マノスへの姿勢

 

「自分でお灸をするのと、ここ(鍼灸院)でお灸を受けるのとでは、効果が違う。」

施術をしている時、60才代の男性患者Bさんが突然おっしゃたのです。Bさんは、今年1月には膝の手術を予定していたのですが、4ヶ月の通院で、膝が回復し正座ができるようになりました。そして、熱心に自宅でもお灸をご自身でされています。ところが、効果が違う・・・・なぜなのでしょう?多分、多分ですよ・・・姿勢が違うと効果が違うはずです。

 

自宅でお灸を足にする場合、片足あぐらにして、かがみ込んでお灸をします。この時点で無理な姿勢になっています。魂合気の創始者、大野朝行先生の唱えられるマノスへ(自然摂理に沿った姿勢)の状態で施術を受けると、気や血の流れが良くなり効果が上がるはずです。今回は、座いすに座ったままで、マノスへの姿勢をとって施術を受けるようにお願いし、お灸のみ足の1点に25壮ほどして終了。

「・・・・皿(膝の)が動きよる・・・・ちょっと、かゆい感じ。」

「・・・膝の内側が温もってきた・・・そこと、膝は確実につながっとる。」

足に見つけた治療点は、お灸が最も効果的なようです。もうこの治療点は間違いありません。それを実証するだけの症例を沢山作りたいと思っています。

阿南市に四国89ヶ所の霊場

 

徳島県の阿南市が主催するイベントで第15回西日本生涯還暦野球大会が、先日開催されました。阿南市役所には「野球のまち推進課」が全国に先立てて設置され、野球で地域越しをしています。西日本の32チームが招待され、5ブロックに分かれ優勝チームが5チーム生まれる大会です。70才代の男性患者Bさんのチームは、そこで5連勝し優勝したそうです。四国88ヶ所に1つ付け足しして四国89ヶ所を89(や+きゅう)霊場を阿南市に設置(スポーツ評論家、二宮清純氏の提案だそうです)。60才以上のチヤガールズも出て来て楽しいイベントです。

Bさんは、この大会に間に合わせようと2週間前から右肩の治療に来られていたのですが、2回の治療で何とか間に合いました。レギュラースタメンで毎試合出て、活躍されていました。何とBさんは、スポーツ紙に負けない立派な「手作り新聞」を作って成績を残しておられました。こうやって、成績が残ると俄然やる気になるものです。もちろん、この新聞はメンバーみんなが読む事になるのですから・・・・・来年から、参加してみよう・・・などと思ってしまいます(私も2回ほど練習に参加したことは、あるのです)。

さて、本日のBさん、自律神経を整える基礎治療で、鍼4本を頭に刺し、首診をして内臓を整える応用治療には、3壮のお灸を足にして終了。後は、右肩の治療です。足に見つけた治療点にお灸をしていきました。紫雲膏をたっぷり盛ったうえに、艾炷(がいしゅ=円錐形のモグサ)を置き火を着けるのですが、Bさんはほとんど熱を感じなかったそうです。それでも、右肩は良くなっていきました。下記が、Bさんの言葉です。

1壮:「朝起きた時よりも、可動域はふえた。」

2壮:「肩・・・あんまり痛くない。」

3壮:「前より(痛みが)多少減った。」

4壮:「違和感があるが、(痛った!)ちゅうのは無い。」

5壮:「違和感がだいぶ減っとる。」

6壮:「痛み、違和感がない・・・可動域が増えとる。」

最後にパイオネックス(円皮鍼)を治療点に張って終了しました。次回の治療は、1週間後です。またご報告します!

大海原

自己免疫疾患があり、当初は週に1回のペースで来院されていた40才代の女性患者Aさん、

最近は月に1回の来院です。前回のお灸治療が気持ち良かったので、基礎治療(自律神経を整える)は、頭に置鍼し、内臓を整える応用治療はお灸をする事になりました。

合谷診:左(左上腕診、左膝診をします)

上腕診:頚椎、胸椎、腰椎、大脳

膝診:頚椎#2(2)、胸椎#4(1)、腰椎#4(1)、大脳(0)、小脳(0)

(   )内は置鍼の数。

首診:左腎(灸2壮)、左大腸(灸5壮)、左三焦(灸3壮)、左脾(灸2壮)、右膀胱(灸5壮)、右大腸(灸3壮)、右胃(灸4壮)

Aさんは、4本の置鍼でその即効性を体感された後、お灸で徐々にカラダがほぐれていくのを体感出来るので、ちょっとリッチな感じのようです。しかも、紫雲膏を皮膚にたっぷり盛って、やや大きめの艾炷(がいしゅ=円柱形のモグサ)に火をつけても熱くないのにAさんビックリ。この灸なら、患者さん本人ができるので、その簡単な方法をお教え出来るようにしたいと思います。

来院した時、肩がパンパンに張っていたのですが、足のお灸で徐々に肩が温かくなり、緩んできました。また、張っていた腰も長時間座っていても気にならなくなりました。お灸をしながらの治療の良いところは、心地よい会話が出来、心が和(なご)むことにあります。Aさんは好きなスピッツの曲を聴きながら時に、小声で歌って楽しい過ごされました。

また新たな足の治療点が見つかりそうな気配・・・・足だけで、大海原を航海しているような感覚になります。これからも、もっと楽しみたいと思っています。

1本の置鍼で良くなった

 

以前、60才代の男性患者Aさんで、10年前、犬の散歩中に左膝が抜けるような感覚になり、しかも野球でキャッチャーをして悪化させ、今年1月に手術の予定があったにもかかわらず、当院に通院され回復し、主治医の先生に手術の必要がないといわれたことを紹介しました。その後の経過をご報告します。

「いや~、膝に痛みが出ても、自分で治せるようになったのが、本当に不思議。」

来院されるや否や、嬉しそうに話してくれました。Aさんは耳の後ろや、眉毛の上にある治療点を刺激してご自身で治療しています。とにかく、5月末からの野球練習開始を目標に掲げての通院ですから力が入ります。

「最初は、半信半疑じゃったろう?」

「そうよ、半信半疑・・・〇〇君(同じ野球チームの後輩)なんか、治っているけど、治療中は半信半疑じゃった言よったよ。」

〇〇さんは3回の治療で良くなった方です。おかげでこの野球チームからの患者さんが増え始めているのは、ありがたい限りです。

合谷診:左(左の上腕診、膝診を行います)

上腕診:なし

膝診:左頚椎#5、#6、#7(0)、左胸椎#1、#2(1)、#8(0)、左脳幹(0)、

首診:右大腸(0)、左肝(0)、左心包(0)、左大腸(0)

(   )内は置鍼の数。

今回は、たった1本の置鍼で全ての圧痛点が消滅しました。こんな事は初めてです・・・・少し腕が上がって来たのかも知れません・・・とにかく、後は左膝の治療点に2ヶ所置鍼して鍼治療は終了。次は、見つけた足の治療点に紫雲膏灸(紫雲膏をたっぷり塗ったところに、灸を据える痛くない灸治療)をすることにしました。すると、

「膝の内側に熱が来た。」

「膝の皿全体が動く感じ。」

などと、教えてくれました。この証言は、膝の治療点を証明してくれていると思います。このような事例を数多く集めていきたいと思っています。これからも、益々楽しい治療家人生を歩んでいきます!

セルフケア

 

「鍼とお灸はどちらが好きですか?」

「鍼です!」

と間髪入れず返事が返ってくる70才代の女性患者Aさん。鍼だけで治療することにしました。目の奥、こめかみ、後頭部、右肩、腰に痛みがあります。こういう場合も自律神経を整えたあと、内臓を整えてからAさんの訴えている箇所の治療をします。

合谷診:右(右上腕診、右膝診をする)

上腕診:右頚椎、右胸椎、右腰椎(1)、右脳幹(0)

膝診:右頚椎#1、#2(1)、#6(1)、右胸椎#1、#2(1)、#9~#12(1)、右脳幹(0)

首診:右膀胱(1)、右肝(0)、右胆(1)、右脾(0)、右小腸(0)、右肺(1)、左腎(3)、左肝(1)、左胆(1)、左三焦(1)、左胃(1)、左脾(1)、左小腸(0)  (   )内の数字は置鍼の数。

上記の治療で、こめかみ、後頭部の痛みはなくなりましたが右肩と左目に痛みが残ります。そこで、おでこにあるそれぞれの治療点に、1本ずつ置鍼すると痛みがなくなりました。残る腰痛の治療点(耳ウラ)に2本置鍼。

「あっスッとしてきました。」

随分良くなったようなので、治療終了となりました。後は、

「OKグーグル、タイマー30分お願いします。」

と、置鍼してから30分Aさんにゆっくりしてもらうだけです。私は、Aさんが来院される前にベッドで自力自療の操体法をしていたので、その続きをしたくなり、

「ちょっと、これから体操しますね・・・・」

「・・・はい、どうぞ・・・あのう、見ても良いですか・・・・写真撮っても良いですか?」

「はい、いいですよ!」

ベッドで仰向けになり下肢をゆっくり捻(ひね)ったり、手首をゆっくり回して首肩の連動をうながしたり・・・・

「バシッ・・・・バシッ」

シャッターの音を聞きながら14~5分やったでしょうか・・・・普段のセルフケアを患者さんに見ていただくのは、良いことだと思い、今後は、積極的に見ていただくことにしよう!などと考たのでした。

肩痛はお尻で取る

 

50才代の男性患者Cさん、10年前に頚椎ヘルニアを鍼治療で治してからは、調子が良かったのですが、半年前から左腕が上がり難くなり、指先にしびれがあります。Cさんは、今回で3回目の治療ですが、順調に良くなって完治しました。野球チームの主力選手なので、チームに貢献出来て本当に良かったです。

合谷診:右(右上腕診、右膝診を行います)

上腕診:右頚椎

膝診:右頚椎#4、#7(1)、右胸椎#1、#2(1)、#10(1)、右腰椎#3、#4、#6(0)

首診:右腎(0)、右膀胱(1)、左心包(1)、左心(0)、左大腸(0)、左三焦(2)、左胃(1)、左脾(2)

(   )内は置鍼の数

1回目の治療で左肩の三角筋が良くなりましたが、まだ指先に痺れは残っています。2回目の治療で痛みがもっと軽減しました。3回目で来られた時は、左肩を回すとまだ引かかる感じと指先の痺れがありました。上記の基礎、応用治療で自律神経、内臓を整えたあと、おでこにあるB点C点に置鍼すると、肩の引かかりと指先の痺れが軽減しました。まだ三角筋に腕を回すと引かかりがあるので、お尻の大臀筋、中臀筋、小臀筋をほぐすことにしました。

Cさんは、野球チームの主力選手。硬式ボールには親しみを持っているので、そのボールを2個お尻に当てて仰向きになってもらいました。後は、Cさんに10~15分ユラユラ動いてもらい、気持ち良い時間を過ごしてもらいます。

「どうですか?腕回してみて・・・」

「・・・・・良いですね・・・ほとんど、引かからない。」

しばらくして

「今度はどうですか?」

「・・・・・良いですね・・・・・大丈夫・・・・・指先の痺れも取れました。」

ということで、本日治療終了となりました。肩の痛みはお尻で取れるのです。

ソケイ部の治療点

30才代の女性患者Bさん。中腰になったり、凝視する作業が多いため目が疲れ、肩こりとソケイ部に痛みがあります。4月から新しい職場に入ったため、多少ストレスがあるのかもしれません。

今月来られる患者さんの中には、新しい職場でのストレスで体調を崩す方が数名おられます。また、気温差にカラダがついて行けず不調を訴える方もおられます。さてBさん、いつものように合谷診から始めます。

合谷診:右(右上腕診、右膝診を行います)

上腕診:右頚椎、右腰椎

膝診:右頚椎#4、#6、#7(1)、右胸椎#1~5、右#8(1)、右脳幹(0)

首診:右腎(1)、右膀胱(0)、右肝(1)、右大腸(1)、右三焦(1)、右胃(1)、右脾(0)

左膀胱(1)、左肝(0)、左胆(1)、左心包(1)、左大腸(1)、左三焦(1)  (  )内は置鍼の数

首診により六臓六腑の状態を把握して、頭の治療点に置鍼をするため、首が緩み肩こりが解消する事が非常に多くあります。Bさんもこの置鍼で肩が軽くなりました。山元式新頭鍼療法(YNSA)は、頭に置鍼するだけで目がスッキリしたり、視力が上がったりすることもありますが、Bさんには、念のため目の治療点に置鍼しました。後は、ソケイ部です。見つけている足の治療点には、ソケイ部はありません・・・・こういう時こそ、発見のチャンスです・・・・で、見つけました!

これは、Bさんだけに当てはまることかもしれません。今度、ソケイ部が痛い患者さんが来られた時、試してみたいと思います・・・楽しみです。

追加:紫雲膏を耳かきで、すくい上げて治療点に置き、やや大きな艾炷(がいしゅ)に火をつけても、ほとんど痛み、熱さを感じないのですが、効果があります。紫雲膏と灸というテーマでインターネットを検索してみると、越石先生が紫雲膏灸という論文を出しておられました。紫雲膏灸は、施灸最高温度が40°C前後のため、快適なのだそうです。この灸はお灸の普及には最適だと思います。

気持ち良くしてあげる

 

3ヶ月ぶりに来院の60才代男性患者Aさん。

「硬球5個で毎日カラダほぐしよるけん、調子良かったんじゃけど・・・・最近、仕事頑張りすぎて・・・来たんです。」

確かに硬式を購入した患者さんが、来院していない事実があります。それほど、硬式ボールは効果があります・・・・経営的には、ちょっと寂しいのですが、当院は健康になっていただく場所ですから、これでいいのです。Aさんは屋根に上がって瓦を直す職人さんなので、局所に痛みが出るようです。写真で分かるように肘、膝、足首などの関節と頭頂部、腰部に痛みがあります。

合谷診:左(左上腕診、左膝診を行います)

上腕診:左頚椎(1)、左胸椎(0)、左腰椎(1)、脳幹(1)、大脳(0)、小脳(0)

膝診:左頚椎#1、#2(1)、左胸椎#12(1)、

首診:右膀胱(1)、右肝(0)、右胆(1)、右心包(0)、右心(0)、右大腸(1)、右三焦(1)、右胃(1)、右脾(1)、右小腸(0)、左膀胱(1)、左大腸(1)、左三焦(1)、左脾(1)、左小腸(0)、( )内は置鍼の数。

Aさんは、感覚が鋭く反応が早いので、治療していて楽しくなります。

「先生、そこ電気が走った・・・・あれ?肩(三角筋前部繊維)がフニャフニャになった。」

「鎖骨に来た・・・・・鼻がぬける!」

「そこじゃ(おでこ)・・・・仕事中に痛なったところじゃ!」

「ひどいな~そこ(膝ウラ)もう、フワフワじゃ」

などと実況中継してくれるので、嬉しいのです。素直にご自身の感覚を言葉に出せるのは、一つの才能です。私にもこのような素直な感覚があれば・・・・と羨(うらや)ましくなります。ニューヨークでナムジュンパイクという天才アーティストのアシスタントをしていた時、

「佐伯さん、素晴らしい!天才!天才!」

と良くいわれていました。天才に天才と言われるのですから、嬉しくなってしっかり働いたものです。人を気持ち良くしてあげる・・・・これが全てなのかもしれません。Aさんは、その事をしっかり身に付けておられるようです。毎回、患者さんから学んでばかり・・・良い仕事についたものです。

さてAさん、足首以外は鍼治療で良くなりました。足首痛は、足にみつけた治療点に紫雲膏をしっかり盛って、やや大きめの艾炷(がいしゅ)を置いて火をつけるのですが、これは殆ど熱さが伝わりません。それでも、良くなります。そのため、鍼が嫌いな人には足のお灸だけで鍼治療をしない事もあります。Aさんの場合は、8壮の熱くない灸で両足首痛が治りました。ちょっと面白い可能性を感じています。

鍼の重み

60才代の男性患者Aさん。10年前、犬の散歩中に左膝が抜けるような感覚になり、しかも野球でキャッチーをして膝を痛めてしまいました。昨年末から、膝にヒアルロン酸を注射して一時しのぎをしていましたが、ついに手術の予定日が決まりました。しかし、私の友人の紹介により、Aさんが通院され始め徐々に回復し、ついには手術をしなくても良くなりました。2ヶ月で12回の通院、今回の様子をご紹介します。

「前回の治療で調子よく帰ったんじゃけど、車から降りたとたん、左膝の内側が痛くなって・・・そして、翌日朝起きたら治っとたんよ。どしたんじゃろか?その後は、ずうっと調子がええんよ。」

「どうしたんじゃろ・・・・よう分からんね・・・」

前回の治療では、膝の外側を中心に治療をしたため、本来あった内側の痛みが出てきた可能性がありますが、翌日にすっかり治るのがよく分かりません。いずれにせよ、初期治療では、2日間痛みがなく3日目で痛み始めるパターンでしたが、今回は1週間痛みが出ませんでした。野球好きのAさん、5月末からの練習再開を目標にしていますが、かなり現実的になってきました。

合谷診:左(左上腕診、左膝診を行う)

上腕診:圧痛点無し

膝診:左頚椎#7、左胸椎#1、#2、#3、左腰椎#5、#6

首診:右大腸、右三焦、右脾、左三焦、左脾

上記に5本の置鍼で圧痛点消滅。左膝の治療点(G点)→耳ウラにあります・・・ここに2本置鍼して鍼治療は、終了。

最近、私の鍼に変化が生まれました。埼玉県におられる合気道とカタカムナ文字を融合された先生のセミナーを受けてから、1本の鍼に重さが生まれたようです。患者さんにとっては痛みが増しますが、その分本数が少なくなる傾向があるようです。今回も12ヶ所の圧痛点に対して5本の鍼で済みました。

また置鍼中、足に見つけた膝の治療点に紫雲膏をたっぷり塗った間接灸を7壯施術。これはやんわりと温かい感じがするだけですが、よく効きます。鍼が怖い患者さんには、これだけでいいと考えています。今後の展開が楽しみです。

お灸で膝が良くなった!

 

整形外科では、左膝の手術を予定していた60才代の男性患者Dさん、当院に2ヶ月前から週1回のペースで通われ手術をしなくてもよくなりました(最近、医師に診てもらい、膝の可動域が広がったので手術の必要がないと言われたそうです)。1回目の治療で膝ウラのシコリが消えたので、確かな手ごたえがありました。治療後、2日間は痛みが全くないのですが、3日目から膝の痛みが再発する状態が続いていました。今回は3日間痛みがないので芝刈りをしていたところ、左膝を捻(ひね)り以前の様な痛みが戻ってしまいました。

そこでDさんは、耳ウラの膝治療点(G点)を刺激し、肘と足の治療点にお灸をしたところ、随分回復したそうです。Dさんには、お灸でセルフケアする様に伝えており、その事が身についているのが嬉しくなりました。

「Dさん、それはえらい!大したもんじゃわい。」

と言って、いつもの様に治療を始めました。

合谷診:左→左の上腕診、膝診を行う

上腕診:左頚椎

膝診:左頚椎#2、#3、左胸椎#1、#2、左腰椎#1、左大脳

首診:圧痛点なし

4本の置鍼。

上記の基礎治療の後、耳ウラのG点に2本置鍼すると、膝痛は無くなりました。これで、治療を終了してもいいのですが、置鍼30分の間に見つけた膝の治療点にお灸をすることにしました。繊細な感覚をしているDさんは、カラダの微妙な変化を教えてくれます。最近の試みで、治療点に紫雲膏をたっぷりつけ、やや大きめのお灸をするようにした間接灸(じかに皮膚を焼かない灸)の治療をしています。そのため、灸の熱をDさんは感じない時もあるのですが、

「・・・・あれ?膝のここんとこが、温なった。」

「・・・・微妙に膝が動きよるのが、分かる。」

「紫雲膏をつけただけでも、膝が動いた!」

などと、実況中継をしてくれます。この熱くない灸治療は、繊細な感覚を持っている患者さんだけに効くのかどうか、症例を数多く作っていかなければならないようです。とかく、鍼(はり)は、怖い、灸は熱すぎるといって毛嫌いする人が多いのですが、明治時代になるまでは、鍼灸、漢方薬が日本の医療として発展していたのです。我々鍼灸師は効果、有効性をしっかり分かりやすく紹介する必要があるようです。