肉離れ

 

6月半ばに左大腿部(表側の大腿四頭筋)を肉離れした10才代の男性患者A君。1ヶ月半たち、来院されました。連日猛暑が続くので、我が師匠・今昭宏先生直伝の、氷水操法を行うことにしました。あらかじめ用意していた氷水を直接、左大腿部に当てます。

「どうですか?」

「気持ちいいです。」

もうこれだけで、カラダが満足しています。連日の猛暑には氷が一番です。

『気持ちいい→冷たいだけ』を目安に、氷水を当てます。その後、いつものように膝診をして、膝の圧痛、硬結を頭の置鍼6本で取っていきます。これは、基礎治療といって、背骨(頸椎、胸椎、腰椎、仙骨)を整えて、自律神経を正します。そして、これから左大腿部の治療となります。側頭部、後頭部、頭頂部に合計5本。

「これでどうですか?」

「全然楽です!・・・・・可動域が増えてカカトがお尻に、かんたんに着きます・・凄い!」

「それは、良かった!」

「実は、右肩も痛いんですけど、診てもらえませんか?」

「いいですよ!」        (つづく)

腰椎分離症

 

腰椎分離症で、3ヶ月静養が必要とされた高校生A君。1週間前から通院して、今回で4回目です。最初の2回は、左腰痛に対応する、左肩甲骨周辺の圧痛点に、置鍼する治療を中心に行いました。治療で痛みがなくなるのですが、翌日は痛みが再発するということが続きました。

そこで、3日目は全く違う治療をすることにしました。頸椎6番と7番の左側面の圧痛点に中指の指紋がある場所を軽く触れるだけの施術です。治療後の痛みが10→5になったそうです。

「この治療では、翌日がもっと良くなることもあるので、経過を教えてね。」

と、言って3日目の今日を迎えました。

「調子はどう?」

「痛みは全くありません。」

「・・・・うん?どんな感じで?」

「少しずつ、良くなって、今は痛くありません。」

「そしたら、前回と同じ方法でやろう!」

と、頸椎6番と7番の左側面の圧痛点に、中指の指紋がある場所を軽く触れるだけの施術を行いました。A君は、気持ちよさそうに40分ほど眠り、終了となりました。

次回はどうなっているのか楽しみです。

物事は簡単

 

「どうですか?これ(秘密兵器)使いました?」

「全然使わんかった・・・・ボール(硬式野球のボール)で、足ウラゴロゴロだけ。」

と、前回しっかりご指導したつもりだった時間が、音を立てて崩れました。

「今日は、どこが気になります?」

「足(下肢)のここ(太ももの外側)。斜面が急なとこで、作業しよろう?じゃけん、どうしても痛なるんよ。」

「あああ・・・そうじゃね。そしたら、ここ(上腕)をほぐしてみよわい。」

と、いきなり80才代の女性患者Bさんの上腕を押圧。緩みを感じたので、

「これで、どうじゃあろう?」

「・・・・・・どしたん、痛ない。反対の足が痛いだけじゃ。」

それで、反対の上腕をほぐし、

「これで、どうじゃあろう?」

「・・・先生、楽(らく)い、楽いわい!」

と、太ももの外側の痛みか無くなりました。結構物事は、簡単なのです。

安保徹先生がパーキンソン病を説明

東京医療専門学校で3年間東洋医学も西洋医学も学んだのですが、西洋医学的にみて、数多くの病気が原因不明であることに驚きます。そのため、症状を軽減することが治療となることが多いのです。前回書いたパーキンソン病も原因不明と学びましたが、パーキンソン病に関して、安保徹先生が下記の通り述べておられます。

『白血球の自律神経支配の法則から考えると、特別な病気ではありません。過労や心の悩み、薬の使用などのストレスから来る自律神経の乱れです。長期にわたるストレスは、交感神経の緊張が慢性化し、血管が締めつけられ血流が悪くなります。脳への血流が悪くなり、しかも黒質組織は神経細胞の中でも特に豊富な血液が必要なため、真っ先に悪影響を受けてしまいます。中年期以降の人は脳の動脈硬化が進むため、スムーズに血液が流れていきません。

その上、増加した顆粒球が活性酸素を放出し黒質の変性にかかわっていると思います。患者さんの様子を観察すると、一途に頑張る人が多く、無理をしてストレスを抱え続け、慢性的な交感神経緊張状態によって病気を発病させていると考えられます。』

秘密兵器

 

「今日も、右肩が痛い?」

「そうなんよ、先生。仕事(みかんの摘果)したら、やっぱり痛なるんよ・・・・これは、長年の積み重ねじゃけんなあ。ほじゃけど、指先のしびれは治った。」

「それは、良かった。やっぱり、少しずつ効きよるんじゃなあ~・・・・・・そしたら・・・右肩を上にして、横向きになってもらいましょう。」

と、いつものように80才代の女性患者Bさんの右臀部を押圧していきます。『セルフケアの方法をお教えしないといかんなあ』と思い、周囲を見ると古びたゴム製の「肩たたき」が転がっていました。この「肩たたき」は頭を上下に振るような動きで、程よい圧がかかります。早速Bさんの臀部をたたきます。

「これ、どうですか?」

「気持ちいい・・・・これじゃったら、自分で出来らい!」

「そうじゃろ?毎日やってみてください・・・・気持ち良かったらええんじゃけん。」

と、毎日のセルフケアをお勧めしました・・・もしかして、秘密兵器かも?

胆経(たんけい)というツボの流れ

 

左肩が痛い20才代の男性患者Aさん。今日はいきなりベッドで左肩を上にして横向きになってもらい、左腰から左足にかけて鍼を刺し、しばらく鍼を上下に動かし(雀啄=じゃくたく=スズメがエサをつつきながら食べる様子)、あとは、刺したまま20~30分休んでもらいました。結論から言えば、これでスッカリ良くなりました。

左小指を良く使うAさんにとって、左足の小指から腰にかけて負荷が同様にかかっています。この左足小指側のツボの流れを、胆経(たんけい)といいます。この流れの中で、Aさんが、痛みを感じたツボに鍼を刺しただけです。

次回では、腸骨の前面にある五枢(ごすう)、維道(いどう)というツボに挑戦してみます。きっと、良い成果が出るでしょう・・・・・カンです。

腰背部は肩で治す

 

20才代の男性患者Bさん、右腰背部に張りと痛みがあります。バレーボールを趣味にしており、右利きでジャンプして右腕を振り下ろす動作を頻回にしているはずです。そこで、私がBさんの後頭部を手で軽く押さえ、ゆっくりとおじぎをするポーズをとってもらいます。

「これで、どこか痛いところありますか?」

「ここ(肩)が痛いです。」

「ううん・・・そしたら、ここ(肩)を押しますね。」

と、おへそを中心として、腰背部と対角に位置する肩の圧痛点に、指圧のような筋膜剥(は)がしをします。

「これでどうですか?」

「・・・あれ!良くなってます。」

もう一度、Bさんの後頭部を手で軽く押さえ、ゆっくりとおじぎをするポーズをとってもらいます。

「これで、痛いところありますか?」

「・・・今度は、左の肩の方が痛みます。」

「左も使っているから、痛みが出てきて当然ですよね。」

今度は、左肩の圧痛点の筋膜を剥がします。ついでに右肩も・・・・

「これで、どうですか?」

「全然痛くないです。」

で、終了。

腰痛は首で治す

。。。。。。

1週間前から腰痛の40才代女性患者Cさん。2ヶ月前から来院され、徐々に体調も良くなっておられます。そこで、鍼をどこに刺す?

「首の根本あたりが痛くて・・・__」

Cさんの訴えに耳を傾けます。そこは、山元式新頭鍼療法(YNSA)では、腰椎の治療点になります。そこで首の根本に刺鍼。

「これで、どうですか?」

「・・・・痛くない!」

となり、治療終了となりました。

これで感じたのは、腰痛でいつも気になる仙骨と、対応する背骨の部位。これで分かりました、頚椎7番、胸椎1番あたりの圧痛点です。明日からやってみます。

よく分からないと思いますが、あえて書いてみました。

 

肘痛にお灸

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最近は、中学生の野球選手を診る機会が増えました。私が中学生の頃とは全く野球のレベルが違い、硬式ボールを使用したシニアリーグ、ボーイズリーグが人気のようです。それぞれのリーグを勝ち進めば、全国大会にも出場出来るそうです。

そんな大会の最中に、エースピッチャーA君が3度目の来院です。

2試合に投げ(救援の投手として)、投げ終えると痛みが肘全体にあったのが、2度の治療で肘頭の1点のみの痛みになりました。

肘頭(ひじがしら)は、尺骨の出っ張りです。これに対応するのが下肢の腓骨頭です。

そこにある圧痛点に30壮のお灸をするだけの治療をしました。すると、来院した時の痛みが10で、全く痛みがないのが0とすると、3くらいの痛みになりました。

お灸のいいところは、お灸をしながら会話が出来ることです。同行されたお母様との会話が弾み、楽しい時間を過ごすことが出来ました。A君には、無理をしない程度で頑張ってもらいたいです。

指を触れるだけ

「先生、おかげさまで足(膝下の外側)が、痛うてたまらんかったのが、なくなりました。」

「それは良かった!肩の痛みはどうですか。」

「まだここ(肩の前部)が痛いけど・・・・ようなって、右手を使い過ぎるけんじゃろか?」

「どうしたら痛なるん?」

「あのな、こうして横に伸ばすと痛いんよ。」

と、右腕を後方に伸ばすと痛みが走るようです。80才代の女性患者Aさんは、農作業が好きなので少し無理をしてしまいます。そこで、足に17壮のお灸を行い自律神経を整えて、右肩を上にして横向きになってもらいます。Aさんは、三角筋の前側が痛いので腰の前部圧痛点を押圧すれば良くなります。しっかり押圧すると、

「これで、どうですか?」

「・・・・先生、だいぶ良うなった・・・・まだ、ちょっと残っとる。」

そこで、腰の最も痛い部分に軽く中指を触れるだけの操法をすることにしました。

「腰に軽く触れるけんね・・・・これだけで、良うなるんよ。鍼灸師になる前は、こんなことしよったんよ。」

5~6分触れて、

「これで、どうですか?」

「・・・・全然痛ない!」

ということで治療終了となりました。