蝕圧

患者さんが、素敵な本を紹介してくださいました。「肉筆の復権」ここでは、正岡子規、河東碧梧桐、中村不折の書を紹介しています。筆の触圧が書の生命であると物語っています。

そこで、今日から治療点の探り方が変わっていきました。指先で軽く触れ、書のようにゆっくりと線を引くようになったのです。これは、非常に繊細な行為で、分かりやすい。

ヒントをいただいた患者さんに感謝です。

体調が悪いので、来ない?

「今日は、体調が良くないので、こちらに来るのをやめようと思ってたんです。」

と、70才代の女性患者Aさんが、来院早々話してくださいました・・・・これって、鍼灸治療を全く理解していないということの証(あかし)です。しかし、多くの人々はこのように考えておられるのでしょう。鍼治療は、腰痛、肩こり、捻挫などしか効かないと思われているのでしょう。

例えば、私の行なっている山元式新頭鍼療法(YNSA)は、自律神経を整え、内臓を整えてから患部治療を行います。まず、「体調を整える」が最初なのです。つまり、体調が悪いなら是非ともお越しください・・・と、なるのです。

結果、Aさんの体調は良くなりました。今回は、鍼を使わず足へのお灸だけて体調が回復しました。この治療法は、まだYNSA学会では、発表していないので紹介出来ませんが、いずれご紹介したいと思います。

完敗?

「先生、今度の予定日を1週間遅らせていいですか?」

と、連絡があったのは、連日完敗(ギックリ腰で2日間結果を出せない)の女性患者Cさん。

「はい、いいですよ。どうですか・・・今?」

「それが、先生の鍼が効いてるみたい。痛み止めの薬の効果が切れているはずの今・・・あのね、痛みがなくなっているの・・・・だから、1週間様子見ようと思って。」

「あああああ~、それは良かったねえ!次は、いつがいいですか?」

「◯◯日、空いてますか?」

「はい(ガラガラ)、いつでも(残念ながら)いいですよ。」

「じゃあ、朝一でお願いします。」

「はい、そしたら9時でお取りしますね・・・足、暖かくしてる?」

「はい大丈夫、やってます。」

「それは、よかった・・・そしたら◯◯日の9時でお待ちしています。お電話ありがとうございます。無理しないでくださいね。」

と、突然の嬉しい電話のやりとりがありました!Cさんのこれからの1週間、一体どうなるのでしょう?◯◯日の9時が楽しみです。

完敗理由

50才代の女性患者Cさんは、1年ぶりの来院です。同じ姿勢で、長時間の移動もあって年末から腰痛を感じ、生まれて初めてのギックリ腰に見舞われました。夜勤の多い仕事で無理をしていても、腰痛の体験はなかったそうです。

かなり重症の腰痛でも、山元式新頭鍼療法(YNSA)で治す自信はあったのですが、Cさんは、手強いのです。結局11本の置鍼で、痛みの改善はあまり見受けられず・・・・ほぼ完敗。そこで、色々話を伺っていると・・・・

「先生、農業のアルバイトって面白いのよ。この間、みかんの収穫アルバイトをして、気持ちよかった!休憩時間には、紅マドンナを自由に食べられるし・・・・でも、この間のアルバイトは、七草の出荷・・・これは、大変だったの、コンテナに座って同じ姿勢で1日中の作業・・・・起きあがろうとしたら、あまりの痛さ!・・・で、こんなになったの。」

「えええええっ、アルバイトもしていたの?それで、腰痛になったの!夜勤もして、アルバイトをして・・・しかも、この冬に!あのね、冬は季節として陰、そして夕方遅くまでの作業・・・これは、陰中の陰。冷えてしまうのよ。」

「え、そうなの!皆んなは、座布団の上でやってたけど、私だけコンテナに直接座ってた!」

「きっと、原因はそれだは!」

この時期に暗くなるまで、同じ姿勢での仕事。しかも、腰を冷やし続けるという準備不足が今回の完敗理由だったようです。寒さ対策をしっかりしましょう!

右足親指が痛い

右足の親指が痛い中学生のA君が初めて来院されました。サッカー部で、毎日ボールを蹴っているので仕方がないことかもしれません。しかし、1ヶ月も歩いたり走ったりすると痛むのですから大変です。幸い年末、年始で練習がお休みなので、今、治しておく必要があります。左右の足を見ると、やはり右足親指が腫れています。そこで、氷水を入れたビニール袋で、気持ちよく冷やしてあげる治療から始めました。

「(氷水を)当ててて、気持ちいい?・・・・OK・・・そしたら、気持ちいいから、冷たいだけに変わったら、教えてくださいね。」

「・・・・冷たくなったです。」

で、氷水治療は終了。

次は、足に見つけた治療点を銀で出来た鍉鍼でほぐし、その治療点に指先を軽く触れるだけの治療を行いました。

「これで、歩いてみて・・・・どう?」

「痛くないです。」

これで、治療を終了してもいいのですが・・・・やはり、鍼治療に来られたのでA君に聞いてみました。

「鍼は、やったことないのよね・・・・どう?やってみる?」

「・・・・はい。」

ということで、3本頭に置鍼。その後、右手(足では、ありません)親指の圧痛点を見つけ、私の中指を軽く触れる操法を15分程行いました。

「どう?歩いてみて?!」

「・・・・痛くないです。」

A君の両足を比べてみると、右親指がスッキリしているのに気がつきました。そこで、右手親指にパイオネックスを貼り治療を終了しました。中学生なので、この1回の治療だけで良くなるといいのですが・・・・

頭の形が変わった !

今日は、久しぶりに7名の患者さんを診る私にとっては、忙しい日でした。そんな中で、4ヶ月ぶりの50才代女性患者Aさんから、様々な気付きをいただきました。

「先生、最近美容院に行って、『あれ?肩やせた?』っていわれたんです・・・やせたという自覚はないのでですけど、緩んだ感じはしてたんです・・・次に言われたのは、『頭の形が変わった(側頭部が横に張り出していたのが、スーッととんがった感じ)。それで、頭の横にある髪の毛を切る量が全くちがったんです。これには、ビックリ‼️」

確かに以前からAさんが、頭の格好が変わったとはおっしゃっていたのですが、切った髪の毛の量が全く違うのですから、これは事実だったようです。Aさんは、とても繊細なのでカラダの変化を瞬時に察知する能力が優れています。第一回目の治療で横を向いていた足の第5趾が縦に戻ったことに気づかれました。

今日のAさんの治療のメインは、右腕の上がりづらさ。右肩の治療点足に見つけた治療点に指を触れるだけの治療を行いました。すると、右肩に何かを感じるそうです。7~8分の治療でしたが、成果がありました。今後ともこの治療法を続け、次回の学会で発表できるようにしていきたいと思います。

耳ウラ

 

最近の腰痛治療では、耳のウラにある腰椎の治療点を数多く使用しています。腰痛の治療点は、頭頂部付近、側頭部にもありますが、今の私には、耳のウラの治療点があっているように思います。

耳は、頭蓋骨と下顎骨と頸椎の交差点に位置します。また、腰痛が起こりやすい個所は、仙骨と腸骨と腰椎が交差するところが多いのです。これは、臍を介して頭と腰を同じような構造だと考え、バランスを取りあっていると考えます。すると、腰痛の個所が耳のウラと対応するのです。

「わわ~、耳かきが奥まで入る・・・・・感覚です。」

と、今日の患者さんが、耳ウラに刺鍼する時の感じを表現してくれました。また、

「これ・・・・効きますね!」

と、しみじみ教えてくれました。どうやら、耳ウラは相当効くようです。今後も、耳にこだわっていこうと思います。

YouTube が面白い

今週の金曜日に再びYouTubeを作ります。ところが、下の前歯がポロリと取れてしまいました。これでは、見栄えが悪くてYouTubeになりません。そこで、今日急遽、歯医者さんで、治療・・・・大丈夫です!

さて、今回のYouTubeは、ソケイ部に近い前面に痛みを感じる腰痛の改善方法をご紹介します。理由は、昨日立て続けに、この同じ個所への痛みを訴える患者さんがあったからです。それぞれの患者さんに、硬式ボールを使用して痛みが軽減することを確認出来ました。

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、臍(へそ)を中心に折り曲げて対応する点が治療点として存在するとあります。例えば左肘が痛ければ、左膝にその治療点がある。左足親指は痛ければ、左手親指にその治療点があるという事実を元に治療します。例えば、この事実を左腰の前部痛に当てはめると・・・・・左三角筋前部繊維に治療点があることになります。分かりやすくイラストにしてみました。

なぜ、腰の前部痛が多くなっているのか?・・・・・それは、スマホを見る機会が非常に多い現代人が、常に前傾姿勢をとり三角筋前部繊維を圧迫しているからだと思います。腰の前部痛は大事なソケイ部に近いのです。ソケイ部には、大静脈、大動脈、大腿神経、リンパ管が通っています。ソケイ部を緩めるためにも、是非とも次回作るYouTubeをご覧ください。

学会発表

本日、11月19日(日)第11回YNSA学会全国大会があり、私はトップバッターで「上腕診に替わる膝の診断方法」を発表しました。全国大会(東京開催)に参加したことがないので、心配。今回はリモートで発表のため、スーツ姿だけはお見せして「あじさいの杜鍼灸院」で、参加しました。事前に動画を作ってもらいそれを学会に送った結果、採用されました。会場では、その動画がいきなり放映されました。私が、喋り膝診をしている様子を、リモートの画面で見るというちょっとだけ変な時間が、12分続きました。

その後、会場からの質問がありました・・・・というか、膝診の診断点の絵を描いていますか?というものです。「いいえ、描いていません・・・・そのうち、描きます、ハイ。」その後は、質問がなかったので、司会の先生から、

「膝診の後、上腕診(本来の診断方法)で確認しましたか?」

「いいえ、していません・・・しないといけないですね・・・・今後、諸先生方のご指導を仰ぎたいと思います。よろしくお願いします。」

ということで終了しました。めでたしめでたし!

井穴刺絡療法

患者さんから、様々な情報をいただきます。ある患者さんの娘さんは、アトピー性皮膚炎で悩んでおられたそうです。それを、たった一度の治療で治した鍼灸師がおられたそうです。それは、指先から血を取る井穴刺絡療法だったようです。この治療後、2~3日経ってアトピー性皮膚炎が消えていったそうです。

同じ鍼灸師として、このような治療ができるなら、やってみたいと思います。そこで井穴刺絡療法について調べると、私の中に大いなる偏見があったことが分かりました。まず、医師以外が血液を取ってはいけないという偏見です。下記が、日本刺絡学会が出来るいきさつです。

『昭和62年(1987年)栃木県鍼灸師会会長(当時)宅に「三稜鍼による瀉血治療は、医師法違反」として家宅捜査が行われた事件がきっかけとなり、「日本刺絡学会」の前身である「全国刺絡問題懇話会」(準備会)が結成されました。

「刺絡についての全国的な話し合い組織を作って、刺絡に関係のある諸問題を検討する必要がある」という当時の理念は現在も変わっておりません。刺絡の法的問題、学術の啓蒙、教育、普及等の必要性から、刺絡学術のセンター的役割を担う全国的な懇話会にしようという事で、機関誌『刺絡』を発行し、「全国刺絡問題懇話会」を発足いたしました。平成6年(1994年)には現在の「日本刺絡学会」と名称を変更し、『刺絡鍼法マニュアル』を作成。このマニュアルを使用し、全国3会場で基礎講習会を実施し、安心安全な刺絡の普及に励んでまいります。』

益々、興味を持ってきました。