女子中学生のBちゃん、初めての鍼治療では、刺入時の痛さに大粒の涙を流しました。それでも、鍼治療の効果を身をもって感じているそうです。そのため、週に2~3回通院されています。
Bちゃんは、幼い頃から喘息(ぜんそく)に悩まされて、春先になると過呼吸になることがあります。
おじいさんからの電話がありました。
「先生、どうもBは、副鼻腔炎じゃ、うつむいたら頭がいたなるんよ・・・今日は、治療出来ますか?」
「はい、大丈夫ですよ!」
電話から1時間後に2人で来院されました。Bちゃんは、鍼にも慣れてきて、ニコニコ顔です。おじいさんは、インターネットでうつむくと頭痛がするのは、副鼻腔炎であることを調べたそうです。
確かに、「副鼻腔炎の粘膜は三叉神経支配であり、副鼻腔炎により炎症産物(膿)が貯留し充満すると、うつむきにより空洞内の静脈熱が上昇するため三叉神経の機械的刺激が増強し、頭痛が悪化する。腹鼻腔炎による頭痛では、体動時、特に前かがみになると頭痛が増強するという特徴がある」とあります。
「Bちゃん、今、あたま痛いん?」
「痛い!」
「そしたら、ここ押さえるよ・・・・どう? 」
「痛くない!」
「先生、指で押しただけ?・・・すごいな・・・B、うつむいてみ・・・」(おじいさんの声)
「痛い!」
「・・・・ふ~ん、そしたら、ここにパイオネックスを貼ってみるよ・・・・どう?」
「痛くない・・・うつむいても・・・痛くない。」
「この点は、Bちゃんのお兄ちゃんが頭痛でここに来た時、刺して一発で治ったところ。トルコ のお医者さんが見つけた点なんよ。」
まず、頭痛を治してから、いつものように合谷診(人差し指と親指の間の触診)を始めます。左手の方に痛みがあったので、左側から治療を始めます。次に、進化系合谷診(人差し指につながる中手骨を6等分し腰椎、胸椎、頸椎、大脳、脳幹、小脳の診断)を行います。
左:頸椎(1)、胸椎(1)、腰椎(1)、大脳(1)
( )内は圧痛点が無くなり治療できた置鍼の数。これで基礎治療が終わり、自律神経が整いました。次に首診ですが、下記のような結果になりました。
首診
左:腎(1)、膀胱(1)、心包(0)、三焦(2)、小腸(0)
右:大腸(0)、胃(0)
(0)は、他の点に置鍼した影響で圧痛点が随分なくったことを示しています。
後は、感覚点(鼻)というオデコの中央部にある点と、12脳神経の9番(舌咽神経)の点に置鍼し、終了です。
今日も、Bちゃんよく頑張りました。前回紹介した時に痛くて大粒の涙が出た個所(側頭部)を、今は置鍼していません。その代用点が、生え際中央部から、頭頂部の間にあるからです。ここは、比較的痛くありません。Bちゃんの涙のおかげで、私も少し成長しました。Bちゃんありがとう😊