痩せる

「治療を終わって、職場に帰ると小顔になったね!って言われたんですよ」

と、50才代の女性患者Cさん。Cさんは、治療後も1時間ほどの仕事が残っているので職場に帰られるのです。そこでの職場仲間の第一声が、上記だったそうです。そこで、ある患者さんの言葉を思い出しました。

「ここで治療受けて、頭の形が変わったのが分かったんです。生まれてきた時、頭が変形していたのが、戻ってきているんです。これは、長年お世話になっている美容師さんが、『あれ?頭の格好が変わった!』と教えてくれたので、確信したんです。」

そうなんです、頭に鍼を刺す治療法の山元式新頭鍼療法では、頭の形も変わるのです。そして、Cさん治療が終わって帰られるとき、

「あっ!靴がスカスカになってる・・・・」

足もやせるのです。

鍼折れた?

 

鍼を刺すたびに絶叫される40才代の女性患者Cさん。前回の治療後、2日経ってから腰痛がなくなったそうです。それから1ヶ月が経ち、また腰痛が再発したため来院されました。膝診をして、しっかり5本を眉の上と耳周りに置鍼。

「キャ~、痛た~~~~~~~」

とやはり、絶叫!

「・・・・ごめんなさい・・・あららら・・・もう、叫んだらいいわ。声に出すのはいいこと。」

というしかありません。痛みに敏感なCさん、刺鍼の瞬間から絶叫モードに入り置鍼が終了すると静かになってくれます。結局このパターンを7回することになりました。その途中、

「あれ?鍼が折れた!」

と、鍼を刺していない頭頂部やや前方を指刺してポツリ。

「・・・・うん?そこは鍼はないですよ。」

「え?ウソ・・・刺した鍼折れていません?ポキッと音がしたんですけど。」

「いいや、ステンレスの鍼だから、折れたりしないですよ・・・・今まで、一度も折れたことないです。」

「でも、ここ(頭頂部前方)熱くないですか?ほら?」

と、Cさん頭頂部前方にご自身の両手をかざして、猛烈アピール。やんわりと手を近づけていくと確かに、湯気が立っているような熱さを感じました。

「なんか、ここ緩んで熱いんです。」

「ああそしたら、絡(から)まっていた筋膜が、緩んでポキッと音がしたんだと思います。」

と、説明してCさんに納得していただきました・・・・・と、思いきや、治療後の抜きとった鍼が折れていないか、しっかりとチェック!やっと、納得したようです・・・良かった!

完敗

 

2~3時間もの間、同じ姿勢でしかも右肩を膝に置いた大きなバッグの上に置いて、マイクバスに乗っていた60才代の男性患者Bさん。右肩が全く上がらなくなり、しかも三角筋がうずいて夜中に目が覚めるほどです。この患者さんに2時間近く治療をしましたが、完敗です。全く良くなりませんでした。

理由その1、私の施術が山元敏勝先生(山元式新頭鍼療法の創始者)の施術に全く及ばない、雲泥の差。

理由その2、Bさんのマイクロバスでの姿勢は、肘が外を向きカラダの正中線から離れる状態で三角筋が緊張し、しかも長時間同じ姿勢でいたため、三角筋の収縮が異常になった。

理由その3、Bさんが、60才代で若者ほどの回復力は持ち合わせていなかった。

理由その4、多くの人は、身体運動の法則(重心移動の法則・重心安定の法則)など知らない、習っていない。Bさんももちろん習っていないと思います。すると、いつの間にか、自然の摂理に反した姿勢、動きをしてカラダに無理を起こすようになっているのです。

Bさんには、日常生活での姿勢や動きの指導と、硬式ボールを使ったセルフケアを紹介して終了としました・・・・治療の道は、果てしなく続くのです。

若いって素晴らしい

 

20才代前半の男性患者Aさん、前日長時間の運動をしたので、腰に張りがあり、捻ると痛みがあるそうです。それで、自律神経を整えるための基礎治療を行いました。これは、毎回行います。本来なら上腕診で頸椎、胸椎、腰椎の状態を診断するのですが、私は膝診といって膝ウラを中心の診断を行っています。膝診の利点は、頸椎1番から仙骨までの脊柱の状態を詳細に把握できることにあります。今回、Aさんの場合は、頸椎5、6、7番、胸椎1、2番、7番~10番、腰椎5番に歪みを診断できます。

Aさんの場合は、腰痛といっても、背中に張りがありました。そのため胸椎7番~10番に歪みが出ているのは納得できます。上記の歪みは6本の置鍼で改善されました。

「どうですか、背中をひねって痛みありますか?」

「・・・・・大丈夫です。」

と、Aさんニッコリ。後は、ベッドにうつ伏せになってもらい、肩甲骨の圧痛点(天宗、臑兪といいます)に置鍼。30分後に終了となりました・・・・・若いって素晴らしい!

お灸パワー

1ヶ月とチョット前に来院された女性患者Aさん。2ヶ月ほど前から、逆子になっているそうです。出産日が今月で、逆子が元に戻らなければ帝王切開をすることになるそうです。その間、3回通院されました。私は、鍼灸師になる前から逆子の妊婦さんをお灸で何度も治していましたが、今回のAさんは、来院された時期が遅かったようです。結局、逆子は戻りませんでした。

しかし、初診以降、おへその周りの圧痛点にお灸をすることと、三陰交というツボにお灸をすることは、続けるように伝えました。

①おへその周り→首が座った元気で優秀な子供ができる。

②三陰交→逆子対策

②は残念でしたが、①はわずか1ヶ月だけのお灸でしっかりと首が座っているそうです。赤ちゃんが、左右に平気で首を回しているそうです。元気で優秀な子になることでしょう!

おへその周りにお灸をすれば、妊婦さんのお腹の血流が良くなり、必然的に赤ちゃんの血流も良くなって元気で首が座った子になるのです。お灸の力は偉大です!

逆流性食道炎再び

以前、空腹時に吐き気がするといった患者さんがいる事を、ご紹介し、「逆流性食道炎」の可能性があると述べました。それを「石原医学大全」ではどのように捉えて、対処しているのか調べてみます。

『胸焼け・逆流性食道炎

(原因)

強酸性の胃液がアルカリ性の食道粘膜に逆流してくることで起こる。肉、卵、バターなどの欧米食、白米、白砂糖などの精白食、添加物過多の食事をよく噛まないで食べることにより、胃液が大量に分泌されることがきっかけになる。水分の摂りすぎも胃液の量を増やすので原因となる。

(対処)

①約10グラムの昆布を網で焼き、1日3回に分けて食べる。昆布はアルカリ性、胃酸を中和する作用がある。

②生姜湯、梅醤番茶を1日2~3回飲む。

③熱い番茶にゴマ塩を一つまみ加えて飲む。

④熱い風呂に短時間入って、皮膚の血管を急速に拡張させる。血液が体表に集まって胃粘膜への血行が悪くなるので、胃液の分泌が抑えられる。

⑤次の生ジュースを噛むようにゆっくり飲む。

*人参2本(400g)、リンゴ2/3個(200g)、大根(約100g)「480cc=コップ2杯半」

大根は消化酵素が豊富で胸焼けを抑える作用がある。』

薬を使わなくて手軽に出来そうですね。

臀圧再び

1週間前から腕全体を横に上げると、肩中央部(三角筋中部繊維)に痛みが出る60才代の男性患者Aさん。ボールを投げる動きの時には、痛みが無いそうです。

投げる時に使う腕や肩周りの筋肉は、大胸筋や、大円筋、前鋸筋、広背筋などの肩回りの筋肉。上腕三頭筋などの上肢の筋。屈曲回内筋群(特に尺側手根屈筋尺骨頭、円回内筋)の前腕の筋肉となります。

肩中央部(三角筋中部繊維)は投げる時には、あまり関係が無いので痛みがない訳です。となると、話は簡単です。肩中央部の三角筋中央部繊維を狙えばいいわけです。膝診で3本置鍼して、自律神経を整えたあと、頭頂部付近JKソマトトープとC点の3本で肩中央部を狙い置鍼。

「どうですか?」

「・・・・あっ、いい、調子いい。」

「じゃあ、これでいいんだけど・・・着替えていただいたので、奥のベッドでうつ伏せになってもらいましょう・・・お尻に鍼を刺しますね。」

最近の治療法として、「肩痛は、腰の主要穴で取り、腰痛は、肩甲骨の主要穴で取る」を実践しています。今回のAさんは、臀圧(でんあつ)、環跳(かんちょう)、居髎(きょりょう)に置鍼。

「一番最初の鍼(臀圧)が、一番効いたね。」

「やっぱり、そうですか・・・・あれは、効くんですよね。」

などと話ながら、後はゆっくり休んでいただきました。やはり、臀圧の威力は抜群なようです。

空腹時吐き気

最近、朝食を抜いて1日2食~1食を患者さんに勧めることが、多く成果も出ているのですが、「空腹を感じると、吐き気がする」という患者さんがおられました。そこで、大阪の「にしやま消化器内科」のホームページからの引用をしてみます。

ある患者さんが、空腹を感じると吐き気がするという質問をすると、「逆流性食道炎」の可能性があるとの診断をされていました。そして、「逆流性食道炎」の説明が、下記の引用です。

『これまであまり日本人には見られなかった逆流性食道炎が近年増加傾向にあります。その大きな要因は、食事の内容が欧米化したこと、高脂肪食メニューが広がったことだと言われています。

本来胃酸に触れることがない食道は、強い酸性を示す胃酸に対してバリア機能を持っていません。そこにさまざまな原因によって胃酸の逆流が繰り返されることで、ただれや潰瘍が生じ、胸やけなどの症状を引き起こします。

なお、胃酸の食道への逆流、胸やけなどの症状があるものの、びらんや潰瘍が生じていないものは、「非びらん性胃食道逆流症」と言います。

逆流性食道炎が起こる原因は、胃酸が増え過ぎたり、胃酸の逆流を防ぐ機能が正しく働かないことにあります。

以下のリスク要因が重なると、逆流性食道炎が起こりやすくなります。

ストレス

食べ過ぎ、早食い

過度のアルコール摂取

喫煙

肥満による胃の圧迫

猫背、加齢による背中の丸まり

胃を手術したことによる胆汁の逆流

食道裂孔ヘルニア(胃が一部食道の下部に飛び出す)』

次回、空腹時吐き気のある患者さんに、様子を尋ねてみようと思います。

臀圧の威力

 

 

50才代の女性患者Cさん。肩甲骨あたりが、いつも痛みがあり気になります。そこで治療の前に、あることをやってもらいました。

「Cさん、そしたら硬式ボールをお尻に当てて、その痛みを取ってみましょうか?」

と畳部屋でうつ伏せになっていただき、臀圧(でんあつ)というツボに私が親指で押圧。

「Cさん、腰の横にある出っ張り(大転子といいます)と、お尻の上の方の出っ張り(上後腸骨棘といいます)のちょうど真ん中を押しますよ・・・・どうですか?」

「痛い!」

「Cさん、この痛み覚えていてくださいね。」

とCさんには、痛みを覚えていただいて、今度は仰向けになっていただきます。そして、硬式ボールをお尻に当てて、同じ痛みのところを探していただくのですが、直ぐに見つかりました。

「ここです!」

「痛気持ちがいい程度の状態を作ってくださいね・・・・どうですか、その状態で3分は持ちそうですか?」

「大丈夫・・・・全然・・・いけます。」

「そしたら・・・・OKグーグルタイマー4分お願いします。」

と、1分オーバーの4分に設定して、気持ち良さを味わってもらうことにしました。そして、4分が過ぎ、Cさんにゆっくり立っていただきます。

「肩どうですか?」

「・・・・・・あれ?痛くない!・・・・ホントに痛くない!」

大きな目をもっと大きくして絶句されるCさん。という訳で臀圧(でんあつ)の威力をお伝えしました!

先は長い!

40才代の女性患者Cさん。ギックリ腰で腰を折り曲げて来院されました。イスに座っていると腰に痛みが出てくるため、仰向きになっての治療となりました。私は上腕診の代わりに膝診を行なっています。推測ではありますが、山元式新頭鍼療法(YNSA)の治療をなさっている医師、鍼灸師の先生方は、やり慣れている上腕診をされていると思います。

膝診に慣れてしまっている私にとっては、上腕診だけでは情報不足を感じます。理由は、膝診では、頸椎1番から仙骨までの状態が分かるからです。例えばCさんの場合、

頸椎診断点は全て圧痛があり、胸椎診断点は、1番と8、9番、腰椎診断点は5番と仙骨に圧痛があります。そのため、Cさんの首、背中中央部、仙骨あたりに痛みがあると推測できます。これらの診断点を緩めるのに7本頭に置鍼。

そのあとトルコのテクチ医師に教わった治療点に2本、後は後頭部のKソマトトープに3本の置鍼で痛みがほぼ無くなりました。後は、左を上にして側臥位で休んでいただきました。最近、腰痛にはKソマトトープを多用しています。皮膚の観察、触診で治療点が明確になるという当たり前のことが、やっと分かってきました。先は長い!