40年前、木霊療法と呼ばれた積み木(その1)
今から、40年程前、私は突然「積み木」というアート活動を始めました。今では、その場限りのアートをインスタレーションという専門用語で説明できますが、当時はその様な用語が存在しておらず、
「あんた、どんな芸術やってんの?」
「木を積み上げる・・・まあ~、積み木の様な・・・」
と、説明に戸惑いながらも、自らの作品に自信を持っていました。そんな折、大佛次郎賞作家で精神科医のA先生が、私の作品をヒントに「木霊療法」と称して、とある精神病院でイベントをしたのです。たまたま、イベントの様子をビデオで見ることが出来たのですが・・・
「オレのやってる積み木は、こんなもんじゃない!この病院でやってやる!」
と若気の至り。
ついには、この病院で作品を作ることになりました。積み木の群れの様な写真が、その時の様子です。その結果、作品を気に入って下さった院長の御尽力により、私は、その精神病院で働く事になったのです。しかも、院長直属の芸術療法科に1人勤務。
(つづく)