「先生、治療受けて次の日が調子良かろう、それで頑張って仕事するじゃろ?それからまた、肩が痛なるんよ。」
「あれ、硬式ボール使うた?」
硬式ボールを使ってセルフケアする方法をお教えして、硬式ボールを1週間お貸ししたのですが・・・・
「それがなあ~、せんかった。」
「それじゃあ、ようならんがね。そしたら、今日は練習しよう!やり方をお教えするけんね。」
と、80才代の女性患者Aさんに、再び前回と同じ治療することにしました。Aさんには右側を上にして横向きになってもらいます。下になった脚を真っ直ぐにしてもらい、上の脚を90度に曲げてもらいます。
すると、右腰部が「しっかり押圧してください」という格好になってくれます。腰は、表層部から深層部に大臀筋、中臀筋、小臀筋があります。これらの筋肉が肩にある三角筋の後部繊維、中部繊維、前部繊維に対応します。
具体的にいうと、肩の前側が痛いと、腰の小臀筋にある圧痛点を押圧すると、肩の前側の痛みがなくなります。もう少し具体的にいうと、横向きになった右腰のテッペン(大転子といいます)と骨盤の前側の上にある出っ張り(上前腸骨棘といいます)の中間にある圧痛点(居髎=キョリョウといいます)を押圧すると、肩前側の痛みがなくなります。こんな感じで、臀圧(デンアツ)、環跳(カンチョウ)、ついでに「気をつけ」の格好をして、中指の先があたる太ももの横側(風市=フウシといいます)に押圧。
Aさんには、畳に置いた硬式ボールの上にお尻を当て、仰向けになってもらい「痛気持ちいい」状態を作ってもらいます。「痛気持ちいい」ところがそれぞれのツボになっています。
「先生、これは気持ちええ。」
「そうじゃろ?気持ち良かったら続けられるけん。ゆっくり味合っとるのが治療じゃけん・・・・・・気持ちいいのがお薬なんよ。」
さて、来週はどうなっているのでしょう?楽しみです。