宮崎YNSA セミナー(症例8)

車イスに乗って入室された60才代の女性患者Hさん。頚肩腕症候群という比較的軽症のイメージがする病名ですが、今回のセミナーでは、最も重度の患者さんの一人です。そこで、頚肩腕症候群をウィキペディアから、引用してみます。

「広義の頸肩腕症候群は、首(頸部)から肩・腕・背部などにかけての痛み・異常感覚(しびれ感など)を訴える全ての症例を含む[2]。この中で、他の整形外科的疾患(たとえば変形性頸椎症頸椎椎間板ヘルニア胸郭出口症候群など)を除外した、検査などで病因が確定できないものを(狭義の)頸肩腕症候群と呼ぶ。

狭義の頸肩腕症候群は座業労働やストレスを原因とする場合が多い。かつてキーパンチャー病と呼ばれたものもこの一種であり、現在OA病あるいはパソコン症候群と呼ばれる一連の症状もこの範疇に入る[2]。若年層から起こり、男性より女性のほうがかかりやすいとされている。 職業によって罹患した際は、頸肩腕障害と呼応され、比較的軽度の人から重度の人まで幅広い。 

頸肩腕症候群であることではなく、その重症度が問題の疾患である。 

最近の研究で、重症難治化した頸肩腕症候群の多くは線維筋痛症の容態を示すことが多いことも分かってきた。」

これによりますと、頚肩腕症候群とは、原因不明の疾患で、重症度が問題の疾患とあります。Hさんは、線維筋痛症の可能性があります。

ここで、ウィキペディアの線維筋痛症を引用します。

「線維筋痛症(せんいきんつうしょう、: Fibromyalgia, 略:FM)とは、全身に激しい痛みが生じる病気である。英語では、症候群であることを表現して、Fibromyalgia Syndrome:略FMSとも記される[1]。原因不明の全身の疼痛を主症状とする[2]。疼痛は腱付着部炎や筋肉関節などにおよび、体幹四肢から身体全体に激しい疼痛が広がる[3]。新興疾患では無く、以前は「非関節性リウマチ」「心因性リウマチ」「軟部組織性リウマチ」「結合組織炎」「結合組織炎症候群」などと呼ばれていた[1]。」

Hさんの頚肩腕症候群は、原因不明の全身の激しい疼痛を伴う疾患(おそらく線維筋痛症)となります。

「雨が降ると痛い、首が動かせない。吐き気がして・・・・つわりより、ひどい!」

「困りましたね~~」

山元先生は、Hさんのオデコを押圧されます。痛みのため、Hさんは飛び上がるように反射。その後、いきなりオデコに鍼ではなく注射をされます。

「首動かしてごらん・・・右が動くようになった?」

「イエス。」と首を縦にふるHさん。

山元先生は、再びオデコや、側頭部に次々と注射をされます。そのたびにHさんは、

「ひえーーーーーー、イタッーーーーーーー」

と、壮絶な悲鳴をあげ続けます。山元先生の注射の勢いは、とどまるところを知りません。

「肩を押さえて!ここ!」悲鳴を上げながら訴えるHさん。

「こっちもして!」山元先生に指示するHさん。

「あんた、目は?・・・目をあけて!・・・・目があく?」

「耳鳴りがする。」

再び、オデコを中心に次々と注射。

「ひやーーーーーーー」耳のウラに注射。

「来たーーーーーーーーー」左前腕の外側に注射。

Hさん、突然ズボンを下げ、お尻を出します。そこへ、山元先生が注射を2か所。

合計17本の注射をされました。

「ほら、首が回る❗️」

今まで、車イスに座っていたHさん、急にスクッーと立ち上がって首を回してくれました。

『おっ~~~~~~』

心の中で大声出して叫びました。声を出せない壮絶な治療だったのです。

「休憩じゃ~」

ゆっくりコーヒーを飲みながら、

「彼女は看護士だったから、気になるんだ・・・・お互い頑張るんだ、ハッハハッハ・・」

と説明してくださる山元先生でした。