糸状灸って・・・威力絶大
90才代の男性患者Aさん。温泉旅行に行って脱衣所で転び、その3日後から肩甲骨内側が触れるだけで痛くなりました。実際、軽く触れると、
「痛い!!!」
と、無意識の動きが出てきます。
合谷診:(人差し指と親指の触診)左→左の上腕診、膝診をする
上腕診:左頸椎(1)、左大脳(1)
膝診:左胸椎#7~9(1)、左腰椎#6(1)
首診:左腎(1)、左膀胱(1)
6本の置鍼で自律神経と内臓が整いました。これから、肩甲骨内側の痛みをお灸で取ることに挑戦。見つけた足の治療点に、リップライナーで印をつけます。リップライナーは、印が付く上に、油脂が付くため艾(もぐさ)が簡単に乗り倒れません(京都の患者さんのアイデアです・・・ありがとうRさん)。糸状灸(しじょうきゅう)という艾(もぐさ)を糸のように細くした状態にし、その印に乗せて線香の火を付けます。
鍼灸師がお灸をする時は、お灸の火が皮膚に到達する前に、2本指でかぶせて火を消します。ところが糸状灸の場合、焼き切ります。この威力は相当なものでズド-ンと響くような熱を感じます。本当に目が覚めます。また、これは短時間ガマンすれば済むので・・・・一般の人々がイメージする大きな艾(もぐさ)に火を付けて火傷(やけど)するのと、真逆になります。
Aさんもその威力に驚き、思わず無意識の動きが大きく出ます。5壮の糸状灸でAさんの肩甲骨内側を触っても痛みを感じることはありません。実際、触ると柔らかくなっていたのに驚きました。なぜ、その治療点が存在するのかよく分かりません。それを、これから説明出来るように勉強していきたいと思います。