国宝を治療家として観る

「国宝を、鍼灸師としてどう観ました?」

「うん?・・・ちょっと鍼灸師としては観てなかった・・・」

「野口晴哉先生(野口整体の創始者)の弟子が映画を観に行った時、野口先生が整体師としてどのように観たのか?と、質問したそうです。」

と、患者さんから言われました。鋭い質問を受けタジタジとなったのですが、それからしばらく経ち、改めて国宝を鍼灸師としてあるいは、施術者としてどうとらえたのか考えてみました。

国宝の映画で印象に残ったシーンの1つが、田中泯さんの白塗りのゴツゴツした手。本来なら歌舞伎役者の手はあれほどゴツゴツしていません。田中泯さんは女形を演じて声は女性の声になっているのですが、山奥で農作業をしていた手が田中泯さんの生き様をさらしているため、異様な迫力で迫ってきました。

手が生き様を表現していることを改めて思い知ることになりました。施術者は手で触れて患者の状態を探ります。また、頭皮に触れないで患者さんの波動を感じ取るセンサーにもなります。触れるだけで治療をするときもあります。そんな機能的な手は、生き様そのものとなるのです。

国宝を治療家として観ると、田中泯さん演じる女形の手が奇抜、異様な「歌舞伎」そのものであった・・・・と、言うことになるようです。

肩の痛みを大腰筋で取る②

山元式新頭療法(YNSA)でヘソを中心にして左膝ならば、左肘。右足親指ならば、右手親指が治療点となります。この治療法則を理解してからは、全ての筋肉には上下で対応する筋肉があるのではないかという考えで治療点を探っています。昨日紹介したガッチリとした体躯(168cm、90kg)のAさん、右肘を引くと右大胸筋の上に痛みが出るそうです。この大胸筋の上部に対応するのが、右大腰筋ではないかと推測しmています。

つまり右大腰筋がゆるむと、右大胸筋の上側がゆるむのではないかという推測です。操体法では、「快高圧」という今昭宏先生が考案された操法があります。これは、狙った筋肉を最大限に伸ばして、屈伸してもらい、その筋肉をそのまま保持することで、その筋肉に圧が加わり血流も良くなり筋肉がゆるむ操法。

Aさんに大腰筋狙いで行いました。結果、右肘を引いた時の右大胸筋の痛みが、

10→2~3となりました。次回の施術でも同様にしてみるつもりです。

肩の痛みを大腰筋で取る①

140才代の男性患者Aさん、初めての来院です。重い物を運ぶことが多いため、ガッチリとした体躯(168cm、90kg)をされています。1ヶ月前、朝起きて肘を後ろに引くと肩の前から胸にかけて痛みがありました。その痛みが今も続いています。そこで、ベッドに仰向けになってもらいます。

確かに右肩と右前腕部が固まっている感じで、右脚が2cmほど短くなっています。そこで、右肩、右前腕部を「痛気持ちいい程度」で押圧すること、3~4分。これだけで、左右の脚がそろい、骨盤が整います。今度は、右肩を上にして横向きになってもらいます。

「下の脚をまっすぐにして、上の脚を90度に曲げてもらってよろしいですか?」

と、右臀部が安定した状態を作ってもらいます。主要なツボを押しながら太ももの外側(腸脛靱帯)を押圧・・・・・?普通なら、必ず痛がる個所。

「どうですか?痛いですか?」

「いいや、全く痛くないです。」

「えっ!・・・そうですか・・全く痛くない?」

「はい。」

多くの患者さんが痛がる個所なのに、全く痛くない。これは、Aさんが普段取っている体勢と動きに関係があると思います。重い物を運ぶ時「足は親指、手は小指」という重心安定の法則で動いていますが、長時間反復すると、「過ぎたるは及ばざるがごとし」大腿部内側に圧力がかかり過ぎているのだと思います。そこで仰向きになってもらいます。

「ここ(大腿部内側)は、どうですか?」

「痛い!」

やはり、ポイントは大腿部内側。特に大きな大腰筋が関係しているはずです。Aさんは、肩の三角筋の前側から大胸筋にかけてに痛みがあるので、その治療個所は、体幹と太ももをつなぐ「大腰筋」と推測します。(つづく)

国宝

昨日は、話題の映画「国宝」を観ました。「歌舞く」とは、常識や慣習から外れた、派手で奇抜な振る舞いをすること。そこが、任侠の世界とも通ずるところがあり、任侠人が歌舞伎役者を贔屓(ひいき)することもあったようですね。主演の吉沢亮さん、横浜流星さん、渡辺謙さんも素晴らしかったのですが、田中泯さんが、重要なポジションで歌舞伎の本質を体現しておられました。

田中泯さんは、私の大学の先輩にあたります。そのため、在学中に大学の真っ白なスタジオで、田中泯さんの泥だらけの裸踊りを観る授業がありました。当時、東洋一の肉体美といわれていたのですが・・・気持ち悪さ、奇抜さだけがココロに残りました。田中泯さんは一人で踊り、山梨県の山奥で井戸を掘り、生活され・・・暗黒舞踏の創始者・土方巽(ひじかたたつみ)さんとの交流後、暗黒舞踏の踊り手となりました。

土方巽さんが亡くなった1年後、ベルリンのクンストラハウスベターニアンという国際的現代美術センターで踊り、評価を得てから、世界各国で踊り暗黒舞踏を世界に広めました。私の友人である梅棹マヤオさんの自宅(京都美山町)でも踊られました。

「ああ、パイクか!あそこの隣りの屋根があるだろう・・・あそこで踊ったよ。」

私が20才代のころ、ニューヨークでナムジュンパイクさんのアシスタントをしていた話になり、田中泯さんからポロッと話しを伺いました。

その田中泯さんが踊る歌舞伎こそが、歌舞伎。最後に吉沢亮さんと横浜流星さんが踊る歌舞伎は、田中泯さんの指導があったのでは・・・・と、一人勝手に想像して嬉しがっています。もう一度観たい映画です。

手技のみ

突然、四国ガスの方が来られ、ガス漏れ探知機の点検をしてくれました。そのため、一階にある鍼灸院に予約時間ギリギリ入室。すると、患者さんは来られており、

「このマンガ面白いですね!借りていいですか?」

施術室兼待合室に置いている医学博士・真弓定夫先生監修の「牛乳はも~いらない」など4冊をお貸ししました。たまに、治療以外の時間を患者さんが持つと新たな発見があるようです。さて、70才代の男性患者Bさん。足のむくみが気になります。

「これからは、鍼灸にこだわらず。色々やりますよ・・・・とりあえず、奥のベッドでカラダの歪みを診ましょう。」

仰向けになったBさん、右脚が2cmほど短くなっています。右前腕と右胸郭が緊張しているので、軽く押圧。すると、Bさんのお腹が、

「グルグル・・・・」

「ほら、反応してるでしょう?」

何とこれだけで左右の脚がそろいました。4~5分の出来事です。その後は、新宿・歌舞伎町でやっていたリラクゼーションの手技で気持ちよく寝ていただきました。

手技を終えたあと、石原結實先生の著書「石原医学大全」のむくみの個所をチェック。

『むくみ=水分だから、尿量を増加させることがポイント。

[対処]  ①ゆで小豆を豆ごと食べる。・・・⑥生姜紅茶を飲む』

Bさんに紹介すると、帰宅時に、

「今日やったこと、次回もお願いします。気持ちよかった。」

と、来週の予約をいただきました。

カラダの歪みを正す

松山市で開業して10年目になりますが、それ以前は東京で鍼灸の研修(母校の治療院で)をしていました。研修以外の日は、新宿・歌舞伎町のリラクゼーション店で働く日々でした。2~3年修行したので、手技には自信ありますが、あえてこの10年、手技を封印していました。鍼灸師としてのプライドが生まれ始めたのは事実です。そして、鍼灸だけでどれだけ出来るか、試してみたかったのです。

しかし昨年、民間療法の操体法の恩師が2人亡くなるという予想もしなかったことがありました。操体法は2001年から学び続けています。

「佐伯、あれほど教えたのに、何故使わないんだ!」

と、叱られている気がします。2人の師匠のご逝去を機にあらゆる術を、患者さんに合わせて施術いたします。特にカラダの「歪みを正す」という操体法の理念をもう一度中心に置くようにします。

膝を肘で治す

80才代の男性患者Bさん、20年前から正座が出来なくなりました。そして、両膝痛で来院されました。スポーツマンで、今でもしっかりした体躯をされています。ダンベルを持ち上げ、胸の筋肉もモリモリです。ところが、歩く姿がカクカクしています。それは、仕方がないことです。

今回で4回目の施術です。今年からは鍼灸にこだわらない施術にしていますので、Bさんには、奥のベッドで仰向けになってもらいます。膝の治療個所は、肘です。丁寧に肘の圧痛点をほぐすだけで、膝が緩みます。

「これで、どうですか?歩いてみてください。」

「・・・・・・痛くないです。」

この感じで、施術を進めて50分。

「今、膝の痛みはどうですか?」

「今のところは、ありません。」

さて、この次回の経過報告が楽しみです。

1日1食の利点

1日1食(24時間断食をしていることになります)にして良くなったこと。

①髪が黒くなってきた。

これは、石原結實先生のYouTube で、石原先生がおっしゃっています。消化器系に血液が行かない分、脳、頭、筋肉などに血液がまわり、頭皮や脳の活性化、体温の上昇を促します。16時現在、71才の私の体温は37.1℃あります。

②抜け毛が少なくなった。

以前は、風呂の水を抜くと洗い場に水が2~3cm溜まっていました。原因は、抜け毛が排水口をふさいでいたからです。今は、水が溜まることなく抜けます。これも、頭皮が活性化しているからでしょう。

③料理に時間を費やすことがない。

玄米に小豆、黒豆、ヒジキ、切り干し大根、人参、ゴボウ、黒ゴマなどを入れて、18:30に炊けるようにしています。冬の現在、一人鍋で夕食のため、料理をしている感覚はありません。

④1日2食の時より、経済的。

これは、当然のことです。

⑤夕食が楽しみで美味しい。

これも、当然のことです。

⑥快便

1日2食の時より、便の量が増えます。これは、血液が消化ではなく、排泄に集中するからでしょう。

いいことだらけです。

求道者

患者さんから、様々なお話を伺い刺激をいただいています。大晦日から新年にかけて、武道館でさだまさしコンサートに行かれた!・・・・ものすごい行動力です。そこまでのエネルギーを引きつけるさだまさしさんの人間力、ただただ頭が下がります。

このコンサートでは、立川談春さんと、もうお一方の落語家さんが同時落語をなさったそうです。凄い人の周りには凄い人が集まるのですね。

話変わって、ある患者さんから2025年の大谷翔平特集の雑誌をいただきました。これを待合室兼治療室に置いております。大谷翔平選手は、年々新たな挑戦をしている求道者です。その周辺にはやはり、凄い人々が渦巻いています。

そんな空間になるといいな~~・・・・自分を磨くしかないようです。

鍼灸をしない鍼灸師

去年、操体法の恩師・今昭宏先生が逝去されました。今先生は、私のFacebook を読んで下さり、よく❤️を押して下さいました。

そのため、いつか操体法との融合をして今先生に認めていただこうなどと、ノンビリ構えていたのです。それが、もう出来なくなりました。実は、私の方が今先生より年上なのです。ノンビリ構えておれません。

現在は、積極的に操体法を取り入れ、なんでもこなす鍼灸師として、あらゆることをしています。今まであえて、鍼灸師にこだわっていましたが、もうやめました。これから、患者さんに合わせ、やれる範囲でなんでもやります。

「鍼灸をしない鍼灸師」もありです。