嚥下障害

 

「この年になったら、ご飯がノドを通らなくなって、息が出来なくて大変な目に会うことがあるんです。」

90才代の女性患者Aさん、いわゆる嚥下障害です。

Aさんは、一人暮らしのご高齢ですが、料理が得意で毎日の食事が一番の楽しみです。私にも様々な料理方法を教えてくれます。今回は、嚥下障害の治し方を教えてくれました。

「テレビで、2つの治し方を知ったんです。一つは、笛みたいな伸びる風船があるでしょう?あれを10回吹いて胸の筋肉を使うんです。もう一つは、水を入れたペットボトルにストローを入れて、10回ブクブクさせるんです。」

「なるほど。」

「これを台所のテーブルに置いて、食事前にやってるので、今は楽に食べられます。若い頃は、バレーボール、踊り、カラオケなどで動き回っていたけど・・・・若い時のように動けなくなっても、これくらいは出来るのでやってます。」

嚥下障害のトレーニングだけでなく、人生訓を学んでいます。

追伸:呼吸筋のコピペです。

『呼吸筋とは

肺は自ら広がったり、縮んだりすることはできません。肺の周りの筋肉(横隔膜・内外肋間筋・胸鎖乳突筋・斜角筋・腹直筋・腹斜筋など)がはたらくことで肺が広がったり縮んだりします。これが呼吸です。
呼吸に使われる筋肉(呼吸筋)は、主にお腹の中にある横隔膜と肋骨の間にある肋間筋です。横隔膜が縮むと胸腔が広がり、肺の中に空気が入って息を吸うことができます(吸気)。反対に横隔膜が緩んで風船がしぼむように胸腔が縮むと、肺の中の空気が押し出され息を吐くことができます(呼気)。特に、息を吸い込むときの最大の筋肉である横隔膜を鍛えることで呼吸筋が強化されます。』

Aさんは、空気を吸い込むことで、横隔膜をしっかり鍛えていたのです。