父親の言葉

興居島に向かう船中、「石原医学大全」に目を通していると、石原結實先生が小学校、中学校の頃の事を述べておられました。『中学2年生までは健康で過ごせたが、中学3年生の後半になり、便秘と下痢を繰り返し、常に腹満(腹部膨満感)、残便感に悩まされる、今で言う「過敏性腸症候群」で苦しんだ。』

私も石原先生のように、中学校3年生に、便秘、下痢、嘔吐などで悩み、小学生では夕方になると神経性胃炎で腹痛を訴え、父親の背中への指圧で治してもらっていました。身をもって父親の指圧の凄さを知った事が、今の職業に繋がっていったのだと思います。

「ひろむ(私の本名)は、指圧が上手いのう!」

私が父親に指圧をしている時の会話には、いつもこの言葉がありました。この言葉が私を導いてくれました。心より感謝しています。そして、普段から

「ひろむは、美術をせいよ(しなさい)、上手いけん!」

の言葉はかけてもらっていました。にもかかわらず、高校では野球部に所属し法政大学経営学部に入学。全く性に合わないので2ヶ月で中退した時、

「ところで、お前は何するんぞ?・・・芸術でもするんかとおもた(思っていた)!」

の一言で売れない芸術家を20年。父親の言葉に運命を委(ゆだ)ねた私でした!