足の治療点2

足の第1趾(親指)が下肢の治療点と分かったので、第2~5趾が何の治療点になるだろ?・・・・・と、考えます。

そこでキーになるのが膝診です。膝診は、頸椎、胸椎、腰椎仙骨、脳の状態を診断するのですが、頸椎は膝の内側、胸椎は膝ウラ(膝窩横紋)、腰椎は膝の外側が診断点となります。

そこで、第2趾が頸椎、第3、4趾が胸椎、第5趾が腰椎の治療点であろうと推測し、患者さんの声を聞きながら数年かけて実験したところ、その通りでした。

明日は、興居島出張なので、このくらいにして早めに寝ます。次回に詳しく説明します。

足の治療点1

 

系統立てた治療点の列挙をする前に、どのようにして足の治療点を見つけていったかを時間軸とともに説明します。

山元式新頭鍼療法(YNSA)の見方で足の治療点を探そうと「ボーッ」とトンスケ(人体骨格標本)の足下を見ていると、親指(第1趾)の第1関節が「膝ソックリ」なことに気づきました。その次に第1中足骨が、膝下に見えてきました。そうなると基節骨が大腿部(太もも)になります。

YNSAでは、膝の治療点が、乳様突起の下にあります。乳様突起は膝の形によく似ています。また、胸部ソマトトープ(小さな人型)は、胸骨を体幹と見て全身の治療点を示しています。つまり、よく似ているというのは、治療点を見つけるキーになるのです。

このようなソマトトープ(小さな人型)が、足に存在する事を感じ、足の親指(第1趾)と第1中足骨を骨盤から足までの治療点ではないか、という推測で数年間検証してきました。結果、基節骨が大腿部、第1関節がソケイ部、中足骨が下腿部の治療点が存在することが、分かりました・・・・(つづく)

膝診と上腕診

 

 

上腕診の代用として膝診を認めていただきました。上腕診というのは、頸椎、胸椎、腰椎、脳の状態を診断する方法で、肘(肘窩横紋)及び上腕二頭筋の触診です。この上腕診は、比較的新しい診断方法で、山元敏勝先生が、ある程度ご高齢になられた頃見つけらました。

ここからは、私の推測を書くので、真偽のほどは分かりません。

山元敏勝先生は、西洋医学を学ばれ、外科、産婦人科、麻酔科の専門医で鍼麻酔で手術を2000例もされておられます。筋膜の構造を知り尽くしておられるので、首診、上腕診を見つけられたのだと思います。

筋膜の流れに、デイープ・フロント・ラインというのがあります。この流れは、首診を説明するする分かりやすいラインです。写真のように、内臓周辺の筋肉と、首の筋肉と側頭部の筋肉がつながっているのが良く分かります。つまり、首診をすることで、内臓の状態を診断し、側頭部の治療点に置鍼する事で、内臓を緩めているのです。

また、スパフィシャル・バック・ラインという筋膜の流れが、膝診と関係あります。写真のように、膝ウラは足底から膝ウラまでの流れと、膝ウラから脊柱起立筋を上ってオデコまでの流れがあり、膝ウラが下からと上からの流れがせめぎ合う個所となっています。この膝診で見つけた圧痛、硬結点をオデコの治療点に置鍼をして膝ウラの圧痛、硬結点をゆるめると、脊柱起立筋がゆるみ、自律神経が整います。

ご高齢になられた山元敏勝先生は、この膝診を分かっておられたのですが、膝ウラを診断するより、肘の上腕診の方が、先生ご自身のカラダに負担がかからないと判断され、上腕診に代替されたのではないかと思います・・・・これは、あくまでも推測です。

さて、次回から膝診と足の治療点の関係を紹介します。

足の治療点

長年、足の治療点を模索してきましたが、確信を持ってきました。それで少しずつ発表していきます。

なぜ、足なのか?理由は簡単です。頭にあれだけ治療点があるから、足ならばもっとあるという素直な思いからです。運動会の綱引きでは、アンカーと呼ばれる一番後ろの人が、一番の力持ち。これと、筋膜の流れは同じです。頭と足が筋膜の流れに大きな影響を与えると考えたのです。

ちまたでは、足ウラマッサージなどで、反射区として内臓とのかね合いを謳(うた)っていますが、東洋医学として学ぶ経穴は、3つしかありません。食中毒に効く裏内庭(うらないてい)、不眠に効く失眠(しつみん)、腎経の大切なツボ湧泉(ゆうせん)だけです。2000~3000年前の中国では、足ウラは不潔で硬くて治療点を見出せなかったと勝手に思っています。反射区という色眼鏡は完全に無視して、筋膜の流れを元に推測し、患者さんの感覚を大切にして見つけていきました。

上腕診に全く反応ない患者さんに対応するため、偶然、膝診を見つけ学会で認めていただきました。この膝診がキーとなり、足の治療点が見つかりました・・・・今日は、ここまで!

明日は、幕張。

今日は、夜行バスで約12時間かけて、東京・新宿バスタに向かいます。新宿から総武線で1時間、幕張駅で下車。徒歩15分で関東鍼灸専門学校に着き、10時から日本刺絡学会の講習会に参加します。

今回は、指先以外の皮膚に鍼を刺し、瘀血をしぼり出す方法を学びます。教科書をいただいているので、予習をしていくことができます。

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、頭に刺した鍼を抜くと瘀血が「タラー」っと出ることがよくあります。にもかかわらず頭部における静脈の状態など考えることはありませんでした。しかし、今回の講習会では、頭部における静脈についてしっかり学ぶことが出来そうです。

健康は、健全な血液、血流に宿ると思います。その本題にかかわるのが、今回の授業のようです。楽しみにしています。

後頭部の瀉血

関東鍼灸専門学校での研修中に、K先生が、こんなことを教えてくれました。

「版画家の棟方志功さんが、料亭で倒れた時、女将がビール瓶を割って、志功さんの後頭部に薄く傷をつけ、瀉血して生命を救ったんです。どうも、女将が育った所では、それが当たり前で、その地域の人には、後頭部に傷跡がある人が多いそうです。」

その話を思い出しながら、「刺絡鍼法マニュアル」を読んでいると、頭頂部、乳突部(後頭部の横)、前頭部などに、脳卒中、脳充血に効くとあります。

また、別の先生のお父様が倒れられた時、「頭部の瀉血」で後遺症が出なかったとおっしゃっていました。しっかり学びます!

小泉純一郎元総理、刺絡療法を認める

 

私が鍼灸師として患者さんと接して感じることは、「血流と血の質を良くすれば、体調が整う」ということでした。そこで、山元式新頭鍼療法(YNSA)に出会い頭皮に鍼を刺すことで自律神経を整えたり、カラダの痛みを取ったりしていました。そこで、頭皮からの瘀血がタラーと流れることの多さが気になりはじめました。自然と、古来からある「刺絡療法」に興味を持つことになりました。刺絡療法のコピペが、下記です。

『刺絡療法は、鍼を使って皮膚の表面にある毛細血管にごく小さな刺激を与え、少量の血液を排出する伝統的な治療法です。

東洋医学では、「瘀血(おけつ)」と呼ばれる血流の滞りが体の不調を引き起こすと考えられています。刺絡療法は、この瘀血を取り除くことで、自然治癒力を高め、体のバランスを整えます。

歴史的には、中国や日本で古くから行われてきた治療法で、現代でも多くの鍼灸院で取り入れられています。特に、慢性的な痛みやストレスによる不調に悩む方に支持されています。』

また、参議院議員谷博之氏が、刺絡鍼法に関する質問に対して2005年6月14日内閣総理大臣 小泉純一郎氏が、あんま摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(昭和22年法律第ニ百十七号)第一条に規定する「はり」に含まれるものと考えている。

と、医師以外でも鍼灸師が、瘀血を取ることが公然と認められるようになったのです。鍼灸師という国家資格を持った者として、学ぶのは当然のことです。

関東鍼灸専門学校で

(昨日の文章です)

関東鍼灸専門学校・・・・千葉県にあります。幕張メッセで有名な幕張駅から、徒歩で20分以上。関東は広い・・・・朝から、バテています・・・日本刺絡学会が主催する勉強会に来ています。

綺麗な専門学校で、10年以上前に通っていた専門学校を思い出します。山元式新頭鍼療法(YNSA)と操体法を少しずつ融合しているのですが、これに刺絡療法という強力な手技が加わると、より効果的な施術となるでしょう。

9月から、12月まで第二日曜日に合計4回の勉強会です。来年からの施術が変わるはずです。

私のお灸箱

 

私のお灸箱

出張治療などで、持ち運び便利なお灸箱を紹介します。ほとんどが100均で買ったものですが、100均の新商品の開発が猛烈なスピードなので、ここにある商品のいくつかは、買うことができません。

まず、この箱はもうありません。手前の4つの紙箱もありません。左下のハンコ入れは銀の鍉鍼(ていしん=刺さない鍼)入れにしています。右下のオランダ靴陶器は、足指が絡(から)んでいる患者さん用。プラスチックベラは、メンターム(モグサで皮膚を焼かないための緩衝材)をすくうヘラ。右上はお手製モグサ。左上は線香に火をつけるライター。上段の長い個所には、線香と長い耳かき(メンタームを取る棒になります)と洗濯バサミ(線香はさみにしています)。

出張治療をして、失敗を重ねながらやっと今のような形になってきました。まだまだ発展途上・・・改良していこうと思います。

問診で一工夫

 

私の施術所

現在、私は頭に鍼を刺す山元式新頭鍼療法で施術しています。この施術は、患者さんが肌を見せる必要もないので、ベッドで横に寝る必要はありません。

そのため、元々待合室だった所が、いつのまにか施術室になっていきました。玄関から入ってすぐの6畳ほどの空間が施術室です。

患者さんは、その中央部に置いている回転できる籘イスに座っていただきます。従来はそこで面頭向かって、問診をしていたのですが、問診を面頭向かってすることは、あまり良いことではありません。

向かい合うより、逃げる空間がある横向きでの問診の方が、無理のない問診に近づけます。

そこで、今回籘で出来たイスに座って、面頭向かって話さない問診がスムーズに出来ました!