お灸のイメージ

患者さんとお灸の話をしていて、イメージのギャップに驚きます。お灸=やけど・悪いことした時のお仕置きという負のイメージを多くの患者さんが持っています。私は、こんなに安くて手軽な健康促進剤はそんなに無いと思っています。しかも、作ろうと思えば5月にヨモギを採取、乾燥し、石臼で細かくし、ヨモギの葉ウラにある細かい毛を集めれば、モグサになります。不純物が少なくなればなるほど、上質のモグサになります。上質のモグサは高温になりにくく、米粒か半米粒の大きさで使われ、皮膚に火が届く前で、火を消すので、間接灸なのです。

粗悪なモグサは、高温になるので、大きな固まりにしてニンニクのスライスやビワの葉の上に乗せ間接灸として使用されます。この大きな固まりが多く人のイメージでしかも、皮膚まで焼き切る直接灸だと思い込んでいるはずです。

お灸には大きく分けて間接灸と直接灸に分類されます。多くの人がイメージしているのが直接灸、つまり皮膚まで火が付くヤイト。これは、今の鍼灸師はしていません。全ての鍼灸師が行っているのは間接灸です。ただ、カガトのように分厚い部位には直接灸をすることもあります。また、糸状灸という糸のような細いモグサで焼き切る直接灸もありますが、それは間接灸といってもいいほどの灸です。

ここで、科学的な灸の効果を紹介します。

①心地よい温熱刺激で、鎮痛と、筋緊張の緩和の効果

これらは、血流改善の効果の結果です。

②免疫機能の活性化の効果

お灸をすることで、白血球数が増加したり、

また、アレルギー体質を改善したりする効果があります。

③灸の香りにより、心身をリラックスさせる効果

お灸の材料のヨモギには、シネオールという、リラックス効果

のある、香りの物質が含まれていることがわかっています。

④動物実験では、お灸により免疫に関係する細胞(NK細胞、サイトカイン)

が活性化し、生存率を高めることが報告されています。