ぎっくり腰の治療例

3日前に、お父さんの介護時、ギックリ腰になった中年男性Cさん。

特に左中央部のでっぱり(仙腸関節)に痛みが走ります。その為、前かがみが、できません。

左を上にして、横向きに寝ていただき、抱き枕を背中に置きカラダを安定させます。

左の仙腸関節が痛い場合は、左のくるぶしの上にあるスジの様な細長い筋肉

(腓骨筋群)の筋膜が異常に緊張しています(天城流湯治法)。

案の定、少し触っただけで、悲鳴を上げるCさん。

外くるぶしと、アキレス腱の間にあるツボを、崑崙(こんろん)といいます。中国、チベット、インドの境に崑崙山脈があり、その北にタクラマカン砂漠がります。この地形と外くるぶし、アキレス腱の関係がよく似ているので、崑崙と命名されました。

まあ、実際は外くるぶしとアキレス腱の間の凹みは、タクラマカン砂漠。ですから、崑崙穴からその3寸上の跗陽穴(ふようけつ)までの凹みを、勝手に「タクラマカン」と呼ぶことにします。

この「タクラマカン」にある圧痛点に鍼。

続いて、膝の外側中央部にポコっとしたでっぱり(腓骨頭といいます)を目指して、圧痛点を探します。

タクラマカンからのシルクロードと呼びましょう〜〜

探し当てたら、鍼。

鍼だけでなく、お灸を3~5壮。ついでに、右足の内くるぶしから大きな骨(脛骨−けいこつ)にそって、圧痛点を探し、鍼とお灸を同様にします。

次に「一番楽なポジションって、わかりますか?」と尋ねてみました。

すると、「座るのがいいです」

ゆっくりと、ベッドの中央部から足を投げ出すように座ってもらいます。

ベッドを少し上げ私がベッドの下に潜りこめるようにします。

私は、Cさんの右ふくらはぎに、鍼を11本刺して、置きます(置鍼)。その間、「タクラマカン」にお灸5壮。手の甲にある腰痛点という箇所にお灸5壮。肘の内側にある尺沢(しゃくたく)にお灸5壮。

ベッドを下げ、座っているCさんに、立ち上がっていただきます。

まだ少し仙腸関節に痛みは残りますが、スムーズに前のめり出来ます。普通に動けるようになりました!