高校野球部のA君、右肘痛が長引いていたのですが、3週間前から通院されボールを普通に投げることが出来るようになりました。ただ、先日ボールを投げた時、右薬指が引きつるような感じになり、肘にかけて違和感があるそうです。今回でA君の治療は4回目。
いつものように背骨を整え(頭の置鍼4本)、自律神経の働きを良くした上で、A君にデルマトーム(皮膚分節) の絵を見てもらい、頸椎から出ている7番と8番の神経が、右薬指に関係あることを理解してもらいました。
ここで、膝診が非常に役に立つことが分かったのです。一般的に山元式新頭鍼療法(YNSA)では膝診ではなく上腕診で、脳、頸椎、胸椎、腰椎の状態を診断します。しかし、上腕診に全く反応をしめさなかった患者さんに対し、膝診を試みた結果、上腕診と同様の反応を示し、それを去年の学会で発表し、認めていただきました。また、膝診の特徴は、下腿三頭筋という膝ウラから始まる幅広い筋肉があり、頸椎から腰痛までを点でなく線で診断出来るため、頸椎1番から仙骨までの状態を診断出来るという利点です。
A君の右薬指が引きつった神経が出る場所が、頸椎7番と胸椎1番あたりになります。このあたりの診断個所が、右膝ウラの内側1~2点になるのですが、触診するとしっかり圧痛硬結点として存在していました。
そこで、右眉毛の上にあるE点の胸椎1番と、右耳横のIソマトトープ頸椎7番に2本置鍼。すると、右膝ウラの胸椎1番と頸椎7番の診断点がゆるみ、右薬指の引きつった感覚が、ほとんどなくなりました。
なぜ、このような結果が出たのか・・・・だいたい分かるのですが、もう少し深掘りしたいので、次回説明致します。