まだここ(肩の前部)が痛いけど・・・・ようなって、右手を使い過ぎるけんじゃろか?」

「どうしたら痛なるん?」

「あのな、こうして横に伸ばすと痛いんよ。」

と、右腕を後方に伸ばすと痛みが走るようです。80才代の女性患者Aさんは、農作業が好きなので少し無理をしてしまいます。そこで、足に17壮のお灸を行い自律神経を整えて、右肩を上にして横向きになってもらいます。Aさんは、三角筋の前側が痛いので腰の前部圧痛点を押圧すれば良くなります。しっかり押圧すると、

「これで、どうですか?」

「・・・・先生、だいぶ良うなった・・・・まだ、ちょっと残っとる。」

そこで、腰の最も痛い部分に軽く中指を触れるだけの操法をすることにしました。

「腰に軽く触れるけんね・・・・これだけで、良うなるんよ。鍼灸師になる前は、こんなことしよったんよ。」

5~6分触れて、

「これで、どうですか?」

「・・・・全然痛ない!」

ということで治療終了となりました。

肉離れ

最近、肉離れの治療で来院される患者さんが、多くなりました。また、海を超えたアメリカでは、ニューヨーク・メッツのエース、千賀滉大投手も肉離れ。この時は千賀投手が、ファーストゴロで、ファーストカバーのためダッシュでベースに向かいました。ところが、ファーストの選手が高い送球をいたため、千賀投手が思い切ってジャンプ。縮んでいたハムストリングス(太ももの裏の筋肉)を急激に引っ張ってしまい、部分断裂(肉離れ)を起こしてしまいました。下記に、肉離れの簡単なメカニズムをコピペします。

『肉離れとは、筋肉が引き伸ばされると同時に収縮するときに起こる筋肉の断裂です。部分的に断裂することが多いですが、まれに筋肉が完全に断裂してしまうこともあります。

たとえば、ダッシュをしようとするときハムストリングス(太ももの裏の筋肉)はぎゅっと収縮しますが、ここから走り出して膝を伸ばす動きをすると、収縮している筋肉は無理やり引っ張られる状態になります。このときに、収縮する筋力が引っ張られる筋力に負けることで肉離れが起こります。』

筋肉の仕事は、収縮することですが、その仕事の最中に急ブレーキで仕事をさえぎり筋肉を引っ張り、その結果、筋肉が断裂してしまうのです。

明日は、大会!

夕方に高校の先生から電話があり、肉離れをした生徒を診るよう依頼がありました。男子高校C君は、1ヶ月前に右脚太ももの肉離れを起こし、練習を止め、今週始めから練習を開始しました。その翌日から、再び肉離れを起こし、4日後に来院となりました。

5月31日に高校総体が始まりました。C君の治療は、その前夜ということになります。C君の筋肉は非常に柔らかいので、相当な能力の持ち主だとは推測出来ました。また、非常に繊細な感覚を持っているので、頭の鍼1本刺すごとの反応が極端なのです。結局7本置鍼。

「これって、痛みがなくなるんですか?」

「徐々に痛みは無くなって、気持ち良くなる場合が結構多いよ。」

などと会話をしながら、足ウラにみつけた治療点に鍉鍼(ていしん=銀の棒)で押圧。どうやら、これが効きました。

「これでどう?」

「・・・・痛くない。」

「どう・・走れそう?」

「・・・・走れます。」

頭に置鍼したまましばらくしていると、

「痛い、痛い・・・・もう取ってください!」

と、声を荒げ叫んでくるので、7本を一気に抜きました。今まで、こんな体験をしたことはありません。C君は痛みに対して普通の人よりも感受性が強いのだと思います。また、本能的にカラダが、これ以上の刺激は必要ないと感じ取ったのかも知れません。

1ヶ月も練習らしい練習をせず、大会前日に治療で、競技では2位という素晴らしい結果を出したC君、将来有望です!

どうしよう?

 

 

「どうですか・・・・肩の調子?・・・硬式ボール上手いこと使えましたか?」

「それが先生、ボールを置いて乗っても痛いんよ・・・上手いこと出来んのよ。」

「そうか・・・そしたら、別の方法を考えないかんな・・・治療点は他にも色々あるんよ。」

と、80才代の右肩痛の女性患者Aさんに硬式ボールを使って右の臀部をゆるめる方法をお教えしたのですが、どうやら指導方法に問題があったようです。そのためAさんはセルフケアが上手く出来なかったのです。山元式新頭鍼療法(YNSA)では、頭に治療点があるため、直接、硬式ボールを当てて押圧すると、

「あれ?先生、肩の痛いのが少ななった・・・・」

これで、AさんにはYNSAの効果を体感してもらいました。

「今日は、足にお灸をしてみようか?」

と、足に見つけた治療点を鍉鍼(銀の棒)で押圧しお灸をすることにしました。結果、Aさんの肩痛は無くなりました。この治療点にお灸することを、お勧めしたのです・・・・・ところがAさん、股関節が硬くて足ウラに触れることができないのです。

さあ~、どうしよう?

練習

「先生、治療受けて次の日が調子良かろう、それで頑張って仕事するじゃろ?それからまた、肩が痛なるんよ。」

「あれ、硬式ボール使うた?」

硬式ボールを使ってセルフケアする方法をお教えして、硬式ボールを1週間お貸ししたのですが・・・・

「それがなあ~、せんかった。」

「それじゃあ、ようならんがね。そしたら、今日は練習しよう!やり方をお教えするけんね。」

と、80才代の女性患者Aさんに、再び前回と同じ治療することにしました。Aさんには右側を上にして横向きになってもらいます。下になった脚を真っ直ぐにしてもらい、上の脚を90度に曲げてもらいます。

すると、右腰部が「しっかり押圧してください」という格好になってくれます。腰は、表層部から深層部に大臀筋、中臀筋、小臀筋があります。これらの筋肉が肩にある三角筋の後部繊維、中部繊維、前部繊維に対応します。

具体的にいうと、肩の前側が痛いと、腰の小臀筋にある圧痛点を押圧すると、肩の前側の痛みがなくなります。もう少し具体的にいうと、横向きになった右腰のテッペン(大転子といいます)と骨盤の前側の上にある出っ張り(上前腸骨棘といいます)の中間にある圧痛点(居髎=キョリョウといいます)を押圧すると、肩前側の痛みがなくなります。こんな感じで、臀圧(デンアツ)、環跳(カンチョウ)、ついでに「気をつけ」の格好をして、中指の先があたる太ももの横側(風市=フウシといいます)に押圧。

Aさんには、畳に置いた硬式ボールの上にお尻を当て、仰向けになってもらい「痛気持ちいい」状態を作ってもらいます。「痛気持ちいい」ところがそれぞれのツボになっています。

「先生、これは気持ちええ。」

「そうじゃろ?気持ち良かったら続けられるけん。ゆっくり味合っとるのが治療じゃけん・・・・・・気持ちいいのがお薬なんよ。」

さて、来週はどうなっているのでしょう?楽しみです。

運転中に電話

5月12日は、父親の命日。昨日、弟の宮司が父親の30年祭を見事に司りました。準備が大変だったと思います。もし、私が宮司になっていれば・・・・とても、出来ません。弟に心より感謝です。

実家からの帰宅中、突然の電話、停車して。

「はい、あじさいの杜鍼灸院です。」

「以前お世話になったAです。腰が痛い知り合いを診てもらえないでしょうか?」

ということで、20時30分の予約となりました。Aさんの知り合いB(男性)さんは、右の腰痛と右股関節痛で右膝を上げるのが難しい状態です。そこで、膝診をして頭に置鍼をします。これは背骨の調整をして、自律神経を整える基礎治療。次に首診(内臓の状態を診断します)で、右消化器と右大腸の2本を頭に置鍼。

「これで、どうですか・・・・右膝上がりますか?」

「・・・・・・あれ?上がる!今まで全然上がらんかったのに・・・・どしたん、これ?」

 Bさんは、40才代で飲食業を営まれており、8時間くらい立っちぱなしの生活をされています。2日前には、39.2℃の高熱がありそれに伴い、腰に違和感を覚えたそうです。ということは、「内臓を整えると腰に効くのでは?」というあまり根拠のない思いが浮かんできたので右消化器と右大腸の2本を頭に置鍼したのです。結果、ずいぶん良くなったので、もう一本右側頭部に置鍼して鍼治療は終了。

次は、足に見つけた(開拓中というのが、正しいかもしれません)治療点に鍉鍼(銀の棒)押圧と、お灸をしながら、世間話をして右膝を上げてもらいました。

「左より上がるようになった!」

めでたし、めでたし!

ゴールデンウイークの急患

「〇〇の父ですけど、ゴールデンウィークは、営業されていないですよね?」

「いいや、やってますよ。」

「そうですか、そしたら今日の今日ですけど、よろしいでしょうか?」

「はい、今から大丈夫ですよ。」

「そしたら、30分後にお伺いします。」

というわけで、急きょA君がお父さんと一緒に来院されました。3か月前に右肘内側側副靱帯が痛くなる「野球肘」で3日間通院され良くなったので、

「今回も肘が痛いの?」

「はい、今日ボール投げた時に急に痛みが出たんです。」

それで、4本頭に置鍼。

「これで、肘どう?」

「・・・・・痛くないです。」

「そうか、これでいいんだけど・・・もう少しやりましょう。」

と、足に見つけた治療点2カ所にお灸。肘に対応する膝外側に鍼を刺し、最後にパイオネックス(円皮鍼)を4個貼り終了。

A君の肘痛は全く無くなりました。A君は中学生なので、ずいぶん治りが早いようです。次回の予約をされ帰られました。

人体実験

 

「先生の治療受けて2~3日、調子ええんよ。でな、調子に乗りすぎて草引きやら、色々動こう?それで、また右肩が痛とうなるんよ。」

「う~~ん。分かった、そしたら今日は、横向きになってもろて、いきなり腰を押してあげらい。」

ということになり、80才代の女性患者Aには、腰の大切なツボを中心に、仙骨周辺もしっかり押圧することにしました。

「先生、よう効く・・・・気持ちがええ!」

「気持ちのええんが一番よ!気持ちようて治るんじゃったら最高じゃろ?・・・・で、どうなん?・・肩?」

「・・・あれ?どしたん・・・痛ない!先生は、腰を押しとるだけじゃのに?」

「あのね、肩と腰が引っ張りあいしとるんよ。ほじゃけんな、腰がゆるむと肩もゆるむようになっとるんよ。簡単じゃろ?」

「そんなもんね?・・・ほじゃけど、今度は首の根っこの方が痛なった!」

「う~~ん、そうなん。そしたらここ、押してみようわい・・・人体実験。」

「人体実験?!」

「そうよ、人体実験・・・どう?」

「・・・・・・あれ、ようなっとる。」

「やっぱり!」

などと、取り止めのない会話が続く治療でした・・・・おしまい。