葛根湯

私が30才の頃に持っていた「漢方問答」という難関な本があります。これをもう一度読み直しているのですが、まず身近な「葛根湯」という漢方薬の成分を紹介します。

葛根湯の成分(7つ)

  1. 葛根(かっこん)
    葛(クズ)の根。発汗を促し、筋肉のこわばりを和らげる。
  2. 麻黄(まおう)
    発汗・解熱・鎮痛作用。鼻づまり改善にも働く。
  3. 桂皮(けいひ)
    シナモンの樹皮。体を温め、血行を良くする。
  4. 芍薬(しゃくやく)
    筋肉の緊張を緩め、痛みを和らげる。
  5. 甘草(かんぞう)
    炎症を鎮め、ほかの生薬の働きを調整する。
  6. 生姜(しょうきょう)
    体を温め、胃の働きを整える。
  7. 大棗(たいそう)
    ナツメの実。胃腸を保護し、体力を補う。

これら中で、麻黄(まおう)があまりなじみがないので、チョット深掘りしてみます。

マオウ(Ephedra)という植物の地上茎を乾燥させた生薬で、主な薬理作用は「アルカロイド成分」によります。

麻黄の主な成分

中心となるのは次の エフェドリン類アルカロイド です。

① エフェドリン(Ephedrine)

  • 交感神経を刺激
  • 気管支拡張、発汗、鼻づまり改善
  • 心拍数や血圧上昇の作用

② メチルエフェドリン(Methylephedrine)

  • 気管支拡張
  • せき止め作用
  • エフェドリンより作用は穏やか

③ プソイドエフェドリン(Pseudoephedrine)

  • 鼻粘膜の充血を取る(鼻づまり改善)
  • 市販薬(鼻炎薬)にも利用される成分

④ ノルエフェドリン

  • エフェドリンの類似成分
  • 交感神経刺激作用