今日は、右

今日は右

3日前に、石臼(うす)を運んで腰痛となった60才代の男性患者Aさん。農業をしているので、毎週通院して、体調管理をしっかりとされています。高校の同級生なので治療前から会話がはずみ時に30分くらいかかる時もありますが、本日は15分ほどでした。

「ほんなら、始めようか・・・・手グーして・・・・パー。」

手のひらの血色を見て左の方が白く感じました。という事で、足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診)では左の方が痛くなると予測。ところがAさん、右の方が痛いそうです。少し変だと感じながら膝診(膝窩横紋周辺の触診)と首診を進めます。

膝診

左:頸椎、胸椎、脳幹、小脳←置鍼せず

右:頸椎(1)、胸椎(2)、腰椎(1)、脳幹(0)、大脳(1)、小脳(0)

首診

左:腎、膀胱、肝、胆、心包、心、大腸、三焦(消化器)、胃、脾、小腸←置鍼せず

右:腎(0)、膀胱(0)、肝(0)、胆(1)、心包(0)、心(0)、大腸(1)、三焦(0)、胃(1)、脾(1)、小腸(0)

Aさんの場合、普段は左側に反応することが、ほとんどなのですが、今日は、やはり右のようです。しかも、首診の反応が左右ともにこんなに多いことは、珍しいのです。

「今まで、左に鍼刺すことが多かったのに、今日は右じゃろ・・・・よう効く感じじゃ。」

今回、Aさんは腰痛だけでなく、首も凝っているそうでかなりお疲れモードです。首診で内臓の状態を診断して、側頭部の治療点に置鍼します。すると、一瞬で首の診断点がゆるみます。首だけでなく首の筋膜から内臓につながる筋膜もゆるみ結果、内臓の調整をすることになります。その後、耳うらと後頭部の腰に関する治療点に置鍼して終了。

「三船十段ちゅう、柔道家知っとる?・・・・あの人の映像があるんじゃけど見る?」

などと、治療後は高校生時代に戻ります。鍼を刺したまま喋るAさんは、常に表情筋を使うため、かなり刺激になると思います・・・・これが、効果的なのかもしれません。

「わしゃ、この鍼がなかったら元気に農業をやっとれん、来週も来年の年初めも、(予約を)もう入れといて。」

と気持ち良さそうに帰るAさんでした。