右腕が上がらない(その2)

3日前に「右腕が上がらないんです。」と来院され、12本の置鍼で右腕があがるようになった80才代の女性患者Bさん。

「Bさん、右腕上がりますか?」

「ええとね〜・・・上がることは上がるんですけど・・・・下す時、あ痛ったた・・・・」

「あ・・・そうか、そしたら今日は、操体法をしましょう。」

と、トンスケ(骸骨モデル)の肩甲骨と骨盤を指さして、

「Bさん、肩甲骨と骨盤って似てるでしょう?Bさんは右の肩甲骨あたりが痛いんだから、右の骨盤にも痛いところがあると思いますよ・・・ここ(骨盤)がゆるむとここ(肩甲骨)がゆるむ事が多いんですよ。」

早速、ベッドで仰向けになってもらい腰の圧痛点を探して、陶石をベッドに置きゆっくり腰を下ろしてもらいます。

「Bさん、痛すぎたらやめてくださいね・・・・どうですか?」

「効いてる感じ・・・・気持ちいい。」

こんな会話を続けながら、Bさんに右腕を下げる時の痛みを聞いて、その個所から下肢で対応する個所を推測し陶石の位置を決めます。ここで、少し専門的になるのですが、上肢と下肢の対応する筋肉を私の勝手な解釈で列挙してみます。

三角筋前部繊維⇆大腿筋膜張筋 三角筋中央部繊維⇆中臀筋 三角筋後部繊維⇆大臀筋

棘上筋⇆小臀筋 棘下筋⇆梨状筋 小円筋⇆双子筋 大円筋⇆大腿方形筋

最後の2つは「こじつけ」っぽいですが、棘下筋⇆梨状筋は何となく合っているような気がします。Bさんはいつのまにか、良くなっていました。

「先生、これだったらゴルフボールで出来ますね。」

「そう出来ますよ・・・・やってみてください。」

これからは、Bさんにも操体法の指導をしていくつもりです。