90才代の男性患者Aさん、主訴は頻尿。
前回は、左足首のむくみがひどいので、左右のソケイ部をほぐし、左内踝(くるぶし)も軽くほぐしました。
高齢のため、むくみの激しい左脚の腎経(足裏から内くるぶしを上がるライン)に5カ所置鍼し、足底の圧痛点にパイオネックス(円皮鍼)を貼って終了。
2回目の本日、
「調子はいかがですか?」
「あんまり、変わらんな。」
しかし、左足を見ると、むくみは全くありません。少し前進しているようです。
NHKの「ためしてガッテン」で、讃岐うどんの職人さんが、頻尿にならない理由を説明していました。職人さんは、うどんのコシを強くするため、材料をしっかりと踏み込みます。
この作業が、頻尿にならないポイント。
仙骨神経に含まれている副交感神経が膀胱に関与しており、この神経は足底まで伸びる神経とつながっています。足底を刺激することで、膀胱に関与する副交感神経が刺激され、頻尿でなくなるそうです。
また、獨協大学の山西友典先生が、下記の説明をされています。
尿意を感じるときに重大な役割を果たす膀胱からの神経は、脊髄(神経の大元)につながり、その脊髄からの神経は、尿道、肛門の筋肉や肛門周りの皮膚、さらには足の方まで伸びています。そして、その神経が最も身体の表面近くに出てきているのがくるぶし周りなのです。
膀胱から脊髄につながる神経も、くるぶし周りを通る神経も複雑に枝分かれしていますが、ちゃんとつながっています。ですので、離れた場所でも刺激を加えることで、その刺激が膀胱周りの神経に伝わり、なぜか不調の部分が改善されるということが研究で明らかになっています。
またアメリカでは、そのくるぶし周りに電気で刺激するという頻尿治療が行われていて、実際に6~8割の方に効果があった、というデータがあります。
足底以外に、内踝(くるぶし)も効果がありそうです。
そこで、今回は、左右の足底に弱めのお灸を、しっかりして終了。
4日後の来院が楽しみです。