自発動

 

足先の痛み、痺(しび)れを、ご自身の指に触れて「自発動」を誘導して痛みや痺れを軽減するセルフケアができる80才代の女性患者の続報です。

「先生、毎日1本の指に3分ずつ指先を当てやってます・・・・3分と決めんと、いつ終わるか分からんので・・・・1時間くらいやってます。」

「それは、素晴らしい!」

「おかげで、仰向けで寝ることが出来んかったのに、仰向きの方が楽になりました。」

「ああああ・・・やっぱり効いているんですね・・・素晴らしい!」

と素晴らしいを連発しか芸のない私。興居島出張治療での成果が少しずつ出始めました。今後、もっと信用されるような治療家を目指します!

靱帯損傷

手の指関節の靱帯損傷の患者さんが来院。当院に来られる前に病院で「靱帯損傷」の診断がありました。よく伺ってみると、手術が必要だということです。そこで、インターネットでコピペをして下記に載せます。

『靭帯損傷の治癒にかかる期間は、靭帯損傷の部位や程度、個人の体質によって変わります。以下に、靭帯損傷の程度と、回復までの期間の目安を記載します。

軽度の損傷(Ⅰ度、靱帯の断裂なし)

靱帯が伸びるだけで断裂しておらず、わずかな腫れと痛みを伴います。

部位にもよりますが、およそ2~4週で回復します。

中度の損傷(Ⅱ度、靱帯の部分断裂)

靱帯の部分的な断裂があり、明らかな腫れ、痛み、動きの制限を伴います。

関節が少し不安定(ぐらつく)になります。

部位にもよりますが、およそ4~8週で回復します。

重度の損傷(Ⅲ度、靱帯の完全断裂)

靱帯の完全な断裂があり、強い腫れ、痛み、動きの制限を伴います。

関節がかなり不安定(ぐらつく)になります。

手術が推奨されることも多いです。完全な回復まで3~6ヶ月程度を要します。』

ということは、この患者さんは、靱帯の完全断裂となります。そのため、回復に2ヶ月必要と言われ、テーピングをしっかりしています。腫れはそれほどひどくなく、合計10本の頭への置鍼と、足指へのお灸で手の指の痛みもなく、指もスムーズに動きます。患者さんには、医師としっかり会話をして納得のいく方法を選んでいただきたいと思います。

キャンペーン

本日は、興居島出張費。

8名の患者さんにお会いできる日なのです。島の光は海からの反射を受けて、まばゆいばかり!心が洗われます。1週間に1度こんな素晴らしい体験が出来るなんて、本当に恵まれています。これは、全て興居島診療所所長のおかげです。ありがとうございます。

最終8人目の80才代女性患者Cさんは、

「先生、朝起きた時から頭が痛くて仕方がないんです。」

と、悲痛な訴えをされます。そこで、痛みのある前頭部を丁寧に触れていくと、痺れるような痛みを感じました。

「ここじゃないですか・・・・痛いの。」

「そこです・・・・先生、今日は頭の鍼じゃのうて、お灸をしてください。」

「はい、分かりました・・・・でも、ここ痛くないですか?」

と、お灸をする前に、すべき事を感じた私。足に見つけた治療点に右中指がしっかりと居場所を決めていました。中指を触れるだけで、頭痛がなくなると分かっていたようです。数分して、

「頭の痛いの、どうなってます?」

「・・・・痛くない」

「・・・・じゃあいいか、今日は・・・終わりにしましょうか?」

「膀胱と腎臓を診てください!」

頭痛があまりにも激しいので、それがなくなるだけで良いと感じていたのですが、やはり、それ以外の患者さんが訴える声を、謙虚に伺う必要があります。そこで、いつものように膝診、首診を行います。すると、やはり腎、膀胱の診断点に圧痛があります。それを鍼ではなく、お灸で治療していくのですが、これはまだ学会に発表していない個所。治療していく間、足の指の歪みがひどいので、その理由を聞きたいと思っている私を察知したCさん。

「スリッパを履いていて転んで、こんな指になったんです。」

「スリッパ履くのを、やめましょう!布で出来た草履の方がいいです。足の指先は繊細なセンサーです。江戸時代、電気のない真っ暗な凸凹道を歩いていた日本人は、草鞋で足の指先を地面につけて、探りながら歩いていたから、転ばなかったんです。スリッパはそのセンサーを覆ってしまってるんです。」

と、大声で(Cさんは耳が悪いので)まくし立てる私。Cさんに伝わることが出来たかどうか・・・・老人のスリッパ履きはやめましょうというキャンペーンになりました!

記念日

 

 

昨日は、記念すべき日となりました。令和6年6月11日、「鍼1本の日」と制定いたします。

山元式新頭鍼療法(YNSA)を治療法として、5年。未だかつて1本の鍼だけで治療を完結したことはありませんでした。小学校5年生の捻挫を2本の鍼で治療したのが、最少本数でした。ところが、昨日は、1本の置鍼で頸椎から仙骨にかけての背骨が整ってしまいました。

60才代の男性患者Cさん。長時間歩行すると腰痛が発生する間欠性跛行(かんけつせいはこう)という病名で来院され、8ヶ月目になります。膝診、首診の基本的な治療を行なっていくうち、Cさんのカラダは徐々に良くなっていったようで、

「特に、痛いところはありません。」

という報告を受けることが多くなり、最近では3週間に1度の通院になっています。その結果、昨日の膝診は、頸椎、胸椎、腰椎の圧痛点が顕著にあるだけで、首診(内臓の状態を診断する)には反応がありませんでした。今考えると、鍼1本で良くなる条件は整っていたようです。そこで、1番気になったのが胸椎1~2番。膝ウラの内側がゴリゴリしています。

「これを取れば・・・・面白い!」

と思ったのでしょう、いつのまにか膝ウラ内側に手がいっていました。その治療点を見つけ置鍼。

「どうですか?」

「・・・・・っぱっ!ははは・・・痛くない!」

「そしたら、ここ(膝診の別にある診断点)は?」

「・・・あれ?ははは!」

診断点全てから圧痛点が消えてしまいました。

「Cさん、今日は記念すべき日です。初めて1本の鍼で治療終了となりました。」

この日は、これからの治療人生でのターニングポイントになるかも知れません。

笑顔

本日も、午後10時近くまで治療が続きましたが、明日は患者さんただ一人。波があります。今日は、高校生を4人診ましたが、高校総体、夏の甲子園と高校生活の集大成が近づいているのを実感させてもらいました。少しでもお役に立てたいと思います。

高校生男子のA君、1週間前から右腰痛があり、前屈したり腰を捻ると痛みがあります。そこで、膝診で脳から仙骨までの脊椎の状態をチェックし、頭への置鍼6本でその状態を整えました。これを基礎治療といい自律神経を整えることになります。私の治療を全く知らないで来院したA君は、半信半疑の様子が見てとれていたのですが、1本、1本置鍼するごとに、落ち着いて来て信用しているのが分かります。

「これでどうかな?前屈してみて・・・・どう?」

「・・・・・まだ、痛いです。」

「そうか・・・・じゃ、これから腰をねらうね。」

基礎治療だけで腰痛を治すことは出来ませんでした。そこで、頭頂部からやや後ろにあるKソマトトープという治療点に1本置鍼。

「これでどう?」

「・・・・・・楽になりました!」

と、ニッコリ笑顔。可愛い笑顔にこちらも笑顔で返事。こうなると、勢いでもう3本置鍼。

「どう?」

「全然痛くないです・・・・・・・・これって(この仕事)、どうやればなれるんですか?」

「ああああこれ?専門学校に行って国家資格とるのよ。」

「難しいんですか?」

「西洋医学も東洋医学も学ぶし・・・・まあ、国家資格じゃけん難しいわい。」

とありのままの事を言いました。どうやらA君、鍼灸師の仕事に興味を持ったようです。帰りに松山市にある河原医療福祉専門学校のパンフレットを渡すと、大事そうにバックに仕舞い込んでいました。A君の人生選択の一つの候補になったかも知れません・・・笑顔。

痩せる

「治療を終わって、職場に帰ると小顔になったね!って言われたんですよ」

と、50才代の女性患者Cさん。Cさんは、治療後も1時間ほどの仕事が残っているので職場に帰られるのです。そこでの職場仲間の第一声が、上記だったそうです。そこで、ある患者さんの言葉を思い出しました。

「ここで治療受けて、頭の形が変わったのが分かったんです。生まれてきた時、頭が変形していたのが、戻ってきているんです。これは、長年お世話になっている美容師さんが、『あれ?頭の格好が変わった!』と教えてくれたので、確信したんです。」

そうなんです、頭に鍼を刺す治療法の山元式新頭鍼療法では、頭の形も変わるのです。そして、Cさん治療が終わって帰られるとき、

「あっ!靴がスカスカになってる・・・・」

足もやせるのです。

鍼折れた?

 

鍼を刺すたびに絶叫される40才代の女性患者Cさん。前回の治療後、2日経ってから腰痛がなくなったそうです。それから1ヶ月が経ち、また腰痛が再発したため来院されました。膝診をして、しっかり5本を眉の上と耳周りに置鍼。

「キャ~、痛た~~~~~~~」

とやはり、絶叫!

「・・・・ごめんなさい・・・あららら・・・もう、叫んだらいいわ。声に出すのはいいこと。」

というしかありません。痛みに敏感なCさん、刺鍼の瞬間から絶叫モードに入り置鍼が終了すると静かになってくれます。結局このパターンを7回することになりました。その途中、

「あれ?鍼が折れた!」

と、鍼を刺していない頭頂部やや前方を指刺してポツリ。

「・・・・うん?そこは鍼はないですよ。」

「え?ウソ・・・刺した鍼折れていません?ポキッと音がしたんですけど。」

「いいや、ステンレスの鍼だから、折れたりしないですよ・・・・今まで、一度も折れたことないです。」

「でも、ここ(頭頂部前方)熱くないですか?ほら?」

と、Cさん頭頂部前方にご自身の両手をかざして、猛烈アピール。やんわりと手を近づけていくと確かに、湯気が立っているような熱さを感じました。

「なんか、ここ緩んで熱いんです。」

「ああそしたら、絡(から)まっていた筋膜が、緩んでポキッと音がしたんだと思います。」

と、説明してCさんに納得していただきました・・・・・と、思いきや、治療後の抜きとった鍼が折れていないか、しっかりとチェック!やっと、納得したようです・・・良かった!

完敗

 

2~3時間もの間、同じ姿勢でしかも右肩を膝に置いた大きなバッグの上に置いて、マイクバスに乗っていた60才代の男性患者Bさん。右肩が全く上がらなくなり、しかも三角筋がうずいて夜中に目が覚めるほどです。この患者さんに2時間近く治療をしましたが、完敗です。全く良くなりませんでした。

理由その1、私の施術が山元敏勝先生(山元式新頭鍼療法の創始者)の施術に全く及ばない、雲泥の差。

理由その2、Bさんのマイクロバスでの姿勢は、肘が外を向きカラダの正中線から離れる状態で三角筋が緊張し、しかも長時間同じ姿勢でいたため、三角筋の収縮が異常になった。

理由その3、Bさんが、60才代で若者ほどの回復力は持ち合わせていなかった。

理由その4、多くの人は、身体運動の法則(重心移動の法則・重心安定の法則)など知らない、習っていない。Bさんももちろん習っていないと思います。すると、いつの間にか、自然の摂理に反した姿勢、動きをしてカラダに無理を起こすようになっているのです。

Bさんには、日常生活での姿勢や動きの指導と、硬式ボールを使ったセルフケアを紹介して終了としました・・・・治療の道は、果てしなく続くのです。

若いって素晴らしい

 

20才代前半の男性患者Aさん、前日長時間の運動をしたので、腰に張りがあり、捻ると痛みがあるそうです。それで、自律神経を整えるための基礎治療を行いました。これは、毎回行います。本来なら上腕診で頸椎、胸椎、腰椎の状態を診断するのですが、私は膝診といって膝ウラを中心の診断を行っています。膝診の利点は、頸椎1番から仙骨までの脊柱の状態を詳細に把握できることにあります。今回、Aさんの場合は、頸椎5、6、7番、胸椎1、2番、7番~10番、腰椎5番に歪みを診断できます。

Aさんの場合は、腰痛といっても、背中に張りがありました。そのため胸椎7番~10番に歪みが出ているのは納得できます。上記の歪みは6本の置鍼で改善されました。

「どうですか、背中をひねって痛みありますか?」

「・・・・・大丈夫です。」

と、Aさんニッコリ。後は、ベッドにうつ伏せになってもらい、肩甲骨の圧痛点(天宗、臑兪といいます)に置鍼。30分後に終了となりました・・・・・若いって素晴らしい!

お灸パワー

1ヶ月とチョット前に来院された女性患者Aさん。2ヶ月ほど前から、逆子になっているそうです。出産日が今月で、逆子が元に戻らなければ帝王切開をすることになるそうです。その間、3回通院されました。私は、鍼灸師になる前から逆子の妊婦さんをお灸で何度も治していましたが、今回のAさんは、来院された時期が遅かったようです。結局、逆子は戻りませんでした。

しかし、初診以降、おへその周りの圧痛点にお灸をすることと、三陰交というツボにお灸をすることは、続けるように伝えました。

①おへその周り→首が座った元気で優秀な子供ができる。

②三陰交→逆子対策

②は残念でしたが、①はわずか1ヶ月だけのお灸でしっかりと首が座っているそうです。赤ちゃんが、左右に平気で首を回しているそうです。元気で優秀な子になることでしょう!

おへその周りにお灸をすれば、妊婦さんのお腹の血流が良くなり、必然的に赤ちゃんの血流も良くなって元気で首が座った子になるのです。お灸の力は偉大です!