

3週間前に右肘痛で来院した中学生患者A君。今回は、右肘痛ではなく、バットスイングをすると両手のひらに痛みがあるそうです。そこで、思い出したのは、左右の内踝(うちくるぶし)痛と右膝痛で来院した小学5年生のB君。鍼が怖いB君には、少ない本数で効率よく治療をしなくてはなりません。今回のA君に対しても、B君のような治療が出来ると確信めいたものを感じていました。
内踝の痛いB君には、デルマトーム(皮膚文節)から見た治療点に置鍼しました。デルマトームとは、脊髄から出る左右の頚神経(C)、胸神経(T)、腰神経(L)、仙骨神経(S)の体表における特定の帯状皮膚感覚を担当している区域のことをいいます(写真参照)。B君の場合、L4のデルマトームが膝と内踝になるので、耳の前にあるD点に左右2本置鍼。結果、左右内踝痛と右膝痛がなくなりました。
A君は両手のひらなので、C7になります。A君には、オデコの上にある冠状縫合に見つけた治療点に2本置鍼しました。
「これで、バットを振ってみてください。」
「ちょっと、外に出て振ってみて良いですか?」
と、A君のお父さん。
「はいどうぞ・・・」
2人で看板を照らす光の方へ出かけられました。
「どうだった?」
「痛くないです。」
やはり、若いエネルギーは素晴らしい!もう2本置鍼して終了となりました・・・おしまい。