耳ウラは腰痛に効く

高校のスポーツ選手A君が、2週間前から腰痛になり来院。前屈したり腰をひねると痛みがあります。去年の夏ギックリ腰で来院されたB君は、歩くことが出来ず父親に抱えられ傾(なだ)れこみ、イスに座ることもできず、立ったままでの治療となりました。A君はB君に比べると軽傷です。問題なくイスに座っています。

こういう時は、膝診をして『膝全体がゆるむだけで良くなる』と推測します。理由は2つあります。1つは、膝診は頸椎、胸椎、腰椎の状態を診断し頭の治療点に置鍼すると、頸椎、胸椎、腰椎からなる背骨が整い、ついでに腰痛も無くなりやすい。もう1つの理由は、東洋医学的に見ると、膝ウラの委中、委陽というツボは、元々腰痛に効く治療点だからです。

結果、頭に6本置鍼して膝全体がゆるむと、左右にひねっても痛みが無くなりました。ただ前屈するとまだ左腰の一点に痛みが残っているそうです。こういう時は、状況にもよりますが、耳ウラの腰治療点がよく効きます。耳ウラに1本置鍼。

「これで、どう?・・・前屈(かが)みしてみて。」

「・・・・痛くないです。」

と、A君ニッコリ!これで、終了してもいいのですが、足に見つけた腰に対応する3つの治療点にお灸を12壮して終了としました。改めて、若いカラダの回復力の素晴らしさを感じます。

ネズミ

スポーツ部所属の男子高校生Bくん。右肘にネズミ(骨の破片)があったけれども、何とか痛みもなくスポーツ出来ていたのですが、最近痛みがあり来院。

カラダに出来た骨の破片は、放っておけば元に戻ると思います。ギリシャ時代の聖医・ヒポクラテスは「カラダには100人の名医がいる」といいました。東洋医学も自然治癒力を基礎と医学です。ただ、スポーツ選手は、常に練習をして競技の質を高めようとして、放っておく時間を持てないのです。

そこで、鍼治療は「カラダの名医」に働いていただけるように、支援をしているのです。今日のB君、来院時より肘の痛みは10→4と減りました。次回も「カラダの名医」に頑張ってもらいます!

私の治療方法を具体的に紹介

https://youtube.com/shorts/1mWVI-0gK5M?si=iZhYnpL5jk7UZmhh

私の治療法を具体的に紹介いたします。山元式新頭鍼療法(YNSA)の基礎治療とは、まず合谷診(患者さんの左右親指と人差し指の間に、私の親指を押し左右の痛い方から始めます)で、左右を決定。多くの患者さんは右骨盤が上がり、左重心になっているので、左側から始めることが多いです。

本来なら、上腕診で圧痛点を探すのですが、私の場合は、上腕診の代わりに膝診を行います。これは、一昨年の学会で発表し認めていただきました。なぜ膝診を見つけたか・・・・それは、4ヶ月も上腕診に全く反応を示さない患者さんの存在があったからです。YNSAでは、膝=肘(上腕)という見方があるので、膝診を行ったところ、今まで上腕診では反応がなかった患者さんに反応があったのです。

よくよく調べてみると、上腕診では、頸椎、胸椎、腰椎を点で押圧するのに対し、膝診では、ヒラメ筋という大きな筋肉を線上に押圧するため、頸椎1〜7番、胸椎1〜12番、腰椎1〜5番及び仙骨と具体的に分かるという利点があったのです。

また頭に見つけた新しい頸椎から仙骨までの治療点と、膝診がピッタリ対応することが分かりました。そのため、この2〜3年はこの治療法を行なっています。まだ、学会で発表していないので、治療点は公表致しません。

具体的に患者さんの膝圧痛点に軽く右中指を当て、左中指の指紋の渦巻きを治療点付近の頭皮から2〜3cm上にかざします。そして、電気のような感覚が一番強い個所を探して、膝に触れている左中指が反応すれば、間違いなくそこが治療点となります。

こんな感じで毎日行なっています。そのため、指先の感覚が徐々に敏感になっているのを感じます。

ギックリ腰

「突然ですが、午前中に診てもらえないでしょうか?昨日、ギックリ腰になって、生活にも支障をきたしているんです。」

40才代の男性患者Bさんからの電話です。知り合いの紹介で初めての来院です。

前屈みで痛い腰痛の原因は、筋肉による腰痛がほとんどのようです。普段の姿勢などにより、背中やお尻、もも裏などカラダの後ろの筋肉が硬くなり腰痛になってしまいます。Bさんも、パソコンを前にし背中の筋肉が伸びて緊張していたのだと思います。いつものように、膝診をし頭の置鍼をやっていきます。徐々に痛みが無くなっていくのですが、耳ウラに置鍼すると、前屈みがかなり出来るようになりました。その後、後頭部に置鍼すると、一層前屈みが出来るようになりました。

いつもなら、もう少し置鍼をして腰痛を軽減するはずなのですが、今回は「これでいいか!」と置鍼をストップ。

なぜなのか?よく分かりません・・・多分、もう少しご自身のカラダと向き合ってほしいと感じたのだろうと思います。

Bさんの足があまりにも冷たいので、紅茶に生姜を入れ、黒糖かハチミツを入れて飲むことをおすすめし、後日の来院予定を決めました。

愛媛マラソン


今年で62回になった愛媛マラソンが、2月9日(日)に行われました。参加者1万人以上、ボランティア5000人という一大イベントとなっています。Qちゃんこと高橋尚子さんが常にゲスト出演。今年は、オリンピックのメダリストで、マラソン競技優勝8回のワイナイナさんも参加されていました。

この愛媛最大のイベントを前に40才代の男性患者Cさんが来院。左膝が痛くて1〜2kmしか走れないそうです。いつものように背骨を整えて、内臓を整える鍼を頭に8本置鍼。その後、左耳ウラの膝治療点に2本。左側頭部の膝治療点に1本。

「これで、どうですか?」

「・・・・・痛くない、大丈夫です。」

と、勢いよく膝屈伸をされています。その後は左膝に対応する左肘に鍼、足に見つけた膝治療点にお灸をして終了となりました。まさか、こんな状態なので愛媛マラソンに参加するとは思っていなかったのに、

「参加します。」

「はっっあ?」

結局、走られたそうです。こんなメールが届きました。

「おかげさまで、数日前まで1〜2キロ走るのがやっとやったのに、20キロまで調子よく走ることができました。無事、5時間以内に完走することができました。」

凄いことにです!

ワクワク

https://youtu.be/ookB1EoUz9E?si=u15OIbBWFcgUjYcI

最近、足裏に肘の治療点を見つけました。そこで、50才代の女性患者Aさんが、

「今日は、右の腕(前腕)が痛くって・・・」

「そしたら、そこを最初に治しましょう。」

といきなり、以前から見つけている足の治療点に親指で筋膜はがし。これで、ずいぶん痛みが軽減しました。

「・・・・・ちょっと、待ってください・・・ここ、痛くないですか?」

肘の治療点を見つけた後、前腕に位置する個所に鍉鍼(ていしん)という刺さない鍼でおすと、

「痛い!」

「ちょっと、押し続けますね・・・・どうです?」

「痛くない!」

と、Aさんの前腕が良くなりました。Aさんだけに当てはまる治療点かもしれません。しばらく、この治療点を押圧しながら見極めようと思います。これだから山元式新頭鍼療法が面白いのです。理論を理解して、私なりの治療点を見つけると・・・ワクワクします。
死ぬまで、このように生きれば幸せ!

 

骨盤矯正


2ヶ月前から週1回のペースで来院の男子高校生B君。左腰痛で腰椎分離症と診断されました。高校のスポーツ選手での腰痛は、腰椎分離症と診断される場合が多いのです。そこで、PCからコピペします。

『腰椎分離症は、初期の段階であれば局所の安静や鎮痛剤などの保存療法(手術を避ける治療)が有効です。そのためには早期に発見することが重要で、スポーツに伴って発症し、上体を後ろに反らすと誘発される腰痛が続く場合には、MRIなどによる精査が必要です。腰痛分離症は発症後早期であれば、多くの場合、保存療法のみで治癒することが期待できます。激しいスポーツに伴って発症することから、まずは原因である運動を一時的にやめることが求められます。加えて、腰部の安静を保つため硬性コルセットを使用します。こうした治療により、分離した腰椎の癒合と痛みの消失が期待されます。

そのほか、骨盤周囲の筋肉を伸ばすストレッチと筋肉の強化を行うことが有効です。治療後は症状や画像所見を確認しながら安静解除や運動の開始を検討していきます。分離症が治っていなくても強い痛みが持続することは多くありません。腰痛を繰り返すことがありますが、ほとんどは保存治療で改善し、日常生活に支障が出ることは少ないようです。腰痛予防には、腹筋・背筋の強化などが大切です。保存療法を行っても痛みが治まらない場合や神経症状がある場合には、手術的な治療介入を行います。腰椎分離症から腰椎すべり症まで病状が進行している場合には、脊椎固定術を行います。』

とあります。B君の場合、初期の段階なので、無理な練習をやめて治療に専念することにやっと納得してくれているようです。そして、セルフケアの仕方を徐々に指導しています。今日は、動画にある骨盤矯正を指導しました。

B君の場合、初診の頃は、珍しく右脚の方が長かったのですが、今回はいつのまにか右脚が短くなっていました・・・・これは、治療の成果では・・・・と思っています。

耳ウラ

1年半ぶりの来院の30才代男性患者Cさん。1週間前から左腰部に痛みがあり、前屈みすると痛く、立っているだけでも痛みが生じるそうです。そこで、いつものように膝診と首診を行い7本置鍼。これは、背骨を整えることで自律神経を整え(膝診)、首を整えることで内臓を整えるのです。

「はい、これで腰の状態はいかがですか?」

「・・・・・いいですね!」

と、Cさんが思わずニッコリ。その後腰の治療点に3本置鍼したのですが、最も効いたのが耳ウラの置鍼です。その理由は2つあるように思います。
①耳ウラは、頭蓋骨と下顎骨と頸椎が交差する場所で、これに対応する場所が仙骨と腸骨と腰椎が交差する個所(腰痛の個所)で、筋膜を通して影響を与えているため、耳ウラを置鍼することで、ゆるむと腰痛の個所もゆるむ。

②スーパーフィシャル・フロント・ラインという足の甲から膝大腿部前面、腸骨、恥骨から鎖骨、耳ウラへと流れる筋膜の耳ウラに置鍼することで、腸骨(骨盤)がゆるむ。

と私なりに理解しています。今一度、解剖学的視点で説明できれば分かりやすいと思うのですが・・・・言葉足らずで、難しい!

左膝痛

1ヶ月前から、左膝内側に痛みを感じていた男子高校生B君。屈伸運動をしたり、左に体重をかけると痛みがあるそうです。たまに、イスに座っている時でも痛みがあります。
頭に見つけた脊柱の治療点に5本置鍼。その後、左膝及び左下肢の治癒点に3本置鍼。

「これで、屈伸しみて!・・・・・どう?」

「痛くありません!」

「うう〜ん、そうか・・・・そしたら左腕に鍼とお灸をしよう!」

と、山元式新頭鍼療法(YNSA)の定番、膝は肘で治す。左肘内側の圧痛点に細い鍼を刺した後、お灸を10壮して終了となりました。膝の痛みはなくなったのですが、5日後に治療予約をして帰宅されました。その翌日には、病院のリハビリ、そのまた翌日には、MRIを撮るそうです・・・・・果たして、どうなるのでしょう・・・

若いエネルギー

高校のスポーツ選手にとって、冬場の筋トレは、春夏の活動を左右する大切な作業です。具体的に聞いてみると、「デッドリフト」「ベンチプレス」「スクワット」と名前が上がりました。調べてみるとこれらが、ビッグ3といわれるトレーニング方法のようです。

それらのトレーニングには疎いので、今回は語りません。そのトレーニングの最中に、右足首に違和感を感じた男性患者A君。半年ぶりの来院です。高校生のスポーツ選手の場合は、首が痛いという時以外、首診(内臓状態の診断)をしないことの方が多いです。理由は、外傷が多いためです。

A君は、コンクリートや砂の上を走ったための右足首痛。いつものように、膝診を行い、頭に見つけた治療点に7本置鍼。その後、右足首狙いで4本置鍼すると、右足首の痛みが随分なくなりました。後は、右足首の患部に対応する右手首の圧痛点を探します。見つかった右手首の圧痛点にお灸を13壮。改めて言います・・・・足首痛は、手首で治す・・です。

お灸施術を終えた後、指先を同じ治療点に添えて、野口整体のような「気を通す」施術を行い終了です。後日、A君のお父さんが来られ、

「家内が驚いていました・・・・翌日から、普通に走っていましたから。」

若いエネルギーは、素晴らしい!