顎関節症を治す

今回ご紹介する山元敏勝先生の著書「あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る」の症例は、顎関節症です。この顎関節は、脳神経と深く関わっています。そこで、ウィキペディアから脳神経に関する説明を抜粋します。

『脳神経(のうしんけい、ラテン語: Nervus Cranialis)とは、脊椎動物の神経系に属する器官で、脳から直接出ている末梢神経の総称。これに対し、脊髄から出ている末梢神経のことを脊髄神経と呼ぶ。

第I脳神経 – 嗅神経

第II脳神経 – 視神経

第III脳神経 – 動眼神経

第IV脳神経 – 滑車神経

第V脳神経 – 三叉神経

第VI脳神経 – 外転神経

第VII脳神経 – 顔面神経

第VIII脳神経 – 内耳神経

第IX脳神経 – 舌咽神経

第X脳神経 – 迷走神経

第XI脳神経 – 副神経

第XII脳神経 – 舌下神経』

上記のように、12の脳神経は脳から直接出ており、 迷走神経と副神経以外は、頭部及び首に位置する神経となります。症例の中学生(15才女子)の治療法は、見事です。治療関係の方は、顎関節症の患者さんが来られた場合、是非参考にしてみてください。

『突然口が開かなくなり来院、1回の治療で完全に改善し、食事もできるようになった。

顎関節症 女性 15才 中学生

この患者さんは、日南に住む中学生の女の子でした。突然口が開かなくなり、その日のうち、すぐに来院されました。ショートカットの快活そうな女の子でしたが、急に口が開かなくなったことへのショックと不安から、とても元気がなく、心配そうな顔をしていました。

口はわずかに指が1本入るくらいにしか開けることができず、「口を動かしてごらん」と言うと、耳の付け根あたりにカクカクすると言う違和感と顎の痛みを訴えました。何とか会話できるものの、ままならない状態で、もちろん、何かを食べると言うこともまったくできる状態ではありません。

私の西洋医学としての診断は、顎の関節に障害の起きる「顎関節症」でした。YNSAの首診を行うと、脳神経に関する4つの点に明らかな反応がみられました。顎関節症が起こる原因は人によってさまざまですが、顎の関節の動きは脳神経がコントロールをしているため、女の子の場合には、この4つの脳神経に何らかのトラブルが起きていたと考えられました。

そこで頭部にある4つの脳神経とつながる点に針を刺し、治療を行いました。はじめての針治療だったため、針にも不安な様子が見られましたが、ほとんど針の痛みは感じなかったようです。針を刺した後、「口を開いてごらん」と言うと、これ以上開かないと思うほど、すっと大きな口を開きました。これには自分でも驚いたようで、ビッククリしたような顔をしましたが、次の瞬間、ついさっきまでの暗い不安そうな顔をふきとばすように、中学生ならではの元気いっぱいの笑顔で大喜びをしました。

この1回の治療で、耳の付け根にあった違和感も痛みも消失し、会話はもちろん、食事もまったく問題ない状態まで帰る改善しました。顎関節症は、習慣性があるため、人によっては繰り返すことがありますが、この女の子の場合は、それ以降も順調であったようです。』