杉本練堂先生の手技解明

「前腕内側(深指屈筋)の手首に近い個所の筋膜をはがして、股関節奥の痛みをとる。」

これは、杉本練堂先生の手技です。山元式新頭鍼治療(YNSA)の理論から解明します。YNSAは、「腰は肩で治すという治療理論」があります。股関節は腰に位置します ので、肩治療で股関節治療は可能です。筋膜の流れにデイープ・バックアームラインがあります。これに対応する筋膜の流れがラテラルラインになります。

杉本練堂先生の手技で前腕内側(深指屈筋)の手首に近い個所の筋膜をはがすと、デイープ・バックアームライン上の棘下筋がゆるむはずです。そうなると、ラテラルラインの大臀筋がゆるむのです。それにより、表裏一体の股関節がゆるむのだと思います。

杉本練堂先生は、やはり天才

最近は、杉本練堂先生の筋膜はがしをする機会がなくなっていました。理由は、山元式新頭鍼治療(YNSA)で十分間に合っていたからです。ところが、立て続けに2人の股関節痛の女性患者さんが来院したため、試してみる事にしました。

60才代の女性患者Cさん、両膝と左股関節の痛みがあります。3回の治療で両膝の痛みはなくなりましたが、左股関節が痛みます。そこで、杉本練堂先生の股関節痛治療点に2カ所に、鍼灸治療。すると10→1(来院時の痛みが、ほとんどなくなる)。

1カ所は、足の内くるぶし・・・これは、足研究4年で理由は分かります。ところが、もう1つの個所が、全く理解できません。前腕内側の小指側の圧痛点!

天才・杉本練堂先生の治療点を、理屈で証明する道を見つけます!

パーキンソン病

パーキンソン病の患者さんを施術する機会があるので、今回は、福田稔先生の考えを、ご紹介します。

『パーキンソン病も、交感神経の過剰な緊張によって顆粒球が増加し、活性酸素が過剰に発生し、ドーパミンを分泌する脳の黒質を変性、組織破壊を招いたものです。

パーキンソン病の患者さんを観察していると、猪突猛進の性格がわかり、これぞと決めると一途に頑張りすぎるところがあります。ストレスを抱えて無理を続け、慢性的な交感神経緊張状態が発生させるのでしょう。』

とあります。のんべんだらりの生活をしている私には、かかりにくい病気の様です。福田稔先生が奨励されている爪もみ療法は、副交感神経を刺激するので、パーキンソン病の患者さんには、最適だと思います。

Bさんの治療3

60才代の男性患者Bさん、残りの左膝痛の施術です。

ベッドで仰向けになってもらい、左肘に直径0.16mm(硬い髪の毛くらい)の鍼を13本置鍼。

「これでどうですか?」

「・・・・いいみたい。可動域も良くなって、痛みも無いみたい。」

膝が痛い場合は、肘をしっかりと丁寧に診れば、圧痛点が必ずあります。そこに鍼を打てば、徐々に膝が良くなります。これは、様々なことに応用出来ます。手首が痛ければ、同側の足首。足首が痛ければ、同側の手首・・・などなど。

自然の摂理って、わりと単純なこともあるようです。

Bさんの治療2

次に、首の後ろにある腰の治療点に軽く触れる施術をすることにしました。

(つづく)

からの続編です。

頸椎6~7番の圧痛点は、腰の治療点です。この圧痛点に軽く中指を当てるだけでカラダは勝手に治ります。

「どうですか?」

「・・・・・右肩が痛くなってきました。」

「・・・そうですか・・・・そしたら、ここら(おでこ)に痛いところありますか?」

「痛い!」

おでこにある肩の治療点と肩に軽く指を触れます。しばらくして、

「肩の状態はどうですか?」

「・・・・大丈夫です。」

「腰の状態は、どうなっています?」

「・・・・良いみたい。」

カラダが勝手に良くなっているようです。残りは、膝です。

(つづく)

Bさんの治療1

 

猛暑の中、肉体労働をしている60才代の男性患者Bさん。中腰になることも多く慢性的な腰痛を抱えています。両膝にも痛みがあり特に左膝は腫れて、曲げると痛みも強くなります。

「そうしたら、今日は別の方法でやってみましょう。」

奥のベッドに移動し、仰向けになってもらいます。両膝を立てて、ゆっくり左右に倒してやり難い側→やりやすい側に膝を移動してもらいますが、その膝に程よい圧力をかけて、Bさんが動けない様にします。すると、Bさんのカラダが勝手に連動して微妙な動きをします。l

「決して、無理しないでくださいね・・・・気持ち良さがあれば、それを味わってくださ。それがお薬だと思ってゆっくり味わってください。」

「・・・・・・」

「これで、腰どうですか?」

「・・・・・結構、いいですね・・・・左右差もなくなってきた。」

次に、首の後ろにある腰の治療点に軽く触れる施術をすることにしました。

(つづく)

肉離れその2

 

「肩のどこが痛いの?」

「ここ(肩甲骨の下)と、ここ(肩の前部)です。」

「・・・・・そうしたら、奥のベッドに行きましょう。」

左大腿部の肉離れで来院されたA君、実は右肩にも痛みがあったのです。最近では、右肩痛を右腰に置鍼して治すことが多くなっています。痛い肩を上にして横向けになってもらいます。すると、腰の一番高い部分(大転子といいます)がすぐ分かります。ここを基準にしてツボを見つけます。

少し専門的になりますが、興味ある方のため、治療穴の名称を紹介します。

臀圧(でんあつ)、環跳(かんちょう)、居髎(きょりょう)、別説環跳(べっせつかんちょう)、次髎(じりょう)、五枢(ごすう)

ここに置鍼すると、多くの肩痛は見事に良くなります。約1年間実験的にやって来

たのですが、まず間違いありません。肩の痛い部位にそれぞれの治療穴が対応します。

「どうですか・・・肩の調子?」

「・・・・・・あっ、いいです可動域も増えて、痛みもほぼほぼ無くなっています。」

A君とは、Lineでお友達になり、次回の予約をiPat(携帯電話が故障中なので)でやりとりする事になりました・・・・・おしまい。

肉離れ

 

6月半ばに左大腿部(表側の大腿四頭筋)を肉離れした10才代の男性患者A君。1ヶ月半たち、来院されました。連日猛暑が続くので、我が師匠・今昭宏先生直伝の、氷水操法を行うことにしました。あらかじめ用意していた氷水を直接、左大腿部に当てます。

「どうですか?」

「気持ちいいです。」

もうこれだけで、カラダが満足しています。連日の猛暑には氷が一番です。

『気持ちいい→冷たいだけ』を目安に、氷水を当てます。その後、いつものように膝診をして、膝の圧痛、硬結を頭の置鍼6本で取っていきます。これは、基礎治療といって、背骨(頸椎、胸椎、腰椎、仙骨)を整えて、自律神経を正します。そして、これから左大腿部の治療となります。側頭部、後頭部、頭頂部に合計5本。

「これでどうですか?」

「全然楽です!・・・・・可動域が増えてカカトがお尻に、かんたんに着きます・・凄い!」

「それは、良かった!」

「実は、右肩も痛いんですけど、診てもらえませんか?」

「いいですよ!」        (つづく)

腰椎分離症

 

腰椎分離症で、3ヶ月静養が必要とされた高校生A君。1週間前から通院して、今回で4回目です。最初の2回は、左腰痛に対応する、左肩甲骨周辺の圧痛点に、置鍼する治療を中心に行いました。治療で痛みがなくなるのですが、翌日は痛みが再発するということが続きました。

そこで、3日目は全く違う治療をすることにしました。頸椎6番と7番の左側面の圧痛点に中指の指紋がある場所を軽く触れるだけの施術です。治療後の痛みが10→5になったそうです。

「この治療では、翌日がもっと良くなることもあるので、経過を教えてね。」

と、言って3日目の今日を迎えました。

「調子はどう?」

「痛みは全くありません。」

「・・・・うん?どんな感じで?」

「少しずつ、良くなって、今は痛くありません。」

「そしたら、前回と同じ方法でやろう!」

と、頸椎6番と7番の左側面の圧痛点に、中指の指紋がある場所を軽く触れるだけの施術を行いました。A君は、気持ちよさそうに40分ほど眠り、終了となりました。

次回はどうなっているのか楽しみです。

物事は簡単

 

「どうですか?これ(秘密兵器)使いました?」

「全然使わんかった・・・・ボール(硬式野球のボール)で、足ウラゴロゴロだけ。」

と、前回しっかりご指導したつもりだった時間が、音を立てて崩れました。

「今日は、どこが気になります?」

「足(下肢)のここ(太ももの外側)。斜面が急なとこで、作業しよろう?じゃけん、どうしても痛なるんよ。」

「あああ・・・そうじゃね。そしたら、ここ(上腕)をほぐしてみよわい。」

と、いきなり80才代の女性患者Bさんの上腕を押圧。緩みを感じたので、

「これで、どうじゃあろう?」

「・・・・・・どしたん、痛ない。反対の足が痛いだけじゃ。」

それで、反対の上腕をほぐし、

「これで、どうじゃあろう?」

「・・・先生、楽(らく)い、楽いわい!」

と、太ももの外側の痛みか無くなりました。結構物事は、簡単なのです。