2007年、山元敏勝先生がサンパウロでブラジル医師にセミナーを開いた映像を紹介します。
53才女性(Aさんと呼ぶことにします)、2年前から右肩の痛みと痺れを感じるようになりました。そしてその年の6月から痛みが激しくなり、右上半身が動かなくなり、感覚もなくなりました。顔もシビレ始め、顔の感覚もなくなりました。その後、右半身がシビレ歩行困難。
山元先生の前で、イスに腰掛けていますが、右腕、右足が全く動きません。
そこで山元先生、合谷診(人差し指と親指の間の触診)。右側が触れると痛いそうです(そのため、今回は右側のみの治療となりました)。
次に山元先生はAさんの前面に立ち、首診。左右の胸鎖乳突筋と鎖骨の間(腎の診断点)に触れ、右側が硬くて痛いことを確認します。その後、右側の首の診察点を、触診。
小腸、肺、膀胱以外は、全て圧痛点があります。
「さあ、これから普通のやり方で治療します。」
と山元先生が、
①1番脳神経(臭神経と腎臓に関連しています)ねらいで、オデコ中央部の生え際に置鍼。
②腰椎ねらいで、右耳の前やや上に置鍼。
③頸椎ねらいで、オデコ中央部の生え際に置鍼。
④脳(多分大脳だと思います)ねらいで、オデコ中央部生え際のやや上に置鍼。
首診察で右首中央部の胆の圧痛点をしっかり確認されて、
⑤11脳神経(胆)ねらいで、頭頂部に置鍼。
その後、診断点(大腸、三焦=消化器、胃、脾)が柔らかくなったのを確認され、
「手を動かしてごらん?」
今まで、全く動かなかった右手が、動き始めました。そして、右足がスムーズに動きました。
山元先生は、Aさんに足を上げる時、痛い個所を聞いておられます。Aさんは、右股関節を指差しました。その後、腕を上げる時の痛い個所をAさんに伺います。すると、
「ここ(肩甲骨)!」
「あ〜あ」
山元先生は、小腸経のツボの流れを感じられたのだと思います。小腸経は、肩甲骨から頸椎7番を流れるため、山元先生は、首の小腸点の圧痛点を確認され、頸椎7番と胸椎1番の間の圧痛点に置鍼されます。ここに、置鍼された理由は、もう一つあるように思います。
それは、山元式頸椎/胸椎ソマトトープ(小さな人型)。これは、背中に逆さまの人型が2人(写真参照してください)の上の人型の頸椎7番と胸椎1番の間は、股関節に当たります。Aさんの足が動いた時、山元先生は、Aさんに痛い個所を聞き、Aさんは股関節を指差しました。その時、山元先生は右手をしっかり上げられました。「分かった。」という感じでした。
つまり、左半身の上半身、下半身の接点が頸椎7番と胸椎1番の間だと確信されたのではないでしょうか・・・・思い込みかも・・・
⑥頸椎7番と胸椎1番の間で、やや右横の圧痛点に置鍼。
これで、右腕の動きが大きくなりました。
⑦山元先生が、もう少し⑥の鍼を深く刺します。
すると、足の動きが大きく楽に。そして、手が軽く動き始め、暗い顔のAさんから、笑顔が見えました。そして、その後は涙が流れ始めました。
⑧山元先生は、胸部ソマトトープ(小さな人型)の頸椎に当たる個所(ネクタイを絞めた時の結びの逆三角形の下の頂点より、少し右の圧痛点)に置鍼。Aさんが苦渋の顔を見せます。ものすごく痛かったそうです。
すると、Aさんの腕が、徐々に上がっていき・・・頭まで到達し、ナデナデ出来ました。すると、出席されている医師から、拍手と感嘆の言葉。ただただ感動です。
30分置鍼の後、鍼を抜くと、Aさんは、自分自身で起き上がりスタスタと、普通に歩いて退出して行かれました。山元先生は・・・・
「おおお〜ナイスオーク(いい歩き)」
治療時間は10分ほどでした。