腸造血説が生まれるエピソードを、Wikipediaからご紹介します。
『森下博士 研究半生を語る(腸造血説に至るきっかけ)
昭和22(1947)年、終戦後の食糧難の時代に、軍が池を遊ばせるのはもったいないので食用ガエルを養殖して食料の足しにしようと、新宿御苑をカエルの養殖池にした。それを耳にした当時学生の森下は、カエルを獲りに行ったところ、まだオタマジャクシだった。ウナギの頭に尻尾をつけたような大きなオタマジャクシで、これは食べられそうにないと思ったが、せっかく来たのだからと4、5匹持ち帰った。
そのオタマジャクシは背中は真っ黒なのに裏返してみると白く透明で、体の割に大きな心臓がピクピク動いている。心臓に針を刺すと僅かな血液が注射筒に入ってきて、その血液をスライドに載せて観察したら、大きな堂々たる赤血球だった。
手足の無いオタマジャクシの心臓には、すでに成長したカエルと同じ血液が循環していて、当然それが造られる場所は何処かということになる。心臓がピクピク動いているすぐ下に、腸がきれいに渦を巻いて、蚊取り線香のようなスパイラルがあるだけで他には何も見当たらなかった。そのときに、赤血球を造っているのは間違いなく腸だなぁと、直観的に思った。これが、森下が腸造血説に至るきっかけだった。』
とあります。食べ物が腸に行き、血液になる何と単純明解な事でしょう!また、陰陽五行の東洋医学の世界では、肝臓-胆嚢 心臓-小腸 脾臓-胃 肺-大腸 腎臓-膀胱 が陰陽の関係にあり、心臓-小腸が表裏一体であることが古代より伝わっているのです。小腸で血液が出来、心臓で運ばれるという事実を物語っています。