温故知新

操体法の創始者、橋本敬三先生の論争集「生体の歪みを正す」-創元社-のp226から、抜粋します。

石ころの多い河原で遊ぶ子は丈夫だという。もちろん裸足である。凸凹な刺激で足の裏が少し痛いくらいなら、そこを走りまわれば、体をジョキンとしてはいられない。さまざまに全身を動かして平均をとるのであるが、これが運動系の歪みを是正するのに役立つ。

小学校の軒下に砂利道を作らせて虚弱児童を毎日裸足で100メートルぐらい歩かせたら非常に有効であった。この話を、出征中、同僚の軍医に話したら、帰ってからこの人は一メートル四方ぐらいの砂場のような小石場をつくり、毎日そこで足踏みをさせて大いに有効だと語ってくれた。賢い方法である。ひ弱い婦人などにも適当な全身運動である。

(中略)

満遍なく全身を一通り動かす体操というものは、いうなれば、乱雑に箱に投げ込まれた積木を、箱をゆさぶっておれば整頓してくるようなものと思う。厳格な意味での体操というものは、一人一人の歪みに応じて力学的に適切な処方を必要とするものであるが、無理に強制しないで気楽に動かしているなら、そのような効果はある。

上記の論文は、サラッと流れるように書かれていますが、非常に奥が深い。

(中略)をはさんで、上下の論文は、同じことを書いているようですが、微妙に違います。

上は、圧痛点に対しての逃避反射。下は、体操の本質。

まさに、温故知新。

今まで、p226は、逃避反射に関することのみを書いていると思っていました。しかし、橋本敬三先生は、体操の本質を「一人一人の歪みに応じて力学的に適切な処方を必要とするもの」と述べておられます。

一人一人歪みは違います。その歪みに応じて力学的に適切な処方をするには、重力という全ての人々に平等に与えられた法則にありがたく身を委ねることから始まる。そんな気がします。

極端な事をことを言うと、5mほどの綱を落ちないように渡るだけで、カラダの歪みは、正されるということです。

事実、これに近い状況下に身を置くと、勝手にカラダは正されます。そして、橋本先生がおっしゃる「治療なんて、下の下だ。」という言葉が、腑に落ちます。

ある試み

1週間前、千葉県行徳のゴールドジムで、平直行さん主催「やわらぎ操体ワークショップ」がありました。平さんは、人気漫画「グラップラー刃牙」のモデル。

総合格闘家の草分けで、故アンディ・フグの友人です。 大気拳、柳生心影流をマスターし、その奥義をもとに新たな身体理論を作り上げ、実践されています。いわゆる、天才です。

平さんは、人工芝、スポンジ等を使って、無意識の動きを引き出すメソッドを作り上げました。

このアイデアは、非常に素晴らしい!

平さんのメソッドを有り難くお借りし、私なりの方法論を展開してみようと思います。

私は、ジョアンミロ美術館で木、砂、小石などの上を歩行して、スペインの子供達のカラダ歪みを取るワークショップをしたことがあります。

この時は、子供達が作った積み木の道を歩き、ゆっくりと休息するようにしました。2週間後には、子供達のカラダの歪みが取れ、穏やかなカラダと心になっていました。

そこで、積み木を人工芝に置き換えて、試みています。

人は、二足歩行をすることで、手を発達させ文明を築き上げました。しかし、その弊害で肩コリ、腰痛が生まれたと、考えてもおかしくはありません。

この二足歩行を改めて考えてみることで、肩コリ、腰痛が解消できれば、、と、試みています。

なお、この人工芝は普段は収納されていますので、床は板間のままです。

 

 

 

積み木アートへ

現在、京都出張治療で、ロンドクレアント(北白川伊織町40)というギャラリーにいます。お昼からは、大徳寺に、出張治療で出かけます。

今回は、キャンセルが多くて大変ですが、その分自らの治療法を問いただす時間をいただいています。

つくづく感じるのは、カラダは良くなるように出来ているということです。

その法則に身を置くだけでいいのです。橋本敬三先生(操体法創始者)が、「治療なんて下の下だ」とおっしゃっていた意味がやっと分かって来ました。

今回は、治療らしきことをしないで、80%くらい。治療らしきことで20%。おおよそ、30分で終了しています。最後の最後に鍼治療をする時がある程度です。

今後は、20年間やってきた積み木アートを、2004年ジョアンミロ美術館で展開した路線に結びつける操体アートへの展開です。

私の心の中でくすぶっていた、離婚への負い目も、6月次女と会うことで軽減してきました。やっと、道路を歩いている子供たちを見ても、目を合わすことが出来るようになりました。

子供たちのためにと始めた積み木アートに、再び手をつけたくなりました。幸い、滞在している宿が、ギャラリーで、しかも、その長男が木の原木を仕事にしているため、積み木アートが出来る環境です。

地元松山での仕事を早く軌道に乗せ、治療とアートとの融合をロンドクレアントで展開してみようと思います。

ストレッチ?操体法?

座ってできるふくらはぎ(腓腹筋)のストレッチ。この動きに呼吸や目線、足指の伸展などを加えていくと、より質の高いストレッチとなります。

ストレッチと操体法の境界線は、これらの要因が加わり、「気持ち良さ」に比重を置くかどうか。

操体法は、気持ち良さを指針とします。カラダや心の歪みが正される時に、気持ち良さを感じます。そして、全ての生き物は、このベクトルに向かい生きています。

ただ、人間は生活のために、仕事をし、ついつい仕事優先の生き方になる傾向があります。カラダの声に耳を傾ける時間もなくなり、いつのまにかカラダに歪みを作ってしまいます。

チョットした時間を見つけて、気持ちよくカラダの歪みを取っていきましょう。

自力自療

夜行バスに乗って7~8時間。畳の間で3~4人患者さんの治療をすると、中腰になるため、腰に負担がかかります。腰痛の一歩手前 ・・・

こういう時は、畳でゴロゴロします。どこに張りがあるかチェックし、その部位を可動域ギリギリまで伸ばし、軽くその部位が動かないように抑えます。

その後は、その部位にある筋肉をゆっくりと動かし、一番気持ちのいい力加減で味わいます。

これは、とても気持ちがいいので、ダラダラと続けます。

この動きに、ゆっくりとした腹式呼吸を加えると、非常に効果的です。

現在、私は京都市内のパン屋さんで食事をしながら記事を書いています。この時も、骨盤の調整を気持ちよくおこないなが、iPad に向かっているのです。

いつの間にか、自力自療が身についているようです。

腹式呼吸法

患者さんの中には、呼吸法が苦手で浅い呼吸になる方がいます。

そこで、イラストを描いて見ました。

私は、呼吸法の専門ではありませんが、毎日呼吸をしているので、呼吸法を語ることはできます。

浅い呼吸をしている人は、肋骨周りの肋間筋を使って肋骨を上下する胸式呼吸になっています。

深い呼吸が出来ている人は、横隔膜が大きく上下する腹式呼吸をしています。

横隔膜は、胸と腹を横断しているアーチのような筋肉です。この筋肉の上には、肺と心臓、下には肝臓と大変重要な臓器があります。ですから、腹式呼吸をすることが臓器に影響を及ぼすことは、容易に想像できます。

そんな事、分かっている・・・・けど、出来ない!

そんな方のお手伝いになれば、幸いです~~

操体法は、素晴らしい!

京都出張治療4日目。

フラダンスをしている70才の女性患者Cさん。脊柱管狭窄、坐骨神経痛と診断され右腰部が、常に凝っています。

そのため、2週間に一度ブロック注射をしています。

仰向けになり、両膝を立てて左右に倒し、どちらが倒しやすいか比べます。右腰部が凝っており、左に倒したとき、引っ張られるため右腰部に痛みを感じます。そこで、操体法治療。

右手甲を右臀部の下に置き、ゆっくりと大きく呼吸をしながら、左に倒した両膝をゆっくりと右側に戻してもらいます。しかし、介助をしている私はCさんの両膝を軽く押さえているので、実際にCさんは、動きません。カラダの内部が動き、筋膜を伸ばします。

これを何回かやり、右腰部をチェック。

「アレ?柔らかい。なんか、いい!」

ということで、7割程度は、治療が終わったような気分です。後は、右下肢圧痛点に鍼治療を行ない、ご自身で操体法を毎日行うように、お願いしました。

ブロック注射の回数を減らし、最終的には、「ブロック注射が必要なくなった!」とご報告したいものです。

イラスト処方箋

患者Aさんから、突然の電話。

「先生に教えてもろた所にお灸をしよるけど、まあ~調子は、よろしい。あと、どんな体操をしたらええか、今度診てもらう時に、教えてくれんですか?」

「分かりました。そうしたら、イラストをかいてお渡しします。」

「あ~それはありがたいですわ。治療とは別に、払いますわ。」

「・・・・」

月に1回の京都出張治療だけでは、間に合わないので、毎日の体操を考えて、処方箋としてお出しすることにしました。このバリエーションは、沢山できそうです!

息食動想を光三原色で

操体法の基本概念、息食動想を光の三原色という自然現象に当てはめました。

食は、1日で1時間程度の営みのため、外します。
残りの息動想は、死に至るまで刻々と瞬時に変化します。
それぞれが100%ならば、重なった部分が真っ白になります。これが理想ですが、まずありえません。
重なった部分の明度が60%以上だったら、大丈夫。

そんな生き方をしましょう!

光を当てる部位が、環境となります。この環境は、光と逆に、明度が下がれば下がる程いい環境。
真っ黒が一番いい環境。