生姜、黒砂糖入りの紅茶

不整脈が気になり、膝から下が冷えている50才代の女性患者Aさんに、石原医学大全の次の一節を紹介しました。

『不整脈の原因には水毒が考えられ、その水分を体外に出すための手段として、吐き気や下痢があり、鼻腔、涙のう、肺胞、皮下などに留まった水には、くしゃみ、鼻水、涙、薄い水様痰、湿疹等のアレルギー症状などがあります。それでも無理な場合、体温を1℃上げるための頻脈を起こす。その結果、不整脈が生じる場合があると考えられます。』

そして、体温を上げるため、紅茶に生姜と黒砂糖を入れて飲むことをおすすめしました。Aさんは、今まで飲んでいた緑茶やコーヒーの代わりに、生姜、黒砂糖入りの紅茶をポットに入れ仕事の合間に飲むようにしたそうです。

すると、夜中に尿意で起きることが無くなり、膝下の冷えが無くなったそうです。たった1週間での出来事です。冷えを感じておられる方、生姜、黒砂糖入りの紅茶おすすめです。

栄養状態と病気

最近、再びフェイスブックが上手く開かないので、あじさいの杜鍼灸院のホームページにのみ、症例や石原医学大全を紹介します。今回は石原医学大全より、「栄養状態が向上したら病気が増える」です。

『現代では、1日3食をしっかり食べることが健康の基本だとされているが、実際には安定して3食を取れるようになったのは、人類の歴史から見るとごく最近の出来事だ。日本に限っても戦後昭和20年から30年代は空腹は珍しいことではなかった。

空腹と無縁になり、満腹が当たり前で、大きく栄養状態が改善した現代において、果たして日本人は健康になっただろうか?

昭和20年代には日本の糖尿病患者はわずか数百人だったといわれているが、今や予備軍も含めて2200万人と驚くほど増加している。1975年に約13万人だった医師は、2020年には約34万人に増加し、医学の研究や治療法も進歩したとされるが、病気や病人の数は減る気配がない。先の糖尿病のほか、ガン、心筋梗塞、脳梗塞などの三大生活習慣病は増え続けている。ガンで亡くなる人は1913年に13万人だったのが、2021年には38万1505人にもなった。この50年間で医師数は倍以上、がんに関する研究や治療法は“進歩した”といわれているのであるが、ガン死者数は激増した。日本人の2人に1人が一生のうちにがんと診断され、3人に1人ががんで亡くなっている。

ガンをはじめとする3大生活習慣病のほか、アレルギー性疾患、関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎などの自己免疫性疾患、うつや神経病等の精神神経疾患も着実に増加している。当然、医療費も膨れ上がり財政は逼迫(ひっぱく)し、増税や自己負担額の増加などで帳尻を合わせようにも、焼け石に水。

年間、約44兆円(2021年)医療費を費やしていながら、日本人の健康度は上がるどころか、病人は増える一方だ。日本の2023年度の国家予算は約114兆円、そのうち約3割は借金だのみなのだから、いずれ日本は増大する医療費によって潰れてしまう。

大袈裟ではなく、病気が国家滅亡の一撃になるのは、昔から決して珍しいことではない。2022年3月自民党の最大派閥「清和会」(安倍元首相が領袖)に呼んでいただき、「亡国の恐れ、医療費等の処方箋」として講演させてもらった。政府自民党も医療費高騰に対する危機感を感じ始めたのであろう。』

カタバミソウ

京都・美山町に長年暮らしていた時、1.5mもの積雪は当たり前でした。茅葺き屋根からずれ落ちる雪に囲まれて、家全体がカマクラのようになり、雪囲いの通路を往き来する毎日でした。

「冬がこのまま続いて、春は来ないんじゃないか?」

と、真顔で思うほどの体験をしました。そんな時、雪解け水の流れる小川に見つけたフキノトウに待ちわびた春を感じたのです。温暖な愛媛で、そんなことは夢物語ですが、8年住み続けると冬は冬。寒いのです。そんな折、※カタバミソウの軽やかな黄色い花に出会うと、春を感じさせてもらいました。雑草と一瞥(いちべつ)されるカタバミソウですが、何の何の・・・・可愛い!・・・・ありがとう!

ウキペディアからのカタバミソウの引用です。

『※地下に球根を持ち、さらにその下に大根のような根を下ろす。地を這う匍匐茎をよく伸ばし、地表に広がる。このため、繁殖が早く、しかも根が深いので駆除に困る雑草の1種である。

葉は球根の先端から束に出る。葉身は、ハート型の3枚が尖った先端を寄せ合わせた形の三出複葉で、頂小葉と側小葉の区別はつきづらい。ふつう葉の色は黄緑色だが、赤紫色のアカカタバミという品種もある。

春から秋にかけて、黄色の花を咲かせる。花びらは5弁。日向では花を出すが、日陰に咲いてしまうと花がしぼんでしまうのが大きな特徴である。

果実は円柱状で先が尖り、真っ直ぐに上を向いてつく。成熟時には動物などが触れると、自ら弾けて赤い種子を勢いよく飛ばす。最大1メートル (m) 程度までの周囲に飛ばすことができることも繁殖に有利となっている。』

ゴボウ

我が家の近くに「コスモス」というドラッグストアが1年ほど前に出来たのですが、あまり人気がありません。ところが、このコスモス以外のコスモスは、大流行りでお客様で溢れています。理由は安いからです。愛飲しているサントリーの酸化防止剤無しの赤ワインは、税込で398円です。他のドラッグストアやスーパーでは、440円くらいします。最近は、安いゴボウを見つけました。今回は、ゴボウに関する石原医学大全をご紹介します。

『ゴボウの※ポリフェノールであるタンニンは発汗や解毒といった「出す」作用が強い。ニキビ、発疹の改善のほか、血液の浄化も進める。セルロースやリグニンなどの食物繊維は、便通を良くするし、腸内の善玉菌を増やす働きがある。これにより、腸内に溜まっているコレステロール、中性脂肪、糖分、発がん性物質などを便と一緒に「出す」ことができる。余剰物や有害物を捨て去ることで、高脂血症、糖尿病、大腸がんなどの予防や改善に役立つ。

江戸時代の食の百科事典ともいうべき。『本朝食鑑』で、ごぼうは男性の強壮剤として紹介されている。科学的に分析すると、含有成分のアルギニンは、男性性器だけでなく、女性の子宮卵巣の働きを良くする作用がある。また、ごぼうには腎臓の機能を向上し、排尿を良くするイヌリンも含まれている。生殖器、腎臓など下半身(根っこ)に収まった臓器の状態を良くするのは、根菜類ならではのパワーだ。』

※ポリフェノールは、ほぼすべての植物が持つ苦味や渋味、色素の成分です。花の色があれほど鮮やかで美しいのも、ポリフェノールの作用です。ポリフェノールには、化学構造の違いによってさまざまな種類があり、有名な『カテキン』や『イソフラボン』、『アントシアニン』などもその一種です。まだ研究中の成分も多いのですが、自然界には8000種類以上存在するといわれています。

勃起能力の低下

石原医学大学全には、なるほど!ピーン!と頷(うなず)くところが、随所に散りばめられています。今からご紹介する一節は、もっともだ!と納得します。

『空腹がもたらす健康効果~生殖能力が高まる

中年以降の勃起力の低下は過食と関係している。消化吸収のために血液が胃腸に集まり、陰茎の海綿体への血流が減ってしまうからだ。精力増強剤は多々あれど、「空腹」こそが最も効果があり、安価な精力増強剤だ。数十頭のメスを侍(はべ)らせるオットセイのオスは、すべてのメスと交尾を繰り返すため、生殖期間中は絶食すると言う。

飢餓や空腹の状態に陥ると、人間は無意識下で自分自身の命の存続に不安を抱く。そうした不安に本能が突き動かされ「我が身が尽きるならせめて次世代へ命をつなごう」と生殖能力が増強するのだ。反対に、空腹とは無縁で、飽食が当たり前の状態が続いていると、その個体自身が満足しきってしまうため、「せめて子孫」をと言う本能がしぼんでしまう。

東南アジアやアフリカの一部など、栄養状態が決して良くない地域は子だくさんだが、日本では不妊に悩む夫婦が6組に1組と実に多い。飽食は体調不良やガンといった体への影響のみならず、種の存続の危機をももたらすのだ。』

駒沢大学と親善試合

母校筑波大野球部が、松山市の「坊ちゃんスタジアム」で駒沢大学と親善試合を行いました。駒沢大学は「坊ちゃんスタジアム」で春の合宿をしているため、親善試合が企画されたようです。結果は0対8の完敗だったようです。ただ、実際には点差ほどの実力差はなかったそうです。なぜ、こんな情報を仕入れているかというと、再び筑波大野球部の合宿所へ出張治療に伺ったからです。

治療したギックリ腰の一歩手前の投手が、親善試合で登板出来たそうです。その投手は、今回も治療し、腰痛はなくなりました。今回は3人の治療でしたが、しっかり結果をのこせました。

明日は、四国アイランドリーグの愛媛マンダリンパイレーツとの親善試合があるそうです。がんばれ!

フルスイング

私の大学野球生活。

私は、中途半端な人生を徹底的に送って今年70才になります。何をしても中途半端。何一つ極めたものがありません。多分、このままで死んでいくのだと思います。

大学では、芸術専門学群彫塑科に籍を置き、野球部に所属。どっちつかずの生活を楽しみ、何の目標もなく放浪。気がつくと鍼灸師になっていました。そんな人生を送っていた中、ターニングポイントとなる言葉が蘇ります。

「佐伯、ちょっと来い・・・・バッテイングはな、キンタマ挟む。」

と東京教育大学(筑波大学前身)の2年先輩からの一言です。松山東の野球部に所属した時のバッテイングは、バットを2あまり短く握り、きた球を当てるだけのものでした。結果、1試合には1~2本の安打を残していました。しかし、2塁打以上の記録はありませんでした。

ところが、先輩の「キンタマ挟む」という言葉が、高校時代の野球スタイルを変えてしまったのです。当時の大学同級生は、それぞれの地区で活躍していたメンバーで、私とはレベルが違っていました。しかし、「キンタマ挟む」バッテイングを始めると、同級生と同じように飛距離がでるようになったのです。

それからです、「キンタマ挟む」バッテイングで振り回すようになったのは。それ以来、打席に立つとホームランしか狙わなくなったのです。たった2本のホームランしか打っていない私が、ホームランしか狙わなくなったのですから、成績はひどいものです。しかし、単打より2~3塁打が多かったように思います。

筑波大野球部の合宿が、西条市ひうち球場で現在行われており、その前日に、筑波大学野球部OB会が開かれたおり、3年後輩の仲間から、

「佐伯さんの印象は、フルスイングです。それしか、なかったです。」

といわれました・・・・・・・そうなんじゃ!「キンタマ挟む」を追求するとフルスイングになる・・・・と思ったような、思わなかったような・・・・まあ、中途半端なフルスイングだったのでしょう。

功力先生

 

筑波大野球部が西条市のひうち球場で春の合宿を行っています。それに合わせて、愛媛在住の野球部OBが集合し、楽しい宴会が一昨日ありました。愛媛高校野球の状況を知らない私にとって、新鮮な話を伺うことになりました。

そんな中で、ある高校野球の監督さんから、私の鍼灸治療の紹介があり、速攻性があることの事例まで説明がありました。ちょうど隣におられた筑波大学野球部の川村卓監督に、

「いつでも、学生の治療をしますよ。」

と、お約束をしたので、昨夜合宿先まで伺い5人の治療を行いました。カルテに住所を書いてもらい、

「おおお~、天久保か・・・・そこらあたりに、オレも住んどったんよ。」

「ええええ、そうなんですか・・・」

「あのねえ~、ボクも野球部じゃったんよ・・・・2期生。球場に佐伯弘いうて名前があるけん、調べておうみ。」

などと、たわいもない会話が進む中、頭に鍼を刺す治療が始まります。当初は、半信半疑だった学生が、徐々に信用しはじめ、納得していく過程が見えてきました。こうなると、治療自体に勢いが生まれるようです。来る学生がいつの間にか、良くなるベクトルに向かっていくのだと思います。全ての学生に良い結果が出ました。帰りの夜道を突っ走りながら、

「功力(くぬぎ)先生(筑波大初代監督)にお世話になりっぱなしのオレ、何の恩返しも出来んかった。これから、私で出来る恩返しは何でもやる!」

と、強く思ったのです。

過食

石原医学大全には、過食の恐ろしさ、断食の勧めを実体験から書かれています。過食気味な方、心してお読みください。

『大学院時代の私は血球の研究に取り組みながら、週に1日救急病院で働いていた。様々な症状で患者さんが運ばれてきたが、心筋梗塞や脳卒中の患者さんは発作の直前に食べ過ぎ飲み過ぎをしているケースが多かった、というよりほとんどだった。

ご家族に発作前の当人の様子を伺うと、「今日は孫のお祝い事で身内が久しぶりに集まって楽しく飲食していたんです」「昨晩、昔の仕事仲間と久々に会ってかなり酔って帰宅しました」という話がよく出てきた。

人体60兆個の細胞は、血液が運ぶ酸素や栄養素を受け取って利用し、その細胞特有の仕事をしたあとに残った老廃物を血液に渡し、尿や呼気として排泄することで活動している。飲んで食べてが過ぎると、その処理に追われる胃腸に血液が集中し、血液供給が少なくなった心臓や脳ではその働き、防御能力が落ちて発作が起きやすくなるのだ。高齢者の場合はほんの1回の宴会が引き金になることがあるが、中高年でもであっても、恒常的に過食生活を送っていると、脳梗塞や心筋梗塞の危険度は常に存在することになる。しかし、「朝だけ断食」などで過食と対極の空腹を日々重ねていけば、こうしたリスクが避けられる。』

肉食はダメ?

石原医学大全に肉食が好きな方には、嬉しい一節があるので、ご紹介します。なにも闇雲に肉食を否定することは、無いようです。

『日本とアメリカで通算28シーズンに出場メジャーでは 262安打でシーズン最多安打記録を打ち立てたイチロー選手。オリンピック体操2大会個人総合優勝、4大会出場、世界選手権6連覇の偉業を打ち立てた内村航平選手。日本が世界に誇る超一流のアスリートのお二人には興味深い共通点があった。

1つめが「野菜嫌いの肉好き」。

2つめが「体質」だ。お二方とも色白(イチロー選手はさらに細身)。漢方医学でいうところの「陰性体質」で体が冷える傾向がある。

お二人ともご自身の体と常に対話し、「本能」の声を忠実に受け取った結果、体を温める作用の強い肉を好むようになったのだろう。

さらに内村選手は一日一食主義のとのことで、肉中心の食生活にしろ、食事回数にしろ、西洋医学や栄養学の推奨する内容からかけ離れている。それでも、このいやそれだからこそ偉業を打ち立てられた。

1997年に122歳で亡くなったフランスのジャンヌ・カルマンさんは嫌いなものは一切食べず、好きなものしか食べなかった由。嫌いな生野菜は全く食べず、好きな肉、チョコレート、赤ワインだけで122歳の長寿を全うしたという。漢方の陰陽論で考えると、ジャルヌさんは陰性体質(冷え性)であったゆえ、陰性食の生野菜を嫌い、陽性食の肉、チョコレート、赤ワインを好んで食べたのだろう。決して健康に良いとは言われない「肉」「チョコレート」「アルコール」で長生きしたのは「少食」であったためと推測される。』