手の痛みは、足で取る

無農薬農法をされているご夫婦が来院。70才代の奥様Aさんから治療を始めます。昨日草引きを徹底的にしたため、左母指球が痛くてしかたがないとのことでした。そんな時は、左足(左手ではありません)の母趾球に必ず圧痛点があるので、丁寧に探すのがポイントです。

「・・・・ここらあたりに、痛いところありませんか?」

「いやべつに・・・・・・・・痛い!痛い!そこは、痛い。」

ピンポイントであるので、探すのに少し時間がかかりました。あとは、その圧痛点に軽く私の左中指を添(そ)えるだけです。しばらくして、

「・・・・・何か、手の親指が緩(ゆる)んできよる気がする・・・弱い電気が流れよる感じ・・・」

「そうでしょう・・・・今、親指はどうですか、ちょっと触ってみてください。」

「・・・・痛みが全然、変わってきた・・・・凄い!人間のカラダって凄い!」

驚いてご主人の方を振り返っても、ご主人は何が起こっているのか分からないので、返答のしようがありません。こういう時は、もうしばらく施術を続けしっかりと結果を出して、説明するのが一番いいようです。Aさんは、気持ち良さそうに目を閉じて、今にも眠りこけそうです。Aさんの左手母指球を見つめていると、反対の右手親指が微細な動きをするのに気がつきました。

自発動が始まっています。この動きは無意識の動き。これで、カラダの歪みをとっているのです。

「今は、親指どんな感じですか?ちょっと、チェックしてみてください。」

「・・・・ええ感じ・・・もうほとんど痛ない!」

「じゃあ、これぐらいでいいでしょう。」

私は、これから始める鍼治療の間に、左手母指球が良くなるような予感があったので、指で触れる施術は終了しました。体験した奥様は納得した様子ですが、ご主人は何が起こったのかわからないため、三浦寛先生のイラストと写真の多い「皮膚からのメッセージ」(たにぐち書店)を見ていただいて、施術法の一つである事を分かってもらいました。

Aさんの鍼治療を終了し帰宅される際に、母指球の状態を伺うと、

「全然痛くない!」

とのことでした。

追伸:これは自分自身でも出来るので、そのやり方をご夫婦にお教えしました。