40才代の男性患者Bさん、大きなバルブを回したり、無理な姿勢を取ったりする仕事(職業は聞いていません)をしています。左腕を水平後方に引くと肩(三角筋)に痛みが走るようになって2ヶ月経ちました。2ヶ月間我慢していたのですが、限界を感じて初めて来院されました。問診ではすこぶる健康。無理な姿勢で仕事をした為、肩に負荷がかかり痛みが生じたようです。
「私の鍼は、頭に刺すのですが・・・よろしいですか?」
「・・・・うん?・・・・そう言えば、頭に刺すと言ってたかな?」
奥様に「あじさいの杜鍼灸院」の名刺をお渡しする際、頭に鍼を刺しますとお伝えしたはずです。それを奥様は伝えてくださったのですが、Bさんはうる覚えで来られたのだと思います。
「それって、痛いんですか?」
「はい、結構痛いですよ・・・・でも、よく治ります。」
「・・・・鍼は痛くないと、思っていたのに(Bさんは、松山市内で通っていた鍼灸院がありました)!」
「足に痛くないお灸をすることもできますが・・・・痛くても、治ればいいんですよね・・・」
「・・・・まあ、それはそうですけど・・・」
と、Bさん来院されたのを少し後悔しておられます。そこで、畳部屋に移動して骨盤、鎖骨調整をしている途中、
『Bさんは、痛いのが嫌い・・・・いたって健康。そしたら、臀部の押圧と操体法で治そう!』
と、方針が決まりました。痛い肩が左なので、左を上にして横向き(左側臥位)になってもらいます。Bさんが痛いのは左肩(三角筋)。三角筋に対応するのは、臀部です。どういうことかというと、山元式新頭鍼療法(YNSA)では、おヘソを中心に折り曲げて対応する点が治療点として存在するという考えがあります。つまり、肘=膝、手親指=足親指という考えです。それで、私は三角筋=臀筋と考え臀部の圧痛点を丁寧に押圧することにしました。10分ほど経って、
「どうです?」
「・・・・あれ?結構・・・いい。」
「そうでしょう!・・・そしたら、軽く触れるだけにしますね。私が、鍼灸師になる前は、これで治していたんです・・・・(しばらく時間が経って)・・今、どうですか?」
「・・・・マジで?すごっ・・・痛ない!」
「もう少し、痛いところ探しますね。」
「・・・痛い!そこ(臀部)痛いです。」
「・・・・・軽く触れますね・・・(しばらく経って)・・・どうですか?」
「・・・痛ない、ちょっと違和感があるくらい。」
「来られた時が10の痛みだとしたら今はどのくらいですか?」
「1です。」
痛みが再発したら、来院する事をお伝えしし終了となりました。