森下敬一先生、桜沢氏と出会う

 

昭和30年代にニジマスや鶏の白血病を完治させていた森下敬一先生は、桜沢如一氏と出会い、助言をいただきました。その経緯を3回に渡って掲載します。この出会いが長寿研究を加速することになります。

『大学研究室時代の昭和31‐32(1956 - 1957)年ころ、当時「日本が生んだ昭和の怪物」と噂されていた桜沢如一に興味をもち、そのグループの集まりに参加した。

森下は自己紹介を兼ねて研究内容を話したところ、桜沢は「それは歴史的な考え方だ。日本から世界に向けて発信されなければならない、ユニークで革新的な真理だ」と言い、その言葉を聞いた森下は、逆に「この人は凄い人だ」と思った。

森下の腸造血説が初めて新聞に採り上げられたのは昭和32(1957)年5月で、桜沢が記事を目にしたかどうかは微妙なタイミングで、これまで森下の話を理解できる者は殆どいなかったからである[5]。

桜沢は、昭和30年代初期から東京光雲閣において例会を開いており、日本の新しい時代を創ろうというメンバーが集まって熱気にあふれていた。例会には、毎回そうそうたる知識人が集まり、森下は足しげく参加するようになる。そこには、西洋医学を学んだ医師で参加する者は、森下以外に全くいなかった。

当時、森下が座間近くの養鱒所で、自身の研究を基に考えた餌でニジマスの白血病を完治させ、次いで鶏の白血病を完治させて、鶏の血液の状態がどんどん変わっていくことを例会で話した。その数日後に桜沢から電話が入り、夫妻で何度も研究所を訪れるようになった。

鶏の白血病完治について桜沢は「勝因は、ある特定の条件でなく総合的な結果だろう」と述べ、土を調べるよう助言する。森下は使用した腐葉土を調べ、1年がかりで2種類の結晶物質を抽出し、黒い結晶は白血球を減らし、白い結晶は白血球を増やすことを突き止めて、それぞれの化学構造を明らかにした上で桜沢に提出した[8]。』

森下敬一先生が、土を調べることで環境の重要さに気づき始めるようになって行かれます。次回は思いがけないような、展開をご報告します。

 

3年ぶりの患者さん

3年ぶりに来院された70才代の男性患者Cさん、再来院から2回目 の治療となります。側屈すると右臀部から膝にかけて痛みが走ります。しかし、ゴルフスウイングのように捻(ひね)る動きでは痛みが出ません。昨日は、ゴルフを楽しんでおらたそうです。最近の治療では、畳部屋で骨盤調整と、左鎖骨の調整を最初にするようにしています。ただし、Cさんだけは、左鎖骨の調整をしないようにしています。前回の調整で、反対側の右肩辺りに痛みが生じたからです。理由はよくわかりませんが、かなりの痛みだったようなので、やめました。

治療を終えて、時間を置いた後、その痛みの理由を私なりに推測してみました。Cさんは、普段ガニ股歩きをしてます。そのため、畳部屋で仰向けになると、極端に足先が外側に開きます。つまり、背中側の筋肉が縮む傾向があるように思います。臀部に痛みがあるのは、ガニ股で臀部が縮んでその延長で脊柱起立筋を始めとした、背部の筋肉に緊張があるのだと思います。

その結果、前回治療(左肩甲骨付近に硬式野球ボール3個が当たるように、畳の上におき、患者さんは気持ちよさを味あう)では、左肩甲骨付近が緩んだぶん、右側が縮んで痛みが生じたのかも知れません。これは、あくまで推測なのではっきり言えませんが、今後ともCさんのガニ股と背中側、肩甲骨辺りの関係を調べてみようと思います。いつものように、頭に頭に10本の置鍼をした後、右臀部の痛みを聞くと、

「・・・まだ、お尻のほうに痛みがありますね・・・・太ももの外側の痛みは無くなっています。」

「そしたら、お灸をしましょうか?」

ということで、見つけた足の治療点にお灸をすることにしました。

「このお灸は、紫雲膏をたっぷり塗ったあと、モグサを乗せて火をつけるので、痛くないです・・・・どうですか?」

「全然痛くない。」

痛くないお灸を6壮した後、

「どうですか?」

「あれ?痛くない(右臀部)・・・・凄いな!」

「結構効くでしょ?・・・・ここへ、せんねん灸をすれば、いいんですよ・・・せんねん灸は、ちょっと高いから、紫雲膏とモグサ買ってやった方が、お得ではありますけど・・・」

「そうじゃね、紫雲膏とモグサを帰りに買います・・・・あれ、今度は左のお尻が痛くなった。」

「あああ・・・元々、左にも痛みがあったんですよ、右の痛みが無くなったんで、感じるようになったんですね。」

そこで、右足の治療点にお灸を3壮。

「どうですか?」

「・・・・・痛ない!」

ということで、本日の治療は終了となりました。

限界集落

 

東京の大親友が、仕事仲間3人と松山に来られて、3日目の昨日は、私の実家をご案内しました。まず、父親の実家である川上神社に行きました。この神社は道後平野の扇状地の要(かなめ)に位置するところにあります。そのため、松山市の見張りが出来る個所のように思います。

そして、母親の実家であり私が生まれ育った惣河内神社、隣りには金毘羅さん。松山市から20kmも離れた山間地にもかかわらず、立派な神社とお寺です。ここは、高知と松山を繋ぐ宿場でもあったので、江戸時代には随分栄えていたようです。しかし、今や*限界集落というレッテルがついています。

私は、惣河内神社の長男に生まれたにもかかわらず、地域を出て弟に宮司として、頑張ってもらい、後ろめたい気持ちはあるのですが、私でなくしっかり者の弟が後継ぎをして、正解だと思っています。私で出来る範囲の応援をしていくつもりです。

東京から来られた4人は、神社、お寺、近くにある渓谷の霊気、冷気、マイナスイオンをたっぷり感じていただいたと思います。この奥には、夏目漱石、正岡子規が訪れた白猪の滝という雄壮な滝もあり、ちょっとした穴場です。そのうち、弟を中心として「限界集落からの逆襲」があると思います。乞うご期待!

*限界集落(げんかいしゅうらく)とは、人口の50%以上が65歳以上で、農業用水や森林、道路の維持管理、冠婚葬祭などの共同生活を維持することが限界に近づきつつある集落のことである。

2015年の国土交通省の調査では、今後10年以内に消滅する恐れがあると予測される集落は570あり、いずれ消滅する恐れがあるとみられる集落と合わせると、過疎地域全体の4.8%(3,614集落)になる。

患者さんからの提案

鍼灸院を経営していて感じるのは、「鍼は痛いし、お灸は熱いので苦手」という感覚の人が多いという事です。確かに私の使用している鍼は、直径0.25mmで一般に使用されている1番鍼が0.16mmなので、刺入時は痛いことが多いのです。ただ、最近始めたお灸は、世界で最初に麻酔手術を行った華岡青洲の考案した紫雲膏をたっぷり皮膚にのせてモグサに火をつけるので、熱くありません。それでも効果があります。また、私は頭に鍼を刺しますが、刺した後は気持ち良さがあり、即効性があるので、一度体験するとほとんどの人が好きになります(金属アレルギーの方は、無理です)。しかし、それでも敷居が高いようで、1日の来院数は、4人弱です・・・何とか生活出来る程度です。そこで、患者さんからある提案がありました。

「先生、5分無料で中学生を休ませてあげたら、絶対いいですよ!」

確かに、スマホやタブレットばかり見て、カラダも歪んでいる中学生に門戸を開くのは、高い敷居を低く出来るチャンスかも知れません。そこで、写真のように、

「スマホ疲れのアタマと歪んだカラダを畳の上で心地よく正しましょう 5分間無料」

とキャッチフレーズを考え、下絵(字?)を作りました。津田中学校の生徒の通り道なので、読んで興味を持ってくれると良いのですが・・・・アイデアを出してくださった患者さんは、まずは身近なことで解決する事、それが色々な展開を生み出すとおっしゃっていました。9月から学期が始まるので、どういう展開になっていくか興味あります。

講座

昨日は、大学時代の大親友が仕事仲間3人と松山にやって来ました。午後1時から、親友と仕事のパートナーの女性を治療したのですが、治療の前に、「血液は小腸からできる講座」「ほとんどの人は、右骨盤が上前方に変位している講座」など、講座形式で進めました。進めながら、『こういうの、良いな~』などと思ったのです。

2人に同時に喋ることで、時間を有効に使えます。そして、私の治療に理解を示してもらえやすいと感じました。もっとも、今回は時間的な余裕があり、わざわざ東京から来られたということもあり、講座をしたかったのだと思います。

その後、市内の料亭で10時まで飲んで楽しい時間を過ごしたのです。今日は、ここまで!

雲が頭から消えていった

待合室で、やたらとあくびをする70才代の女性患者Aさん。どうもお疲れのようなので、

「今日は、足揉(も)みをしましょうか?奥のベッドに移ってください。」

と、今回は全て操体法をすることにしました。左膝がお悪いので細長い棒状のクッションをベッドに両膝ウラが当るように置き、Aさんの膝に負担がこないようにしました。

「どうですか?膝・・・」

「ちょうどいいですね。楽!」

ベッドを私の膝上20cmくらいまで上げ、足揉(も)みを始めました。

「どうですか?」

「気持ちいい・・・」

15分ほど足揉みをした後、両肩が重いと言われたので、AさんのオデコにあるB点に中指を軽く置き、皮膚の操法をしました。すると、

「水が流れている・・・・・」

私は一瞬、流し台の方を見て、耳を傾けました・・・『別に、水は流れていないけど?』。

「不思議、足に両脚に水が流れている感じ!」

「・・・・・あああ、そういうことは、よくあります・・・何か、カラダの方で変化がありましたら、教えて下さい。」

「じっとしとるのに、首が動きよる感じ・・・・黒い雲が出てきて、雲が動きよる方に首が動きよる・・・・面白いね~・・・・最後は、雲が上に上って消えていった・・・・不思議!」

ちょうどいいタイミングなので、今度は後頭部に両手を・・・・ちょうど、水をすくうような感じで優しく触れます。しばらくすると、

「両肩が重くなって来た。」

「・・・・そしたら、意識を両肩に置いてください。そして、息をゆっくり肩に通して・・その後は、2つ、3つ普通呼吸をして、またゆっくり肩に息を通すお事を、しばらく続けてみてください。」

「・・・・右(肩)が軽くなってきた。」

そこで、電話が「リリリーン」

「はい、あじさいの杜鍼灸院です・・・・はい◯◯さん、お久しぶりです・・」

と、明日の予約受け付けて、2~3分の時間が流れた後、

「Aさん、どうですか?」

「左は、足の方がジーンとなって・・・そのうち(肩が)軽くなっていった・・・・今は、頭が軽い。」

もうこれで、整ったので5~6分足揉みをして終了となりました。山元式新頭鍼療法(YNSA)の治療点を使った皮膚の操法は、新しい治療法になるかも知れません。

森下敬一先生、国会へ その6

 

昭和44年、衆議院科学技術振興対策委員会「食品添加物問題」に、森下敬一先生が、学術参考人として証言されています。

『○森下参考人 去る五月の十四日にNHKの「生活の知恵」の番組でいわゆる危険食品をテーマにしで問題が取り上げられたわけであります。私もこのとき、資料提供という形で四、五本血液を持ってまいりました。この血液は、一つは、紅しょうがで血液の水の部分、つまり血漿の部分が赤く染まっている血液であります。もう一つは、ウズラ豆をたくさん食べて、やはり同じように血漿が緑色に染まっている血液でございました。もう一つは、粉末ジュースを飲み過ぎてやはり血漿が黄色くなっている、そういう血液を何本か皆さん方にごらんいただいたわけであります。 

私自身は、日本人の血液がこういうふうに食品添加物によってひどく汚染されているということに十二、三年前に気がつきまして、以来、加工食品をとらないように、自然食品に切りかえるべしということを唱えまして、いわゆる自然食運動を展開してまいったわけであります。現在静かなブームといわれております自然食運動、これはたいへんけっこうなことでありまして、この運動を十数年前から推進してまいりました私どもの立場から申し上げますと、たいへん喜ばしいことだというふうに考えるわけであります。 

しかし、よく考えてみますと、現在一般大衆の中で、こういう形で自然食運動が盛り上がってきているということは、ここまで一般大衆の食生活を追い込んできた国の無為無策という点から考えますと、大いにこれは責められていい問題ではないかというふうに考えております。 

最近のいわゆる有害食品であるとか、あるいはうそつき食品の横行というものは、ほんとうに目に余るものがございます。現在国で許可されております食品添加物は三百五十八種類ばかりございますが、さっき郡司参考人が申しておられましたように、わが国だけで使用が許されているという食品添加物がかなりたくさんございます。外国では毒だと認められていながら、わが国では毒物として取り扱われていないものが相当数あるということにぜひ御注意を願いたいと思います。 

それから、医学的な立場から申し上げますと、こういう食品添加物がわれわれのからだの中で一体どういう働きをなしているか、どれぐらいの量が吸収されて、どれぐらいの量が排せつされるのか、あるいは一つ一つの食品添加物がわれわれのからだの中でまざり合って、複合的にあるいは相乗的な有害作用を発揮するという可能性すらあるわけでありますが、こういう点が現代医学では全く解明されていない、そういう時点において、公然とこういう食品添加物が公認されているというところに私は大きな問題を感ずるわけであります。こういう言い方は少しオーバーかもわかりませんが、私は一億反健康状態を招いた一つの大きな原因は、この食品添加物にあるというふうに考えております。 

たとえば、私どもの一般家庭の食餌の内容をながめてみますと、晩酌の酒の中には、御存じのように、サリチル酸が入っております。ソーセージには着色料であるとか保存料であるとかあるいは増量剤であるとか、あるいはつくだ煮の中には着色料、人工甘味料あるいは保存料、漂白剤、それから、御飯の米には防虫剤が入っている。そして、みそ汁には変色防止剤であるとかあるいは保存料、しょうゆの中にも保存料が入っているというような状態でありまして、少なくとも私どもは一日に大体八十種類から百種類の食品添加物を、これは好むと好まざるとにかかわらず体内に入れているわけであります。これがわれわれのからだに対して全く無影響であるということはとうてい考えられない。因果関係をはっきり証明することはかなりむずかしいにしても、何らかの形でわれわれの健康に対して有害な影響を与えているということは当然想定されるところであります。 

わが国では、この食品添加物の開発は、大体食品工業会社であるとかあるいは製薬会社あたりが開発をいたしまして、そして、政府にその使用の許可を働きかけて認可されるわけであります。ところが、外国の場合には、非常に厳格でございまして、特にドイツあたりでは、食品添加物は国が開発をいたしております。国が食品添加物というものを開発いたしまして、業者に、この添加物はこういう性質のものであるからこういうふうに使用しなさいということで指導をしております。そういうふうに食品添加物の認可の取り扱いにつきましても相当大きな違いがあるわけであります。 

それからもう一つ、わが国の場合には、一たん許可されたものは、有害だということがわかりましてもなかなか使用禁止にならない。一つの例を申し上げますと、たとえばオーラミンという、あの黄色い発ガン色素が長い間使用されておりました。これが有害だということがはっきり証明されましても、使用禁止に至るまでにはかなり長時間を要しておりまして、有害だということがわかっても、なおかつ禁止に踏み切れないというようなところにも、一つわが国の食品衛生行政の何か特徴みたいなものがあるようにうかがわれるわけであります。 

これは事われわれの生命に関する問題でありますから、有害だということがはっきりわかりましたならば、ぜひ英断をもってこれを禁止するという方向、そういう姿勢をとっていただきたいというふうに考えます。 

もっとも、現在、有害食品の取り締まりをきびしくしろというようなことがしきりにいわれるわけでありますが、現在の食品衛生監視員の数というのはたいへん少なくて、この人手では厳重な監視の目はとうてい行き渡りません。 

それともう一つは、現在の食品加工の技術といいますか、これがどんどん前進しておりますのに対して、監督あるいはその指導をする機関の体制というものが旧態依然である。この差は広がる一方でありまして、この辺の問題を国としてもぜひ考えていただかなければならないんではないかというふうに思います。 

さらに、加工食品業者がもうけ主義一点ばりで、不必要な添加物をやたらに使いたがる傾向がございます。食品の見ばえをよくするというような意味で、要らない食品添加物をやたらに使う傾向があります。業者自身に、この食品添加物というものがわれわれの健康に対して有害であるという認識が不足しております。この辺もぜひ国として、業者に対する指導を怠ってはならないのではないかというふうに考えます。 

もう一つ、これは一般消費者にも実は責任の一端がございまして、消費者は王さまといわれますけれども、この王さまはもっと賢くならなければならないというようなことを私ども考えまして、いわゆる啓蒙運動を展開しておるわけであります。国も食品業者も一般消費者も、この際われわれの健康問題あるいは生命問題をもっと最重点的に考えまして、そして、これからの新しい食品衛生の基本的なルールというものをつくっていかなければならない。そういう時点に差しかかっているように思います。疑わしき加工食品を国としてはつくらせてはいけない、また、業者はつくってはいけない、消費者はそれを買ってはいけないというような原則をこれから築き上げていく必要がある。そうしなければ、われわれの健康状態は今後一そうなしくずしにされていく可能性があるという状態でございます。 

私の意見は一応この辺で終わりにいたします。』

50年以上前から、このように食品添加物の制限を訴えておられるのに、全く改善出来ていない日本って・・・・情けない・・・

血液というものは、ある一定量あれば足りる

 

森下敬一先生、国会へ その5

昨日の続きで、、昭和43年3月21日(木曜日)にも国会で齋藤憲三委員が、厚生省国立ガンセンター病院長、塚本憲甫氏に「ガン細胞は分裂増殖しないのかどうか?」尋ねたところからの答弁を記載します。また、塚本憲甫氏が国会で述べられた事と、それに森下敬一先生が反論している答弁を記載します。少し長くなりますが、ゆっくりお読みください。

『024・塚本憲甫

○塚本説明員 私は血液生理の専門家でありませんが、先ほどの血液のことも含めてお答え申し上げますと、われわれは、体細胞が異常な増殖をし、どんどん分裂してできた腫物をガンと言っているのでありますが、ガン細胞が分裂しないということは、根本から反対になっているわけです。

 

030・塚本憲甫

○塚本説明員 これはさいぜん私同じことを申し上げたのでございますが、三宅委員がまだおいでになりませんでしたので……。 

一説によりますと、非常に微量にふえておる放射線というような環境も関係がありはしないかという説もございます。これもはっきりしたことではございません。もちろんそういう意味で、全部いろいろなそういうものを含めた環境的な因子というものを否定できないということが一つ。 

それから、先ほどちょっと申し上げました白血病というものは、わが国は、諸外国に比べますと、ふえたようでもまだぐっと低い状態でありまして、これも説でありますからあまりはっきりしませんけれども、たん白食を多くとると、つまり国民の栄養が上がってくると、むしろ白血病はふえるのだという説もございます。これの真偽も、私は自分で調べたわけでございませんのでわかりませんが、動物実験でそういう結果を、ネズミの白血病について出している学者がございます。

 

028・塚本憲甫

○塚本説明員 いまの小児ガンの問題、そういうことがどういうことからふえてきたかというようなことですが、いろいろ――御説のとおりであります。 

ただ、誤解がございましたようですから、もう一ぺん私から斎藤議員に対してもお答えさせていただきますと、単細胞からガンができるのではなくて、からだのどこかの細胞、体細胞、それが、何の原因かわかりませんけれども、あるときにそういう変な細胞に変わって、どんどん分裂して増殖していくのがガンだということを私はいま申し上げた。これが一つであります。 

それから血液とガンの関係、これは、私は血液の生理学者でございませんから詳しいことは存じませんけれども、放射線でガンをなおすという立場から私たちが従来やってきましたことから申し上げますと、先ほど申し上げましたように、体細胞からできますから、胃からできたガンは、胃の粘膜の構造がどこかに残っているような意味のガンになります。これをわれわれは腺ガンと申しております。皮膚からできたものは、皮膚の構造を残しながら、非常に鬼っ子になって、こういうところにかいようができたりしてまいります。一方、血液の細胞と申しますもの、ことに赤血球と申しますものは、その中に核もございません。核があるなしは、細胞の生き死にということとかなり密接な関係がございます。したがいまして、赤血球の、最後にからだを回っておりますときの役目は、肺に行って酸素と炭酸ガスを交換するに必要なヘモグロビンというものを持ってからだを回って歩いておるわけでございます。オルソドックスな説必ずしも正しくはないかもしれませんけれども、われわれが食べましたものから血となり、肉となる、これはある意味で真理だと思います。しかし、血液というものは、そういう赤血球のほかに血奨というものがあって、それで栄養を方々へ送っておるわけでございます。その血奨は、確かに腸管から取り入れた養分を運んで適当なところへ持っていっております。そういう意味で、そういう死んだ細胞が、どういうことか知りませんが、お考えは自由でございますけれども、それがガンのもとをなし、また、それが血液に返っていくというような考え方というものは、われわれの医学常識ではちょっと考えられない。ですから、それは実験をしてくださるとおっしゃれば、そういう場面もあっていいかと思いますけれども、少なくともガンというものはどういうものか、そしてそれは、確かに、いまおっしゃったように、大家である先生が見ても見つからない。これは幾らもあることで、われわれも大いに反省して、大いに努力をして、もっと勉強しなければいけないと思っておりますが、そういう研究としてまだまだわれわれが取り上げなければならないたくさんの問題がありますし、そういう意味も含めて根本の問題も考えていただくということはたいへんけっこうだと私は思います。ただ、いままでの学説が非常におかしくて、新しい説がぽんと出てくれば、それをなぜ取り上げないかという、それだけの議論というものは、いろいろな立場から考えがあると思うのです。 

問題は、そういう意味で、私たちも大いに勉強はしてまいりますけれども、もう一つ重大な問題は、骨髄ではなくて腸から血液ができる。それは少なくとも私たちが習い――これは何も、外国のまねをしているとか、そういう意味じゃございません。胎生期には、血液というものは方々でできてきます。子供のときはまだ長骨でもできます。しかし、おとなになりますと、血液というものは、ある一定の量があれば足りるものですから、それで、血液をつくっているのはおもに、背骨にある短い骨の骨髄でありまして、そこを取って細胞を見ますと、血液の最小のものであるような非常に未熟な細胞から順序を追って最後の血液までの細胞が発見されます。そういうことが、われわれが血液が骨髄でできているという説を支持しておることのおもな原因だというふうに御了解いただきたいと思います。

 

033・森下敬一

○森下参考人 いまおっしゃられましたように、大気汚染であるとか、あるいは排気ガス、ばい煙というようなものが肺ガンの原因になっているであろうということは、十分に想像されるところであると思います。私が調査した範囲では、去年上野動物園の動物が四十何匹か、これはいろいろの種類の動物でありますが、肺ガンだけではありませんが、ガン性の病気で死んでいるということであります。もちろん、こういう動物は別にたばこを吸っているわけではございませんが、実際に肺ガンで死んでいる。その原因は那辺にあるのかということでありますけれども、やはり一番大きな問題は、彼らが自然な環境から離れて人間がこしらえた不自然な食べものをあてがわれながら、しかも、こういう不自然な大気汚染の中で生活を強制されているというところにあると思います。したがいまして、動物の文明病といいますのは、これはガンだけではございません。たとえば、豚がコレラにかかるとか、あるいは牛が結核にかかるとか、あるいは動物園などではキリンが胃かいようで死んだりカバが糖尿病で死んだり、犬がノイローゼぎみであったりというように、人間社会の中でいろいろな病気を起こして死んでいっている、その動物たちの文明病の起源というものが人間の文明病の起源でもあるというふうに考えるべきだと思います。そういう広い立場に立って私たちは、特にガンだけをということではなくて、文明病対策というものはもっと大きな立場でわれわれ考える必要があるのではないかというようなことをいままで唱えてまいったわけであります。たとえば、栄養問題もそうであります。現在唱えられておる栄養学に対しましては、私自身非常に大きな間違いがあるということを長年唱えてまいりました。そのほかにも、いろいろ問題があるわけでありますが、とにかく、もっと巨視的に、大きな観点というものを踏んまえて、そうして、こういう病気の対策というものを考えていかなければ、コップの中の小さな思索では問題は解決しないというような気がいたします。 

それから、ついでにここで私、はっきり申し上げておきたいと思いますことは、ただいま塚本先生が血液の問題についていろいろ意見をお述べになっていらっしゃいました。これは全くそのとおりであります。現代医学のピークに立っておられる先生でありますから、既成概念の頂点に立っていらっしゃる方でありますから、既成概念を否定するということは、とりもなおさず、御自分の存在を否定するということにもつながるわけでありまして、それはとうてい私はできないことだと思います。しかし、たとえば、いま塚本先生がおっしゃられた考え方の中に、赤血球が成熟その極限に到達した細胞である、これは現在の血液学の定説でありますが、この考え方が私はそもそも間違いである。私の考え方では、食べものが材料になって腸でつくられた細胞でありますから、きわめて原始的な細胞であります。しかるがゆえに赤血球の中には何十種類もの酵素があり、しかも、エネルギーがプールされている。最近これはわかった事柄であります。いままでは極端に成熟をした、老いぼれの、死の一歩手前の細胞であるという考え方で赤血球を見ていたわけでありますが、その考え方にそもそも大きな間違いがあると思います。最近の生化学の進歩は、赤血球の中の無数の酵素が含まれている、あるいは、エネルギーがちゃんとプールされていて、死ぬまぎわの細胞がなぜそういうものを持っているのか、いまの医学的な常識では説明がつかないという段階であります。そういうことから考えましても、もう根本的にやはり考え方の土台が違っているというような気がいたします。 

それからガン細胞の分裂についてであります。いま塚本先生がおっしゃいましたように、ガン細胞というものは、体細胞が突然変異を起こして異常な細胞になって、その細胞が無限に分裂増殖をする細胞であるというふうに説明をされました。これは現在のガンに関する定義であります。世界の学者が、ガンとはそういう病気であるというふうに信じております。そういう意味ではもちろん間違いのない考え方でありますが、しかし私の立場から申し上げますと、そういうことももちろん承知の上で、からだの中にあるガン組織というものは、私は分裂増殖をしておらないというふうに見ております。しかし、実際にガン細胞の分裂がきれいに映画の中にとらえられたりしております。東京シネマでつくられましたガン細胞に関する映画などを見ますと、ガン細胞の分裂というものは実にみごとにとらえられております。が、それはそういう特殊なガン細胞が示す行動であって、すべてのガンがそういうふうに体内で分裂増殖をしているのではないと思います。もしガン細胞がほんとうに分裂増殖をしているのであれば、たとえば、現在がんセンターで入院あるいは手術をされたガンの患者さんのその組織の一片を持ってきて、そして顕微鏡の下でガン細胞の分裂というものは観察されてしかるべきであります。しかし、そういう観察がなされたという報告は、私は一例も聞いておりません。実際に手術をして、ガンの組織というものは幾らでも、いつでも、随意にわれわれは取り出すことができるわけでありますから、そういうガン細胞が分裂増殖をしているかどうかということは、確かめようと思えばいつでも確かめられるはずであります。そういう実際のガンの組織というものを取り出して、そして、顕微鏡の下でそれを観察した学者というものは、私はいないと思います。実際には、われわれのからだの中では、定説はガン細胞の分裂ということでありますけれども、赤血球がガン細胞に変わっていることは、ほぼ間違いのない事実だと私は確信いたします。実際に、最近フランスでも、ガン研究の権威であるアルぺルン教授が、ガン細胞というものが分裂しているかどうかということについては、これは詳しく触れておりませんけれども、小さなガンの種になる細胞が寄り集まって、そうして一個の典型的なガン細胞に発展をしていくのだという説を唱えまして、そういう報道がヨーロッパではなされております。そういうことを見ましても、分裂増殖だけではなさそうである。分裂増殖一辺倒ではいけないのではないか。たとえば、現在のガンの治療薬にいたしましても、ガン細胞は分裂増殖をするから、その分裂を抑制するような化学物質であればガンはなおるであろうというふうに、きわめて単純に、機械的に考えてその開発が進められているわけでありますが、こういう考え方のもとでは、私は幾ら研究費をつぎ込んでもしかるべき抗ガン剤というものはできないというふうに見ております。また、いままで長年私はそういう考え方を講演会で述べたり、あるいは私の著書の中ではっきりと明記いたしております。 

ガン細胞が赤血球からできるということにつきましては、私が八年前に書きました「血球の起原」という本の中でそれをはっきり述べております。たとえば、吉田肉腫の場合でありますが、あの吉田肉腫の細胞というものは、実際にはほとんど分裂増殖をしておりません。種を動物の腹腔の中に植えつけますと、まず必ず腹膜に出血性の炎症が起こってまいります。そして、腹腔の中にまず血液が浸出する、赤血球が腹水の中にたくさんまざり始めるということを前提にして、初めてガン細胞はふえるのであります。吉田肉腫の細胞というものは増殖していっております。その過程を、私は八年前に書いた私の本の中ではっきり指摘いたしております。吉田肉腫の増殖というものも、私は、腹膜の炎症が起こらなければ、腹膜の炎症を起こさないように処置してこの吉田肉腫の種を植えつけたのでは、絶対にこの肉腫細胞は増殖をしないであろうというふうに想像いたしております。炎症というものが背景にあって、血液が腹水の中に出てくるということが前提条件である、そうしなければガン細胞はできない、その赤血球がお互いに融合し合いまして、そうして一つのガン細胞に発展をしていくということであります。 

また、実際にこの吉田肉腫の細胞を観察してみますと、形がまちまちであります。もし一定の分裂方式で細胞が増殖していくのであれば、ほとんどきまった形の細胞ができなければならないのに、増殖している細胞は全く千差万別であるということも、でき方が単に分裂増殖ではないということを物語っているように思われます。 

それから、話はだいぶ前にさかのぼりますが、さっき斎藤議員が申しておられました無菌的な血液を培養して、そうして点状の小さなバクテリアが発生をし、これが球菌になり、桿菌に発展をしていくことが実際にあるのかどうか、これは国の機関でひとつはっきりさせろということを申しておられましたが、この問題につきましては、私自身すでに、SICの牛山氏とは全然別個に実験を行なっております。私はSICの問題とは一切無関係に、血液というものは無菌的な条件のもとで、試験管の中で放置しておけば、一体最後にはどういうふうに変わってしまうものであろうかというようなことを追求する目的で、大学時代に大ぜいの研究員を使いまして、こまかく探索をいたしました。その結果は、この八年前に書きました「血球の起原」という本の一〇〇ページ、それから今度出しました「血液とガン」という本の一五ぺ-ジに、その写真も掲載をいたしまして、その結論を披瀝いたしておりますが、これは無菌的な血液であっても、血漿の中に、これは実は赤血球の中にそういう点状のバクテリア様のものが発生をいたしまして、これがだんだん発育をいたしまして、そうして球菌になり、かつ、桿菌にまで発展をするという事実を私は認めております。 

この問題は、国家の機関で追求せよということでありますけれども、私はその必要はほとんどないのではないかというような、むしろ逆の考え方をしております。といいますのは、はっきりとそういうふうになるのでありまして、牛山氏が無菌的に血液を培養して、ああいう桿菌様のものが得られたというその事実に対しましては、私は絶対に間違いがなかったというふうに判定できると思います。 

ただ、そういう桿菌様のものを材料にしてつくられたSICという化学物質がガンにきくかどうかということは、私は臨床医でありませんので、これは全くわかりません。そういうことをこの際つけ加えておきたいと思います。』

 

 

厚生省国立ガンセンター病院長が、本気で「子供のときはまだ長骨でもできます。しかし、おとなになりますと、血液というものは、ある一定の量があれば足りるものですから、それで、血液をつくっているのはおもに、背骨にある短い骨の骨髄でありまして、そこを取って細胞を見ますと、血液の最小のものであるような非常に未熟な細胞から順序を追って最後の血液までの細胞が発見されます。そういうことが、われわれが血液が骨髄でできているという説を支持しておることのおもな原因だというふうに御了解いただきたいと思います。」と、思っておられます。血液というものはある一定の量があれば足りるものだそうです。こんなバカなことありますか?よくもまあ国会で発言出来ますね。血液が最も大切なもので、常に新鮮な質の良いものでないといけません・・・それを、一定の量があれば足りるといえる・・・そして、最も大切な酸素を運ぶ赤血球は、核がないので最も古い細胞と、未だに見なしておられます。血管を流れる赤血球(約96%)が、最も古い細胞なら我々生き物は、元気に生きられるはずがありません。また、血液を濾(こ)して1日1500mlの尿が排出されます。その量を脊柱の骨髄から、毎日作り出されると、本気で考えているのでしょうか?正に天動説!

森下敬一先生、国会へ その4

森下敬一先生、国会へ その4

森下敬一先生は、昭和43年3月21日(木曜日)にも国会で証言されています。今回は齋藤憲三委員が、前回(昭和41年)の森下敬一先生の発言を受け、大問題を提言されているのにも関わらず、腸造血説と骨髄造血説の討論がなされてないので、厚生省国立ガンセンター病院長、塚本憲甫氏に参加してもらい討論の場をくださいました。そこでのやりとりの一部を掲載します。

『○齋藤(憲)委員 そうすると、骨髄は血をつくるのだ、従来はこの学説によって医学の根本的な考え方がきまっておる、こういうことですか。――そうすると、生物が生命を保持していく上において、特に動物世界において、血液によって細胞が全部培養されていく、その血液が腸でできるのだという説と、骨髄でできるのだという説とが分離しておっては、そこから一切の医学的な考え方というものは違っていくんじゃないかと思うのですが、それはどうですか。それじゃ、そこからいろいろな医学的な考え方というものは違っていくのですか。

発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X00619680321/21

022・森下敬一

○森下参考人 私たちの新しい血液理論によりますと、食べ物が腸の粘膜で赤血球という細胞に変わりまして、この赤血球がからだの中を循環いたしまして、すべての体細胞に変わっていっております。肝臓の細胞も、ひ臓の細胞も、あるいは皮下脂肪であるとか、骨髄脂肪であるとか、あるいは筋肉の組織もまた赤血球からつくられているのでありまして、言いかえますならば、食べ物は血になり、そして血は肉になるという東洋古来の考え方に逢着するわけであります。こういう理念というものが現代医学あるいは生命科学の中に存在しておらないということが、数々の問題を引き起こしている根本的な原因である。現在ガンをはじめとして文明病というものが盛んに広がりつつありますけれども、こういう病気がなぜ起こるのか、あるいは、それに対する対策というものがなぜできないのかということをいろいろ突き詰めてまいりますと、食べものが血になり、血が肉に変わっていっている。そして、この血液と体細胞との間に可逆的な関係がある。血が肉になったり肉が血になったりというような、そういうダイナミックなものの考え方が存在しておらないというところにほんとうの原因があるというふうに私は考えております。 

であるがゆえに、われわれの血液理論というものが、文明病対策の根本理念として取り上げられなければならないであろうし、あるいはわれわれが健康長寿を保つというような意味でも、こういう考え方をぜひとも理解する必要があるということを約十年来私たち提唱してまいったわけであります。

発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X00619680321/22

023・齋藤憲三

○齋藤(憲)委員 そうすると、いまのお話によりますれば、食べた食物は腸の粘膜を通して赤血球になる、そして、あらゆる組織をつくっていく。が、しかし、場合によっては、その赤血球によってつくられたあらゆる体内の組織というものは、可逆作用によってまた血に戻り得る、その血に戻り得るときに骨髄の作用を必要とするんだということですね、ここに書いてあることは。まあそれに対してはさらに、現代の医学からいきますと大いに反論があると思います。これは根本的な問題でありますから。その反論を承っておりますと時間がありませんから、いずれこの次にその反論を承りたいと思います。これは重大問題です。 

それからもう一つ。ここに、ガン細胞は分裂増殖しない、これは赤血球がガン細胞に変わるんだ、赤血球が常に何らかの作用によってガン細胞に変わっていくんだから、それは分裂しないし、増殖しない。これはたいへんなんです。私がいままで読んだ――私のところにも、興味を持って何十冊というガンの本がある。が、しかし、その中の大半は、ガン細胞の分裂増殖、きわめて急速なガン細胞の分裂増殖と書いてあるんですがね。ここなんです。それを、どうしてこういう大きな新しい――正しい説であるかどうかはわからぬとしても、いやしくも医学博士の学位を持ち、そうして、赤十字の血液センターの所長をしておる地位にあって、どういうことで参考人としてこの委員会に呼ばれたのか、その当時のことはよくわかりませんけれども、とにかく、その当時の委員及び委最長のいろいろな相談の結果、適当であるとして呼ばれたんだろうと思うのです。ここでこういう陳述をしておるのです。ガン細胞は分裂増殖しない。これはたいへんなことですよ。もしガン細胞が分裂増殖しないということが正しいとしたら、いままでのガンに対するいろいろな説というものは全部間違いだということなんです。私の知っている限りでは全部間違いだということになる。どうですか、これは、病院長。』

と、昭和41年に行われた委員会に出席していなかった齋藤委員が、「ガン細胞は分裂増殖しない」説に驚き、厚生省国立ガンセンター病院長、塚本憲甫氏に質問します。次回には、病院長と森下敬一先生とのやりとりを掲載します。

森下敬一先生、国会へ その3

昨日に続き昭和41年4月7日(木曜日)の国会で、森下敬一先生が参考人として述べられたお言葉を記載します・・・・・その前に、森下敬一先生は、つい最近までお元気で研究され、研究先で亡くなられたそうです(享年91才)。見習うべき生き方です。今後、森下敬一先生の研究を出来る範囲で、勉強するつもりです。下記は、ガンの治療方法です。

『そのためには、一つの方法としましてやはり絶食あるいは食餌療法――現在の栄養概念というのはたいへん混乱をいたしておりまして、先ほど申し上げましたように、食べものが血になり、血がわれわれの体細胞に変わっていくわけですから、われわれは何を食べてもいいということでは決してございません。われわれの体質を決定するものは食物の質であるわけですから、食べものの質は厳に吟味しなければいけない。にもかかわらず、何を食べてもよろしいという考え方が現在一般に広げられているわけでございますが、そういうことではなくて、人間本来の食べものに切りかえるべきである。人間というのは元来草食動物でございまして、草を食べる動物でありますから、植物性のものに食べものを切りかえる必要がある。それから絶食療法を試みるというようなことでガン細胞を赤血球に逆戻りさせることは理論的にも、そして実際的にも可能であります。そのほか、理学的な療法といたしまして、たとえば静電気による療法であるとか、あるいはオゾン療法であるとか――この静電気並びにオゾン療法というのは血をきれいにする、浄血する作用を持っておりまして、こういう方法が試みられなければならないのではないかと思います。

先ほどから申し上げておりますように、ガンという病気は決して局所病ではございませんで、体質もしくは血液の質が悪くなったために起こる病気でございます。全身病でありまして、局所を切りとったからそれでなおるというような考え方は私は賛成できません。あくまでも全身病として血をきれいにしていくという立場でガン対策というものを考えていかなければいけない。ガンだけではなくて、現在文明病としましてたくさんの病気が多発いたしておりますけれども、こういうもろもろの病気をなくすために、先ほどから再三申し上げておりますように、食べものが血になり、血が体細胞に変わっていく、そういう考え方を土台にして血液を浄化していくということが非常に大事なことである、これはガン対策にも通ずる基本的なものの考え方であらねばならないということでございます。』