出す

成長期の子供さんならば、1日3食は必要ですが、中高年になると1日1~2食で十分です。私は20年ほど前から朝食を抜いて1日2食の生活をしていました。最近では1日1食を基本とした生活をしており、24時間飢餓状態をあえて作るようにしています。この生活を続けるとお腹が空いた状態が気持ちよくなります。そして内臓をゆっくり休ましてあげていると言う感覚にもなります。お陰で、皮下脂肪も少なくなりました。玄米に黒豆や黒米を入れたご飯に、具沢山の味噌汁これだけで、十分です。大切なのは摂ることより、出すことという当たり前のことを森下敬一先生の著書で書かれているので、掲載します。

『「摂る」より「出す」ことが大事

現代栄養学では「朝食をしっかり摂ろう」などと言います。これは「朝一番にガソリンスタンドで満タンにしてから出勤しないと途中でガス欠が起こる」と言うのと似た発想です。人間の体を車体に見立てた考え方はわかりやすいかもしれませんが、生き物と機械は根本的に違います「まず入れることが大切」ではないのです。

森下自然医学の理論では、人体の生理は排泄が優先です。そもそも胎児時代の新陳代謝の産物「カニババ(胎便)」を、まず排出してから赤ちゃんの腸管機能は始動し始めます。また人生の第一声・産声も呼気です。大人になってからの呼吸にしても、まず吐くことが大事です。吐いたら、自然に吸うのが人体の呼吸の仕組みです。

「出してから入れる」は、人体生理の基本だと考えられます。たとえば、相撲の世界を思いおこしてください。相撲取りの朝げいこは朝食の前です。もし朝食をとってから稽古を始めたら、食物は全部土俵の上に吐き出されてしまうでしょう。朝7時の朝食がその日の生活エネルギーとなるわけではありません。その日1日の生活エネルギーは、むしろ前夜の睡眠中に仕分けされているのです。このため、相撲取りは稽古で猛烈な汗をかき、クタクタ、ヘトヘトになりますが、食事などせずに水と塩を口に含んでそれだけで頑張れます。事実、東洋医学の世界では、午前中は排泄の時間とされています。私たちはもっと、出すことの重要性に気づいていいと思います。』

先日、患者さんに朝食を抜くことをお勧めしましたが、中々聞き入れてもらえませんでした。しかし、森下敬一先生の著書「血液をきれいにして病気をふせぐ、治す」を紹介し、その理論を理解していただくと、納得され現在では、朝食を抜くことが出来るようになりました。健康になる為には、午前中に入れるのではなく、出すことが大切です。