カラダの声を聞く


2ヶ月半前に右偏頭痛と右奥歯痛で来院された50才代の女性患者Cさん。その治療以降、美味しくご飯を食べる事もでき、痛みもなくなって快適な生活を送っておられました。ただ、最近になって疲れが出てきて・・・・そろそろ鍼治療を必要と感じ、来院されました。

「前回の治療で、左側ばかり鍼刺したでしょう・・・・アレで、左側の血流がドクドクと聞こえる感じになって、体調良くなって・・・・頭が痛く無いって、こんなに楽なんだと感じて・・・あれから、ご飯が美味しくて!」

と話していただきました。やはり合谷診で左右の偏りをしっかり診ることが大切だと再認識しました。前回のCさんの訴えは右偏頭痛と右奥歯痛だったのに、カラダは左側に偏りがあったため、17本の置鍼で13本は左側。残りの4本は、右偏頭痛と右奥歯痛のための右側置鍼、患者さんの訴えと患者さんのカラダの訴えには違いがある事を実証する治療となりました。

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、合谷診と言って、左右の親指と人差し指の間に、軽く親指を押圧して、痛みを感じる側の治療をします。そうする事で、カラダ全体のバランスをとり自律神経を整えます。なぜ、山元先生が合谷診を考案されたのか・・・・これを考えることが、治療の質を向上させるのですが、私にはよく分かりません。ただこの「なぜ?」を常日頃心にとどめていると、その内に思い当たる事が浮かんで来ると思います。

患者さんの発す言葉と、カラダの声をしっかり心にとどめることの大切さを改めて勉強できた一日でした。