一体走り

日本人本来の歩き方、姿勢(踵重心)を初診の患者Bさんに話ていると、

「私の地元では、一体走りという無形文化財があるんですよ。これは、神輿を担いで走るんですけど、鈴を鳴らさないで地面と水平に神輿を運ぶんです。これは、踵重心ですね。」

と教えてくださいました。魂合気の創設者、大野朝行先生の著書「カタカムナの姿勢と動き」には下記の一節があります。

『歩きの本質は、腰から上の体をいかに大事に運ぶかです。腰から上ですから、神輿と呼びましょう。「神輿を揺らさずに、転倒させずに、丁寧に大切に運ぶ」。そんな気持ちで歩けば、自ずと良い歩きになってきます。』

これこそ真実であり、一体走りの本質は神様を大切に運ぶこと。自らのカラダの神様を大切にすることなのだと思います。

五輪書 2

 

五輪書の一節、一節を少しずつ読んでいるのですが、刀を持って相手に臨む宮本武蔵の姿、生き方が伝わってきます。その一節を載せます。

『平法(戦い)における心の持ち方。平法の道において、心の持ちはようは平常の心と変わってはならない。平常のときも、戦いのときも少しも変わらず、心を広く素直にして、緊張しすぎず、少しもたるまず、心に偏りがないように、心を真ん中に置き、心を静かに揺るがせて、その揺るぎの中にも、一瞬たりとも揺るぎを失わせないように、よくよく吟味すべきである。』

これは、私が鍼を手にして患者さんに刺鍼するときの指針です。

五輪書

宮本武蔵の五輪書、現代語訳(大倉隆二訳)を購入して、水の巻を読むと心のあり様、姿勢、目の付け方、刀の持ち方など事細かく述べてあります。全て興味深いのですが、前回剣道6段のお客様が「踵重心では、スポーツはできません」と、剣幕を巻いておられたので、足の運び方について記載してみます。

足使いのこと。足の運びようは、爪先を少し浮かせて、踵を強く踏むようにすべきである。足使いは、場合によって大小、遅速はあるけれども、普段歩くようにすること。足使いのうち、飛び足・浮き足・踏み据(す)える(固着する)足というのがあるが、この3つは嫌う足である。この道(兵法)の大事にいう「陰陽の足」、これが大切である。陰陽の足というのは、片足だけを動かさないことである。切るときも、引くときも、受けるときも、つねに陰陽といって、右・左、右・左と踏むのである。くれぐれも片足だけを踏むことがあってはならない。よくよく吟味すべきである。

とあります。つまり、爪先を少し浮かせて踵を強く踏むことが大切なのです。これは、普段歩くようにとあることから、普段の歩き方が踵重心であることも分かります。現代剣道の足が、嫌う足→飛び足・浮き足・踏み据える足であることがよく分かります。そして、「くれぐれも片足だけを踏むことがあってはならない。よくよく吟味すべきである。」と念を押して書かれています→現代剣道は、片足だけで踏み込んでいるのです。

次回、踵重心の話をする時は、五輪書を持っていくことにします。

クリスマスプレゼント

患者さんから、

「先生に贈り物があります(今日は、クリスマス!クリスマスプレゼント)。」

と、正岡子規の和歌の自筆を完全な形でコピーした短冊をいただきました。子規がなくなる3~4年前のものですが、勢いがあり、またバランスがとてもいいのです。

ベースボール  打ちはづす球キャッチャーの手に在りてベースを人の行きがてにする

とあり、升(のぼる)と名を書かれています。明治31年に詠まれた和歌ですので、病床に伏しておられた正岡子規ですが、野球を楽しんでいた子規の一場面が蘇ってきたのでしょう。打ち損なったボールをキャッチャーに取られ、つぎのベース(1塁)にいけなかった悔しさを詠んだのだと思います。

あじさいの杜鍼灸院に来られた方、子規の素敵な世界に出会えますよ!

 

先日、キャメルKで踵重心の姿勢で歩くと転ばないので、大腿骨骨折の予防になると話をしたのですが・・・・・突然、あるお客様から、

「スポーツでは、踵重心なんかでは勝てませんよ!」

とかなりの剣幕で喋ってこられました。その方は、剣道6段の腕前で、重心は母指球にかけて後ろ足の踵は紙が1枚入るくらいの位置で構えると習ったそうです。私は、日本人の本来の姿勢と歩き方について話しているだけで、全くスポーツに関したことは言っていないのに・・・・

「実は、この考えは宮本武蔵の五輪書に書かれているのですが・・・」

と言っても意に返していないようです。そこで、あじさいクラブのメンバーで剣道4段のカッパちゃんに少し喋ってもらったのです。

「日本刀と竹刀では、全く別物なんです。」

と喋り始めても、とりつく島が無い様子なので、カッパちゃんも話合うことを諦めたようです。カッパちゃんは、高校剣道部に指導をしていたほどの腕前ですが、スポーツとしての剣道に疑問を感じ指導を辞めたという経験があります。こんな話を今日の患者さんのお父様に話していると、

「時代劇の殺陣(たて)には、剣道経験者は絶対に使わないそうです。剣道では剣を止めてしまい、切らないからです。」

と、説得力のあるお言葉をいただきました。いま一度、姿勢と歩き方考えてみては、いかがでしょう?

踵重心

昨日、キャメルKでコンサートがあり、その後プチ講演をしました。今年亡くなられた大野朝行先生の著書・「カタカムナの姿勢と動き」からの引用ですが、これは日本人としてしっかり身につけるべきものだと思います。参加された方から「目からウロコが取れた」との感想があり、この踵重心の姿勢と歩きこそ後世に伝えなくてはならないと思っています。

最近、下駄を履き感じたことはがあります。下駄を履くと踵の後ろ側が少しはみ出しますが、それが歩く効率を良くしていることであると知りました。ちょうど踵の中央部が、下駄の縁(ふち)になり体重が下駄の縁にかかり、踵重心のためスムーズにカラダの移動ができるのです。

とにかく、踵に重心を置いて歩くことが、高齢の方が転んで大腿骨骨折をするリスクを減らすことになるのです。

プチ講演の準備

今週金曜日、12月22日(金)にあじさいクラブの演奏と、私のプチ講演が13時から、約1時間あります。そのプチ講演の内容をホワイトボードに書いて準備しています。

最近は、年配の方が転び、大腿骨骨折をし寝たっきりとなり、お亡くなりになるケースが増えています。ところが、歩行指導が全く出来ていません。今回のプチ講演では、その指導を行います。興味ある方は、下記に連絡してください。お待ちしています。

キャメルK 089-913-2002
https://camelk.jimdofree.com

 

 

大先輩の命(めい)

私が高校1年時の3年生だったAさんは、野球部の大エース。私は、当時柔道部に所属してしていたため、一緒に練習をすることはなかったのですが・・・2学期から野球部に鞍替えしたため、間接的後輩となりました。それが縁となり、現在最もお付き合いをさせていただいている大先輩です。

野球部は、1月3日の12時から紅白対抗試合があり、私は参加します(多分、最高年齢)。その後、総会があり・・・・何と、その後高校の同窓会に17:00から参加するハードスケジュールが待っているのです。

「ほんなら、のボールのユニフォームで試合も総会も同窓会も参加せいや!」

「・・・・はっ?」

「目立ったらええんよ・・・その時、名刺渡したらよかろう?」

「・・・・うん・・・そうですね・・」

という命令をいただきました。大先輩の命を「かしこまりました!」というような硬派の高校ではないのですが・・・・・思案中・・・・どうしよう?

フクラハギプルプル

 

70才代の男性患者Aさん、4年ほど前から脚が痺れ始め、歩行困難となり、3年前に脊柱管狭窄の手術を行いました。翌日から歩くことが出来ましたが、両下肢全体に痺れは残りました。2人の医師からは「Aさん、痺れは治らんからね。」といわれたそうです。

私の施術は、頭に鍼を刺す山元式新頭鍼療法(YNSA)の創始者、山元敏勝先生の著書が、「あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!」です。そのため、Aさんには、

「Aさん、カラダはいつも良くなろうとしとるんよ。そのお手伝いを鍼がしているだけで、Aさんのカラダが治しとるんよ。」

と説明して、月に2~4回の通院を開始して今月で8カ月目になります。両下肢の痺れが徐々に軽減して、現在は大腿部の痺れは全くなくなり、フクラハギの下側に痺れが残るだけとなっています。いつものように、膝診と首診を行い8本の置鍼で自律神経と内臓を整えます。その後、Iソマトトープ、Kソマトトープという側頭部と後頭部の治療点に左右1本ずつ合計4本置鍼。すると、

「先生、フクラハギがプルプル震えよる。こんなんは、初めてじゃ!」

「ほんとじゃね・・・・あっ、ズボンが微妙に震えよらい・・・動画で撮っとこうわい。これ、フェイスブックに載せてもええ?」

「もちろん、ええですよ。」

ということで、微妙な揺れですが可視化出来た動画を掲載しようと思ったのですが、容量オーバーのため、出来ませんでした。結局、置鍼してから30分間フクラハギが震え続き、終了となりました。

「先生、やっぱり効いとるんじゃなあ、また連絡して来うわい。」

と、言葉を残してニコニコ顔で帰られました。

稾龍の奉納

今日は、河之内(かわのうち、私が生まれた地区)の記念すべき日となりました。宮司佐伯敦(実弟)が、総代さんをはじめとする地域住民の皆様の協力を得て、地元小学生、愛媛大学の学生さんを巻き込み、厳かな中にも和気あいあいとした稾(わら)で作った龍の奉納祭りを、執り行いました。10月22日から準備を始め、昨日までの期間大変な労力を費やしたことでしょう。皆様本当ご苦労様でした、そして、素晴らしい時間をありがとうございました。

来年は龍年、初詣を河之内の惣河内神社で迎えてみては、いかがでしょうか?立派な稾の龍がお出迎えしてくれますよ!