3年前から左の首と頭蓋骨の境目と、肩甲骨の内側にピンポイントで痛みがある50才代の女性患者Bさん。今回初めての来院となります。また、目の奥とこめかみにも痛みがあるそうです。そこで、合谷診で左右のバランスを確認する前に、目の治療点に10個所置鍼しました。
合谷診:(人差し指と親指の間の触診)左→左上腕診、左膝診を行う
上腕診:腰椎(1)
膝診:頸椎#1~7(1)、胸椎#1~2(1)、大脳(1)
首診:左肝(1)、左胆(1)、左心包(0)、左大腸(1)、左三焦(0)、左脾(1)、左小腸(1)
上記の自律神経と内臓を整える治療点に9本置鍼するだけで、左の首と頭蓋骨の痛みが無くなりました。
「えええっ・・・・あれだけ、痛みが取れなかったのに、ええええっ・・・・」
肩甲骨内側にまだ少し痛みが残っていたので、左C点に置鍼で痛みはなくなりました。そして、目がスッキリしたそうです。
首は薄い筋肉に覆(おお)われており、内臓は首からの筋膜にぶら下がっていると考えられます。もう少し厳密に言うと、首から頭にかけての筋膜の方が正しいです。ですから、内臓の状態が首で分かりやすく、治療点が頭に存在するのです。頭の緊張した治療点が緩むことで、一気に内臓が緩み、それが、足先まで影響します。私は現在、膝診をして頭の置鍼をすることで、膝も緩むことを確認しているので、足先まで影響すると類推しています。
返す返す、この原理に気付かれた山元敏勝先生には、敬服いたします。