ブルースリーの名言

河原の砂利道を歩いていると、足底に痛みを感じ思わず、無意識のうちにカラダが勝手に動きます。これは、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「屈曲反射」の解説によると、

『四肢の皮膚を傷害を起すほど強く刺激したとき,その部位の屈筋が収縮する反射をいう。 四肢をもつ脊椎動物の基本的な反射形式の一つ。 ... この反射は危害から逃れるのに役立つので,逃避反射,防御反射,侵害受容反射とも呼ばれる。』

とあります。そのメカニズムはややこしくて説明出来ませんが、ごく自然な自己防衛反応だと考えます。この状況にしばらく身(み)を委(ゆだ)ねておくと、カラダが勝手に歪(ひず)みを取りなががら健全なベクトルへと向かって行きます。これを操体法で「無意識の動き」とか「自発動」と呼んでいます。

今回は敢(あ)えて、やや不安定な状態を作って「無意識の動き」が生じやすくなるセルフケアの方法を考えてみました。私は、長年操体を学び実践しているため「無意識の動き」が生じやすいカラダになりました。そのため勝手にカラダが動き出すのですが・・・・興味ある方は、挑戦してみてください。

ポイントは、ブルースリーの名言「考えるな、感じろ!」です。

操体法と併用

 

60才代の男性患者Bさん。10年ほど前、腰椎椎間板ヘルニアと診断され、整形外科に3ヶ月入院し、温熱、牽引療法やリハビリテーションを行ったのですが、現在、腰痛と右下肢のマヒがあり、坂道、階段の歩行が困難で、杖を突いて歩きたいのですが、見た目が恥ずかしいので無理をして歩いて来られました。また、他県2つの病院に行かれ、セカンドオピニオンも聞いておられます。来院されて、感じたのはカラダの歪(ひず)みです。長身で細身のため、歪みが目立ちます。足を引きずって歩行されているのを見て、「これは、操体法から始めるのがベストだろう。」と感じました。

「奥のベッドで操体法というカラダの歪みを取る治療法があるので、それを先にしましょう。」

と、Bさんを促(うなが)し、簡単な操体法の説明をして、早速操法。仰向けになってもらい、両膝を立てて、左右にゆっくり倒し左右差を感じてもらいます。Bさんは左に倒すと痛みがあります。そこで、痛みの一歩手前まで、両膝を左に倒し、ゆっくりと右側に戻す動きをしてもらいます。その時、私はBさんの両膝を軽く抑え、両膝が動かないようにします。

「決して無理しないで、ゆっくりと動いてみてください・・・カラダに、よおく聞き分けてみてください・・・・腰を使って、肩甲骨で・・・」

などと言葉の誘導を行います。

「これで、両膝をゆっくり左に倒してください・・・・・どうですか?」

「・・・・・あれ?痛くない!」

「そうでしょ・・・今度は、野球の硬球を使ってやってみましょう。」

と、硬球をベッドに置きその上に肩甲骨の圧痛点を乗せ、ゆっくりゆっくりと左腕を重力に逆らわず動かしてもらいます。

「これ・・・・・効きますね・・・・わあ、効く!」

左右の肩甲骨に同じ操法を行います。

「これで、立ってみてください。」

「・・・・・・あれ?普通に立てた!・・・・普通に歩ける。」

「これを毎日、やってください・・・・何度やってもいいんですが、あまり欲張らないでください。」

 

という事で、待合室兼治療室に移動して、鍼治療。いつものように膝診し足に7個のパイオネックス(皮内鍼)を貼り、自律神経を整えます。後は側頭部の腎治療点と後頭部のD治療点、耳ウラのIソマトトープの3本置鍼して終了です。

「先生、右膝から下のシビレが無くなりました・・・・・・友人に前から紹介してもらっていたのに・・・・・コロナ禍で、遠慮していたんです・・・もっと早く来ていれば良かった。」

「・・・ほんとですね・・・」

後は、なぜ肩甲骨の圧痛点に硬球なのか(YouTube参照)とか、山元式新頭鍼療法の自作YouTubeを見ていただいたりして、過ごしました。

YouTube 重心移動の法則

 


操体法の身体運動の法則には、重心移動の法則と重心安定の法則があります。この法則に従ってカラダを動かすと、自然で無理のない日常生活が送れます。今回は、重心移動の法則を紹介するYouTubeを制作しました。

様々な医療機関で治療を受けても、日常生活で自然に反した動き、食生活などを繰り返していると、カラダに歪みが生じ、再び医療機関を訪れるようになります。日常生活におけるカラダの使い方は人が生きる上での基礎となります。今回は、最も自然なカラダの使い方を分かりやすく紹介しました。

興味ある方は、是非ともご覧ください。

おしゃべりタイム

アメジスト(紫水晶)のマットを55℃にセットし、汗がマットに浸透しないようにビニールのシートを敷き、仰向けになってもらった上から、2枚の小マットを上半身と下半身に置きサンドイッチ状態で30~60分。

鍼灸の治療以外に、発汗を促すデトックス(解毒作用)を目的とした療法も行っています。週2回通っている50才代のAさんは、月に2~4回この療法でたっぷり汗をかきます。普段のAさんは、すぐに眠ってしまうのですが、今回はおしゃべりタイム。

「先生、YouTubeで腰痛を肩甲骨で治すやつ・・・あれ、出来んのよ。肩甲骨が硬いけん、手が届かんのよ・・・・」

「・・・そうか・・・・ちょっと、肘の皮膚に触れるだけでも、ええんじゃけど・・・・そうじゃな・・・説明不足じゃなあ、後でやり方を教えてあげるけん。」

ということになり、30分後デトックスの汗をぬぐいとってから指導タイム。

「やりづらい人は、皮膚を軽く動かせるだけでも、カラダは連動して効き目があるんよ。」

Aさんには、無理をしない程度に左手の甲を左太腿(フトモモ)に置き、右手を左肘に軽く置き皮膚を内側にずらすと、自然な連動を感じます。YouTubeには、その説明がなかったのが悔やまれます。また、Aさんは、左の肩甲骨ではなく右の肩甲骨を意識するのかと思ったそうです。Aさんと対面して、ゆっくり指導すると問題なくスムーズにできるのですが、YouTubeだけで紹介するには、もう少し初心者の立場になりきって制作する必要があるとつくづく感じました。今後とも患者さんからの意見をドンドン聞き入れます。

YouTube制作 腰痛その1

YouTubeを制作。今回は、患者さんが訴える最も多い疾患・腰痛に対応しました。YouTubeでは、表現しませんでしたが、仙台の操体法の師匠・今昭宏先生が命名された「快高圧」という操法の紹介です。腰に対応する肩甲骨にアプローチするものです。

腰痛でお悩みの方、是非ともお試しください。

 

嬉しい電話

今日は、嬉しい電話がありました。

先日制作したYouTube 「五十肩のセルフケア」をそのまま実践すると、上がりにくかった右肩がスムーズに上がるようになったそうです。

 

「本当にカラダって、相似形になっとるんじゃね・・・」

という、意味深な言葉を、漏(も)らしてくれました。私が、提案した「五十肩のセルフケア」は、肩には一切触れません。それなのに、肩がスムーズに上がったという事実。少し不思議に感じられると思いますが、これは山元式新頭鍼療法(YNSA)の理論を操体法を使って実践したものです。

3年間、左肩が上がらない五十肩の患者さんが3~4ヶ月で上がるようになった時、今回のYouTube と同じ方法を何度か治療として行いました。この方法は、一度体験すると、セルフケアとしていつでも実践できます。しかも、患部である肩に触れないので、大変安全です。五十肩でお困りの方、一度試してみてはいかがでしょうか?

YouTube 制作

今回は、五十肩のセルフケア。3年間右肩が上がらなかった50才代の男性患者Aさんの肩、様々な治療結果後、スムーズに右肩が上がるようになりました。そのなかでも、効果的だったセルフケアのやり方をYouTubeにまとめました。

 

このYouTubeでは、今注目されている筋膜リリースを理論的に説明しています。是非ともご覧ください。今回は、これだけにしておきます!

質問責め 続報

『「先生、何で?」「先生、何でここがザワザワするんでしょう?」

質問責めの女性患者Cさん。「さあ・・・よく分かりません。」「まあ・・・」などといい加減な返事をしていたのですが、あまりにも、言葉が先に出過ぎているので、

「いくら頭で理解したとしても、知れています・・・・実は、私がCさんのカラダの状態を聞くのが本当なんです。質問するのは私の方なんです・・・Cさんのカラダの状態を教えてください。」

と言ってからは、Cさん素直にご自身のカラダと向かい合い、適切な言葉で状態を教えてくれました。治療の途中では、Cさんの疑問に答える時間も取りました。次回の治療でどのような会話になるのか・・・・ちょっと楽しみです。 』

と以前フェイスブックに書いたことのある女性患者Cさんの続報です。以前ほどではありませんが、やはり、質問をして来られます。そこで、今回は操体法の圧痛操法だけで治療することにしました。Cさんは、両手の震えが気になって、字が上手く書けないそうです。また、右股関節の外側と、右膝が痛いそうです。畳部屋に仰向けになってもらい、緊張しているところを押圧します。すると、

「痛っったいい・・・」

という言葉と共に、激しいカラダの動きが生じます。これが無意識の動きで、カラダが欲している動きです。Cさんのように質問をし続ける患者さんは、頭で納得することに喜びや安心感を感じ、カラダの声を聞くことを忘れがちです。今回は、しっかりとカラダと向かいあってもらいます。少し荒治療ですが、これぐらいしないと、私の言ったいることを、理解してもらえないと判断したのです。無意識の動きを見て、Cさんのカラダは、両膝傾倒を欲しているのがよく分かりました。

そこで、両膝傾倒の操法を指導。上手にできるようになりました。そのあとは、右肘のコリを取る操法の指導を行いました。

「Cさん、今はどんな感じですか?」

「・・・・あれ?痛みが無くなった・・・・カラダが、ポッポと暖かい!」

「そうでしょう。無意識の動きでカラダ歪みがとれていくんです。」

「先生に教えもろた動き・・・・何かに書いとかんと、忘れてしまう・・・・先生、紙ありませんか?」

Cさんにクリップ付きのボードに紙をはさんでお渡しすると、

「・・・・・先生、手の震えがなくて、普通に書ける!」

Cさんの字を見てみると、綺麗な文字でした・・・・これで、少しは理解していただけたかな・・・・

一昨日の問いへの私見

(写真は、クスノキのコブ道)

『最近のAさんの生活で、変化があったのは寝具。西川のエアーマットに変えてからは、よく眠れ長時間横になった時に生じていた腰の痛みも無くなったそうです。

さて、これらのことから何が推測出来るでしょうか?何故、右膝、右膝下肢の激痛が生じ、何故仕事をしている間に徐々に回復し、およそ1週間で以前以上の良い状態になったのでしょう?』

一昨日に、友人Aさんの膝痛が一週間で以前より良くなったのか?と疑問を呈しました。昨日それに対する私の意見を書けないでいました・・・・昨日は、珍しく臨時休業をして、実家に帰っていたついでに、投稿も臨時休業してしまいました。

西川のエアーマットは、多くの有名アスリートが使っているようで、体圧が分散してカラダの一ヶ所に重さが集中することがないようです。Aさんは、以前の布団では腰に重さが集中していたので、腰痛を感じていましたが、エアーマットに変えたことで、分散した分だけ弱点であった膝に負担がかかり、突然の激痛が生じたと考えることは、出来そうです。

それでは、何故仕事をしている間に、いつの間にか膝が以前以上に良くなったのでしょうか?

それは、不自然な姿勢での無意識の動きにあると思います。右膝痛で荷物を抱えると、しっかり左重心になります。その状態で階段を上るとき、必ず左足だけの踏み込みになります。特に激痛を感じた当日は、完全な左重心になっても痛い右下肢を使わなくてはなりません。その度に右膝に痛みが生じ、無意識の逃避反射的動きを繰り返したと考えます。これを繰り返したため、その日のうちに、普通に歩ける程度に回復したのだと思います。

しかも、荷物持ったままでの右膝に対する負荷は、持たない時以上になるので、無意識の動きもそれだけ激しくなると考えられます。無意識の動きとは、カラダが本来必要な動きで、歪みを正すベクトルにカラダを向けてくれます。そのベクトルが普段以上に明確に出たのだと思います。

砂利道(じゃりみち)を裸足で歩いているといつの間にか、カラダが丈夫になっていくという動きの増大したものが、今回のAさんの動きがあったと見るべきでしょう。

無意識は、意識を超えています。

首の痛みの取り方

 

今日は、YouTube を制作しました。今回は首痛の改善法です。当院に来られる患者さんの多くは、首、肩の痛みをお持ちです。PCを前にして、一日中同じ姿勢で仕事に没頭すると、ついつい頭が前に出てきて、重い頭(6~8kg)を支えようとすると、いつの間にかストレートネックになってしまうという人が多いようです。本来なら、ごろっと横になって、首を始めカラダ全体をゆっくり動かしたり、ストレッチをすればいいのですが、なかなかそのような時間と空間がないのが、現状でしょう。

そこで、座ったままで簡単に出来る、「首の痛みの取り方」というYouTube を作りました。興味ある方はどうぞご覧下さい。