不整脈の原因

ある患者さん、不整脈があります。そこで、「石原医学大全」から、不整脈の原因を探ってみました。

『体を冷やす水分を、くしゃみ、鼻水などのアレルギー、寝汗、下痢などで十分に排泄できないときに、体温を上げて代謝をよくして、水分を消費しようとする。1℃の体温上昇には、脈を八~十回/分増やす必要がある(頻脈)。頻脈になると脈が乱れることもあろう(不整脈。』

とあります。これは水毒に関する文章の一部です。世間一般では「1日に2リットル水分を取りましょう」と叫ばれていますが、それが水毒の元となるケースもあります。石原医学大全には下記のように書かれています。

『仰向けに寝てもらった患者さんの心窩部(みぞおち)を親指以外の4本の指で軽く叩くと、ぽちゃぽちゃと音がすることがある。この音は「振水音」といって、胃袋の中に水が多く存在していることを意味する。

振水音がある患者さんは一時が万事で、胃袋以外の体内の「袋」や「くぼみ」「皮下」にも水分を多く溜めてしまっている。つまり、体が水分過剰に陥っている状態であり、漢方医学ではこの状態を「水毒」という。

胃腸に留まった水は吐き気や下痢を起こし、鼻腔、涙のう、肺胞、皮下などに留まった水は、くしゃみ、鼻水、涙、薄い水様痰、湿疹等のアレルギー症状、むくみを起こす。その他、水分で体が冷やされた結果、肩こり、頭痛などの「痛み」が発生することもある。また、めまい、耳鳴り、フワーッとした感じ、まぶしさ、不安、不眠、動悸といったサイン(西洋医学では不定愁訴という)を出して、体が「水毒」に陥っていることを知らせようとする。』

とあります。不整脈の原因には水毒が考えられ、その水分を体外に出すための手段として、吐き気や下痢があり、鼻腔、涙のう、肺胞、皮下などに留まった水には、くしゃみ、鼻水、涙、薄い水様痰、湿疹等のアレルギー症状などがあります。それでも無理な場合、体温を1℃上げるための頻脈を起こす。その結果、不整脈が生じる場合があると考えられます。

「食べる」よりまず「出す」

今日も石原医学大全の「食べる」よりまず「出す」のご紹介をします。

『 一日三食派が最も重要視するのが「朝食」だ。曰く「一日の活力源となる食事」「朝食で体が活動モードに入り自律神経が整う」「朝食を抜くと脳の活動に必要な糖分が不足する」等々。日本で一番「力」が必要な職業の「力士」たちは、朝食は一切食べず、早朝から三~四時間の猛稽古する。食べると消化のために胃腸に血液が集まり、その分、手足をめぐる血液が少なくなり、力が出ないからだ。

石原医学でも一貫して朝食は不要と指導してきた。朝は食べるのに適した時間では無いからだ。英語で朝食のことを「breakfast」と表現する「fast(断食)をbreak(破る・止める)する」、つまり、睡眠中の断食状態を止めて最初に食べる食事という意味だ。我々は意識せずに日々「睡眠」と言う断食の時間を持っていることになる。断食明けの食事は、休んでいた胃腸に過剰な刺激を与えるものであってはいけない。

例えば、風邪をひいてお粥ばかり食べていた人が、病み上がりにいきなりコッテリしたステーキを食べる事はないだろう。同様に睡眠時に食物が遮断されていた胃腸に、いきなりたっぷりの朝食は負担なだけだ。

また胃腸に負担をかける他にも問題がある。睡眠と言う断食状態に入った体の中では、排泄作業が着々と進められている。睡眠中には寝汗をかくし、起床時には濃い尿、吐息には混じる悪臭、目やになど排泄が促進され、体内が浄化される。

断食明けの朝は排泄の時間なのだ。しかし、朝食をしっかり食べてしまうと、胃腸に血液が集中し、排泄活動は減衰する。入ってくるものの処理に追われ、出すべき老廃物も出せなくなるのである。その結果、血液が汚れる。

「吸収は排泄を阻害する」とは生理学上の鉄則の一つだ。裏返すれば吸収(食事)しなければ排泄がどんどん進むと言うことになる。人体においては「出す」ことが何より重要だ。風邪を引くと熱を出す。咳や痰を出す、時には下痢や発疹を出すことで血液を浄化して治そうとすることを考えると合点が行く。「朝食を食べる」事は血液の汚れを浄化するための「出す」時間をみすみす潰すことになる。』

妊娠ジュース

石原医学大全の一節をご紹介します。納得される方も多いのでは・・・

『私は冗談で、「人参ジュース」を「妊娠ジュース」などと講演の時にいっては聴衆を笑わせています。人参には確かに生殖力を強くする働きがあります。しかし、それに加えて、妊娠を促進した要因に断食=空腹があります。

私が生まれた1948年は、敗戦後すぐで食料がほとんどなかった時代です。その時、子供がたくさん産まれました。「貧乏人の子だくさん」ともいいます。そのため、今でも発展途上の食料の乏しいアフリカや東南アジアの一部の国々では、子供の数が多いのです。動物は少し栄養が低下し、その個体に危機が迫ると、次の世代を残そうとする本能が働き、生殖力が強くなります。

反対に現在の文明人のように飽食になると、逆に生殖力が落ちます。よって、「人参りんごジュース断食」で少々の空腹を経験すると、生殖力が高まると考えられるのです。

また、不妊症は、子宮・卵巣の働きが健常でないことから起こります。その働きを良くするには、腹巻で、子宮・卵巣の位置する下腹部を温めてあげることも必要です。』

石原医学大全は、どのページを開いても目からウロコが落ちるので、手放せないのです。

瀉血

 

瀉血石原医学大全は、どこを開いても面白い。石原結實先生のコラムより、

『日本に最初にやってきた宣教師のフランシスコ・ザビエルは、ポルトガルのリスボンを出発し、13ヶ月かけてインドに到着した。その間、9回も死にかけた。ザビエルの命は出すことで救われた。何を出したかと言うと「血」である。お抱え医師は、瀉血で血液を出すことによって、彼を死の淵から生還させたのだ。瀉血は羊の東西を問わず、昔から行われていた。視察に入ったドイツのミュンヘン病院では、自然療法家でヒルに血を吸わせる瀉血療法をおこなっていた。

自然の瀉血というべきものが月経だ。女性は15歳くらいから50歳くらいまで月経がある。28日に1回、年間で13回、1回につき6日が平均的なものなので、6 × 13 × 35 = 2730日、この2800日を365日で割ると約7年となる。この7年と言うのは、男女の平均寿命の差とほぼ重なるのである(2022年の平均寿命は、男性81.05歳、女性87.09歳)。

龍の河之内

近藤林内さんという郷土の大偉人のお祭りがありました。弟が立派な宮司になり、どんどん企画しています。地元の林内会の氏子さんや、林内さんのご子息、共感され林内会の会員になられた方々などが集まり、見事なお祭りとなりました。

龍を地域起こしのテーマとしており、境内には地元の有志が小学生、大学生も巻き込んでの稾龍(わらりゅう)を作り、奉納しています。今後は、益々面白い地域として様々な発信が出てくると思います。

「龍の河之内」よろしくお願いいたします❣️

粗悪モグサ

上質モグサを作ってしまい、高温にならないことが判明。そこで、粗悪モグサ(不純物が多く入っているモグサ)を作ってみました。乾燥したヨモギが雨の少ない松山では、益々乾燥し最高の状態になっています。それをミキサーにかけて、粉々にし葉っぱのウラ側にある繊維だけを残すと、モグサになります。

上質のモグサはミキサーをかけること7回。今回は、4回と2回にとどめました。すると、最高の粗悪モグサが出来ました。3種類のモグサが出来ると、患者さんの感性、モグサと皮膚の緩衝材的に付ける紫雲膏の量との兼ね合いで、微妙なモグサ選択が可能となり、治療に効果が期待できます。

最近は、頭に鍼を打つ→足にお灸をするという「お灸好き派」が徐々に増えてきています。モグサの種類をもっと増やそうと思っています。

体温が!

紅茶にレモン、生姜、黒糖を入れて飲むと体温が上がるという「石原医学大全」の一部をご紹介します。

生姜の効能

1)血管を拡張し、血流を促進し、体を温める。

2)1)の効果によって血圧が下がる(ただし低血圧の人は血圧が上昇)。

3)血小板の凝縮力を抑え、血栓を予防する。

4)発汗、解熱、去痰、鎮咳作用、鎮痛作用。

5)排尿を促進し、むくみ、水太りを改善。

6)脳の血流を促進して、気分を上向きにする(うつを解消する)。

7)唾液、胃液、膵液、胆汁、腸液の分泌を促進し、消化を助ける。

8)食中毒菌や腸内の有害菌をはじめ、肺炎球菌を殺菌。抗ウィルス作用もある。

9)副腎髄質からアドレナリンの分泌を促進し、気力を高める。

10)コレステロールを下げる。

11)内耳の血行抑止、耳鳴り、めまい(メニエル)を改善する。

紅茶の効能

1)紅茶ポリフェノールの抗酸化作用は、活性酸素で細胞が傷つくことを防ぎ、老化、生活習慣病、がんを予防する。

2)糖の分解を抑制し、食中・食後の血糖値の急上昇を抑制する。

3)脂質代謝を促す酵素の働きを抑制して、脂質の吸収を抑える

4) 糖化(余分な糖とタンパク質が結合し、老化物質を生成する)を抑え、老化を防ぐ。

5)殺菌・抗ウィルス作用により風邪やインフルエンザを予防する。

6)香りによるリラックス効果。

この1~2週間は、上記の生姜入り紅茶を飲んでいます。そして、紅茶を飲んで体温を測ったのです。飲んですぐの体温38.5℃・・・・驚愕!しばらく(2~3分後)体温37.8℃・・・・30分後、体温36.9℃・・・・午後の私はこのくらいの体温です。とにかく、即効性があるのに驚きました!

モグサ作り その2

 

昨日作ったモグサを、早速患者さんに施術。

すると、どうでしょう・・・一所懸命作ったモグサが、いつの間にか・・・・上質のモグサになってしまっていたのです。モグサには、上質のモグサと粗悪モグサがあり、用途が違うのです。上質のものは、皮膚に直接置き、皮膚に火が到達する前に消す一般的なモグサ。ところが、私が作ろうととしていたのは、紫雲膏をしっかり塗って、その上に高温になる粗悪モグサ。

粗悪モグサは、ヨモギの幹や脈の破片が残り高温になるモグサです。今回は、この粗悪モグサを作るつもりでしたが・・・・・・・いつの間にか・・・作っていくうちに、もっと良いもの・・・・となるのです。結果、ミキサーに7回しっかり撹拌(かくはん)したモグサは、純度が高く不純物がないため、火をつけても高温にならない上質モグサになってしまいました。

そこで、考えたのです。

様々な種類のモグサ作りをして、患者さんの感性にあうようにしよう・・・いけるかも?

モグサ作り

先日、ある患者さんから、

「先生、モグサ買ったんですか?・・・・」

と、私がヨモギからモグサを作っていたのに、「やってない!」と、指摘されました。ヨモギ作りは、チョット疲れるので1回だけ、購入したのです。そこで、再びモグサ作りに挑戦することにしました。採取してから、10ヶ月経っているのでヨモギはカラカラに乾燥しています。そのため前回のモグサと色が全く違います。前回のモグサは、緑がかっていかにも取り立ての感じでしたが、今回のモグサは、本来のモグサ色です。ということは、商品としてのモグサは、この程度カサカサに乾燥するという事がよく分かります。

乾燥モグサは、葉っぱだけをミキサーに入れ、細かくしていきます。これを繰り返す事7回。写真のようにフワフワのモグサが出来上がります。とにかく、疲れます・・・・今日は、これまで!

スクワットで腰痛

2ヶ月前、180kgのバーベルを担いでスクワットをしていて、腰痛になった高校の男子スポーツ選手A君。前屈すると痛みがあります。

膝診(膝の内側、ウラ側、外側を押圧して、圧痛、硬結点を探し、脳と背骨の状態を診断する方法)をして、5本の置鍼を頭部にします。

「これで、前屈してみて・・・どうですか?」

「・・・・だいぶ、出来るようになってきました。」

と、ちょっと半信半疑。

「そしたら、もうちょっとやってみようわい・・・・これでどう?」

「・・・・・楽になってきました。」

「ほんとじゃね!スムーズになっとらい・・・もうちょっと、刺してみよわい・・・これでどう?」

「・・・・・楽です。」

「来た時の痛みが10で、全く痛くないのが0じゃったら・・・・今どれぐらいじゃろ?」

「・・・・1です。」

「そしたら、足にお灸をしょうわい・・・お灸はやったことないじゃろ?これは、紫雲膏という軟膏を乗せた上に、モグサを立てて火をつけるので、痛くないしヤケドにもならんから、安心して。」

と足に見つけた治療点に合計6壮お灸。

「これで、痛みはどうですか?」

「・・・・0です。痛くないです。」

と、ニッコリ笑顔。2ヶ月痛みが続いた割には、早く良くなりました。本来ならもう一度来院していただき治療したいのですが、他の選手との兼ね合いがあるので、今回のみで終了となりました。それにしても、「高校生の治りは早い!」と感心することしきりです。