足の探索

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50才代の女性患者Aさん、不整脈が気になり今年の秋にある検診までに何とか治したいと考えておられます。そこで、下記の石原医学大全の不整脈に関する一節を紹介しました。

『体を冷やす水分を、くしゃみ、鼻水などのアレルギー、寝汗、下痢などで十分に排泄できないときに、体温を上げて代謝をよくして、水分を消費しようとする。1℃の体温上昇には、脈を八~十回/分増やす必要がある(頻脈)。頻脈になると脈が乱れることもあろう(不整脈。』

また、石原医学大全には、水毒(カラダに余分な水がある)の症状を列挙しており、Aさんは、1)まぶたや顔がむくみやすい、2)やたらと喉がかわく、3)お腹が冷たい、4)足がむくみやすいとあるので、どうやら水毒が始まっているようです。

そんなAさんは、朝食をやめることにしました。すると、3日間で体重が1kg減ったそうです。もう早速、反応がありました。足がむくむので、今回はお灸を足にすることをお勧めしてみました。

「えっ、結果は鍼と同じなんですか?」

「はい、同じです。最近は、鍼からお灸へ替わる人が、結構増えてきています。鍼は自分では出来ないですけど、お灸なら自分でできるでしょう?・・・・だから。」

で、足にみつけた治療点にお灸をするのですが、鍉鍼(ていしん)という銀の棒で治療点に押圧するだけで、膝や首の診断点が緩むことが多いのです。「鍉鍼での押圧」は、非常に痛いので、瞬間的に診断点が緊張します。その後、緩むため「一瞬芸」で終了し、おまけにお灸をするという感じです。

今回は、お灸で鍼と同じ診断点の緩み、時間的余裕があったので、足底に見つけている顔の診断点にあえてお灸をしてみました。

「・・・・顔が引っ張られている感覚なんですが・・・・」

と、Aさんからの反応がありました。やはり、あそこが顔に違いありません。足はまだまだ、治療点が存在していると思っています・・・足探索、面白い!

Aさん、検診に向けて決して無理せず、楽しくやっていきましょう!

粗悪モグサ

上質モグサを作ってしまい、高温にならないことが判明。そこで、粗悪モグサ(不純物が多く入っているモグサ)を作ってみました。乾燥したヨモギが雨の少ない松山では、益々乾燥し最高の状態になっています。それをミキサーにかけて、粉々にし葉っぱのウラ側にある繊維だけを残すと、モグサになります。

上質のモグサはミキサーをかけること7回。今回は、4回と2回にとどめました。すると、最高の粗悪モグサが出来ました。3種類のモグサが出来ると、患者さんの感性、モグサと皮膚の緩衝材的に付ける紫雲膏の量との兼ね合いで、微妙なモグサ選択が可能となり、治療に効果が期待できます。

最近は、頭に鍼を打つ→足にお灸をするという「お灸好き派」が徐々に増えてきています。モグサの種類をもっと増やそうと思っています。

モグサ作り

先日、ある患者さんから、

「先生、モグサ買ったんですか?・・・・」

と、私がヨモギからモグサを作っていたのに、「やってない!」と、指摘されました。ヨモギ作りは、チョット疲れるので1回だけ、購入したのです。そこで、再びモグサ作りに挑戦することにしました。採取してから、10ヶ月経っているのでヨモギはカラカラに乾燥しています。そのため前回のモグサと色が全く違います。前回のモグサは、緑がかっていかにも取り立ての感じでしたが、今回のモグサは、本来のモグサ色です。ということは、商品としてのモグサは、この程度カサカサに乾燥するという事がよく分かります。

乾燥モグサは、葉っぱだけをミキサーに入れ、細かくしていきます。これを繰り返す事7回。写真のようにフワフワのモグサが出来上がります。とにかく、疲れます・・・・今日は、これまで!

保険適応

 鍼灸は保険が効かないの?との質問があり、「医師の同意がないと、効きません」とお答えしていました。実際、近くの病院で同意書をお願いに行ったのですが、書いていただけませんでした。それで、「無理だ!」と決めつけていたのです。ところが、あんま、マッサージ、指圧の同意書を医師から受け取り、施術を受けておられる患者さんの存在を知りました。そこで、調べてみると、やはり、鍼灸でも可能であることが分かりました。

下記は、ある組合のホームページのコピペです。

『医師の同意をうけ同意書がある場合に限り、はり、灸、 マッサージの施術が決められた範囲内で受けられます。 また、はり・灸・マッサージの施術についても、 同一疾患について病院・医院で治療を受けている場合は、保険証は使えません。

●はり・きゅう施術…神経痛、リウマチ、頸腕症候群、五十肩、腰痛症、頸椎捻挫後遺症 等の慢性的な疼痛を主症とする疾患

保険医の同意と再同意

まずは医療機関で保険医による診察を受け、施術について同意書の交付を受けてください。保険医による同意書に基づく療養費の支給が可能な期間は6ヶ月です。

施術期間が6ヶ月を過ぎた場合、再同意書(文書)の交付が必要になります。』

そこで、3月9、10日に研修を受けた後、4月から医師の同意書を持った患者さんからは、保険適応が可能になるシステムを作る予定です。

蝕圧

患者さんが、素敵な本を紹介してくださいました。「肉筆の復権」ここでは、正岡子規、河東碧梧桐、中村不折の書を紹介しています。筆の触圧が書の生命であると物語っています。

そこで、今日から治療点の探り方が変わっていきました。指先で軽く触れ、書のようにゆっくりと線を引くようになったのです。これは、非常に繊細な行為で、分かりやすい。

ヒントをいただいた患者さんに感謝です。

体調が悪いので、来ない?

「今日は、体調が良くないので、こちらに来るのをやめようと思ってたんです。」

と、70才代の女性患者Aさんが、来院早々話してくださいました・・・・これって、鍼灸治療を全く理解していないということの証(あかし)です。しかし、多くの人々はこのように考えておられるのでしょう。鍼治療は、腰痛、肩こり、捻挫などしか効かないと思われているのでしょう。

例えば、私の行なっている山元式新頭鍼療法(YNSA)は、自律神経を整え、内臓を整えてから患部治療を行います。まず、「体調を整える」が最初なのです。つまり、体調が悪いなら是非ともお越しください・・・と、なるのです。

結果、Aさんの体調は良くなりました。今回は、鍼を使わず足へのお灸だけて体調が回復しました。この治療法は、まだYNSA学会では、発表していないので紹介出来ませんが、いずれご紹介したいと思います。

完敗?

「先生、今度の予定日を1週間遅らせていいですか?」

と、連絡があったのは、連日完敗(ギックリ腰で2日間結果を出せない)の女性患者Cさん。

「はい、いいですよ。どうですか・・・今?」

「それが、先生の鍼が効いてるみたい。痛み止めの薬の効果が切れているはずの今・・・あのね、痛みがなくなっているの・・・・だから、1週間様子見ようと思って。」

「あああああ~、それは良かったねえ!次は、いつがいいですか?」

「◯◯日、空いてますか?」

「はい(ガラガラ)、いつでも(残念ながら)いいですよ。」

「じゃあ、朝一でお願いします。」

「はい、そしたら9時でお取りしますね・・・足、暖かくしてる?」

「はい大丈夫、やってます。」

「それは、よかった・・・そしたら◯◯日の9時でお待ちしています。お電話ありがとうございます。無理しないでくださいね。」

と、突然の嬉しい電話のやりとりがありました!Cさんのこれからの1週間、一体どうなるのでしょう?◯◯日の9時が楽しみです。

完敗理由

50才代の女性患者Cさんは、1年ぶりの来院です。同じ姿勢で、長時間の移動もあって年末から腰痛を感じ、生まれて初めてのギックリ腰に見舞われました。夜勤の多い仕事で無理をしていても、腰痛の体験はなかったそうです。

かなり重症の腰痛でも、山元式新頭鍼療法(YNSA)で治す自信はあったのですが、Cさんは、手強いのです。結局11本の置鍼で、痛みの改善はあまり見受けられず・・・・ほぼ完敗。そこで、色々話を伺っていると・・・・

「先生、農業のアルバイトって面白いのよ。この間、みかんの収穫アルバイトをして、気持ちよかった!休憩時間には、紅マドンナを自由に食べられるし・・・・でも、この間のアルバイトは、七草の出荷・・・これは、大変だったの、コンテナに座って同じ姿勢で1日中の作業・・・・起きあがろうとしたら、あまりの痛さ!・・・で、こんなになったの。」

「えええええっ、アルバイトもしていたの?それで、腰痛になったの!夜勤もして、アルバイトをして・・・しかも、この冬に!あのね、冬は季節として陰、そして夕方遅くまでの作業・・・これは、陰中の陰。冷えてしまうのよ。」

「え、そうなの!皆んなは、座布団の上でやってたけど、私だけコンテナに直接座ってた!」

「きっと、原因はそれだは!」

この時期に暗くなるまで、同じ姿勢での仕事。しかも、腰を冷やし続けるという準備不足が今回の完敗理由だったようです。寒さ対策をしっかりしましょう!

右足親指が痛い

右足の親指が痛い中学生のA君が初めて来院されました。サッカー部で、毎日ボールを蹴っているので仕方がないことかもしれません。しかし、1ヶ月も歩いたり走ったりすると痛むのですから大変です。幸い年末、年始で練習がお休みなので、今、治しておく必要があります。左右の足を見ると、やはり右足親指が腫れています。そこで、氷水を入れたビニール袋で、気持ちよく冷やしてあげる治療から始めました。

「(氷水を)当ててて、気持ちいい?・・・・OK・・・そしたら、気持ちいいから、冷たいだけに変わったら、教えてくださいね。」

「・・・・冷たくなったです。」

で、氷水治療は終了。

次は、足に見つけた治療点を銀で出来た鍉鍼でほぐし、その治療点に指先を軽く触れるだけの治療を行いました。

「これで、歩いてみて・・・・どう?」

「痛くないです。」

これで、治療を終了してもいいのですが・・・・やはり、鍼治療に来られたのでA君に聞いてみました。

「鍼は、やったことないのよね・・・・どう?やってみる?」

「・・・・はい。」

ということで、3本頭に置鍼。その後、右手(足では、ありません)親指の圧痛点を見つけ、私の中指を軽く触れる操法を15分程行いました。

「どう?歩いてみて?!」

「・・・・痛くないです。」

A君の両足を比べてみると、右親指がスッキリしているのに気がつきました。そこで、右手親指にパイオネックスを貼り治療を終了しました。中学生なので、この1回の治療だけで良くなるといいのですが・・・・

頭の形が変わった !

今日は、久しぶりに7名の患者さんを診る私にとっては、忙しい日でした。そんな中で、4ヶ月ぶりの50才代女性患者Aさんから、様々な気付きをいただきました。

「先生、最近美容院に行って、『あれ?肩やせた?』っていわれたんです・・・やせたという自覚はないのでですけど、緩んだ感じはしてたんです・・・次に言われたのは、『頭の形が変わった(側頭部が横に張り出していたのが、スーッととんがった感じ)。それで、頭の横にある髪の毛を切る量が全くちがったんです。これには、ビックリ‼️」

確かに以前からAさんが、頭の格好が変わったとはおっしゃっていたのですが、切った髪の毛の量が全く違うのですから、これは事実だったようです。Aさんは、とても繊細なのでカラダの変化を瞬時に察知する能力が優れています。第一回目の治療で横を向いていた足の第5趾が縦に戻ったことに気づかれました。

今日のAさんの治療のメインは、右腕の上がりづらさ。右肩の治療点足に見つけた治療点に指を触れるだけの治療を行いました。すると、右肩に何かを感じるそうです。7~8分の治療でしたが、成果がありました。今後ともこの治療法を続け、次回の学会で発表できるようにしていきたいと思います。