夕方に高校の先生から電話があり、肉離れをした生徒を診るよう依頼がありました。男子高校C君は、1ヶ月前に右脚太ももの肉離れを起こし、練習を止め、今週始めから練習を開始しました。その翌日から、再び肉離れを起こし、4日後に来院となりました。
5月31日に高校総体が始まりました。C君の治療は、その前夜ということになります。C君の筋肉は非常に柔らかいので、相当な能力の持ち主だとは推測出来ました。また、非常に繊細な感覚を持っているので、頭の鍼1本刺すごとの反応が極端なのです。結局7本置鍼。
「これって、痛みがなくなるんですか?」
「徐々に痛みは無くなって、気持ち良くなる場合が結構多いよ。」
などと会話をしながら、足ウラにみつけた治療点に鍉鍼(ていしん=銀の棒)で押圧。どうやら、これが効きました。
「これでどう?」
「・・・・痛くない。」
「どう・・走れそう?」
「・・・・走れます。」
頭に置鍼したまましばらくしていると、
「痛い、痛い・・・・もう取ってください!」
と、声を荒げ叫んでくるので、7本を一気に抜きました。今まで、こんな体験をしたことはありません。C君は痛みに対して普通の人よりも感受性が強いのだと思います。また、本能的にカラダが、これ以上の刺激は必要ないと感じ取ったのかも知れません。
1ヶ月も練習らしい練習をせず、大会前日に治療で、競技では2位という素晴らしい結果を出したC君、将来有望です!