からだの設計にミスはない

 

私にとっての操体法の原点である「からだの設計にミスはない」と言う本の写しを紹介します。
これは操体法の創始者橋本敬三先生の本です。

病名がついた時はもう遅い

私たちのからだはね、基礎構造が狂ってきて、少し捻れたり曲がったりすると、てきめんに気持ちが悪くなる。そしてそれをかまわないでおくと、働きが悪くなる。それをもほっておくと、しまいには本当に中のものがくずれたり、はれたり、腐ったり、様々な変形が見られ始めるのです。

そのような段階、つまり、第一段階、気持ちが悪い、第二段階、働きが悪い、第三段階、中のものが変質する、と言うような段階があり、現代医学の病名っていうのは、中のものが変化し、機械が壊れたと言うことが証明されて初めてつけられるのです。ところが、皆さん方は医者じゃないから、俺たちは今、第何段階だってことはわからない。だから、ちょっとでも気持ちが悪くなったら、病気になったと思うのは当たり前ですよね。「先生、私昨日から肩が凝って、めまいがして、吐き気がするんだけれど、どこか悪いんでしょうか」と言うと、医者は「そうですか、じゃぁ、調べてみましょう」とレントゲンを取ったり脳波取ったり、小便や血液とったりする。「みたところ、何でもないな、別に異常は無いですよ」と言うことになる。

それでは困るんだなぁ。自分が異常を感じたから出かけていったんで、これはもう医者がわからないだけの話です。「まぁ、医者がああいっているんだから大丈夫だろう」とか何とか言って、そのまま放っておくと、急にお腹に激痛が走って、また病院へ駆け込むことになる。すると医者は言う。「何で、こんなになるまでほっておいたんです。胆嚢炎だ。肝臓もだいぶやられている。もう少しで危ないところだった」と。これが現代医学なんですよ。考え方がまるで逆立ちしている。悲劇だね。

だから、皆さん、自分で気持ち悪いと思ったら、この感じは自分にしかわからないのだから、自分で処理するに限ります。どこが気持ち悪いんだか、いろいろ動いてみて探し出し、そこから気持ち良い方へうまく逃げればいいんです。それで治っちゃう。こんなうまいことないですよ。人間のからだって、そういうふうにありがたくできているのです。私たちの先祖は、それをもうチャンと知っていた。確かにその先祖は偉かったけれど、それを我々バカ子孫がいつまでも気がつかなくて、怠けておって、今、私たちはバカだったその報いを受けていると言う事ですね。

医師である橋本敬三先生の言葉には、重みがあります。