4種類のモグサ

 

ヨモギを1か月ほど乾燥し、ミキサーで攪拌(かくはん)すると、葉の裏側に生えている腺毛という白い産毛(うぶげ)だけがカタマリとなって残りモグサとなります。この時、ミキサーの攪拌(かくはん)する時間で、モグサの品質が決まります。長時間攪拌すると上質のモグサになります。

今日は、4種類のモグサを作ってみました。これらを患者さんの感性に合わせて、臨機応変に使える灸師になる!・・・・いい目標ができました!

 

一人一人感性が違う

ある患者さんから、「このモグサ(粗悪モグサといい、乾燥したヨモギを一度ミキサーにかけて作ったもの)の方が、火をつけた瞬間から熱が伝わるので、断然いい!」

とアドバイスを受けていたので、紫雲膏を患者さんの皮膚に乗せたところに、粗悪モグサを置き、線香の火をつけていたのです。ところが、先日ある男性患者さんに、7~10回ミキサーで攪拌した上質のモグサで灸治療をしたところ、

「その方が、上品な感じでいいですね。」

と全く違う感想が返ってきました。そこで、今日1年ぶりに来院された女性患者さんに粗悪モグサと上質モグサの灸治療をしてみました。

「どちらの方がいいですか?」

「私は、断然上質モグサの方が、いいです。ふわっとしていて、空気が含まれている様で、熱の伝わり方が早く、そして気持ちいいです。」

との回答が返ってきました。そこで、やっと分かりました。「一人一人、感性が違う」ということを!

そこで、自分自身で体験することにしました・・・・・・どうやら、私も上質モグサの方が、今日はいいようです。しかし、明日は分かりません・・・・しばらく、私への人体実験を続けてみます!

同意書

鍼治療も、保険適用が出来る・・・・こともあります。この場合、患者さんを診ておられる医師の同意書が必要となり、療養費という名目で、施術する鍼灸師が支給を受けることが出来ます。その対象となる疾病は、慢性病で医師による適切な治療手段のないものと、限定されています。具体的には、神経痛、リウマチ、頸腕症候群、五十肩、腰痛症、頸椎捻挫後遺症等があげられています。

そこで、幸運にもその同意書を書いてくださる医師が2名おられ、今回「国保連合会」という公の機関に支給申請書を提出することが出来ました。

事務仕事を不得意とする私が、厚生労働省から渡された難解な書類に挑(いど)み、2回沈没し、今日やっと提出することが出来ました。

公のお金をいただく事が、いかに大変か・・・・よく分かりました。

触覚アート

 

 

私の大学論文は、「触覚アート」でした。もう40数年前のことです。当時の世の中は、コンピュータによるヴィジュアルアートが、沸々と生まれ始めていました。その時点で、「俺はもう、追いていけない!」と観念しました。それでは、どう生き抜くか?

「必ず、触れるという原始感覚が必要となる」という確信がありました。そこで始めたのが木を積み上げる作品。触れると壊れる作品でした。触覚を異常に刺激する作品を作り続けたのですが、これでお金儲けが出来る訳なく・・・・辞めたのです。

それでも、触覚アートにこだわる私。触れることで生命力を引き上げる操体法を学び、頭に鍼を刺す山元式新頭鍼療法を仕事としています。

もう、これは触れるアートだらけなのです。

セルフケア

 

40才代のとき、五十肩になった男性患者Bさん。ステロイド注射あるいは、ヒアルロン酸の注射だったのかも知れませんが、病院の注射で治ったそうです。70才代になったBさん、再び左肩が五十肩になり、病院で注射治療を受けたのですが、今回は治らなくなり、当院の治療を受けることになりました。少しずつ良くなっていますが、まだ完治していません。7本頭に置鍼して、

「どうですか?・・・・・チョットは、可動域が増えて来ました?」

「・・・・・・う~ん、確かに可動域は右と、さほど変わらんようになったけど・・・・肩の中の方が痛い。」

「そしたら、お灸をしましょう。」

と、足に見つけた肩の治療点にお灸をすることに、1ヶ所に4~5壮お灸。

「どうですか・・・肩?」

「・・・・・・あれ?痛くない!先生、そこに印つけといて、お灸そこにするけん。」

「結構、効くでしょう?毎日お灸をやってみてください。」

お灸のいい所は、患者さんご自身がやれるセルフケアにあります。そのため、積極的に灸治療をしているのです。治療家任せにしないで、ご自身の体をいたわりましょう!

若いと治りが早い

「4月に(治療を)してもろてからは、調子ええんよ。今回は息子、腰が痛いゆうんで診てやってや!」

と、親子で来院されました。治療室は、元々待合室だった所。服を着て、イスに座ったままで治療できる山元式新頭鍼療法(YNSA)に変更しため、ベッドが必要なくなり、自然と待合室が治療室となったのです。20才代男性患者Cさんは、治療用の籐回転座イスに座り、お父様は待合室の長イスに座って治療の様子を見学するという格好になりました。

「鍼とかお灸とか、初めてですか?」

「はい、初めてです。」

「そうしたら・・・怖いですか?」

「はい」

「そうですよね・・・しかも、頭に鍼さすんじゃけんね~」

などと話ながら始めました。頸椎から胸椎、腰椎、仙骨にかけての背骨を、頭への置鍼で整えます。5本置鍼して、

「これで、腰どうなっています?」

「・・・・・・あれ?痛くない・・・・・」

と、振り向いて父親を見つめるCさん。様々な動きを試して、少し痛みを感じたようです。そこで、Kソマトトープの腰部(後頭部)に1本置鍼。

「これで、どうですか?」

「・・・・・・痛くない・・・・全然痛くない。」

「これで、いいか・・・・OKグーグル、タイマー30分お願いします・・・・お灸したことあります?」

「いいえ、ありません。」

「そしたら、やってみようか?」

と、お灸の体験をして、終了となりました。若いと治りが早いのです!

方向音痴

 

興居島で本格的に治療する初日にもかかわらず、朝7時25分発のフェリーを7時55分と勘違い!結局8時8分のフェリーで渡ることになりました。朝は、日中より便が多いので、何とか7名の治療をすることが出来ました。

ただ、方向音痴の私にとって、迷路のような小道を歩くのが苦痛です。中々道順を覚えられないのです。グーグルマップでしっかり家の位置とその道順を予習、復習しないと普通の感覚の人には、到底追いつけません・・・・かなり凹むのですが、こういう時は、「あのイチロー選手でも、方向音痴なんだから、ドンマイ、ドンマイ!」

今日は、これから帰って二人の患者さんを診ます。ありがたいことです。前向きに精一杯やろう!

事務処理

 

とにかく、事務処理が苦手・・・口内炎を作るほど、苦手。医師の同意書をいただき、公のお金を戴くとなると、きっちりした事務手続きが必要となります。治療の合間にやりつつ、結局なんとか出来たのが、午後10時30分。これから、食事をしてもう寝ます。

明日の興居島(ごごしま)出張治療、頑張るぞ!

シンクロ

 

60才代の女性患者Bさんに、膝診を行い頭に置鍼(これで、自律神経が整います)。その後、首診を行い、足に見つけた治療点にお灸をしながら雑談。

「先日、夜中の12時ころ突然電話があったんです。大学の友人の画家が、絵を描き終えて、酒飲んで人恋しくなったのかなあ~・・・・佐伯君、あのさ、色々考えたんだけど、佐伯君なら大丈夫か!とね、で、電話したの、元気?・・・・・という会話から始まったの。

まあ~、昔はしょっちゅう、こんなことばっかししてたの!楽しく会話して、いつでも電話かけてね!って終わったの。」

などと話していると、カルテとして使っているIpadに、同じく大学時代を共にした友人からLineを通して、30年以上まえの動画を送ってくれました。シンクロしています。

「えっっ!!!ちょっと待ってください・・・・何?・・・僕が映ってる・・・」

治療中にもかかわらず、ついつい大声を出してしまい、患者さんと一緒に30年以上前の私を覗きこんだのです。

下記が動画付きのメッセージです。

『皆さんご無沙汰しております。

私の知り合いのビデオ編集をしている八木さんが

この度、89年に藤枝の不動峡というところで行われた

岩下徹さんのイベントの記録を、

どこかから引っ張り出してきて編集してくれました。

なんとびっくりしたのは、3:55ぐらいのところから

黄色いTシャツを着た佐伯さんが

即興の貼り絵アート画を制作している模様が映ってます。

いやあ、みんなわかかったなあ!』