しもやけ対策

冬になると足にしもやけが出来る40才代の女性患者Aさん。お灸をしようとお灸のセットを購入されたそうです。お灸の習慣がまだ残っている愛媛県では、ドラッグストアでセンネン灸はもちろん、モグサと線香が入った紙箱セットを購入出来ます。京都でこのセットを買おうとドラグストアを歩き回ったのですが、ありませんでした。そして、新京極にあるお灸専門店でやっと購入できました。このお灸専門店は、女性に人気があるようで、ほとんどのお客さんは女性でした。今後、お灸に今一度スポットライトが当たるといいのですが・・・

そんな訳で、Aさんにモグサから米粒ほどの大きさの円錐形の艾炷(がいしゅ)を作る方法をお教えし、火をつけたり消したりする方法をお教えしました。Aさんは器用に1回目からキレイな艾炷を作ったのには、驚きました。鍼治療後、冷え性に効くツボにお灸をしました。このツボは次回のYouTubeで紹介しますので、興味ある方はご覧ください。

合谷診:(人差し指と親指の間の触診)左→左上腕診、左膝診を行う

上腕診:頸椎(0)、胸椎(0)、腰椎(0)、脳幹(1)

膝診:頸椎#1~7(2)、胸椎#3(0)、腰椎#6(1)、大脳(1)、小脳(0)

首診:右腎(1)、右膀胱(1)、右大腸(0)、右三焦(1)、右胃(1)、右脾(0)、右小腸(0)、右肺(0)

左肝(0)、左胆(0)、左心包(1)、左心(1)、左大腸(0)、左三焦1)、左胃(0)、左脾(0)、左小腸(0)

Aさんは、1週間に1度の通院で今回が8回目。最初は全身がこっていて痛々し様子でしたが、徐々に全身が緩んできています。この調子でお灸を続け、冬のしもやけができないことを期待しています。

境目はポイントかも

 

耳鳴り治療点が筋肉の境目にあるという前回の投稿から、基本治療点の位置が境目に関係あるのかどうか、検証してみます。A点、B点は、筋肉の境目はありませんが、筋肉の凹みがあります。C点は明らかに後頭前頭筋と側頭筋肉の境目にあります。D点も前耳介筋と側頭筋の境目にあります。E点は後頭前頭筋と眼輪筋の境目にあります。坐骨神経痛に効くF点は乳様突起と後耳介筋の境目にあり、G点は胸鎖乳突筋、顎二腹筋と乳様突起の境目にあります。H点はB点から1cm上のため、凹みがあります。

Iソマトトープは、上耳介筋と側頭筋の境目にあります。Jソマトトープ、Kソマトトープは後頭前頭筋にありますが、圧痛点は凹みと関係あるように感じます。目鼻口の感覚点は筋肉の凹み、12脳神経の治療点も筋肉の凹んだ部分に並んでいます。口腔治療点は、眉毛下制筋と眼輪筋の境目、また胸ソマトトープは、胸骨筋と大胸筋の境目、広頚筋、胸鎖乳突筋と胸骨の境目にあります。

後頭部にある陽のA~E点は、後頭前頭筋の色質の変わった境目に多くあり、マスターキーと呼ばれる上肢、下肢全てに効く治療点に至っては、後頭前頭筋と僧帽筋の極めてはっきりした境目にある事が分かりました。

ただし、首診によるY点の治療点に関しては、側頭筋に置鍼することが多く、境目は関係ありません。

これらのことから、筋肉の境目や凹み、筋肉の質の境目が治療点になっている場合が多いと考えられように思います。そのため治療家は、筋肉をイメージして置鍼すると良いのではないでしょうか。

耳鳴り治療点の理屈が分かった!

週に一回、今回で17回目の治療となる80才代の女性患者Aさん。最近の5回は耳鳴りの治療点に置鍼しています。その結果、家族の喋(しゃべ)り声が大きくなったのが分かるそうです。台所で洗い物をしていると、思わず「うるさいな!」と振り向きそうになることがあったそうです。当院で流している音楽も、通院当初は聴こえるかどうか非常にあやふやでしたが、今でははっきり聴こえるようです。今回も13本しっかりと置鍼しました。

「それにしても、どうして山元先生はこの治療点を見つけたんですじゃろ?」

と私が、つぶやくと同行しているAさんの娘さんが、

「そりゃあ、凄い数の患者さんを診とるけん、経験から分かってくるんじゃわい。」

「・・・まあそういう事かなあ・・・」

と半分納得、半分疑問・・・・そこで、ちょっと理屈を探してみたくなりました。側頭部の筋肉を見ているとヒントが浮かんできました。それは筋肉と筋肉の境目です。それぞれの治療点は2~3の筋肉の境目になっているのです。写真の赤点が治療点・・・・それでは何故境目が治療点なのか?・・・・・それは、筋肉の動きと筋膜との関係があると思います。

それぞれの筋肉は違った動きをするため、治療点にある筋膜が絡(から)みやすくなり、圧痛点となりやすいのです(断定しています)。また、たった1本の置鍼で2~3つの筋肉に影響を及ぼすので効果的なのです。その結果、耳周りの血流が良くなり耳の働きが良くなるのです。

この事を、患者さんに説明すると説得力が出てきます。どうやら次回のYouTubeのテーマが決まったようです。

艾(よもぎ)

 

寒くなってきたので、最近の治療にお灸をすることが増えて来ました。基本的に山元式新頭鍼療法(YNSA)はお灸をすることはありません。全て鍼のみで治療します。私なりに見つけた足の治療点に爪を立てると、患者さんが飛び上がるほどの痛みがあり、鍼を刺しても痛みが出る時も多々あります。あまりに痛いため、申し訳ない気持ちになってくるのも事実・・・何かいい方法は・・・と考えていた時、「何じゃ!お灸があった!」。そして、ある女性患者さんにお灸をしてみました。すると、

「・・・気持ちいいです♪」

といい答えが返ってきました。続いて、70才代の男性患者さんにお灸をしてみると、

「昔は、じいさんばあさんが、艾(よもぎ)を取ってきて、干して乾燥した後、石臼でなあ引くんよ。そしたら、綺麗なモグサが出来よったぜ・・・・そしてなあ、昔は薬なんかなかったけん、腹が痛かってもお灸、肩がこってもお灸。何でもお灸で治しよった・・・」

そうなんです。私が幼いころ、ケガをすると父親が、

「よもぎの汁をつけたら治るけん、つけとけ。」

と言われて、石の上によもぎを置いて、別の石で叩いてお汁を出し、それを傷口につけていました。大人になってもその教えが頭にあったため、夜にケガをした時、よもぎの汁をつけ、翌日病院に行ったところ、

「傷口が汚れていて、良くない・・・こう言う時、傷口を汚したらダメです。」

と言われてしまいまい、よもぎの汁伝説が無惨に崩れ落ちたのでした・・・・

耳鳴りで思ったこと

こと

 

「はじめてのおつかい言う番組があろう・・・・あれ、面白いんよ。あれは、祖谷の橋造りしとるお父さんの子供が、買いもんするんじゃけど、大きなお豆腐を、間違えて2つ買うたりして・・・・(中略)・・・・そして、最後にお父さんバンガッテ(がんばっての意味)ちゅうて言うんよ、それが聴こえるようになったんよ、間違うとるんが分かるようになったんよ。」

週に一度の通院で、4回連続して耳治療をした結果、徐々に聴力が回復しているのは、80才代の女性患者Aさんです。現在は、両耳治療で13本の置鍼をしていますが、次回は第8脳神経(内耳神経)の治療点にも2本合計15本の置鍼に変えてみようと思います。この文章を作成中にも、耳鳴りでお困りの患者さんからの予約電話がありました。耳鳴りでお困りの方は、結構おられます。

健康にはかなり自信がある私も、実は耳鳴りなのです。もう10年くらいセミが鳴り続けているのですが、あまり気にしていません。年相応なんだと諦(あき)らめています・・・ただ、私が置鍼している個所に鍼をさせる鍼灸師がいれば・・・・と、考えた時、初めて患者さんの立場が分かりました。「よっぽど腕のいい鍼灸師でないと行かん!」そんな思いが浮かんで来ました。

患者さんは、痛い思い、遠いところから通院など様々なマイナス要素を、はるかに上回る効果を望んで鍼灸院に来られるのです。一本一本の置鍼、問診、空間管理全てを大切にしていこうと、意を新たにしました。

音楽

 

昨日は、あじさいクラブのメンバー4名と、知人3人でmoon glow(ムーングロー)という生演奏できるバーに行きました。滑川渓谷での大失敗の経験から、しっかりチューニングして、2曲間違うことなく気持ち良くベースギターを弾けました。My wayと愛の賛歌・・・これから徐々に増やしていきます。

それにしても、アメリカ・ロサンゼルスでプロのミュージシャンとして成功しているAさんの演奏は圧巻でした。どんな曲でも楽譜を見ないで迫力ある楽しい演奏をされます。松山という地方都市にいながらこんな時間を過ごせるなんて・・・これからは、松山です!

最近の患者さん、何故か音楽関係者、音楽愛好家が増えてきています。私は全く音楽とは縁がない人間で、音楽にコンプレックスさえ感じていたのです。それがどうでしょう・・・大好きになってきています。鍼治療と音楽が融合できれば面白いですね。実際、患者さんには好きな音楽を

「OK グーグル◯◯の曲をお願いします。」

で、患者さんの好きな曲を聴いてもらいながら、治療をしています。患者さんに様々なことを伺っていくと、鍼と音楽の融合治療が生まれてくるかも知れませんね。楽しみです♪

オデコのA点紹介

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、A点という額(ひたい)の正中線より1cm外側にある治療点があります。これはA1からA7まであり、A1は頸椎#1に対応し、A7は頸椎#7に対応します。A1は生え際から1cm上になり、A7は生え際から1cmあるため、A1からA7の長さは2cmほどになります。

宮崎のセミナーで山元敏勝先生が治療をされていたのを、見学した時全ての治療においてこのA点を使っておられました。全てA点だけで治療されていたこともありました。そのため、鍼(はり)は、オデコの生え際に密集していました。そこで、教科書に書いてあるA点の適応症を紹介します。

1)外傷、捻挫、または術後の除痛

2)頭痛、偏頭痛

3)頸椎症

4)頸椎捻挫

5)めまい

6)肩甲部痛

7)脳障害によるいろいろな症状

8)顔面麻痺

と多岐に渡ってあります。1)の外傷、捻挫があることを知りませんでした。改めて、この教科書を勉強する必要があると痛感しました。次回から、確認を含めて内容をご紹介しようと思います。

己を知る

ハリ、やいと、お灸、鍼灸・・・一般の方には、取っつきにくい、そして敷居の高い、非科学的で胡散臭(うさんくさ)いものと思われているかも知れません。ましてや、頭に鍼(はり)を刺すなんて・・・と、なります。そこで、山元式新頭鍼療法(YNSA)の鍼灸師として、いかに敷居を低くするかを考える必要があります。

例えば、季節が良い時期に野外で行われるエコをテーマとしたフェスティバルなどに、参加しテントを設置して、施術をするのは良いかも知れません。人々の前で施術を見ていただくことが大切なのかも知れません。特にYNSAは、即効性があるので現場で立ち会った人々に実感していただく良い機会だと思います。

また、頭に鍼を刺すことに恐怖を感じる初診の患者さんは、YNSA学会に認定されていませんが、足に見つけた治療点にパイオネックス(皮内鍼)を貼る治療の選択もあり・・・とするのも一案。

実際、今日初診の患者さんで鍼に恐怖心を持っている50才代男性患者Bさんに頭か足か選択してもらいました。やはり痛くない足のパイオネックスの治療となりました。診断点がある肘周辺の圧痛点がなくなっても、Bさんの訴えている個所の痛みが軽減しても、どこか不安、疑問を感じている様子でした。そこで今年亡くなられた野村克也元監督の言葉が、浮かびました

「よい仕事をするには、「己を知ること」が大切。その上で、さらに相手を圧倒する何かを考えることが大事」

私は、己をまだよく知っていないようです。今日の私の態度、治療姿勢のがどうも変だったのかも知れません。最近床に敷いたマットの上であぐらをかいての診断をしていたのですが、初診患者Bさんには、その事がすでにに変で胡散臭(うさんくさ)い状態だったのかも知れません。そこで、写真のように患者さんと座って向かい合うようにし、マットを共有することにしました。初診の患者さんに対する第一印象にもっと気をつけなければなりません。

敷居を低くする前に、敷居を高くしている己の態度を改めて見直す必要があったようです。

聴こえる歌が大きなった

80才代の女性患者Aさん、前回の耳なりの治療点に7本置鍼したのが効いたそうです。左耳から聴こえる人の声が籠(こも)った声だったのですが、普通の肉声になったそうです。そこで今回は、左だけでなく右の耳治療も加えて合計13本の置鍼を最初に行いました。

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、治療の基本ルールがあります。まず左右の合谷診(人差し指と親指の間の触診)をして、痛い側の上腕診と膝診をします。そのあと、首診をして内臓の診断をし治療します。しかし、耳なりの治療はこれらの基本ルールとは関係なく存在するので、Aさんには最初から13本の置鍼をしました。そのあと、合谷診、上腕診、膝診をしました。

合谷診:左(左の上腕診、膝診を行う)

上腕診:圧痛点なし

膝診:胸椎#4、#5(1)

首診:圧痛点なし

一本の置鍼で膝が緩みました。

置鍼を終えて、雑談をしていると、

「・・・・今聴こえる歌が、大きくなった。」

どうやら、耳なり治療点の置鍼が効いたようです。耳なりの置鍼は耳の中央部に向けて丹田(私の)から鍼(はり)を刺すことを念頭に置いています。少しその意識が効いているのかもしれません。天才山元敏勝先生が見つけられたこれらの治療点は、常に患者さんの感覚に従い押圧して、最も痛いところに置鍼することが大切です。

それにしても、どのようにしてこの耳なりの治療点を見つけられたのか・・・そのプロセスを考えることは、山元式新頭鍼療法(YNSA)を実践している鍼灸師として、新たな治療点を導き出すヒントになると思います。

あぐらをかく

 

「あぐらをかく」とは・・・・

脚を左右に開いた形で、足首を交差させる座り方。男性的な座り方とされる。そこから転じて、堂々と、あるいはずうずうしくも居座っているさまにも用いる。「胡坐をかく」とも書く。

とあり、ずうずうしく努力をしない様を表現した言葉と捉(とら)えられています。これは西洋文化が日本に入ってくる前の言葉で、今の生活様式で「あぐらをかく」の意味あいなら、「テーブルに足を投げ出す」でしょう。そこで、「あぐらをかく」の意味あいではなく、あぐらをかいている状態を想像してして下さい。私は黒澤明の時代劇のシーンが浮かんできます。膝が床についた頭を頂点とした綺麗(きれい)な三角形で安定した状態。これが出来ない人が多くなったのは、やはり畳に座ることが少なくなったせいでしょう。

現在、患者さんに回転式の籐座椅子(高さ35cmくらい)に座ってもらい、私は床であぐらをかいて診断しています。治療時は片膝を立て、もう片方の脚は膝をついた状態で置鍼しています。これだと体重移動が簡単で、丹田に力が入ります。

「先生、1本1本の鍼がずしんと重い感じがする。」

とある患者さんから言われたことがあるのですが、きっと置鍼の姿勢が変わったせいでしょう。紺色の白衣にジーンズと足袋の様な黒い靴下を履いているので、ちょっと忍者風の鍼灸師になっている私ですが、忍者になったつもりで、丹田からエネルギーを送る意識はしています。

あぐらをかくと、足裏やふくらはぎを触ることが出来ます。カラダとの対話は大変大切です。イス生活に慣れた方は、もう一度畳で「あぐらをかく」生活を心がけるのも良いと思います。