セルフケア

 

40才代のとき、五十肩になった男性患者Bさん。ステロイド注射あるいは、ヒアルロン酸の注射だったのかも知れませんが、病院の注射で治ったそうです。70才代になったBさん、再び左肩が五十肩になり、病院で注射治療を受けたのですが、今回は治らなくなり、当院の治療を受けることになりました。少しずつ良くなっていますが、まだ完治していません。7本頭に置鍼して、

「どうですか?・・・・・チョットは、可動域が増えて来ました?」

「・・・・・・う~ん、確かに可動域は右と、さほど変わらんようになったけど・・・・肩の中の方が痛い。」

「そしたら、お灸をしましょう。」

と、足に見つけた肩の治療点にお灸をすることに、1ヶ所に4~5壮お灸。

「どうですか・・・肩?」

「・・・・・・あれ?痛くない!先生、そこに印つけといて、お灸そこにするけん。」

「結構、効くでしょう?毎日お灸をやってみてください。」

お灸のいい所は、患者さんご自身がやれるセルフケアにあります。そのため、積極的に灸治療をしているのです。治療家任せにしないで、ご自身の体をいたわりましょう!

若いと治りが早い

「4月に(治療を)してもろてからは、調子ええんよ。今回は息子、腰が痛いゆうんで診てやってや!」

と、親子で来院されました。治療室は、元々待合室だった所。服を着て、イスに座ったままで治療できる山元式新頭鍼療法(YNSA)に変更しため、ベッドが必要なくなり、自然と待合室が治療室となったのです。20才代男性患者Cさんは、治療用の籐回転座イスに座り、お父様は待合室の長イスに座って治療の様子を見学するという格好になりました。

「鍼とかお灸とか、初めてですか?」

「はい、初めてです。」

「そうしたら・・・怖いですか?」

「はい」

「そうですよね・・・しかも、頭に鍼さすんじゃけんね~」

などと話ながら始めました。頸椎から胸椎、腰椎、仙骨にかけての背骨を、頭への置鍼で整えます。5本置鍼して、

「これで、腰どうなっています?」

「・・・・・・あれ?痛くない・・・・・」

と、振り向いて父親を見つめるCさん。様々な動きを試して、少し痛みを感じたようです。そこで、Kソマトトープの腰部(後頭部)に1本置鍼。

「これで、どうですか?」

「・・・・・・痛くない・・・・全然痛くない。」

「これで、いいか・・・・OKグーグル、タイマー30分お願いします・・・・お灸したことあります?」

「いいえ、ありません。」

「そしたら、やってみようか?」

と、お灸の体験をして、終了となりました。若いと治りが早いのです!

方向音痴

 

興居島で本格的に治療する初日にもかかわらず、朝7時25分発のフェリーを7時55分と勘違い!結局8時8分のフェリーで渡ることになりました。朝は、日中より便が多いので、何とか7名の治療をすることが出来ました。

ただ、方向音痴の私にとって、迷路のような小道を歩くのが苦痛です。中々道順を覚えられないのです。グーグルマップでしっかり家の位置とその道順を予習、復習しないと普通の感覚の人には、到底追いつけません・・・・かなり凹むのですが、こういう時は、「あのイチロー選手でも、方向音痴なんだから、ドンマイ、ドンマイ!」

今日は、これから帰って二人の患者さんを診ます。ありがたいことです。前向きに精一杯やろう!

事務処理

 

とにかく、事務処理が苦手・・・口内炎を作るほど、苦手。医師の同意書をいただき、公のお金を戴くとなると、きっちりした事務手続きが必要となります。治療の合間にやりつつ、結局なんとか出来たのが、午後10時30分。これから、食事をしてもう寝ます。

明日の興居島(ごごしま)出張治療、頑張るぞ!

シンクロ

 

60才代の女性患者Bさんに、膝診を行い頭に置鍼(これで、自律神経が整います)。その後、首診を行い、足に見つけた治療点にお灸をしながら雑談。

「先日、夜中の12時ころ突然電話があったんです。大学の友人の画家が、絵を描き終えて、酒飲んで人恋しくなったのかなあ~・・・・佐伯君、あのさ、色々考えたんだけど、佐伯君なら大丈夫か!とね、で、電話したの、元気?・・・・・という会話から始まったの。

まあ~、昔はしょっちゅう、こんなことばっかししてたの!楽しく会話して、いつでも電話かけてね!って終わったの。」

などと話していると、カルテとして使っているIpadに、同じく大学時代を共にした友人からLineを通して、30年以上まえの動画を送ってくれました。シンクロしています。

「えっっ!!!ちょっと待ってください・・・・何?・・・僕が映ってる・・・」

治療中にもかかわらず、ついつい大声を出してしまい、患者さんと一緒に30年以上前の私を覗きこんだのです。

下記が動画付きのメッセージです。

『皆さんご無沙汰しております。

私の知り合いのビデオ編集をしている八木さんが

この度、89年に藤枝の不動峡というところで行われた

岩下徹さんのイベントの記録を、

どこかから引っ張り出してきて編集してくれました。

なんとびっくりしたのは、3:55ぐらいのところから

黄色いTシャツを着た佐伯さんが

即興の貼り絵アート画を制作している模様が映ってます。

いやあ、みんなわかかったなあ!』

達人の眼力

 

「触れる時は、指の腹で触れるんよ。」

これは、友人からのアドバイスです。野口整体を若い時から勉強していた友人が、野口晴哉先生の口伝を教えてくれました。患者さんの皮膚に触れる時、一番繊細な指先を使っていた私には、「ハッ」と気づく助言でした。確かに自分自身の頬に、軽く指の腹を置くのと、指先を置くのとでは、優しさが違います。「お腹」の方が気持ちいいのです。

この瞬間感じたのは、達人の「部分に全体を見る眼力」でした。野口晴哉先生は、指先にカラダ全体を見ておられたはずです。指の第一関節から指先までがカラダ全体で、カラダの「お腹」=丹田が、指の腹に位置するのです。指の丹田を通して患者さんのカラダと施術者が優しい交感を行うことができるのです。

話変わって、山元式新頭鍼療法(YNSA)の創始者・山元敏勝先生(89才)の宮崎セミナーに参加した時のことです。私が、YNSAの初級コースを学ぶ以前のころでした。何も知らない私にとって、山元先生の施術を見ることだけで、ワクワク、ドキドキの連続でした。ところが、「少し変だなあ?」と初心者なりに感じることがありました。それは、全ての置鍼(腰、胸、首などの治療点)が、オデコの中央部だけというテキストのどこにも記述されていない個所だったからです。さすがに長年勉強されておられる先輩方も、しびれをきらし、

「先生、なぜ腰の治療なのにそこに置鍼するのですか?」

と、質問されました。先生は、しばらくポカーンとしたままで動かなくなりました。そして、

「よく分からない・・・・・・・でも、ほらココ(オデコの中央部)に渦巻いているでしょう!」

とおっしゃったのです。これこそが、達人の眼力。山元先生は、オデコをカラダ全体として見ておられたのです。治療をする上で、このことを理解し体現することが必要なのです。

やっと近づく

本日、21時30分に仕事終了。明日は、7時25分のフェリーに乗って、興居島に出発のため、準備して早く寝ます。やっと多くの仕事人が当たり前にやっている仕事パターンに近づいて来ました。これまで、仕事らしい仕事をしてない私。せめて残りの人生を少しでも人のお役に立てるよう歩んでいきたいと思っています。おやすみなさい。

電気

患者さんのカラダにある診断点と治療点を、施術者の中指で軽く触れていると、どうやら電気が流れるようです。それから、患者さんの患部と治療点に施術者の中指を軽く触れると、やはり電気が流れるように思います。本日2人の患者さんに試してみたのですが、同じ結果が出ました。

明日から、また挑戦してみます。本日も21時30分治療終了のため、この程度にいたします。明日も気合い入れて治療に専念します。

最長記録

本日は、治療終了が午後11時10分。そのため、フェイスブックには、この事実をお伝えし、終了とします。明日も頑張るぞ!

愉気

友人から野口整体の創始者・野口晴哉(はるちか)先生の整体入門という本をいただきました。野口先生は、17才で「自然健康保持会」を設立され65才で亡くなられるまで、自然治癒力を高める治療と教育に邁進されました。私の父親は、カラダが疲れると、

「今日は、オオトヤに行ってこうわい。」

と言うのが口ぐせでした。「オオトヤ」というのは、子供心に「指圧家さん」だろうと思っていたのですが、どうやら野口晴哉先生のお弟子だったようです。そのお弟子さんの治療を受けた父親がしょっちゅう私に指圧をしてくれたのですから、私のカラダもずいぶん間接的ですが野口晴哉先生の影響を受けたのかも知れません。その野口先生は、気をおくり、通す法としての「愉気」を分かりやすく説明されています。本の一節をご紹介しましょう。

『愉気というのは、他人の体に息を通すことである。離れていても、手をつないでいても、その部分に手を触れていてもよい。自分の気を相手におくるつもりで、気をこめて息を送る。それだけである。静かな気、澄んだ気がよい。強くとも荒(すさ)んだ気、乱れた気はいけない。

愉気法とは、人間の気が感応し合うと言うことを利用して、お互いの体の動きを活発にする方法です。こういうことが果たしてできるかと疑念をもつ人がいるが、気を感じる人ならできる。物しか見えない人にはできない。』

とあります。鍼灸師になる以前は、この愉気法のような治療法をしていました。そこで今日は、2人の患者さんに治療点と診断点に軽く中指をあて、息を通す方法で治療を行いました。2人とも置鍼したのと全く同じ結果が出ました。今後、鍼が怖いという患者さんには、積極的にこの方法を使ってみようと思います。