私の祖父、佐伯惟揚(これあき)は、背筋を常に伸ばして、颯爽(さっそう)としていました。あれが、生き方なのでしょう。私には出来ません。私は一人でいると、うつむき加減になってしまいます。
祖父は、俳人で180名の弟子を持っていました。そういう立場も姿勢を作り上げるのだと思います。また、書家でもあった祖父は、正しい姿勢から書が生まれる事を知っていたのだと思います。私が小学校3年生くらいだった頃、祖父が参観日に来てくれました。おちょうしものの私は、キョロキョロと落ち着かない様子だったそうです。舞い上がってしまい、左膝をペロペロなめていたそうです。
それ以来、長い物差しを背中に差され、正座で机に向かう練習をさせられました。また、鉛筆の持ち方、箸の持ち方もしつこく注意されました。型から入る日本の習い事は、必要な事だと、今になって感じます。
今、御茶ノ水のソーラーシテイーという高いビルの2階で、山元式新頭鍼療法(YNSA)の中級1セミナーに参加しています。講師の加藤直哉先生が、セミナーの最初にされるのが、全員起立して、両手の甲を腰に当て、スーパーマンのポーズ。
「やれる、できる、大丈夫!」
を、3回叫びます。これが型から入る自己啓蒙。祖父が示していた型の現代版だと思います。もう、すっかりスーパーマンです!