ムード歌謡

 

 

毎週1回、ムード歌謡のYouTubeをかける日があります。患者さんが私と同じ世代なので、昔話をしながら当時を振り返っているのです。これは、後ろ向きなイメージがあるのですが・・・・・ちょっと違うようです。より創造的で治療的効果があるようなのです。その記事の一部をコピペします。

『昔を懐かしむことは、実際に認知症の医療現場に「回想法」として取り入れられています。 回想法とは、 昔を思い出させる写真や音楽、食べ物などを用い、それを見たり聞いたりした認知症の高齢者が回想をすると同時に、医師や看護師らがそれを受け入れることで、認知症の高齢者の心理的な安定や生きがいの創造をサポートする方法です。

現在では、認知症を発症した人だけでなく、軽度認知症患者に行われたり、うつ病患者や終末期医療の現場などでも応用されています。また、回想法の応用として、同年代の仲間たちが集まって昔のことを語ることで、脳を活性化して認知症のリスク低減に役立てるという試みもあります。

実際、さまざまな研究から、昔を懐かしむことで脳の健康を維持し、認知症の進行を抑える効果があることがわかっています。

過去を振り返ることは、後ろ向きの行為どころか、むしろ未来の自分のプランニングに関連していることが、解剖学的にも明らかになっています。というのも、過去を振り返るときに使われる脳内のネットワークと、未来のプランニングをしているときに使われる脳内のネットワークは、かなり重複しているということがわかってきたのです。

具体的にいうと、過去の記憶を詳しく思い出そうとしているときには、脳のなかでも前頭葉、側頭葉領域、後部帯状回などの領域がよく働きます。こうした領域は、未来に起きるであろう出来事や将来の自分の姿を想像するときに働く領域と共通しているのです。』

とあるのです。昔を回想する同世代の患者さんが、当時の記憶を生き生きとリアルに表現してくれるのは、今に活かせると何処かで感じているからなのでしょう。