私の鍼は痛い

60才代の男性患者Bさん、首が痛くて初来院となりました。以前、首を「ボキボキ」と鳴らす施術を接骨院で受け、気持ち良かったのですが、ある時から怖くなりその施術は受けなくなっておられました。そんな折、友人の紹介で当院を知り、鍼灸治療を初めて体験することとなられました。

「車を運転する時、後ろ向くのが痛くて仕方ないんです。首を捻ると音がするんです。」

Bさんは、10年前から高血圧の薬を常用されています。その薬と首痛の因果関係があるかどうかは、私には分かりません。そこで、高血圧を抑える薬の種類を調べてみることにしました。6種類の薬があります。Bさんがどの薬を常用されているのか、次回はしっかり伺うことにします。 

さて、初めて鍼灸治療を受けるBさん、いざ置鍼をするとなると、

「鍼は、痛いですか?」

と、ボソッと尋ねられました。

「・・・・私の鍼は、チョット痛いです。」

一般に使用されている鍼の直径は、0.16mm(太めの髪の毛と同じ程度)です。そしてその鍼を鍼管に入れ、鍼管上部にわずかに飛び出している鍼の頭を手で軽くたたいて刺します。すると、鍼管の肌への圧を脳は早く感じ、そのあと、鍼先が皮膚を切る感覚が遅く伝わるので痛みを感じないことが多いのです。

ところが、私が使用している鍼の直径は0.25mmあり、しかも鍼管と呼ばれる管を通さないで、直接鍼を肌に刺すので痛みを感じます。そのため正直に、

「私の鍼は痛いです。」

と言っています。痛くても効きますし、置鍼したあと気持ち良くなることが多いからです。(明日に続く)