軟式野球部A君の続編

軟式野球部A君の続編

前回の治療から5日経って来院。
左腰にまだ痛みが残る(ボールを投げた時)そうです。前回同様、氷水袋で冷やすことにしました。
うつ伏せになってもらい、直接皮膚に氷水袋。

「冷たくない?」

「大丈夫です。」

「気持ちええ〜?」

「ハイ!」

しばらく、トントンと小刻みに氷水袋を弾(はず)ませていたのですが、右腰を触ると、熱っぽいので、

「右の方もやってみるね〜〜」

その瞬間、カタツムリに触れたように、右腰が縮みました。

「冷たい?」

「ハイ!」

「ごめん、ごめん🙇」

『う〜ん、左腰は、深層に熱がこもっとる。それにしても、カラダは正直じゃね〜!』

少年の原始感覚に感心しながらも、チョット冷静な私でした。3〜4分冷やしていると、

「もう大丈夫です。」

充分冷えたようです。今度は、ベットに座ってもらい、背中を改めて見てみます。
脊柱を上から下へ中指で辿っっていくと、腸骨の上あたりが、右に歪んで、左腰の膨隆が
顕著です。そして、同側の左肩甲骨上部も膨隆した分、反対の右肩甲骨下部が張っています。

カラダは、歪みを作り合いながら、バランスを保っています。この背中のバランス関係が、腕や足に反映しています。左の二の腕(上腕三頭筋)、右肘(前腕内側)、左ふくらはぎ(腓腹筋外側)に鍼とお灸。

「ハイ起きて下さい〜。ボールを投げる格好してみて!」

「治療前の痛みが10、全く痛くないのが0。今、どのくらい?」

「3」

再び、ベットに寝てもらいます。今度は、左を上にして横向き(側臥位)。A君が、しきりに、

「ここが、痛いです。」

一番下にある肋骨は、浮いていて触ると、結構痛いのですが・・・A君、その周辺を押さえています。

「よし、そこにお灸をしよう!」

左の首と左の足首の圧痛点に鍼を刺し置き、A君が指定した2カ所に、お灸。

「ハイ、起きて下さい〜〜。さあ、またボール投げてみて〜、今度はどう?」

「うお〜〜、軽い!」

「限りなく0に近い1」

お灸が効いたようです!

ゴジラ発見

全国でも強豪として知られている軟式野球部のA君。
ボールを投げた時(A君は、右利き)、左の腰(骨盤の10cm程上)が、

「ブチッ」

と音がして、背骨が移動した感じ。腕を戻した時にも、同じ音がして背骨が戻ったような感覚だったそうです。凄い感性です。
病院では、炎症と診断されました。左の腰には、湿布が貼られています。炎症している時は、氷水が一番効きます。これは、師匠の今昭宏先生からの教えです。

お灸は火の力を利用しているのですから、氷水の力をお借りするのは、考えてみれば当然のことです。
A君はまだ15才。感性豊かな少年には特に効きます。氷と水を入れたビニール袋を用意します。

「A君、湿布の上に氷水の袋を置いて、突っつくけど気持ちが、ええかい?」

「ハイ!」

「気持ちええのが、のうなったら、言うてや?」

「ハイ!」

右の腰を触れると、同様の熱を感じたので、右腰に氷水袋を置いてみました。

「こっちは、気持ちええ?」

「いいえ!」

「冷たい?」

「ハイ!」

比較する事で、左腰に熱がこもっているのが分かります。しばらく、氷水袋で突いていると、

「もう、いいです!」

少年の感性は、本当に正直です。これだけで、元気をもらえます。次は、腰痛の原因探しです。
あくまで腰痛は、結果です。腰痛の原因は、足あるいは前腕だと推測します。ふくらはぎと太ももの内側に押圧。

「痛いかい?」

「いいえ!」

『・・・・?』

全く痛がりません。『これだけ、反応しないのもそうそう無いな〜〜』と感心しながら、今度は、左腰痛の同則、左前腕を押圧。

「痛い!」

ありました。
肘内側の横紋(肘窩といいます)の下に海底を泳ぐゴジラのような塊。思わず、

「ここじゃ、ここに鍼じゃ!A君、鍼は初めてかい?」

「ハイ!」

「そうか?!・・・そしたら、怖いのう〜〜?」

付き添いで来られているお母さんが、

「何でも、経験よ〜〜!」

と、ニコニコ顔。ついつい、こちらもニコニコ顔。

「あのな〜、一番細い鍼にするけんな〜」

ゴジラの心臓部めがけて、刺します。全く痛みを感じていないA君、拍子抜けの顔をしています。
しばらく鍼を上下に移動させます(これを、スズメがエサを食べるときの仕草に似ているため、雀啄
ジャクタクといいます)。
ゴジラの尻尾や腕にも刺していき、今度はお灸です。

「お灸も初めてじゃろ〜、ちょっとチクッとするけんの。」

「どうじゃ?大丈夫かい?」

「ハイ!」

初めて尽くしのA君ですが、もうすっかり安心しているようです。ゴジラが居なくなってので、今度は、ミニラ探し。左母指球の下の手首付近を泳いでいました。

そこにも、鍼とお灸。

「先生、ボールは右で投げるのに、何で左腕なんですか?」

とお母さんが、素直な質問をされました。

「バットは、左腕を使って振るんです。素振りしよる?」

「ハイ!学校ではやっています!」

正直に答えてくれるA君、家では素振りはしてないようですが、監督さんの前では、しっかり素振りをしているようです。右腕には、ゴジラもミニラもいませんでした。
バットを返す時、左手首と左肘にかなりの負荷がかかります。右腕は、添えてバットコントロールをするだけで、それほど負荷はかかりません。どうやら素振りが原因の一つようです。

ベットから起き上がってもらい、A君に、

「どうしたら、痛いの?」

「ボールをなげたら痛いです。」

「そしたら、投げる格好をしてくれる? どう?痛い?」

「ハイ、痛いです。」

「こっちに来た時の痛みが、10で、全く痛くないのが0としたら、いくつぐらい?」

「2」

「おっ、そしたら、今日は、終了!」

美空ひばりは、凄い

30数年前、胃の摘出手術したのが原因なのか、5~6年前、腰椎の圧迫骨折された70代の女性Bさん。

「背骨の出っ張とるところが、チクチク痛うて、仰向けで寝られんのです。咳するんでも、腰を抑えんと、痛うてできんのです。」

暗い表情で元気のないBさんの治療に入る前に、

「今、石原裕次郎が、流れていますが、(前の患者さんのリクエスト)演歌お好きですか?」

「女の歌手じゃったら、ええんですけど。」

「じゃ〜、美空ひばりで行きましょうか?」

「ハイ、お願いします。」

やはり、この年代の方々は、美空ひばりに勇気づけられ、元気をもらったのです。ひばりさんの話になると、生き生きとしてきます。音楽の持つパワーは大したもの。しかし、初回の治療では、なかなか腰痛は、取れません。3日後に来てもらうことにしました。

2回目の来院。寝ていて起き上がる時、右腰に電気が走るような痛みが来るそうです。右前腕が硬く押すと痛いので、ゆっくりほぐします。少し腰が楽になったので、短時間だけ仰向けになってもらいます。お腹の手術跡を、2本のダイオード鍉鍼をお箸のように使ってほぐします。これが効いたのか、腰が柔らかくなりました。

3回目の来院(5日後)。まだ、背骨の出っ張りがチクチク痛いそうです。いつものように太ももの内側と、ふくらはぎに鍼やお灸。
背骨が痛いので、手首の母指球の下の圧痛点にお灸を5壮。美空ひばりの話をポツリポツリと話しながら、ゆったりと時間が流れ、腰が随分ゆるみました。

「先生、靴下が履きやすくなりました。」

4回目の来院(1週間後)。何が効いたのか分かりませんが、

「先生、だいぶ良うなりました。自然と咳ができます。前じゃったら、腰を抱えとかんと、できんかったのに。」

そこで、前回と同じように治療して終了。

5回目の来院(1週間後)。

「先生、もう腰のチクチクは、なくなりました。」

うつ伏せで、ふくらはぎと膝裏に鍼。Bさん、とても気持ちいいそうで、美空ひばりの唄を楽しんでいます。

6回目の来院(10日後)。

「看護婦さんに、以前よりしゃんとしとる、と言ってもらいました。先生、ここ触ってください。背骨の出っ張りが少なくなってきました。骨って動くんですね〜。」

仰向けになっても全く大丈夫になりました。

7回目の来院(3週間後)
いつものように、太ももの内側とふくらはぎを中心に、鍼とお灸。

「凄い、凄い立ってズボンがはける!」

更衣室から大きな声が聞こえました。

それからは、調子がいいので、1ヶ月後に8回目の来院。
今回は、肩こり。

もう杖をつかなくても、歩けます。様々な行事にも積極的に参加できるようになりました。

やっぱり、「美空ひばりは凄い」

巨刺(こし)という治療法

4日前から、膝屈伸をすると右のお皿(膝蓋骨)の下が痛いA君(17才)。
180cm、70kgの筋肉質な体型です。

太ももや足首の筋膜が縮み、引っ張りあう事で、膝痛が起こると考えます。そのため、写真の様に
鍼を刺し置きします。

刺し置きしている間に、巨刺(こし)と呼ばる古代からの治療法を行います。これは右膝の痛みを、左肘で治す治療法。 丁寧に左肘の圧痛点を探し、鍼とお灸。お灸は、20壮以上。

治療を終えて、

「A君、治療前の痛みが10、全く痛みが無いを0としたら・・・今は?」

「1(いち)」

「もう少し、治療したいので、もう一回おいでよ!」

と言ったところ、

「えっえ〜〜・・・・・」

「あっあ、膝が痛なったら、また来てや。」

と押しが弱い院長でした。

ニコニコ顔のCさん

5年前から、内臓疾患。
手術後、坐骨神経痛と診断され長時間のイス座位が出来ない70才代の男性Cさん。

「どこへ行っても薬か、けん引だけ。しっかり治らないので来ました。」

ご自身のカラダ事情を的確に説明出来る知性派。
色々触診をしているうちに、右足の内くるぶしと左太もも内側に飛び上がるほどの痛み。
丁寧に押圧し、鍼をその箇所だけに、9本と8本、合計17本刺し置き。

途中で気持ちよく眠りについたCさん。

『気持ち良さそうだし、もう治療は終わり!』

治療時間40分。

「足がポカポカして、初めて治療を受けた気がします。 」

とニコニコ顔で帰るCさんでした。

首をかしげる程良くなった症例(続報)

首をかしげる程良くなった症例(続報)

3週間に6回通院されたAさん。顔色も良く手足も温かくなりました。
そのため、腹診をしながら、カラダ全体のバランスを整える治療となります。

「本当に、良くなりましたね〜、お家で操体法をされていますか?」

「操体法?・・・・あゝ、指一本ずつ伸ばしたり、それから、水を飲んで、咀嚼(そしゃく)をしっかりとするようにしています。指摘されて、納得しましたから。ストレッチのような事も、毎日しています。」

「中々治らなかったものですから、これを機会に、しっかり治そうと思って・・」

やはり、Aさんは初回の診察でお教えした操体法を、毎日やっておられたのです。学習意欲と能力が非常に高い患者さんです。

几帳面な性格の方ですから、徹底的にしておられるのを、感じ取ることができます。必ずしもAさんのように上手くいくということは、ありません。今回は、むしろ珍しいケースだとは思いますが、「3週間に6回集中し施術、しかも毎日操体法を行う」というのは、治療パターンの一つとして考えられます。

改めて、操体法の素晴らしさを確認できた症例です。

人生は即興です

大学時代、共同生活をしていた親友Aさんが、患者さん。
世界ツアーをしている舞踏グループのメンバー。腰痛と古傷の膝が気になるそうです。

治療をしながら、昔話がポロポロ。

「石井さん(伝説の舞踏家)を大学に呼んだのは、Aじゃったろ?」

「違う、違うUだよ・・・ワークショップをアクアク(ジャズ喫茶)でする様になって・・・あの頃、転形劇場をやったり・・・大杉漣さんも来たよ、近藤等則さん、田中泯さん、そのポスターを作ったのが、畠山直哉。」

ポロポロ出てきます。訳が分からない勢いのある流れに飛び込み、遊び、もがき共に過ごした友。
その友のカラダを丁寧に触れる時、石井満隆氏のワークショップがよみがえります。

「人生は、即興です」

の一言で、石井満隆ワークショップが始まりました。その言葉の波動が、カラダに火をつけ、今までの生き様と、これからの生き様を踊って表現していったのです。

「お〜〜い、ここ痛いじゃろ」

私が触れたのは、膝の内側にあるしこり。丁寧に探り鍼を刺します。普段からカラダの手入れをしている
舞踊家の筋肉は、素晴らしく柔らかい。触れていくうちに、段々と頭が下がっていきます。何か神々しい
ものに触れている感覚。

治療しているにもかかわらず、私が治療を受けているような感覚になります。カラダは小宇宙。その小宇宙で表現している舞踊家は、神の域に近づいて行くのだろと思います。Aさんは、舞台に上がっただけで、観衆から拝まれような舞踊家になって行くことでしょう。大野一雄さんのように。

いつの間にか、治療は終わっていました。

即興ライブ

即興ライブ

料理人のAさんは、仕事柄立ちっぱなし。休日は、大好きなテニスで汗を流します。調子がいいと、
ドライブにも出かけます。ところが、運転中に、膝から足の甲にかけて筋肉が引きつってしまいました。
Aさんは、高校時代からカラダのケアを人一倍しているので、常に痛みの原因を、追求しています。

「膝の下の前側が、つってしもたんよ。それがな、日曜日じゃろ〜。火曜日になったら、もっとひどなったんよ!」

「こりゃあ、いかんとおもて(思って)必死でストレッチしたら、だいぶ、よおなったんよ。ほじゃけど、ここら辺(膝下)がな〜、はっとんよ。それと、左手でモノを持ったら、すべり落ちる時があるんよ。」

引きつった膝下も大変ですが、左手も大変そうです。料理人らし太い親指が、硬く腫れ気味です。
仰向けになってもらうと、やはり、左手首が浮き上がって硬くなっています。骨盤は、左が15mm程下がっています。

左母指球を丁寧に時間をかけて、ほぐします。すると、浮いていた手首が柔らかく沈み、骨盤も整い左右の足の差がなくなりました。手のひらと骨盤は、つながっています。手の甲には、腰痛点というツボが2つもあるくらいですから。

気になっている膝下には、直接鍼とお灸をします。かなりほぐれましたが、背中にひっかかりが出てきました。これには、肘下の張りとふくらはぎの圧痛点に鍼。すっかり良くなりました。

Aさんのように、常にカラダと向き合っている患者さんは、刻々と変化するカラダの状態を教えてくれます。その変化を追ったり、追わなかったりは、施術家の即興ライブです。

首をかしげる程良くなった症例

首をかしげる程良くなった症例

こんな症例は、あまり書くべきでは無いと思うのですが(毎回、こんな患者さんばかりでは、無いからです。初診だけの患者さんも、当然おられます)書きながらその理由が分かってくるかも知れないので、進めます。

細かい文字を読んだり、多くの方々の話を伺う仕事で、肩コリ、偏頭痛でお悩みの30才代の男性Aさん。
顔色が悪く、伏し目がちで足が冷えきっています。仰向けになって貰うと、左手首が極端に緊張して浮いています。
また、骨盤が左下がりのため、25mm長くなっています。ところが、丁寧にカラダのポイントを筋膜はがしすると、足の長さが整い、左手首もかなり柔らかくなっています。

咀嚼不足で内蔵が下がり筋膜が引っ張ると、肩の筋膜も引っ張り合い肩コリとなります。そこで、腹部に鍼を刺すと、筋膜がゆるみ肩コリを軽減できます。案の定、Aさんは咀嚼不足です。
鍼を刺そうと、Aさんのお腹を見ると、ヘソの右横に10cm程の大きな傷あと。

「6才のとき、尿道狭窄の手術をしました。でも、今は大丈夫です。」

『う〜〜ん、大丈夫じゃないな〜、腹の筋膜がからんでいるので、肩コリに影響しているはず・・』

と、傷あとをダイオードテイ鍼2本を箸のように使い、ほぐします。痛がるAさんに、

「すいません、チョットガマンして下さいm(_ _)m」

かなり効いたようです、右肩が柔らかくなっていまず。その後、腹部に鍼を刺し置きます。
手首、足首の圧痛点にも鍼を刺し置き、終了。
首の可動域が随分広がって、Aさん、

「首が随分軽くなりました。」

2日後に来院。
顔色が良くなり、肌がツルツルしています。骨盤も整っており、足の左右差ゼロ。

3回目の治療は、私が京都へ出張治療に行くため、1週間後。

今思うと、この1週間に、良くなったヒントがあるように思います。
初診日に、仰向け両膝1/2屈曲位で、自力自療の操体法をAさんにお教えしたのです。そして、思い出しました。

「1週間空きますから、ご自身で、操体法をやってくださいね!」

真面目なAさんは、毎日操体法を続けたに違いありません。それが証拠に、3回目の治療でAさんの足を触った時の驚き

『あれっ?熱いくらい暖かい!』

「足、暖かいですね〜〜」

「ハイ、今までは、足裏にホッカイロを貼っていたのですが、今は、必要ありません!」
手首、足首に施術し終了。

4日後に4回目の来院。
すっかり顔色が良くなり、カラダ全体のバランスが良くなっています。Aさんの気になるところは、昼間の食慾が無いくらいだそうです。もうこの時点で、ほぼ完治です。

3日後に5回目の来院。
相変わらずカラダのバランスがいいので、腹診から始めます。腹部の痛みもそれ程でもありません。
前腕と足首にも圧痛点がそれ程ありません。そのため、左右の足首に1本ずつ、左右の前腕に2本ずつ
しかも、一番細い鍼を刺し置きするだけにしました。すると、Aさんがボツボツ話しかけてきます。

「以前は、リラクゼーション、ストレッチ、病院と肩コリを治すために週に何回も行きました。それでも、一向に治らないんです。」

「友達に言われ、温寒湿布をしたり、お風呂でゆっくりしてもダメでした。でも、もう必要ありません。
早くここへ来ていれば良かった(すみません・・このお言葉は、事実なので、書きたくないけど、書きます)。」

「ここ(当院)に来て、随分節約できました。」

結論、Aさんは学習意欲が高く、しかも、学習能力が高いため、自力自療の操体法を短時間で習得した。
この症例を書きながら、思いついたので、Aさんに確認していませんが、おそらく、この結論が正しいと思います。

カラダはやっぱり偉い!

カラダはやっぱり偉い!

右肘の外側の出っ張り(前腕外側上顆)が、痛い50才代の男性患者Cさん。
サイクリングが趣味で、時には、300kmも走ることがあるといいます。去年の夏、庭木を剪定(せんてい)
していて、急に痛くなりました。しばらく経って、収まっていたのですが、3〜4ヶ月前から再び痛みが戻ってきたそうです。

患者さんの多くは、股関節、太腿内側を押圧すると、痛くて悲鳴をあげるのですが、Cさんは、全く反応しません。自転車で走っているので、下半身の血流がいいのかもしれません。しかし、右肘は、いわゆる
テニス肘で、血行は良くありません。

天城流では、肘痛は肩甲骨のコリが原因と捉えます。そこで、肩甲骨の圧痛点を丁寧に見つけ、鍼とお灸で治療をしますが、中々痛みが取れません。

「チョット、しつこいですね〜〜。肘痛になってから、時間が随分経っているので、負荷があちこちにに分散しているみたいです。」

右肘や右膝の内側の圧痛点に鍼とお灸をしても、痛みは変わりません。
そこで、肩甲骨と肘の中間にあたる二の腕(上腕三頭筋)に、鍼とお灸。
やっと、痛みが半減しました。

「ここが、効きそうです。」

今度は、Cさんが前腕外側を指差して、教えてくれました。
そうです!本人のカラダが一番よく知っています。言われるままに、前腕外側に鍼とお灸をしました。

「あっ、随分いいですね〜〜。痛みが10から3位になりました。」

どうやら、Cさんのカラダは、施術途中で前腕が効きそうだと、分かっていたようです。その声無き声に、耳を傾けることが大切なようです。カラダはやっぱり偉い!